晴天の霹靂だったわけですが、当院も立ち退きの敷地に含まれる「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」が進行中です。
平成29年4月27日の説明会を受け、具体的な計画案の図面を手にし生じた疑問を、質問状の形で、翌4月28日に、以下の内容の「月島三丁目南地区市街地再開発準備組合」に提出を致しました。
まだまだ、疑問は生じるところですが、同準備組合が説明責任を果たされることに期待を致します。
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月島三丁目南地区市街地再開発準備組合 御中
私は、施行区域内で、小児科診療及び東京都認定病児保育事業(病児保育利用者は区外利用を含め、月のべ約150名、年約1800名の規模)を行い、かつ、隣の飯島ビル一階で開設されている「みんなの子育て広場あすなろの木」を支援しております。
月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業について、平成29年4月27日の説明会を受け、不明な点をご質問させていただきます。
次回5月7日説明会の当日までに、文書にてご回答いただけますようによろしくお願いいたします。
質問1:都市再開発法3条施行区域4要件の該当性について
4月27日の説明会では、4要件の説明が具体性を欠き、はっきりしない部分がございました。
1号から4号のそれぞれの要件が満たされていることを具体的にご説明願います。
特に、1号では、中央区が該当区域の住民に丁寧な事前説明をすることなく「高度利用地区」の指定をかけるとは思われないため(中央区まちづくり基本条例4条3項参照)、中央区とどのような約束になっているのかお示しください。
2号の耐火要件については、耐火造率は36%と認識をしているところですが、建設面積や敷地面積のデータも入れて具体的な積算根拠をお示し下さい。
3号では、土地利用の状況が著しく不健全である場所や理由を具体的にご指摘ください。
4号では、現状においても、当該地区は、都市機能に不便さが目立たず、また、新しい建物もいくつか存在しています。都市機能の更新は、どの点でなされ、現状と比較し、どれだけ向上するのか、教えて下さい。
質問2:保留床が売却できない事態について
4月27日の説明会では、平成36年竣工後、約10年で中央区の人口が減少に転ずることや、同時期の平成35年から竣工を始める晴海地区選手村跡地を含め月島地区は、最大で13地区の大型再開発ラッシュが生じる状況であって、保留床が計画通りに処分できなくなる可能性もあるのではないかと質問をしました。
ご回答は、「先のことなので予測ができないが、事業の計画段階で工夫をしていく」旨の漠然としたものでした。
事業協力者には、三井不動産レジデンシャル(株)や野村不動産(株)も入られていることなので、それら二社の協力を得ながら、平成36年竣工時期前後の新築マンションやビル賃料の市況の分析をお示し下さい。
また、晴海選手村跡地の住宅転用等同時期に竣工される再開発事業に対し、本事業の優位性をどのように示すのか、その対抗策の考え方もお示し下さい。
質問3:住民への説明責任について
この計画について、立ち退きが迫られる住民が多数出るにも係らず、本日まで月島三丁目南地区市街地再開発準備組合の方からご説明をいただけておりません。影響を受ける周辺のかたや、施行区域内のすべての住民ひとりひとりへの丁寧な説明をお願いしたく考えますが、いつごろいただけるのでしょうか。
また、地権者にニュースレターが配布されているということですが、計画の進捗状況について説明責任を果たしていくべく、施行区域内の地権者以外の住民や周辺地域の住民へも、ニュースレターの配布をしていただけるのかどうかご回答ください。
合わせて、日影や風害のシミュレーション結果も書面で配布し、説明責任を果たすべきと考えます。配布をすると誤解が生じるとご回答されておりましたが、その誤解を解く作業こそ、住民の合意形成の第一歩と考えます。書面配布について再考いただけるかどうかご回答ください。
質問4:同意率について
4月27日の説明会では、同意率は、9割と説明をされていましたが、現在8割弱ではないでしょうか。
すなわち、土地所有者では、権利者92のうち加入者72の78.3%であり、借地権者11のうち加入者9の81.8%。合計では、権利者103のうち加入者81の78.6%。
もし、8割弱が正しいのであれば、なぜ、このような大事な数字を間違えたのか、ご説明をお願いします。説明している本人が間違えたとしても、他の者が気がついて当然の大事な数字ではないでしょうか。
同意率9割が間違いであった場合の4月27日の説明会出席者への訂正方法についても、教えて下さい。
当方は、データを持ちうる側ではないため、誤りであった場合は、ご容赦願います。
質問5:事業協力者について
事業協力者の月島三丁目南地区市街地再開発準備組合での役割を教えて下さい。
月島三丁目南地区市街地再開発準備組合の作成した計画を実行するに当たり、入札をかけて建設工事等の事業者を決定していくべきものであると思いますが、事業協力者は、自動的に建設工事等の事業者になっていく存在であるのか、工事入札との関係性も明らかにしてください。
質問6:他の手法で施行区域の課題解決ができるかどうかの検討経過について
施行区域では、すでに、にぎわいや、豊かなコミュニティができており、大規模再開発に頼らずに月島の長屋の生活景を残しながらのリノベーションをすることで、防災性の向上などの課題の解決は十分可能であると考えます。
第一種市街地再開発以外の手法での当該地区の防災面などの課題解決を考えられたことがあるのかどうか、その有無をお知らせ下さい。
質問7:中央区議会における手続き上の重大な瑕疵について
この事業に係る予算特別委員会において、事業の内容を説明する資料が議会に提出されないという重大な瑕疵がありました。予算執行ができない可能性もあります。
この件について、中央区からどのような説明を受けておられるか、教えて下さい。
以上
月島3丁目30-3ベルウッドビル2~4F
医療法人小坂成育会こども元気クリニック
(通称名:小坂こども元気クリニック・病児保育室)
理事長兼院長 小坂和輝
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