北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

雪国の生涯学習

2006-02-27 23:10:00 | Weblog
 昨日の雨の悪天候が嘘のように、今日は一転して冷え込みました。道路が不自然に丸く凍って歩きにくい季節です。

 今年は冬の前半にだらだらと毎日のように雪が降り積もったのですが、札幌雪祭りが始まる頃から、まとまった雪がほとんど降らないという日が続いています。

 前半にスタミナを使い果たしたわけでもないのでしょうが、もうそろそろ道路はアスファルトが出たところが多くなり、歩道の雪も運搬排雪でどんどん少なくなっています。

 まだまだ油断は禁物ですが、春の足音が聞こえてきているようでもあります。

 現在携わっている調査で、雪国の暮らしについて語る委員会が開かれました。そこで出された話で面白かったことをいくつか挙げてみたいと思います。

 例えば道央のある市では、「今年の大雪には悩まされました。たしかに雪も多かったのですが、夏場の公共事業の減少によってダンプの数が減ったために、運搬排雪が思うように出来ませんでした」という発言をされました。

 公共事業でも何でも、世の中は案外微妙なバランスの上に成り立っていて、一つの目的を果たそうとして、特定の分野を急激に増やしたり減らしたりする激変をすると何かが歪むものです。

 あまり根拠のない公共事業悪玉論は除いても、夏と冬にも公共事業のバランスがあるのですね。

 また今年も役場には除雪に関連して多くの苦情が寄せられたのだと言います。しかしそのことに関連してある学識経験者の先生は、「世の中の不平に対して、対話をする場所がないのだと思います。向かい合って文句は言っても、同じ方向を向いて勉強をしたり建設的な意見を出すような機会がないのです」とおっしゃいました。

 そのとおり。まちづくりは不平を黙らせることが大事なのではなくて、不平をどうやったら解決できるのかを自分のこととして考えてもらうことが大事なのです。だから対話こそが非常に重要になるのだと思います。

 重ねてその先生は「図書館には『利用者教育』という分野があるのです。ただ利用してもらうだけではなくて利用の仕方を教育するという視点です。雪に関するまちづくりにもそういう視点が持てないものでしょうか」ともおっしゃいました。

 市民に雪国での生き方を説教するようでは首長は次の選挙に落ちてしまいそうです。特定の事柄に対して、突然お説教をするのではなく、常日頃から「かくありたい市民像」を共有するような運動が必要なのでしょう。

 生涯学習などはまさにそういうことだったのでしょうけれど。雪国の暮らしに関する生涯学習も必要なようです。

 大事なことこそ普段からさりげなく始めて、続けていることが大事なのですね。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする