「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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起草委員会を密室で開催することは、この先20年間を縛る中央区基本構想策定における手続上の重大な誤り。

2016-08-25 09:24:52 | 中央区 新基本構想
 中央区は現在、中央区の憲法たる『中央区基本構想』を策定中です。
 企画部企画財政課を中心に、区の職員の皆様には、策定作業に向けての事務管理の多大な作業を、日々、たいへんお疲れ様でございます。

 大事な規定を作成しているところで、この『中央区基本構想』に、今後20年間、中央区政は縛られることになります。

 重要であればこそ、その策定手続きに、少しの誤りがあっても許されません。
 

 その策定手続きにおいて、昨日の会合で、やや不安な点が、見えたため、重大な瑕疵にならぬよう問題提起をさせていただきます。

 
 昨日8月24日(水)の第三回審議会において、起草委員会が設置されることになりました。

 その法的根拠がないのではと、審議会委員の一人から指摘がなされましたが、十分な回答が、事務局からなされず、会長からも、法的根拠を明らかにするように苦言が出されました。

 法的根拠が不明確な起草委員会を、今後、公正中立な運営を担保するためには、公開でなされる必要があると考えるところです。

 昨日、当然に公開であると問い合わせると、非公開との回答を区の職員からいただき、審議会終了後に開催された第1回起草委員会を傍聴することを断られました。

 

 公開にすることで、委員が学識経験者で構成される起草委員会に、副区長ら区の関係者も参加するという状況において、区の意向が恣意的に強く反映されたものとならないことを区民がチェックすることが可能になります。

 昨日の審議会で、ある委員から「専門部会での内容が、それぞれにその担当する分野の専門部会だけでなく、他の専門部会と関連する内容があり、それら関連する内容を専門部会を超えて議論する場として、ある意味、“横串”をさすということで、起草委員会の重要な役割がある」という趣旨の意見が出され、起草委員会での審議も専門部会と同様の重要な審議がなされることが確認されました。
 起草委員会で各委員がどのようなないようの発言をされ、それが、基本構想にどのように反映されていくかを区民に明らかにするためにも、公開が求められると考えます。

 
 起草委員会が、公開で開催されることを、強く要望致します。


*************************
○中央区基本構想審議会条例

平成二十七年十月十九日

条例第三十六号

中央区基本構想審議会条例

(設置)

第一条 中央区(以下「区」という。)における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想(以下「基本構想」という。)を策定するため、区長の附属機関として、中央区基本構想審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(所掌事務)

第二条 審議会は、区長の諮問に応じ、基本構想の策定に関し必要な事項を調査審議し、答申する。

(組織)

第三条 審議会は、次に掲げる者のうちから区長が委嘱し、又は任命する四十人以内の委員をもって組織する。

一 学識経験を有する者

二 区議会議員

三 区民又は区の区域内の公共的団体の構成員

四 区の職員

(委員の任期)

第四条 委員の任期は、第二条の規定による答申の日までとする。

(会長及びその職務)

第五条 審議会に会長を置き、委員の互選によってこれを定める。

2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

3 会長に事故があるときは、あらかじめ会長の指名する委員が、その職務を代理する。

(招集)

第六条 審議会は、会長が招集する。

(定足数及び表決)

第七条 審議会は、委員の半数以上が出席しなければ、会議を開くことができない。

2 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

(関係者の出席等)

第八条 審議会は、必要があると認めるときは、学識経験を有する者、関係行政機関の職員その他の関係者の出席を求めて、その意見又は説明を聴くことができる。

(専門員)

第九条 審議会に、専門員を置くことができる。

2 専門員は、学識経験を有する者のうちから区長が委嘱する。

3 専門員は、会長の命を受けて専門事項を調査する。

4 専門員の任期は、前項の規定による専門事項の調査が終了した日までとする。

(専門部会)

第十条 審議会は、その所掌事務を分掌させるため、専門部会(以下「部会」という。)を置くことができる。

2 部会は、会長が指名する委員をもって組織する。

3 部会に部会長を置き、会長が指名する委員をもって充てる。

4 部会長は、部会の事務を掌理し、部会における調査審議の経過及び結果を審議会に報告する。

5 前各項に定めるもののほか、部会の運営に関し必要な事項は、部会長が定める。

(幹事)

第十一条 審議会に幹事を置き、区の職員のうちから区長が任命する。

2 幹事は、会長の命を受けて審議会の調査審議を補佐する。

(委員の報酬)

第十二条 委員(区の職員である者を除く。以下同じ。)には、別表に定める額の報酬を支給する。

2 報酬は、月の初日からその月の末日までの間における勤務日数により計算した総額を、翌月十日までに支給する。

(委員の費用弁償)

第十三条 委員が職務のため旅行したときは、順路により、その費用を弁償する。

2 費用弁償の種類は、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、旅行雑費、宿泊料及び食卓料の七種とし、その額は、別表に定めるところによる。

3 前二項の規定にかかわらず、委員が職務のため特別区の存する区域内を旅行したときは、費用弁償として一日につき二千五百円を支給する。

第十四条 委員が招集に応じて会議に出席したときは、費用弁償として一日につき二千五百円を支給する。ただし、当該日について前条の規定による費用弁償を受けるときは、この限りでない。

2 前項の規定にかかわらず、特別の事情がある場合の費用弁償は、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃及び宿泊料の五種とし、その額は、別表に定めるところによる。

