Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

厚歯用チェーンの 手入れ 予備用

2018-02-07 20:16:44 | 自転車整備 チェーン
チェーンは外装変速機を用いる多段ギアに使う薄歯用と後ろのギアが一枚の物に使う厚歯用が有ります
今回は競技用のトラックレーサーに使う厚歯用のチェーンを洗浄しオイルを注して手入れを行いました





私が保管している厚歯用のチェーンです 厚歯とは 1/2"×1/8" と表記しますが
これはチェーンのピッチと巾をインチで表しています ピッチ=12.7mm 内巾=3.3mm
と言う意味です これに対して薄歯は 1/2"×3/32" ピッチ=12.7mm 内巾=2.38mmと
巾が異なります






これは競輪場で一度使った物ですが色々な長さの物を
布に包んで保管しています






今回この中からリンク数の違う物を選んで洗浄後オイルアップをして
何時でも使える予備のチェーンとして用意しておきます
パーツクリーナーは最近これを良く使っています、ホームセンターの
オリジナル商品ですがこれが中々優れものです







チェーンチェッカーが有るので伸びをチェックしてみます
全く問題無く使えます




試合の種目や体調に依りギア比を変える事が頻繁に有りますが
選んだ歯数に依ってはチェーンの長さを調整する必要が有ります
その時の為に長さの違うチェーンを複数用意しておきます






このギアは 49×15T ギア比は 3.266 です これの倍数を変える時
この付近では 46×14T 3.285 50×15T 3.333 47×14T 3.357 
この辺りから、選ぶギアに依ってはチェーンの長さの調整が必要に
なって来ます






洗浄は外で行います 空気が良く冷えています








チェーンの方向を変えながら色々な方向からクリーナーをスプレーしています
チェーンの表面ではなくローラーリンクの中の汚れを掻き出す様に進めます




このクリーナーの良い処の一つに スプレー後から乾燥するまでに
適度な時間が有るのが良いですね






ちょっとチェーンを吊りました




チェーンの汚れを浮き上がらせた物を さらにスプレーをして
下に落としてしまいます






これで綺麗になりました ロードのチェーンの汚れ方と少し違います






エアブロワでチェーンに残ったクリーナーを飛ばし乾燥させます




パレットに残ったクリーナーは暫くここへ置いておきます




洗浄が終わったチェーンを整備テーブルの方へ持って来ました








洗ったチェーンは艶が無くなり触ると角が立ちパシパシしています
今回のオイルはシマノの PTFE LUBE を使います 名前の通り
フッ素系のオイルです






パレットの上での作業なので 1駒づつローラー内とインナーリンクと
アウタープレートの接触部にオイルが浸透する様に注油していきます








注油後は指を使いチェーンの表面にもオイルを塗布します




before and after



艶と共にしっとりとした良い感じに出来ています




洗浄とオイルアップが完了しました






ビニール袋に入れて保管します 以前に用意していた物と合せ
92 リンク から 2リンク(1駒)ずつ 98 リンクまで用意しました
これと半駒を使えば大方のギア比に対応出来るでしょう






洗浄後のパレットをそのままにしていましたが クリーナーもほぼ
蒸発しています 残った物を指先に取り感触を確かめます
ロード用チェーンの洗浄後は手にクレンザーの様なザラツキを
感じますが 今回はそれが全く有りません 走る環境でもチェーンの
汚れ方に違いが有るのですね






私自身はもうギア倍数をそれ程変更する事は有りませんが
昨年競技場で選手のサポートをしていた時、チェーンが短くて
切り落した駒を繋いだ事が有りました 
それも一つの方法ですが、時間が迫っている時には出来ません 
今回のチェーンを用意しておけばそんな時にも役立つでしょう





とても気持ちの良い手応えです 自転車の走行感に大きな影響を与えるチェーン
どんな部品の整備より大切だと思います チェーンの整備には時間を掛けても惜しくは有りません

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ミッシングリンクの 歪み

2018-02-05 20:34:37 | 自転車整備 チェーン
自転車のチェーンの繋ぎに使うコネクトリンクの一種 Missing Link ミッシングリンク
これの未使用の新しい物に歪みを感じる物が有ります 少し見てみましょう





KMC と言うチェーン関係のメーカーが出している Missing Link です
最近のロードバイクでは多くの人がお使いかと思います これの新品の物に
歪みを感じる事が有ります それを少し見て頂きましょう






まずこれは先日開封した正常な物です これは在庫として
買い置きしていた物ですがこの 2個入りパッケージの物は
今は無い様ですね





これは先程の正常な物で全く何処にも歪みを感じず、全てが平面で不安は有りません






そしてこれが開封して手に取った瞬間に歪みを感じた物です
一度チェーンに取り付けましたが不安が有ったので結局
使いませんでした






これも一見問題が無い様に見えますが パッケージから出した時に金属の角に
制造時の物と思われるバリが有ったのでヤスリを掛けてバリ取りをしています





その歪みとは まずピンの装着部ですが、ピンを底にその周りが盛り上がりお椀の様になっています





ピンの反対側の穴の開いている部分が外に反っているのを感じます 結局これは使っていないので
使う事に依ってトラブルが発生したかは分りませんが 使うのは控えた方が無難だとは感じました
これは以前にも ミッシングリンクの不具合 と言うタイトルで記事にしていますがそれと同じ物です






