北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

麻生総理の演説に出くわす

2009-06-07 16:10:29 | Weblog
 


 井の頭公園へでも行こうと吉祥寺駅に来てみたら、なんと麻生総理が来て演説をするというので駅前は黒山の人だかり。

 一度生で聞いてみようと待っていたけれど、通路で立ち止まる人がいたりして押すな押すなの状態でした。会場が狭いよな。

 待つこと15分でいよいよ麻生総理の登場、会場からは拍手と歓声が沸いておりました。

 総理のつかみは昨夜はサッカーワールドカップ予選。
「最初見ていて、今日は安心かな、と思ったら途中からなんだか危なっかしくなっちゃって、結局1時に終わるまで見ちゃった。で、昨日の戦い方が実に日本らしかったと思ったわけ」

「ちょっと前は中田英寿みたいなスーパースターがいてチームを引っ張っていたんだけれど、ディフェンスの闘利王が最前線まで攻めに行くかと思えば、フォーワードが一気に守りまで戻る。本当に全員で戦ってもぎ取った勝利だった」

「今の日本も同じ。誰かスーパースターが引っ張っているんじゃないんです。政治もこの不景気やこれからの課題に、国民の皆さんも一緒に全員で戦っているんです」

 そこから先は経済、北朝鮮、ソマリア沖の海賊対策、消費者庁問題などについて、よどみなく30分ほど演説をされました。

 麻生さんって、「です、ます」調ではなく、「…だ」で終わるような話し方が多いのだけど、それがあんまり嫌みじゃないんですな。

 政治家の演説を聴いたのは久しぶりのような気がしますが、いよいよ選挙も近いことだし、論点を明確にして我々もこの国の行く末を考えなくてはね。

    ※    ※    ※    ※

 ちょうど無線LANの接続お試しのために持っていたノートを抱えてマク●ドナルドへ飛び込んで記事を打ってみています。

 やっと安定的に接続ができるようになり、機動性が向上しました。 
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「海の都の物語」を読む(その1)

2009-06-07 12:43:00 | 本の感想
 古代ローマの文人ホラティウスはこう言いました。「面白くてためになるのが良書である」と。

 そのような賞賛に恥じない文芸作品が塩野七生著「海の都の物語~ヴェネツィア共和国の一千年」です。

 この本は、イタリア半島の東のつけ根に位置する海洋都市国家ヴェネツィアの建国以来千年に渡る衰亡史。

 

 ヴェネツィアは古くは5世紀の昔に、アッチラという国から逃げるように干潟の沼地の中の島に移住を始めたのがそもそもの始まり。その後一時東ローマ帝国の属国になったものの、西暦800年頃から本格的な歴史上の活躍は始まります。

 干潟に苦労して住み、農業のための土地をもたない都市づくりをするしかなかったヴェネツィア人の生き方は、海洋国家として貿易を仲介することに焦点をおきました。

 イタリア半島の東側のアドリア海を拠点に、南のイオニア海、ギリシャ、クレタ島、キプロス島などの陸地沿いにいくつもの拠点港を中継しながら、エジプトやパレスチナ、そして東洋などとの間に定期航路を開設し、貿易によって豊かな経済を実現したのです。

 著者は、そのようなヴェネツィアの、土地に由来する豊かな資源が少ないにも関わらず、行く代も続く市民の献身と努力、軍事力、外交力でその後一千年にもわたって中世を縦横に駆けめぐった歴史に限りない愛情を注いでいるのです。

 それはその姿が、同じく資源の少ない海洋国家である日本とだぶっているからなのではないでしょうか。

 ヴェネツィアの歴史を学ぶことは、同じく東洋の海洋国家という一面を持つ日本にとって生き方の上で非常に参考になることばかりなのです。

    ※    ※    ※    ※

 この本には、<第一話 ヴェネツィア誕生>に始まり、<第二話 海へ!>以下全部で14のテーマによる物語が描かれています。

 この中で印象的なことは、推定人口わずか15万人ほどの都市国家であるヴェネツィアが、他の国や都市国家と互して、堂々と渡り合う中で自らの地位を拡げかつ守っていった努力の姿です。

 ヴェネツィアが活躍した一千年の間に、イタリア半島には似たような海洋都市国家がやはり登場しました。なかでも当初登場したのは、ピサ、アマルフィ、ジェノヴァ、そしてヴェネツィアの4つでした。これらの都市国家の国旗はいま四つが合わさってイタリア海軍の軍旗となっています。

 そしてもっとも熾烈な攻防戦を戦ったのがジェノヴァでした。ジェノヴァ人の性格を一言で言うと個人主義で、ヴェネツィアのそれは共同主義。この両者の決闘は15世紀を中心に120年続きます。

 ちなみに、ジェノヴァ対ヴェネツィアの戦いで、ジェノヴァの捕虜になったヴェネツィア人のなかに、シナから帰ってきたばかりのマルコ・ポーロがいました。記録好きなヴェネツィア人らしく、彼はジェノヴァの牢屋の中で旅行記を書くことになります。

    ※    ※    ※    ※

 120年続いたジェノヴァとの戦いは、最後はジェノヴァが土俵に上がってこないような形でヴェネツィアの勝利に終わります。

 著者は「全ての国家は、必ず一度は全盛時代を迎える。しかし、全盛時代を何度も野津国家は珍しい。なぜなら、一度の全盛は自動的に起こるが、それを何度も繰り返すのは、意識的な努力の結果だからである」と書いています。

 個人の力では劣っても、社会を組織する力で上回ったヴェネツィアの姿は、「三人寄ると龍になる」日本人に重なって見えるのです。  

 
 
 
コメント (1)
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