今日も気温は低めながら雪の降らない一日。道路は凍結で滑りやすくなっていますが雪まつり目的の観光客の皆さんには良かったのではないでしょうか。
今日は
■学生へのメッセージ です。
【学生へのメッセージ】
私の母校、北海道大学に勤める友人から「『えるむ』という学生向けのメッセージ誌があって、先輩からの一言を募集しているのだけれど、書いてくれないかな」という依頼があったのは年末のことでした。
「締め切りはいつ?」と訊くと
「年明けの1月9日くらいまでにお願いしたいのだけど」とのこと。
その頃はちょうど中国出張の日程と重なる時期だったので、正月を利用して早めに原稿を仕上げて提出したのですが、それができあがって今日担当者から郵送で送られてきました。
タイトルは「開拓者の精神で先輩を乗り越えよ」としました。折角書いた文章なので忘れないようにここに掲載しておきたいと思います。どうぞご笑覧ください。
【開拓者の精神で先輩を乗り越えよ】
みなさんこんにちは。私は昭和57(1983)年に農学部農学科(現在は生物資源科学科)を卒業した小松正明と申します。卒業してからもう24年が経ちますが、今さらながら北大卒業生ということの恩恵を感じています。
『社会を良くする使命感に燃えて』
私は農学科で造園学を学んだことから、緑を通じた環境問題で社会に貢献したいと考えました。職業としては国家公務員を選択し、「造園職」という人数の少ない職種で旧北海道開発庁に採用となりました。旧建設省との間で転勤を重ね東京、茨城県、長野県などで一貫して都市公園整備に携わってきました。
国の各省庁では縦割り行政という批判に答える意味でも様々な交流人事を進めており、外務省職員として海外へ行く人もあれば、最近では他省庁を経験することも非常に多くなりました。そんななか私自身は地方都市からの要請に応える形で静岡県掛川市へ赴き、助役として三年間地方自治行政に携わることが出来ました。
掛川市といえば、現在NHK大河ドラマとして放映されている「功名が辻」に登場する山内一豊公ゆかりの都市であり、まちづくりに力のある市長さんと仕事をしつつ多くの市民とふれあって楽しいひとときでした。
国家公務員を目指したのは、もともと公共施設を整備することで今の社会をより良くして子孫に渡すことを使命としたいと思っていたからです。そして自分たちの事業が市民、国民にどのように受け止められているのかを感じるためにも、多くの地方や日本の現状をつぶさに見て目を肥やすことが必要です。私はこれまで立場上多くの立派な方達にお会いして話を聞く機会を得ることができましたが、そう言う意味でも国家公務員としての立場をありがたく感じています。
最近は国の財政状況の悪化に伴って公共事業そのものは縮小する傾向にあります。我々は残された余裕の間にどれだけの社会資本をストックしておけるのか、そしてそれを利用する国民との間にいかにして共感してもらえる関係をつくりあげることができるのかということが大きな課題になってきています。
そこには書物を相手にして研究のような成果を残すこととはまた違った能力が必要で、それは常に変化する社会に対して時代を先読みして適応するという総合的な人間力が求められているのです。
『北大人の誇りと責任を自覚すると言うこと』
北大生としては、そのような人材を社会に供給する地域ナンバーワンの大学としての誇りと自分自身がそうあらねばいけないのだという覚悟を持ち続けて欲しいと思います。合格したあなたの後ろにはもしかしたらあなた以上に頑張りたかった人、あなた以上に本学で学びたかった人がいたかも知れないのです。それらの人達を押しのけて今あなた自身が恵まれた環境の中で優れた恩師や先輩のネットワーク資源に囲まれながら学べるのは、社会があなた自身の可能性に対して大きな期待を寄せているからだ、ということをどうか忘れないで下さい。
また建学の精神であるBoys, be ambitious!を胸に、活躍のフィールドは日本全国はもちろん、広く世界までも見つめる広い視野を持って欲しいと思います。
『常に新しいことにチャレンジする開拓者精神を』
現代社会の進展は北海道から未開の地を失わせましたがまだ多くの学問領域や未来に向けた制度設計に、そして高度成長に慣れた現代人の心の中に開拓の余地を残しています。我々は常に開拓者として新しい分野での先駆者として、他の人がやっていないことにチャレンジし続け諸先輩を乗り越えていって欲しいものです。そしてそれこそが北大人を貫く伝統なのだと信じています。
がんばれ北大生!
