今日もときおり雪がちらついたものの、総じて穏やかな一日。このまま雪まつりの間だけでも持てばよいのですが。
今日は
■歯もまちづくりも治療より予防 です。
【歯もまちづくりも治療より予防】
私は生来歯が丈夫ではなかったのですが、大学浪人中に出会った歯科医のY先生のおかげでそれ以降は歯の健康を保ちながらここまで来ています。
当時Y先生に治療していただいた歯は、もう28年もの間健康を保っているので、驚きです。先生の開業しているO歯科へは当時既に稚内から予約を取って治療に訪れる患者さんもいたくらいで、当時から先進的な歯科治療に取り組まれていたのです。
転勤で長く札幌を離れている時もありましたが、札幌にいるときには歯の面倒は必ずこちらでお世話になっています。先生の方も私のことを覚えていてくれて、歯に関しては30年になんなんとする主治医でいてくださっているのです。
昨年の夏から奥歯が痛んで治療を始めたのですが、歯の神経の治療をするかと思いきや、「これは歯の中の痛みではなくて、歯ぐきの歯周ポケットに嫌気性の細菌が潜り込んで悪さをしているんですよ」という見立て。
そこで細菌に侵された歯ぐきの一部を削って長期の治療に挑むことにしてもう半年以上も通院をしているというわけです。
ここでは最新の医療器具を使っていることもさることながら、毎回歯ぐきのケアを丁寧にしてくれて、おまけに毎回写真を撮って口の中の様子を説明してくれるのが嬉しいところです。
最近の先生の興味は、歯の様子と全身の健康ということなのだそうです。つまり歯が悪いと病気になる確率が高く、歯のない人は他の病気にもなりやすいのだそうです。
そこで最近は整体の勉強まで始めてしまったのだそうで、歯科医も歯が悪いから歯を治療すればよいという時代から、歯は全身の健康のバロメーターであり、健康への入り口という考えになってきているようです。
「北欧の国々は昔は歯が悪い人が多かったのですが、そのことに気づいて8020運動、つまり80歳で20本の歯を残すという運動を国を挙げて行って、いまでは80歳で歯の残っている平均が24本にまでなったそうですよ」
「それはすごいですね」
「もう北欧では歯科医よりも歯科衛生士の養成に力を入れていて、悪くなってから治療するよりも悪くなる前にケアをするという方向に切り替えたんですね。その結果がまさに現れているのです」
「日本でも8020運動というのは聞きますよね」
「そう、日本でもやっと歯の健康が結果として医療費の削減に繋がると言うことに気づいて始めたんですよ。でもまだ日本では60歳を過ぎると急に残っている平均本数が落ちてくるんです。それはほとんどが歯槽膿漏で歯ぐきの病気から歯を失っているんですよ。しかも歯の毒素が全身に回って悪さをするということも分かってきました」
「定期的なケアを受けに歯医者さんに来るというのが良いと言うことですか」
「そのとおりです。アメリカなどはもう歯科医がやることがなくなってしまって、歯科医は歯列矯正か白くするホワイトニングみたいなことばかりやっています。健康で働きたいビジネスマンなら2ヶ月に一度は口の中のケアを受けるというのが常識化していますよ」
「まだ日本では意識がそこまでいっていませんね」
「そう、それが問題なのです。それと全身のバランスで言うと歯の悪い人は姿勢も悪いんです。不健康な状態というのは全身のバランスに現れるんです」
「それも面白いですね」
「最近の若い人は歩くことが少なくなって、それも歯に良くないんです」
「歩くことがですか?」
「そう、整体の勉強を始めて分かったのは、椅子に座っていても足が床に着いていないとものが噛めないということです。不思議だけど、足が地について始めてしっかりとものが噛めるんです。よく子供が高い椅子で足をぶらぶらさせているでしょう。あれではしっかりとご飯は食べられないんです。自分でやってみると分かりますよ」
どうやら先生は西洋的な医学と東洋的な思想の融合を考えておられるようです。目先の問題を解決する連続という治療から、そもそも身体全体の健康という視点で歯の持つ役割を考えようというのです。
歩くことが歯によいとか、歯が悪いことが全身の病気に繋がるなどというのは一見結びつかないものですが、そう言われてみると思い当たるような気もします。
社会も同じようなもので、目先の問題や不満を解決するというやり方を取りながら、社会全体の健康を取り戻すことで問題解決を図るという治療方法も大事なのではないでしょうか。
※ ※ ※ ※
最近除雪のことを考えるたびに、昔から雪は同じように降っているのに最近の社会にとって不満が増大する一方なのはなぜなのか、ということを思うのです。
それはおそらく社会のニーズが変わってきたからで、昔は雪が降ってもきめ細かい除雪は社会が必要としていなかったのに対して、物流が高度になってきた今日、人や物の移動が安定しているということが益々重要になってきたと言うことでしょう。
そしてそのことの解決方法をずっとインフラというハードで受け止めて効率的な社会運営をするということよりも、目先のお金のかかる除排雪で凌いできたということのようにも思えるのです。
北国は雪という条件を当然としながら、昔とは違う高度な社会ニーズに対応したまちづくりをしなくてはならないのでしょう。しかしその解決策は、雪の降らない地方が発想してくれるようなことではなく、また同時に雪を当然と思っている人からも出にくいのかも知れません。
雪の降る生活と降らない生活の両方をよく知っているような、一段高い視点からの発想が必要なのかも知れません。北国はこれからもわがままではない、地に足の着いた主張とまちづくりへの努力を続けて行かなくては行けないのでしょう。
良い発想はありませんか?
