山形県の形ってここだけとりだすと、左を向いて口をあんぐりと開けたモアイ像のような人の横顔に見えます。
その山形県のちょうど鼻の頭あたりにあるのが鶴岡市指定史跡「近世念珠関址(きんせいねんじゅぜきあと)」ですが、ようやく今日訪ねることができました。
これは平安時代にここから先は蝦夷地とされた古い関所の跡で、白河関(福島県)、勿来関(茨城県)とともに奥羽三関と奥州三古関などと呼ばれ、東北地方との境目になっていたのです。
「ねず」の書き方は「鼠」だったり「根津」だったりいろいろあるのですが、今現存している史跡としては「近世念珠関址」とされています。
ところがyahoo地図を使って現地までのナビをさせたものの、書き方が「鼠ヶ関」だと思って検索をかけて現地近くまで行ってみたものの、なかなかたどり着けなくて苦労しました。
「近世念珠関址」で検索すればちゃんと分かったのに知らないとどうしようもありません。地元としては情報をちゃんと発信しているつもりでも、実は受け取る側に正しく伝わっていない情報って多いのでしょうね。
これだけネットを駆使して現地へ向かっても、最後にたどりつけたのは道端でフキを取っているおばちゃんに「このあたりにネズノ関所跡があると聞いたんですが」と訊いてみて教えてもらえたからなのですから。
この関所は義経と弁慶一行にも縁があるということで、他の奥州古関と共に、歴史好きなら一度は訪ねてみたいところですね。
北海道からはとにかく遠いけれど、ようやくたどりつけました。
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「近世念珠関址」の次には羽黒山へ車で行ってみました。
羽黒山は月山、湯殿山とともに出羽三山と呼ばれ、昔から修験道の山として知られていたところです。明治以降神仏分離令によって神社の形をとるようになりましたが、いまでもそこここに神仏習合時代の名残が見える歴史ある信仰の山です。
途中には東北地方では最大となる国宝の五重塔がありました。これは定かではないものの平将門の創建とも言われているとのこと。まさかここで平将門の名前が出るとは思いませんでした。
樹齢千年の大杉も壮観。信仰の力の大きさを改めて知った羽黒山巡り。山形も歴史と信仰の奥が深いなあ。
ドライブ観光では全然時間が足りませんでした。