北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

霧でも飛行機が降りられるわけ

2012-06-12 23:45:24 | Weblog
 今朝の中標津の最低気温が氷点下2℃、明日の釧路の最低気温は6℃。

 クールビズで節電が奨励されそうなので、そろそろストーブを焚くのを自粛しようと思う今日この頃です。

 
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 さて、空港の民営化やHACの経営問題、あるいは台湾の復興航空が釧路便を定期路線化しそうだ…、など空港・飛行機がらみの話題が多い今日この頃。

 釧路空港は釧路市内に近いのと、高台に盛土をして作った空港なのでやはりこの時期は霧がかかりやすくて飛行機利用には難しい季節です。

 空港の視界が悪いと飛行機が降りられず、かつては春から夏にかけては霧による欠航の多い釧路空港でしたが、計器誘導装置がつけられてからはそれが大きく改善しました。




 計器誘導装置には大きく分けてカテゴリーⅠ、Ⅱ、Ⅲと呼ばれる3種類があり、釧路空港にはこのうち最も性能の良いカテゴリーⅢbという機械が備えられています。

 これは空港と飛行機の間を電波でやり取りして、視界が50m程度でも着陸ができるのだそうです。

 そのかわり、空港に備えてあるのはもちろんですが、飛行機の方にも機械を備え、さらにはパイロットはその操作の研修を受けた人が操縦しなくてはなりません。

 カテゴリーⅠとは、気圧で高度を測定するタイプの機械で、カテゴリーⅡとは飛行機が地上に電波を当てて自機の高度を測定するタイプ。

 気圧だとどうしても高さを正確には測れれないし、地上に電波を当てるタイプだと、釧路のように高台に盛土で作ったところだとやはり地上高が突然変化するのでうまくいかないよう。

 しかし国際的にみると、電波誘導に近いカテゴリーⅢを積んでいるような高級機材はほとんどなくて、標準はカテゴリーⅡなのだそう。

 国際定期便となると、霧で降りられないなどということになれば旅程が大幅に狂うのでツアーが不安定になりがち。

 今現在釧路空港に降りている台湾からのチャーター便は、霧がほとんど出ない日中のわずかな時間帯の隙間を狙って着陸をするプランになっているために、霧で降りられないということが現実的にはないとのことで、それはそれで幸運が続いている状態です。


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 ところが、日中に釧路に降り立ってしまうと、釧路市内にしても阿寒湖畔にしても宿までの時間を持て余してしまいます。

 そこで釧路空港に降り立ったツアーの多くが、そこからいろいろと見学をして夜に宿に入るプランを作るために、帯広の十勝川温泉に宿を取ってしまうということが多いのだそう。

 せっかく釧路空港へ誘致活動をしても、釧路市内の宿泊施設に恩恵が薄いのでは困ってしまいます。

 本当は夕方くらいに着陸してもらえばちょうど良い時間に市内や阿寒湖畔に行けるのですが、そうなると霧がかかるリスクが拭えません。

 飛行機の計器一つとっても、それが使える状態であれば旅の作り方がもっと多様になるわけで、それもまた生活を改善するインフラだということがよくわかるお話です。

 科学と技術の進歩は生活を劇的に改善するものです。

 『高望みせず分をわきまえろ』、とは言われますが、それはそれとしても進歩に対する情熱を失うべきではない、とも思います。

 便利さを増して、それまで行きにくかったところの旅を楽しむというのはやはり人生を豊かにします。

 多くの観光客の人生を実り多く豊かなものにする観光地として釧路・阿寒を選んでもらえるように頑張らなくては。

 
コメント
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