今日は
■歯もまちづくりも治療より予防 です。
【歯もまちづくりも治療より予防】
私は生来歯が丈夫ではなかったのですが、大学浪人中に出会った歯科医のY先生のおかげでそれ以降は歯の健康を保ちながらここまで来ています。
当時Y先生に治療していただいた歯は、もう28年もの間健康を保っているので、驚きです。先生の開業しているO歯科へは当時既に稚内から予約を取って治療に訪れる患者さんもいたくらいで、当時から先進的な歯科治療に取り組まれていたのです。
転勤で長く札幌を離れている時もありましたが、札幌にいるときには歯の面倒は必ずこちらでお世話になっています。先生の方も私のことを覚えていてくれて、歯に関しては30年になんなんとする主治医でいてくださっているのです。
昨年の夏から奥歯が痛んで治療を始めたのですが、歯の神経の治療をするかと思いきや、「これは歯の中の痛みではなくて、歯ぐきの歯周ポケットに嫌気性の細菌が潜り込んで悪さをしているんですよ」という見立て。
そこで細菌に侵された歯ぐきの一部を削って長期の治療に挑むことにしてもう半年以上も通院をしているというわけです。
ここでは最新の医療器具を使っていることもさることながら、毎回歯ぐきのケアを丁寧にしてくれて、おまけに毎回写真を撮って口の中の様子を説明してくれるのが嬉しいところです。
最近の先生の興味は、歯の様子と全身の健康ということなのだそうです。つまり歯が悪いと病気になる確率が高く、歯のない人は他の病気にもなりやすいのだそうです。
そこで最近は整体の勉強まで始めてしまったのだそうで、歯科医も歯が悪いから歯を治療すればよいという時代から、歯は全身の健康のバロメーターであり、健康への入り口という考えになってきているようです。
「北欧の国々は昔は歯が悪い人が多かったのですが、そのことに気づいて8020運動、つまり80歳で20本の歯を残すという運動を国を挙げて行って、いまでは80歳で歯の残っている平均が24本にまでなったそうですよ」
「それはすごいですね」
「もう北欧では歯科医よりも歯科衛生士の養成に力を入れていて、悪くなってから治療するよりも悪くなる前にケアをするという方向に切り替えたんですね。その結果がまさに現れているのです」
「日本でも8020運動というのは聞きますよね」
「そう、日本でもやっと歯の健康が結果として医療費の削減に繋がると言うことに気づいて始めたんですよ。でもまだ日本では60歳を過ぎると急に残っている平均本数が落ちてくるんです。それはほとんどが歯槽膿漏で歯ぐきの病気から歯を失っているんですよ。しかも歯の毒素が全身に回って悪さをするということも分かってきました」
「定期的なケアを受けに歯医者さんに来るというのが良いと言うことですか」
「そのとおりです。アメリカなどはもう歯科医がやることがなくなってしまって、歯科医は歯列矯正か白くするホワイトニングみたいなことばかりやっています。健康で働きたいビジネスマンなら2ヶ月に一度は口の中のケアを受けるというのが常識化していますよ」
「まだ日本では意識がそこまでいっていませんね」
「そう、それが問題なのです。それと全身のバランスで言うと歯の悪い人は姿勢も悪いんです。不健康な状態というのは全身のバランスに現れるんです」
「それも面白いですね」
「最近の若い人は歩くことが少なくなって、それも歯に良くないんです」
「歩くことがですか?」
「そう、整体の勉強を始めて分かったのは、椅子に座っていても足が床に着いていないとものが噛めないということです。不思議だけど、足が地について始めてしっかりとものが噛めるんです。よく子供が高い椅子で足をぶらぶらさせているでしょう。あれではしっかりとご飯は食べられないんです。自分でやってみると分かりますよ」
どうやら先生は西洋的な医学と東洋的な思想の融合を考えておられるようです。目先の問題を解決する連続という治療から、そもそも身体全体の健康という視点で歯の持つ役割を考えようというのです。
歩くことが歯によいとか、歯が悪いことが全身の病気に繋がるなどというのは一見結びつかないものですが、そう言われてみると思い当たるような気もします。
社会も同じようなもので、目先の問題や不満を解決するというやり方を取りながら、社会全体の健康を取り戻すことで問題解決を図るという治療方法も大事なのではないでしょうか。
※ ※ ※ ※
最近除雪のことを考えるたびに、昔から雪は同じように降っているのに最近の社会にとって不満が増大する一方なのはなぜなのか、ということを思うのです。
それはおそらく社会のニーズが変わってきたからで、昔は雪が降ってもきめ細かい除雪は社会が必要としていなかったのに対して、物流が高度になってきた今日、人や物の移動が安定しているということが益々重要になってきたと言うことでしょう。
そしてそのことの解決方法をずっとインフラというハードで受け止めて効率的な社会運営をするということよりも、目先のお金のかかる除排雪で凌いできたということのようにも思えるのです。
北国は雪という条件を当然としながら、昔とは違う高度な社会ニーズに対応したまちづくりをしなくてはならないのでしょう。しかしその解決策は、雪の降らない地方が発想してくれるようなことではなく、また同時に雪を当然と思っている人からも出にくいのかも知れません。
雪の降る生活と降らない生活の両方をよく知っているような、一段高い視点からの発想が必要なのかも知れません。北国はこれからもわがままではない、地に足の着いた主張とまちづくりへの努力を続けて行かなくては行けないのでしょう。
良い発想はありませんか?