こちらは脱着を繰り返し装着感が悪くなった物です
これもどの様な状態なのかついでに見てみましょう





ミッシングリンクは大きな穴の方から小さな穴へとピンを移動しますが 脱着を繰り返すと
その時に感じる手応えが無くなって来ます その様な物はこの赤丸の所に有る突起(膨らみ)が
痩せて角も丸くなっています
こうなると装着する時に工具など必要無く 変速機のテンションスプリングの力でピンが移動します





こちらは脱着が一度だけの物ですが その膨らみの角も立ち 形もはっきりしています
この辺りがミッシングリンクの交換時期を判断する目安ですね




これは最近のパッケージです 2個入りの物が無くなり
6個が 1セットの台紙になっています それをこの様に
1個で販売してもらいました





工業製品なので検査の目を潜り抜けて不具合の有る物が出荷される事も有るかと思います
ただそれをそのまま使ってしまうと出先でのトラブルに繋がる事も有ります そうならない様に
自身が神経質な位に構えないといけません 特に走行不能になる整備は避けたいですね

関連記事 【 ミッシングリンクの 交換時期とその方法 】

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ミッシングリンクの 交換時期とその方法

2018-02-02 20:20:09 | 自転車整備 チェーン
最近のロードバイクなどのチェーンの繋ぎに良く使われるコネクトリンクの一つミッシングリンクですが
これを新しい物に交換します また何回使えるのかと良く言われますがそれにも少し触れてみます





私のロードレーサーには 10速のシマノ用を使っています Missing Link とはチェーンのメーカー
KMC が出している商品名です シマノの純正は クイックリンクと呼びます 他社にも類似した物が有り
それらを総称してコネクトリンク或いはマスターリンクと呼んでいます






このミッシングリンクの脱着は何回まで行えるかと良く話題になりますが 
パッケージには 3~5 回と書かれています これについては概ねその程度だと思います




私のチェーンは手入れをし絶えず良い状態にしています 新品から 1870km 程度の走行距離で
チェーンに大きく負担が掛る様な乗り方はしていません しかし先日からコネクトリンクの脱着工具の
試用を何度か繰り返していると この様にプレートが開いて来ました、加えて装着時の手応えが殆んど有りません

当然使用状況でも交換時期は変ると思いますが、それ以上に脱着を繰り返す事でピンを銜える部分に
僅かな突起(膨らみ)が有りますが それが痩せて装着感の手応えも無くなりこの様な状態になるのだと感じます

いずれにしろ目視では今回の様なプレートの隙間、脱着時にピンが収まる時に感じる手応えそれが無くなると
ミッシングリンクの交換時期ですね




ミッシングリンクのピン装着部のわずかな突起(膨らみ)
脱着を繰り返すとこれが痩せて来ます






では新しいミッシングリンクに交換します チェーンはインナートップに
掛けておきます チェーンのテンションが低く仕事がやり易いです






ミッシングリンクの交換はチェーンステーの下で行います
これに決まりは無いので自分のやり易い所で構いません






マスターリンクプライヤーをセットしハンドルを握ります
リンクのピンが引き寄せられました








これでミッシングリンクを外す事が出来ます






チェーンが切れたので新しいミッシングリンクを用意します







新しいミッシングリンクは使う前に良く観察して下さい
まれに歪んでいる物が有ります その様な物はトラブルの
原因になります 使わない方が賢明です








チェーンフィキサーとかチェーンフッカーと呼ばれる道具です
これが無くても出来ますが有れば両手が自由に使えます






ミッシングリンクの装着部は異物を挟まない様に
綺麗に拭き取ります これは切ったチェーンの後ろ側です






そこへチェーンの裏側からミッシングリンクのピンを
差し込みます






前側も同じ様に進めて行きます






こちらはミッシングリンクのピンはチェーンの表側から
差し込みます






ここで両方のピンをミッシングリンクのプレートに差し込みます






工具をセットします これでハンドルを拡げるとミッシングリンクの
ピンが固定位置に移動します
これは誰でも出来る作業ですがミッシングリンクに与えるダメージが
少ない方法も有り ここは繋ぎ方で技術の差が出る部分でも有ります






ミッシングリンクのプレートを指で挟み付けます








プレートを強く指で挟んだまま工具を開きます
これでミッシングリンクの取り付けが出来ました
※ プレートを強く挟み付けながら工具を使うこれは大切な事です
  外す時も同様に行います




工具を外し繋ぎ部分の動き方をチェックします






ミッシングリンクにオイルを注しておきます
SPIN スピンのオイルです








チェーンフッカーを外しました






交換前の様にプレートは開いていません






変速をして不具合が無いかチェックします




変速も問題無く行えます




ここで方向の事

コネクトリンクの装着方向はシマノの様に部品に矢印が刻まれている物は
それに従えば結構ですが ミッシングリンクの装着方向はパッケージの裏に
作業手順が書かれています、しかしこれではチェーンステーの上下どちらでの
作業か解らず それに依って装着方向が変ります



 


これに付いて以前トラブルが少ないであろう方向の検証をしています
装着方向はチェーンステーの上でこの方向になるのが良いと思います 
その時の考察記事も良ければご覧下さい

過去記事、今でも多くのアクセスが有ります 【 ミッシングリンクの 取付け方向 】 





ミッシングリンクを使う以上便利な反面トラブルになる可能性は有ります
脱着を繰り返し甘くなった物はチェーンにテンションが掛っていない時に
チェーンが暴れたり幾つかの条件が揃うと必ず外れます そう言う事を
防ぐ為にも絶えず異常がないかの気配りは必要ですね

関連記事 【 ミッシングリンクの 歪み 】

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