北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

芦花公園駅の住宅建て替えを見学する

2007-05-29 23:05:09 | Weblog
 今日も涼し目の一日。今日の午後は、京王線沿線の芦花(ろか)公園駅周辺の再開発エリアを視察しました。

 芦花公園駅周辺には都市再生機構の昭和30年代前半に作られた賃貸住宅があるのですが、これを建て替えるに当たっては、周辺の道路が狭いために条件が成立しませんでした。

 そこで、狭い道路に関わる地権者に対して再開発の計画を持ちかけて、事業を立ち上げたのです。

 結果として、周辺の道路が整備されたことで建て替える住宅への容積を従来よりも増やす都市計画とすることができたのです。通常の単純な再開発ではなく、自分自身の事業を種地として、地域の道路網を整備し、全体としての地域の魅力を格上げすることができました。
 まさに地域づくりの醍醐味と言えるでしょう。

 古かった昭和30年代住宅の建て替えにより、新しい住まい方の提案もしています。最近の機構の住宅では、後々の間取りの変更も簡単になるような、維持管理のしやすさにも配慮した作り方をしています。
 配管は床下を巡るような作り方もしています。面白いですね。

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 近くに、取り壊す寸前の、昭和33年に建てられたという賃貸住宅があったので参考までに見せてもらいました。

 面積は45㎡。「汽車便」と呼ばれるしゃがみ込み型の水洗トイレに、当時は木の風呂桶、人造研ぎ石の流し台があって、流し以外は畳の2LDKの公団住宅です。また、テレビのアンテナの配線なども最初はありませんでした。テレビなんて一般化する前の話ですから当然ですね。

 洗濯機、冷蔵庫のスペースなどもありません。今日の住宅がそういった家庭用電化製品を置くことが前提になっているというのは、住宅環境がなんと向上したことでしょうか。

 当時はこれでもかなり収入のある人でなくては入れなかった高級物件だったといいます。私が生まれた頃の高級住宅を改めて見て、感慨もひとしおです。

 しかし、懐かしいけれどノスタルジーに浸ってこの家に住みたいとは思えません。日本の住宅は豊かになって、もう過去には戻れないのだなあとも思います。時代に合わせて都市も住環境も進歩して行くものです。
 もう「汽車便」ではトイレもしたくはないでしょう。

 なにが進歩でなにが発展かを考えるのはまさに私達なのですね。

 
コメント
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