* * * *
ちょっと気負ったかなあ。でもこれは我々の後に続く世代全員へのメッセージでもあるつもりです。
がんばれ後輩たち!
今日は
■学生へのメッセージ です。
【学生へのメッセージ】
私の母校、北海道大学に勤める友人から「『えるむ』という学生向けのメッセージ誌があって、先輩からの一言を募集しているのだけれど、書いてくれないかな」という依頼があったのは年末のことでした。
「締め切りはいつ?」と訊くと
「年明けの1月9日くらいまでにお願いしたいのだけど」とのこと。
その頃はちょうど中国出張の日程と重なる時期だったので、正月を利用して早めに原稿を仕上げて提出したのですが、それができあがって今日担当者から郵送で送られてきました。
タイトルは「開拓者の精神で先輩を乗り越えよ」としました。折角書いた文章なので忘れないようにここに掲載しておきたいと思います。どうぞご笑覧ください。
【開拓者の精神で先輩を乗り越えよ】
みなさんこんにちは。私は昭和57(1983)年に農学部農学科(現在は生物資源科学科)を卒業した小松正明と申します。卒業してからもう24年が経ちますが、今さらながら北大卒業生ということの恩恵を感じています。
『社会を良くする使命感に燃えて』
私は農学科で造園学を学んだことから、緑を通じた環境問題で社会に貢献したいと考えました。職業としては国家公務員を選択し、「造園職」という人数の少ない職種で旧北海道開発庁に採用となりました。旧建設省との間で転勤を重ね東京、茨城県、長野県などで一貫して都市公園整備に携わってきました。
国の各省庁では縦割り行政という批判に答える意味でも様々な交流人事を進めており、外務省職員として海外へ行く人もあれば、最近では他省庁を経験することも非常に多くなりました。そんななか私自身は地方都市からの要請に応える形で静岡県掛川市へ赴き、助役として三年間地方自治行政に携わることが出来ました。
掛川市といえば、現在NHK大河ドラマとして放映されている「功名が辻」に登場する山内一豊公ゆかりの都市であり、まちづくりに力のある市長さんと仕事をしつつ多くの市民とふれあって楽しいひとときでした。
国家公務員を目指したのは、もともと公共施設を整備することで今の社会をより良くして子孫に渡すことを使命としたいと思っていたからです。そして自分たちの事業が市民、国民にどのように受け止められているのかを感じるためにも、多くの地方や日本の現状をつぶさに見て目を肥やすことが必要です。私はこれまで立場上多くの立派な方達にお会いして話を聞く機会を得ることができましたが、そう言う意味でも国家公務員としての立場をありがたく感じています。
最近は国の財政状況の悪化に伴って公共事業そのものは縮小する傾向にあります。我々は残された余裕の間にどれだけの社会資本をストックしておけるのか、そしてそれを利用する国民との間にいかにして共感してもらえる関係をつくりあげることができるのかということが大きな課題になってきています。
そこには書物を相手にして研究のような成果を残すこととはまた違った能力が必要で、それは常に変化する社会に対して時代を先読みして適応するという総合的な人間力が求められているのです。
『北大人の誇りと責任を自覚すると言うこと』
北大生としては、そのような人材を社会に供給する地域ナンバーワンの大学としての誇りと自分自身がそうあらねばいけないのだという覚悟を持ち続けて欲しいと思います。合格したあなたの後ろにはもしかしたらあなた以上に頑張りたかった人、あなた以上に本学で学びたかった人がいたかも知れないのです。それらの人達を押しのけて今あなた自身が恵まれた環境の中で優れた恩師や先輩のネットワーク資源に囲まれながら学べるのは、社会があなた自身の可能性に対して大きな期待を寄せているからだ、ということをどうか忘れないで下さい。
また建学の精神であるBoys, be ambitious!を胸に、活躍のフィールドは日本全国はもちろん、広く世界までも見つめる広い視野を持って欲しいと思います。
『常に新しいことにチャレンジする開拓者精神を』
現代社会の進展は北海道から未開の地を失わせましたがまだ多くの学問領域や未来に向けた制度設計に、そして高度成長に慣れた現代人の心の中に開拓の余地を残しています。我々は常に開拓者として新しい分野での先駆者として、他の人がやっていないことにチャレンジし続け諸先輩を乗り越えていって欲しいものです。そしてそれこそが北大人を貫く伝統なのだと信じています。
がんばれ北大生!
* * * *
ちょっと気負ったかなあ。でもこれは我々の後に続く世代全員へのメッセージでもあるつもりです。
がんばれ後輩たち!