(関係者の費用弁償)

第十五条 第八条の規定により審議会に出席した者に対しては、その費用を弁償する。ただし、区の常勤の職員である者がその職務に関連して審議会に出席したときは、この限りでない。

2 費用弁償の種類は、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、旅行雑費、宿泊料及び食卓料の七種とし、その額は、中央区職員の旅費に関する条例(昭和二十七年二月中央区条例第三号)に規定する額とする。

(支給方法)

第十六条 費用弁償の支給方法は、区職員の例による。

(委任)

第十七条 この条例に定めるもののほか、審議会に関し必要な事項は、区規則で定める。

附 則

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 この条例は、第二条の規定による答申の日限り、その効力を失う。

別表(第十二条―第十四条関係)


区分
報酬の額
費用弁償の額

会長
日額 二三、○○○円
中央区長等の給料等に関する条例(昭和四十八年十二月中央区条例第二十七号)に規定する副区長相当額



○中央区基本構想審議会条例施行規則

平成二十七年十月十九日

規則第五十二号

中央区基本構想審議会条例施行規則

(趣旨)

第一条 この規則は、中央区基本構想審議会条例(平成二十七年十月中央区条例第三十六号。以下「条例」という。)第十七条の規定に基づき、中央区基本構想審議会(以下「審議会」という。)に関し必要な事項を定めるものとする。

(委員の公募等)

第二条 区長は、条例第三条第三号に掲げる区民のうちから委嘱する委員を公募し、選考することができる。

(招集の通知)

第三条 会長は、審議会を招集しようとするときは、日時、場所、議題その他必要な事項を開催の日前五日までに委員に通知しなければならない。ただし、緊急を要する場合は、この限りでない。

(欠席の申出)

第四条 委員は、審議会に出席できないときは、あらかじめ、その旨を会長に申し出なければならない。

(会議の公開)

第五条 審議会の会議は、公開とする。ただし、会長が適当でないと認めるときは、この限りでない

2 会長は、傍聴人の数を制限することができる。

(会議録)

第六条 会長は、次に掲げる事項を記載した会議録を作成し、保存するものとする。

一 開催年月日

二 出席者の氏名

三 提出資料の件名

四 議事の概要

五 審議の経過

(庶務)

第七条 審議会の庶務は、企画部企画財政課において処理する。

(委任)

第八条 この規則に定めるもののほか、審議会に関し必要な事項は、区長が定める。

附 則

1 この規則は、公布の日から施行する。

2 この規則は、条例第二条の規定による答申の日限り、その効力を失う。
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日本国憲法25条(生存権)と自民党案、25条の2,3,4の新設⇒それら、まずは、法律で対応可能では?

2016-08-25 09:00:00 | 日本国憲法

 日本国憲法25条。
 
 本日25条、おそらく、「生存権」という名と共に、社会科でも何度も出てきて、最も親しみの持てる条項ではないでしょうか。

 その分、とても重要な条項です。

 25条から、26、27、28と社会権が保障されています。


 社会権とはなにか、憲法学者の故芦部先生の解説を読みます。


 「日本国憲法は、生存権(25条)、教育を受ける権利(26条)、勤労の権利(27条)、労働基本権(28条)という社会権を保障している。社会権は、20世紀になって、社会国家(福祉国家)の理念に基づき、とくに社会的・経済的弱者を保護し実質的平等を実現するために保障されるに至った人権である。その内容は、国民が人間に値する生活を営むことを保障するものであり、法的にみると、それは国に対して一定の行為を要求する権利(作為請求権)である。この点で、国の介入の排除を目的とする権利(不作為請求権)である自由権とは性質をことにする。もっとも、社会権にも自由権的側面がある。

 社会権が保障されたことにより、国は社会国家として国民の社会権の実現に努力すべき義務を負う。たとえば、憲法25条2項が、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定するのは、その趣旨である。」

(『憲法第5版』岩波書店 258頁)



******************************
日本国憲法
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。



自民党案
(生存権等)
第二十五条 全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、国民生活のあらゆる側面において、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


(環境保全の責務)
第二十五条の二 国は、国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるようにその保全に努めなければならない。〔新設〕


(在外国民の保護)
第二十五条の三 国は、国外において緊急事態が生じたときは、在外国民の保護に努めなければならない。〔新設〕

(犯罪被害者等への配慮)
第二十五条の四 国は、犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇に配慮しなければならない。〔新設〕
***************************************


 自民党案は、日本国憲法とほぼ同じといえるでしょうか。
 憲法「すべての生活部面」が自民案「国民生活のあらゆる側面」となっています。
 これも同じとみてよいでしょうか。
 内容が狭まっていなければよいと思います。

 あと、自民党案では、25条の2、25条の3、25条の4が新設されています。

 これら新設された内容は、方向性としてはよいと思います。
 文面は、検討の余地が多分にあり。自民案は、すべて文言が弱すぎる。そのような文面で、本当に国は、それら新たな人権を守る気があるのかと思いたくなります。
 例えば、自民党案25条の4「犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇に配慮」ではなく、犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇を「保障する」レベルまでの表現はほしいと思います。


 まずは、自民案に頼るのではなく、これら条文の文面をよく練り、適正手続きのもと、憲法に入れていくべきか、法律の規定を充実させることで済むのか、議論を深めることこそが求められていると思います
 一番やってはならないことは、これら条文に飛びついて、自民党案の負の部分に目をつぶってしまうことです

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