まちづくりの知人が訪ねて来て売れるお土産の話になりました。
「例えば北海道は牛乳が豊富だからチーズをいろいろなところで作っているでしょう? ところが北海道へ旅行に来る人たちは、大きな工場でたくさんできるチーズにはあまり価値を見出さなくて売れない傾向にあるんです」
「へえ、釧路周辺には小さなチーズ工房が多いですよ」
「それそれ。小さな工房で小さくて種類が多かったりすると結構珍しがって売れているんです」
「じゃあいいじゃないですか」
「ところが、そんな少数が売れても大きなビジネスにはならないんですよ」
「なるほど、数が多く並ぶと価値がないように思われて売れず、珍しくて数が少ないと売れてもビジネスにならない、というわけですか」
「そう、今や国内だったら商売のねらい目はお土産ビジネス。自分のためなら高いものは買わないけれど、友達や身内のためならお金に糸目をつけなくなるんです」
「ほうほう」
「でも人口減少で経済が縮むような国内ではなく、大きなビジネスにしようと思ったらやはり外国、特に中国あたりをねらうべきでしょう。そして、そうなると買い方の単位が半端じゃないので、ある程度の規模が備わっていないと用意ができませんよね」
「確かに」
「たくさん作ったって、売れるかどうかわからないとリスクが大きいし、リスクばかり考え込んでしまって小さくしていると儲からない。この両方をマッチングさせる手立てとノウハウはお金を出してでも手に入れるべきで、蛇の道は蛇、というわけですよ。たとえばパッケージ一つだって、こうすれば中国では人気が出る、というコツがあるんです」
「え~、それはどうするんですか!?」
「へへへ、それはねえ…※☆△■×●И…」
【ほら、魅力的でしょう?】
※ ※ ※ ※ ※
ともすると北海道は素材の良さを過信して、(本物なら売れる)という思いが強いかもしれませんが、そこに受け入れやすくなるちょっとした魔法の粉をかけるだけで売れ方が増えるというコツがあるようです。
要はマッチングの妙なのですが、地道にこういうハードルを一つずつクリアさせてゆく努力と財力が欠けているのかもしれません。
ターゲットの特性をよく理解した攻め方が求められています。