先週末は一泊で福岡方面へ出張でした。なかなかアップできずにすみませんでした。
さて、今回は福岡市内でわが事業の可能性のある現場を見ておくという旅。今後の事業展開を考える上では、現場をよく見ておかないと現地条件にそぐわないアドバイスや指示をしかねないので、現場を見ておくということは絶対に欠かせない大切なことなのです。
さて、関連する現場を見つつ、途中は徒歩でまち巡り。福岡は洗練されたまちというイメージがありましたが、やはりまちの変化に活気がありました。
再開発ビルのキャナルシティ博多は、外国人デザイナーによる斬新なデザインと、日本人には見慣れない洗練された色づかいで有名。今ではアジア各国からの観光客が必ず立ち寄るポイントになっているのだとか。
流行のシネコンはもちろん、劇団四季の常設劇場などもあり、都市の賑やかさを象徴しています。
前回来たのは十年前くらいだったと思いますが、やはりなかなか考えつかない空間の作り方です。福岡が洗練されたまちとして評価されるのに十分貢献しています。
そこから少し離れた博多リヴァレインというやはり新しい再開発ビルまでの間にあるのが、上川端通りという商店街。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/4f/2c2e7e6b2d2f03b0d38000f6f82be4f3.jpg)
そしてここの入り口付近にあるのが櫛田(くしだ)神社。なるほど、地域の文化を知るには神社を巡るのが一番です。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/09/5d731477bc06169f74528bb4f63c7b0f.jpg)
櫛田神社は、ゴールデンウィーク一番の人出となった博多どんたくの出発地でもあり、また夏には博多祇園山笠の神事でこれまた博多っ子の熱狂を呼ぶ霊験あらたかな神社です。
実は私は知らなかったのですが、博多どんたくというお祭りは正しくはこの櫛田神社の祭礼ではないのだそう。
もともとは『博多松囃子』という祭りが起源・中核となりつつ今ではイベントの一つとなってしまったようで、イメージとしてはよさこいソーランまつりのような盛り上がりのイベントのようなのですが、それでも博多松囃子の一行は出発のときに【しきたりとして】櫛田神社から出発することになっているのだとか。
かねてより私は「よさこいソーランも上手に神事と結びつけばよいのに」と思っているひとりですが、道産子はその辺は関心の外のようです。もったいない。
※ ※ ※ ※
この櫛田神社のお祭りは七月の博多祇園山笠。山笠は、素盞鳴命(祗園宮)に対する奉納行事だそうです。
そしてこれこそ、「盆暮れには帰らなくても祭りには帰る」と言わせるほど地元を熱狂させるお祭りに他なりません。祭りに生まれて祭りで育ち、祭りで歳を取るのですね。
福岡市内でまちを歩いていると、大きなビルに囲まれた5階建ての古いビルがありました。「あのビルは地権者の人が周辺の再開発事業に納得しなかったんですね」と訊いてみると、一緒に現場を案内してくれた方が、「そうなんです。『あの区画の端に権利を持った面積を用意するのでどうですか』と何回か交渉に行ったのですが、『山の流れが変わるから…』と言ってやんわり拒否され続けたんです」
「山の流れ…?ですか」
「はい、このあたりではお祭りのときの組を『流れ』と言うんです。山は山笠、それを担ぐ土地が変わってしまうということが許されないことだったんですね」
現世の利益や経済を超えたところに、許されない思いが今でも生きているお話しです。そこのご主人には今居る土地を動くことがどうしてもできなかったのでしょう。
心の琴線はそんなところにあるんですね。
※ ※ ※ ※
さて、この川端通りを歩くと反対側にリヴァレイン博多が現れます。
実はこの商店街もだいぶ前は廃れてしまってシャッター通りになったらしいのですが、リヴァレインができて地下鉄の駅ができると、キャナルシティとの間の歩行者の数が増えて、次第に商売が復活してきたのだとか。
なるほど、ショッピングセンターによく見られる『二核1モール』のような効果を生み出したようです。まちはただただ廃れるばかりではなく、工夫やきっかけで息を吹き返したりすることもあるのです。
リヴァレインも美術館が入ったり、一流ブランドのお店が入った再開発ビル。雰囲気は極めて現代的です。
ところがビルとビルの間にある、昔の街道を公共歩道として活かした通路の上には橋が架かっているのですが、これがなんとお祭りのときには山笠がこの通路を通る際に跳ね橋になって、下を山笠が通るようになっているのだとか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/63/63521c49bddfca6e5a8bf0eecec678a7.jpg)
聞けばそれも、高さの問題などではなく、「神聖な山笠を上から見下ろすのが不遜である」という思いからだとか。
聞けば聞くほど、福岡は現代の風景と歴史と伝統がマッチした面白さをもったまちでした。
福岡って何回も来たけれど、こういう切り口でまちを見たのは初めてでした。これもまた神様の御利益というわけなんでしょうね。
※ ※ ※ ※
さて、トップの写真は櫛田神社の拝殿の破風に飾られている風神の木彫り。対をなす雷神に追いかけられて、アカンベをしながら逃げているのがなんともユーモラスです。
さて、今回は福岡市内でわが事業の可能性のある現場を見ておくという旅。今後の事業展開を考える上では、現場をよく見ておかないと現地条件にそぐわないアドバイスや指示をしかねないので、現場を見ておくということは絶対に欠かせない大切なことなのです。
さて、関連する現場を見つつ、途中は徒歩でまち巡り。福岡は洗練されたまちというイメージがありましたが、やはりまちの変化に活気がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/79/db95f5bf7e555a7a2bbf7527e68a2d97.jpg)
流行のシネコンはもちろん、劇団四季の常設劇場などもあり、都市の賑やかさを象徴しています。
前回来たのは十年前くらいだったと思いますが、やはりなかなか考えつかない空間の作り方です。福岡が洗練されたまちとして評価されるのに十分貢献しています。
そこから少し離れた博多リヴァレインというやはり新しい再開発ビルまでの間にあるのが、上川端通りという商店街。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/4f/2c2e7e6b2d2f03b0d38000f6f82be4f3.jpg)
そしてここの入り口付近にあるのが櫛田(くしだ)神社。なるほど、地域の文化を知るには神社を巡るのが一番です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/09/5d731477bc06169f74528bb4f63c7b0f.jpg)
櫛田神社は、ゴールデンウィーク一番の人出となった博多どんたくの出発地でもあり、また夏には博多祇園山笠の神事でこれまた博多っ子の熱狂を呼ぶ霊験あらたかな神社です。
実は私は知らなかったのですが、博多どんたくというお祭りは正しくはこの櫛田神社の祭礼ではないのだそう。
もともとは『博多松囃子』という祭りが起源・中核となりつつ今ではイベントの一つとなってしまったようで、イメージとしてはよさこいソーランまつりのような盛り上がりのイベントのようなのですが、それでも博多松囃子の一行は出発のときに【しきたりとして】櫛田神社から出発することになっているのだとか。
かねてより私は「よさこいソーランも上手に神事と結びつけばよいのに」と思っているひとりですが、道産子はその辺は関心の外のようです。もったいない。
※ ※ ※ ※
この櫛田神社のお祭りは七月の博多祇園山笠。山笠は、素盞鳴命(祗園宮)に対する奉納行事だそうです。
そしてこれこそ、「盆暮れには帰らなくても祭りには帰る」と言わせるほど地元を熱狂させるお祭りに他なりません。祭りに生まれて祭りで育ち、祭りで歳を取るのですね。
福岡市内でまちを歩いていると、大きなビルに囲まれた5階建ての古いビルがありました。「あのビルは地権者の人が周辺の再開発事業に納得しなかったんですね」と訊いてみると、一緒に現場を案内してくれた方が、「そうなんです。『あの区画の端に権利を持った面積を用意するのでどうですか』と何回か交渉に行ったのですが、『山の流れが変わるから…』と言ってやんわり拒否され続けたんです」
「山の流れ…?ですか」
「はい、このあたりではお祭りのときの組を『流れ』と言うんです。山は山笠、それを担ぐ土地が変わってしまうということが許されないことだったんですね」
現世の利益や経済を超えたところに、許されない思いが今でも生きているお話しです。そこのご主人には今居る土地を動くことがどうしてもできなかったのでしょう。
心の琴線はそんなところにあるんですね。
※ ※ ※ ※
さて、この川端通りを歩くと反対側にリヴァレイン博多が現れます。
実はこの商店街もだいぶ前は廃れてしまってシャッター通りになったらしいのですが、リヴァレインができて地下鉄の駅ができると、キャナルシティとの間の歩行者の数が増えて、次第に商売が復活してきたのだとか。
なるほど、ショッピングセンターによく見られる『二核1モール』のような効果を生み出したようです。まちはただただ廃れるばかりではなく、工夫やきっかけで息を吹き返したりすることもあるのです。
リヴァレインも美術館が入ったり、一流ブランドのお店が入った再開発ビル。雰囲気は極めて現代的です。
ところがビルとビルの間にある、昔の街道を公共歩道として活かした通路の上には橋が架かっているのですが、これがなんとお祭りのときには山笠がこの通路を通る際に跳ね橋になって、下を山笠が通るようになっているのだとか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/63/63521c49bddfca6e5a8bf0eecec678a7.jpg)
聞けばそれも、高さの問題などではなく、「神聖な山笠を上から見下ろすのが不遜である」という思いからだとか。
聞けば聞くほど、福岡は現代の風景と歴史と伝統がマッチした面白さをもったまちでした。
福岡って何回も来たけれど、こういう切り口でまちを見たのは初めてでした。これもまた神様の御利益というわけなんでしょうね。
※ ※ ※ ※
さて、トップの写真は櫛田神社の拝殿の破風に飾られている風神の木彫り。対をなす雷神に追いかけられて、アカンベをしながら逃げているのがなんともユーモラスです。