北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ミートマーケットでは何が買えるの?

2011-10-12 23:45:21 | Weblog
 知人たちと健康と運動に関する話題で盛り上がりながらお酒を飲みました。

 肉体を鍛えることが好きという人はいるもので、フィットネス的な健康づくりサービスをビジネスとして立派に成立しています。

 その道の経営者に言わせると、「スポーツインストラクターはお客さんに究極の達成感と満足感を与えるサービスのプロですよ」とのこと。

「高齢の女性にはイケメンの男性インストラクターをつけて、高齢の男性には女性のインストラクターをつけるんです、これは基本。外国ではそういう場面でインストラクターがプログラム後の会食などに誘われることもよくある話なのですが、それへの事前対策もしっかりしています」
「誘われたらどうするんですか?」

「インストラクターを雇うときには客足来の仕方について十分な人物評価をして合格した者だけと契約します。お客さんに誘われたときに、『それはできません』と言って断るような人は不合格で落とされます、お客さんをまんぞくさせられませんから。しかしほいほいと着いて行くような者も不合格です、最後まで満足させてしまうから」
「それってどういう意味ですか?」

「つまり、誘われたらなんだかんだと言い訳をして次もまた客が誘いにくるような上手なあしらいができるものが望まれるということです。相手の幸せは何かを十分に考えたうえで行動できることが求められるというわけです」

 幸せとは届きそうで届かないところにあるということでしょうか。なかなか深い話です。


    ※     ※     ※     ※     ※


「こままささん、最近はフィットネスクラブはミート・マーケットと呼ばれているんですよ」
「ミート・マーケットとは肉を売るということですか?」

「ははは、そう。筋肉をつけることが商売になっているという意味で肉を売るのがmeatのマーケット。そして同時に、体を鍛えるのが好きという男女が集まって近いところでトレーニングをすると、様々な男女の出会いが待っています。同じ時間と場所を共有すると互いの関心も高まって…」
「恋愛に発展する、ですか」

「そう、そのとおり。だから男女の出会いという意味でmeetのマーケットという意味も含めて、ミート・マーケットというんですよ」
「なるほど、英語の駄洒落ですか」

「フィットネスクラブは大きく流行って一度廃れました。それは家の中にトレーニング機械を買って持ち込んでしまえばクラブに来る必要がないからです。ところがそんな孤独な運動ではだんだんつまらなくなってしまって、やはり人との交流を求めて再びクラブに戻ってくるようになりました。求められているのは肉体を鍛える健康だけではなく、人とのふれあいによる精神の健康の側面です。それもまた売り物になるということなんです。それに最近のフィットネスクラブには、クラブ内クラブというのがあるくらいです」
「クラブ内クラブってなんですか?」

「フィットネスクラブの会員による登山クラブなどのような類ですね。最近ではフィットネスクラブにも金持ち専用とか、低所得者層向きのような階層ができていて、どこの会員であるかがステータスになるような趣さえありますよ」

 なにもかもビジネスにしてしまうアメリカらしいお話ではあります。


    ※     ※     ※     ※     ※


 さて、健康ビジネスに関していうと、実はアメリカなどではもうフィットネスよりは一歩進んだウェルネスという概念が流行なのだそう。

 フィットネスの世界では、とにかく運動をすることが目的になってしまい、一時は運動をすることが勤務評定にまで直結するような動きまで行ったのだそう。

 しかしそもそも本人が健康で幸せになるための運動であったはずで、そうした運動に偏重した考え方から、人間として精神面までを含んだ総合的な健康に着目したウェルネスと言う概念が出始めたのだとか。

 ともすると精神と肉体は別だ、と考えがちな西洋的合理主義にあって、スピリチュアルなものまで含めた健康と言うウェルネスの概念は東洋的な要素を帯びています。

 そういう意味では日本人にも受け入れやすい概念とも言えそうですね。

 精神まで含んだ自分の健康について考えて、しっかりとそれを維持すべく実践ができること。

 これは立派に生涯学習の目的の一つです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする