名古屋市が本拠地のラーメンチェーン店スガキヤさんでは、以前から先がフォークになったスプーンをお店で使っていたのだそう。
最近そのデザインを変えたところ、これがMoMA(ニューヨーク近代美術館)での販売商品として認められ、大ヒットになっているのだとか。
一説には既に12万本が売れたとも。ほー!
---------- 【ここから引用】 ----------
asahi.com 「スガキヤのラーメンフォーク、NY近代美術館で人気爆発」
http://www.asahi.com/national/update/0627/NGY200906270008.html
ラーメンのめんとスープを一緒に食べられるよう考案された、スガキヤ(名古屋市)の「ラーメンフォーク」。芸術的な形が評価され、米国・ニューヨーク近代美術館(MoMA)のミュージアムショップの商品に採用された。世界各国からの来館者に大人気で、同館で3本の指に入る売れ筋商品という。割りばしに代わる「エコ」な商品としても注目されている。
29年に開館したMoMAは、「モダンアートの殿堂」と呼ばれ、ピカソやゴッホらの超有名作家の作品を一目見ようと、年間数百万人が来館する。館内のミュージアムショップで売られている商品もすべて、MoMAのお眼鏡にかなった洗練されたものだけが並べられている。
ラーメンフォークは「Ramen Spoon/Fork」として、08年5月から1本14ドルで売られ、「大ヒット商品」という。
スガキヤがラーメンフォークを店舗で使い始めたのは78年。コスト削減と環境への配慮から、割りばし代わりに導入した。しかし客の割りばし志向は強く、レンゲとしてしか使われなかったという。そこで06年の創業60周年を機に、さらに使いやすいものに一新することになった。
製造を担当するノリタケ側から紹介されたのが、東京都内で事務所を開くデザイナー、高橋正実さん(34)だった。スガキヤを展開するスガキコシステムズの菅木伸一社長から高橋さんへの注文はただ一つ。「せっかくだから、MoMAに置いてもらえるような洗練された製品を作って欲しい」だった。
(…以下略)
---------- 【引用ここまで】 ----------
先がフォークになったスプーンと言えば、かつて日本では給食のときに使われた食器の「先割れスプーン」を思い出しますね。
この形って今でもコンビニのお弁当にプラスチック製でついていますし、お年寄りの介護の現場などでも使われているのだとか。
ところが食器を手に持って口元へ持って来るという箸の食文化の日本では特に給食の時に顔を食器に近づけて食べる、いわゆる「犬食い」の癖がつくというのでだいぶ批判されていました。
学校現場では今でも使われているのでしょうか?
ところでMoMAのショップで売っている作品はこんなデザイン。フォーク付きスプーンもこれだけデザインが優れていれば売れますね。日本の表参道のMoMAショップでも買えるそうです。
※ ※ ※ ※
ところで日本の箸の文化は実に奥が深いのです。
---------- 【以下引用】 ----------
「箸の文化」
http://www.tabiken.com/history/doc/O/O267C100.HTM
(前半部省略)
日本における箸の歴史は文献の上では『古事記』までさかのぼるが、当時の箸は削った竹をピンセットのように折り曲げたものであったといわれている。日本においても奈良時代から平安時代末までは、貴族の会食において箸とともに匙が用いられていた記録があるが、その後今日のように箸のみで食べるようになった。
日本の箸の特徴も、匙と併用せず箸のみで済ませる食べ方と関連している。形状の特徴としては、中国の箸よりも短く、先が細くなっていて、食物をつかみやすいようになっていること、素材も、木製の軽いものが好まれ、高価なものは漆塗りや蒔絵など、加工の段階に多くの労力がそそがれていることがあげられる。
また形状ばかりでなく、種類にも、菜箸・取り箸・割箸など多くのバラエティーがある。男女別や子供用の箸もそうだし、行事には竹箸や柳箸などが用いられている。さらに箸に関連して、箸置・箸箱・箸袋など、箸にまつわる付属品も各種ある。
使われ方としては、中国のように取り分けではなく、規範としてあらかじめ食物が分配されているため、箸は各自の食器から食物を口へ運ぶ道具であり、この過程におけるさまざまな作法が確立されている。また、箸だけで食べなければならないため、箸には切る、はがす、ほぐす、押えるなど、運ぶ以外にも多くの機能が求められている。
今日の日本では中国とは対照的に、箸の個人所有がみられ、反面、取り箸を用い、直箸をきらうようになっているのも特徴といえよう。
近年、中国料理店や日本料理店の普及により、欧米人のあいだでも箸は一つの食具として受け入れられ、箸を使えるということは、かつての日本でナイフ、フォークを正しく使えるのと同じように、一つのステータス=シンボルにすらなりつつある。日本において箸の使い方の乱れがいわれている昨今、われわれは改めて箸の歴史とその文化遺産を考え直す必要があろう。
〔参考文献〕青木正皃『用匙喫飯考』「青木正皃全集」第9巻、1970、春秋社
本田總一郎『はしの本』1978、柴田書店
---------- 【引用ここまで】 ----------
まあ日本人なら箸もフォーク付きスプーンでも上手に使えそうですが。
ちなみにこのフォーク付きスプーン、外人さんはスープスパゲティを食べる時に重宝しているそうですよ。
最近そのデザインを変えたところ、これがMoMA(ニューヨーク近代美術館)での販売商品として認められ、大ヒットになっているのだとか。
一説には既に12万本が売れたとも。ほー!
