北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

的確な観光情報はネットじゃ無理~やっぱり信頼できる人からだね

2016-05-12 23:37:34 | Weblog

 

 今回の東北旅では四日間で800km以上をドライブする旅でちょっと強行軍だったかな、と反省。

 地元へ行ってみてはじめてそこで見たいものを見る"ぶらり旅"のつもりでしたが、宿の距離が離れすぎていて、日中は興味が赴くままに見て回っても最後は延々と宿までドライブするというパターンに陥りました。

 妻とも、「もっとそこで何を見るかを事前に詰めていった方が良かったかね」と話しましたが、実は事前の情報ではなかなかコアな観光スポットを調べ上げるのが難しいのが現実です。

 観光情報誌に載っているのは本当に王道の観光ポイントか、あとは恣意的な宣伝の飲食店情報ばかり。自分たちの趣味や好みに合致したところを探すのは本当に難しいと感じました。

 その一例ですが、今回の旅の最後に岩鋳鉄器館さんを訪ねました。そこの展示館の中に、岩手県が"岩手"となった由来が書かれていました。

 それは、昔悪い鬼がこのあたりで悪さをするのに困り果てた村人たちが、岩手山が噴火した時に飛んできたとされる三つの岩で「三ツ石さま」と呼んで崇めていた神様に退治をお願いした。すぐに三ツ石さまはその願いをかなえて鬼を岩に縛り付けてしまわれた。
 鬼はびっくり仰天して、「もう二度と悪さはいたしません。この里にも出てきません」と詫びを入れ、その証として岩に手形を押して姿を消した。そこでこの岩に手から岩手という名になった、というお話。

 その三ツ石さまは盛岡の三ツ石神社というところにあるというので、できれば行ってみたかったという思いが募りましたがもう時すでに遅し。よくよくガイドを見れば書いてありますが、なかなか思いが至りませんでした。
 興味に合致したポイントへ効率的に行くというのは実に難しいものです。


       ◆ 

 
 今日も知人たちとそんな話をしていると、釣り好きの知人の一人が「全くそうなんですよ!」と強い口調になりました。

「ど、どうしたんですか」
「いえ、似たような話だなあと思いましてね。それは道央のある管理釣り場での話なんですが、そこは本州では考えられないくらい大きなニジマスがバンバン釣れるというので、本州の釣り人には隠れた人気スポットなんです。あるときそこへ行ったら、『ここで三日連続で釣りを楽しみました』という人がいて、よく聞くと新千歳空港からまっすぐこの釣り場へ来て三日泊まってそのまま空港から東京へ帰るというんです」

「すごい旅ですね!」
「確かにすごいんですが、我々からするとそのすぐ近くの自然河川には野生の魚がポンポン釣れるポイントがいくらでもあるんです。それで『いくら管理釣り場で釣れると言っても三日もやれば飽きちゃうでしょう?』って訊いてみたら、そこがどこかわからないし熊も怖いし、川歩きのウェイダー(胴長)もないというんです。結局彼らは面白い釣りの現場情報にたどりつけなくて、そこの釣り場情報しか分からなかったというわけですよ」

「なるほど。我々だったら釣りのガイドができる友人やガイドのプロを紹介することだってできますよね」
「でしょう?小松さんも、ガイドブックやネットでは本質になかなかたどりつけないと思ったでしょう。そこでカギになるのが人の縁や紹介という"繋がり"なんだと思うんです」

「そうかあ。現地へ行く前に友達ネットワークで『今度○○へ行くんだけど、お薦めの場所はありますか?』と訊いておけばいろいろと教えてもらえたんですね。うーむ」


       ◆ 


 実は旅の最中に多くの知人から、「山形へ来たならここへ行ってみて」とか「それならここはどうですか」という声がフェイスブックなどで寄せられていたのですが、情報が土地を離れた後に届いてかないませんでした。

 新幹線もレンタカーも宿も、ネットで予約ができる時代になりましたが、結局現地のコアな観光情報はネットではたどり着けないというのが現実。

 私が旅へ行ってみてそうなのだとしたら、北海道へ来るお客様たちもきっとそれに似た思いをしながら道内を旅しているのではないでしょうか。

 もっと分かりやすくて好みに応じた旅の提案情報に接してもらうにはどうしたらよいでしょうか。

 できれば事前に普段から道内の観光情報に接してもらうと言うのが良さそうですが、そのためにはどうすればよいでしょう。

 ネットをひらけば何万と出てくる情報に重みや価値づけができるのは結局人間であり、信頼という要素が必要だということのように思います。

 旅と情報について思いを深めた東北旅でした。

 

コメント (2)
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