北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

シーニックバイウェイで講演会

2012-06-27 23:26:58 | Weblog
 北海道シーニックバイウェイの中の指定ルートの一つである、「湿原・阿寒・摩周シーニックバイウェイ」の第8回ルート総会が開かれて、1時間の講演をさせていただきました。

 シーニックバイウェイは、もともとアメリカでできた制度で、高速道路で結ばれた道路網では目的地に直行してしまって、途中の地域が見捨てられてしまうという反省に立って、高速道路を下りてめぐるほどの地域活性化手法の一つとして取り組まれたもの。

 北海道も、高速道路はそれほど整備されていませんが、地域の人たちが道路を媒介として連携することで豊かな地域社会が実現できないだろうか、というのが問題意識です。

 それを北海道でも果たしてみようというのが、シーニックバイウェイでした。

 しかしそれは、単に制度を作ってそれを運用するというような仕組みではなく、担当者が自ら現地へ赴いて地元の地域活動団体と共に直接言葉を交わし、酒を飲みながら気持ちを一つにしようとするものでした。

 あえて恐れずに言えば、組織的な仕事を超えた人と人とのつながりが面白くもあり、刺激にもなり、それを意気に感じた人たちが活動をさらに活発化させた側面もあったことでしょう。

 シーニックバイウェイは国交省が進める、単に美しい風景で連携するような日本風景街道とは一味違った地域振興のための方策でした。


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 しかし最近では、公務員倫理も厳しくなって余計な付き合いや触れ合いを奨励しない雰囲気が強まっています。

 公務員でなくても、転勤族がこの地に住むのはわずかに2~3年のこと。

 その間に地域を思い切り味わって、自分自身がこの土地やここに住む人たちのファンになり、その良さを他の人に自信を持って紹介することを妨げるものは何もないでしょう。

 土着で動くことのない地元の人たちが「土」ならば、いずれは離れてゆく人たちは「風」。

 この二種類の人たちが合わさるとそこに「風土」が生まれて、土地柄になってゆくのではないでしょうか。

 地元の人たちも地道に活動を続ける必要がある一方、それを責任を負いきれない立場の中で応援する風来坊とのコラボは地域に明るさと新鮮な風をもたらすのではないかと思います。

 日ごろの活動も、続けることに意味があるのではなく、続けることで受け取ったり振りまける幸せが増えてこそのものであるはず。

 会を運営することを目的化させてしまうようなルーチンワークに陥れるのではなく、幸せな地域を実現するためにこそ手段としての活動があるのだ、ということを節目で思い出すことには意味があることでしょう。

 思い切り言いたいことを言えた久々の講演会でした。

 さあ、明日からもシーニックバイウェイで地域を豊かに致しましょう。
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