今日の二話目はゆきみらいシンポジウムです。
【ゆきみらいシンポジウム】
午後1時から上越市内のホテルで始まった「利雪・克雪シンポジウム」では、基調講演として小千谷の関広一市長から「中越地震~私たちが問われたのは何か~」という題で基調講演が行われた。
一昨年秋に長岡市周辺を襲った中越地震では、小千谷市は全壊家屋220戸、家屋の半壊465戸、死亡者5名の被害を被ったという。
冒頭で「自助、公助で『自分の命は自分で守りなさい』と良く言っていたのですが、自分が助かって余裕があるのなら地域を助けるということも考えて下さい。市内では地震の時に干し柿を剥いていた男の人が思わず家から飛び出して助かったと思っていたら、家から奥さんが老いた母親を負ぶって脱出してきて、それ以来すっかり信用を落としたという笑い話がありました」と聴衆を笑わせてくれました。
しかしそこから先は地震の実態をスライドで説明してくれたのですが、橋はそのものは壊れなくとも橋と道路をつなぐ部分の橋台が陥没してやはり渡ることが不可能になってしまったといいます。どの一部が欠けても機能を果たせなくなってしまうということに、インフラ関係者は頭を巡らすべきでしょう、と語ってくれました。
また「棚田が修復されない写真を見て『予算はたくさんつけているのになかなか修復しないのはなぜか?』とお叱りの電話もいただきました。しかし国道が復旧を果たしたのが昨年末の12月でした。棚田へ行くには国道の次に県道が来て、市道、農道が修復されてやっと機械が入れるんです」という地域の説明の後、「しかも雪国では雪の降る間は工事ができないということを東京の方はおわかりにならないようです」と続くのです。
「阪神淡路大震災はやはり真冬の1月に発生しましたが、雪が降らない地方であれば復旧もある程度進んで行くに違いありません。しかし雪の降るこの地方では12月から4月の実質5ヶ月間工事ができません。秋につけていただいた予算は年度内に消化できずに明許繰り越し、しかし繰り越しした予算も翌年使えずに事故繰り越しでさらに翌年に回さないと行けないのです。そのために随分と理由を説明することになりました。予算制度はそのようなときにスムーズな運用が出来ないものか。やはり積雪地の事情は分かっていただけないのです」という悲痛な声でした。
最後に関市長は「どんなに寒い冬でも花咲く春は必ず来る、しかし小千谷の春は待っていては来ない。市民みんなの力で春を一日も早く引き寄せよう、と言っているのです。皆さんご支援をよろしくお願いします」と締めくくられました。
雪国に生活するものならば常識であることも、雪の降らない地方にとっては全く想像がつかないものです。
※ ※ ※ ※
後半はパネルディスカッションで、かつてNHKで防災関係の解説委員をしていた伊藤和明氏をコーディネーターに迎えて各界の有識者のお話を聞きました。
合併前の安塚町長矢野さんがこちらにも登場していて、「雪国の暮らしは雪下ろしと道路除雪が出来れば楽になります。だから私は町の補助で各戸に機械化を進めました。その結果安塚区ではほぼ全戸が除雪機を有しています。そうしないと暮らしていけないと思いましたが正しかったと思っています」と述べられたのが印象的だった。
雪の暮らしを卑屈に思うことはありません。しかし雪国の暮らしは、エネルギーも手間もお金も掛かる生活で、そのかわり春には豊かな水と美味しいお米が取れるのだということをもっと世の中に伝えたいものです。
雪国の声をもっともっと発信して行かなくてはなりますまい。
【ゆきみらいシンポジウム】
午後1時から上越市内のホテルで始まった「利雪・克雪シンポジウム」では、基調講演として小千谷の関広一市長から「中越地震~私たちが問われたのは何か~」という題で基調講演が行われた。
一昨年秋に長岡市周辺を襲った中越地震では、小千谷市は全壊家屋220戸、家屋の半壊465戸、死亡者5名の被害を被ったという。
冒頭で「自助、公助で『自分の命は自分で守りなさい』と良く言っていたのですが、自分が助かって余裕があるのなら地域を助けるということも考えて下さい。市内では地震の時に干し柿を剥いていた男の人が思わず家から飛び出して助かったと思っていたら、家から奥さんが老いた母親を負ぶって脱出してきて、それ以来すっかり信用を落としたという笑い話がありました」と聴衆を笑わせてくれました。
しかしそこから先は地震の実態をスライドで説明してくれたのですが、橋はそのものは壊れなくとも橋と道路をつなぐ部分の橋台が陥没してやはり渡ることが不可能になってしまったといいます。どの一部が欠けても機能を果たせなくなってしまうということに、インフラ関係者は頭を巡らすべきでしょう、と語ってくれました。
また「棚田が修復されない写真を見て『予算はたくさんつけているのになかなか修復しないのはなぜか?』とお叱りの電話もいただきました。しかし国道が復旧を果たしたのが昨年末の12月でした。棚田へ行くには国道の次に県道が来て、市道、農道が修復されてやっと機械が入れるんです」という地域の説明の後、「しかも雪国では雪の降る間は工事ができないということを東京の方はおわかりにならないようです」と続くのです。
「阪神淡路大震災はやはり真冬の1月に発生しましたが、雪が降らない地方であれば復旧もある程度進んで行くに違いありません。しかし雪の降るこの地方では12月から4月の実質5ヶ月間工事ができません。秋につけていただいた予算は年度内に消化できずに明許繰り越し、しかし繰り越しした予算も翌年使えずに事故繰り越しでさらに翌年に回さないと行けないのです。そのために随分と理由を説明することになりました。予算制度はそのようなときにスムーズな運用が出来ないものか。やはり積雪地の事情は分かっていただけないのです」という悲痛な声でした。
最後に関市長は「どんなに寒い冬でも花咲く春は必ず来る、しかし小千谷の春は待っていては来ない。市民みんなの力で春を一日も早く引き寄せよう、と言っているのです。皆さんご支援をよろしくお願いします」と締めくくられました。
雪国に生活するものならば常識であることも、雪の降らない地方にとっては全く想像がつかないものです。
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後半はパネルディスカッションで、かつてNHKで防災関係の解説委員をしていた伊藤和明氏をコーディネーターに迎えて各界の有識者のお話を聞きました。
合併前の安塚町長矢野さんがこちらにも登場していて、「雪国の暮らしは雪下ろしと道路除雪が出来れば楽になります。だから私は町の補助で各戸に機械化を進めました。その結果安塚区ではほぼ全戸が除雪機を有しています。そうしないと暮らしていけないと思いましたが正しかったと思っています」と述べられたのが印象的だった。
雪の暮らしを卑屈に思うことはありません。しかし雪国の暮らしは、エネルギーも手間もお金も掛かる生活で、そのかわり春には豊かな水と美味しいお米が取れるのだということをもっと世の中に伝えたいものです。
雪国の声をもっともっと発信して行かなくてはなりますまい。
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