---------- 【ここから引用】 ----------
asahi.com 「スガキヤのラーメンフォーク、NY近代美術館で人気爆発」
http://www.asahi.com/national/update/0627/NGY200906270008.html
ラーメンのめんとスープを一緒に食べられるよう考案された、スガキヤ(名古屋市)の「ラーメンフォーク」。芸術的な形が評価され、米国・ニューヨーク近代美術館(MoMA)のミュージアムショップの商品に採用された。世界各国からの来館者に大人気で、同館で3本の指に入る売れ筋商品という。割りばしに代わる「エコ」な商品としても注目されている。
29年に開館したMoMAは、「モダンアートの殿堂」と呼ばれ、ピカソやゴッホらの超有名作家の作品を一目見ようと、年間数百万人が来館する。館内のミュージアムショップで売られている商品もすべて、MoMAのお眼鏡にかなった洗練されたものだけが並べられている。
ラーメンフォークは「Ramen Spoon/Fork」として、08年5月から1本14ドルで売られ、「大ヒット商品」という。
スガキヤがラーメンフォークを店舗で使い始めたのは78年。コスト削減と環境への配慮から、割りばし代わりに導入した。しかし客の割りばし志向は強く、レンゲとしてしか使われなかったという。そこで06年の創業60周年を機に、さらに使いやすいものに一新することになった。
製造を担当するノリタケ側から紹介されたのが、東京都内で事務所を開くデザイナー、高橋正実さん(34)だった。スガキヤを展開するスガキコシステムズの菅木伸一社長から高橋さんへの注文はただ一つ。「せっかくだから、MoMAに置いてもらえるような洗練された製品を作って欲しい」だった。
(…以下略)
---------- 【引用ここまで】 ----------
先がフォークになったスプーンと言えば、かつて日本では給食のときに使われた食器の「先割れスプーン」を思い出しますね。
この形って今でもコンビニのお弁当にプラスチック製でついていますし、お年寄りの介護の現場などでも使われているのだとか。
ところが食器を手に持って口元へ持って来るという箸の食文化の日本では特に給食の時に顔を食器に近づけて食べる、いわゆる「犬食い」の癖がつくというのでだいぶ批判されていました。
学校現場では今でも使われているのでしょうか?
ところでMoMAのショップで売っている作品はこんなデザイン。フォーク付きスプーンもこれだけデザインが優れていれば売れますね。日本の表参道のMoMAショップでも買えるそうです。
※ ※ ※ ※
ところで日本の箸の文化は実に奥が深いのです。
---------- 【以下引用】 ----------
「箸の文化」
http://www.tabiken.com/history/doc/O/O267C100.HTM
(前半部省略)
日本における箸の歴史は文献の上では『古事記』までさかのぼるが、当時の箸は削った竹をピンセットのように折り曲げたものであったといわれている。日本においても奈良時代から平安時代末までは、貴族の会食において箸とともに匙が用いられていた記録があるが、その後今日のように箸のみで食べるようになった。
日本の箸の特徴も、匙と併用せず箸のみで済ませる食べ方と関連している。形状の特徴としては、中国の箸よりも短く、先が細くなっていて、食物をつかみやすいようになっていること、素材も、木製の軽いものが好まれ、高価なものは漆塗りや蒔絵など、加工の段階に多くの労力がそそがれていることがあげられる。
また形状ばかりでなく、種類にも、菜箸・取り箸・割箸など多くのバラエティーがある。男女別や子供用の箸もそうだし、行事には竹箸や柳箸などが用いられている。さらに箸に関連して、箸置・箸箱・箸袋など、箸にまつわる付属品も各種ある。
使われ方としては、中国のように取り分けではなく、規範としてあらかじめ食物が分配されているため、箸は各自の食器から食物を口へ運ぶ道具であり、この過程におけるさまざまな作法が確立されている。また、箸だけで食べなければならないため、箸には切る、はがす、ほぐす、押えるなど、運ぶ以外にも多くの機能が求められている。
今日の日本では中国とは対照的に、箸の個人所有がみられ、反面、取り箸を用い、直箸をきらうようになっているのも特徴といえよう。
近年、中国料理店や日本料理店の普及により、欧米人のあいだでも箸は一つの食具として受け入れられ、箸を使えるということは、かつての日本でナイフ、フォークを正しく使えるのと同じように、一つのステータス=シンボルにすらなりつつある。日本において箸の使い方の乱れがいわれている昨今、われわれは改めて箸の歴史とその文化遺産を考え直す必要があろう。
〔参考文献〕青木正皃『用匙喫飯考』「青木正皃全集」第9巻、1970、春秋社
本田總一郎『はしの本』1978、柴田書店
---------- 【引用ここまで】 ----------
まあ日本人なら箸もフォーク付きスプーンでも上手に使えそうですが。
ちなみにこのフォーク付きスプーン、外人さんはスープスパゲティを食べる時に重宝しているそうですよ。