本日8月1日から、毎日、一条ずつ憲法の解説をします。
2013年、2014年と同じ企画を行いました。加筆など加えることができればと思います。
自民党改憲草案(日本国憲法改正草案 平成24年4月27日http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf )と比較し、今後争点となる、改憲の必要性について考察していければと考えます。
第一章天皇 一条
*現行憲法
(天皇の地位と国民主権)
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
*自民党改憲草案
(天皇)
第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。
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自民党改憲案では、いきなり、「元首」の登場です。
元首としたことの、自民党による説明は、以下。
「Q4 「日本国憲法改正草案」では、天皇を「元首」と明記していますが、これについてどのような議論があったのですか?
答:
憲法改正草案では、1 条で、天皇が元首であることを明記しました。
元首とは、英語では Head of State であり、国の第一人者を意味します。明 治憲法には、天皇が元首であるとの規定が存在していました。また、外交儀礼上でも、天皇は元首として扱われています。
したがって、我が国において、天皇が元首であることは紛れもない事実ですが、それ をあえて規定するかどうかという点で、議論がありました。
自民党内の議論では、元首として規定することの賛成論が大多数でした。反対論とし ては、世俗の地位である「元首」をあえて規定することにより、かえって天皇の地位を 軽んずることになるといった意見がありました。反対論にも採るべきものがありました が、多数の意見を採用して、天皇を元首と規定することとしました。」
(自民党 日本国憲法改正草案 Q&A 7ページhttp://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf)
自民党内の議論が足りていないと、私は、思います。
現行憲法で、「象徴」という言葉を選んだのは、「「象徴」とは、法的に特定的な意味を持たない言葉であり、憲法制定時の議論からは、国民が天皇の権力性を「必要以上に」考えるおそれがないよう、あえてそのような言葉が選択された」(貴族院帝国憲法憲法改正案特別委員会9・11国務大臣・金森徳次郎)ことがうかがわれます。
憲法学者芦部信喜先生も、「わが国では、元首という概念自体が何らかの実質的な権限を含むものと一般的に考えられてきたので、天皇を元首と解すると、認証ないし接受の意味が実質化し、拡大するおそれがあるところに、問題がある。」(『憲法』5版 岩波書店 48ページ)と指摘されています。
認証:一定の行為が正規の手続で成立したことを公に証明する行為
接受:接見する事実上の行為
自民党改憲案では、「象徴」という言葉を「元首」に変えて、なんらかの実質的な意味を天皇に与えて行こうとする意図があるのではないかと考えます。
すなわち、明治憲法における天皇は、「統治権の総覧者であって、国家のすべての作用を統括する権限を有するとされた」(『憲法』5版 岩波書店 45ページ)わけですが、形式的・儀礼的な権能としての現在の象徴天皇制としての有り様から、明治憲法下の体制に時代を巻き戻したい意図でもあるのでしょうか?
もし、自民党に、そのような意図や、象徴天皇制を否定する意図があるなら、その必要性までわかりやすく、国民に説明すべきと考えます。
以上
都知事選、私の理想とした形ではありませんでしたが、ある意味、都民の勝利であったと思います。
小池氏には、都民との約束、東京都の改革を、都民のためにどうか敢行いただきたく考えます。
鳥越氏には、いつか、選対のかたにお伺いしたいのですが、なぜ、週刊文春などの記事を、選挙妨害が明らかなのであるから、本気で勝ちに行くのであれば、なぜ、事前差止めしなかったのか、教えていただければと思うところです。
いずれにしろ、これからが、都民にとって、選挙以上に大事です。
政策が十分に議論されなかったというところですが、だからこそ、政策のチェックをこれからも、していく必要性があると考えます。
選挙が終わったから、あとは、政治まかせとするのでは、舛添知事の過ちを繰り返すことになるでしょう。
以下は、当選報道でNHKが述べていた東京都の課題。中央区の課題でもあります。