二泊三日で参加した「原野キャンプ」。公園のような整備されたところでは絶対に味わえない野趣あふれる時間を大いに堪能しました。
原野も、質の高いプロと呼べるようなガイドさんがアレンジすればこんなに魅力的な場所と時間に変えられるということを体感して、やっぱり来て良かった。
東京から参加された方は、「この風景を見せたくて友達を誘って今年も来た」と言っていて、やはり特に都会にいる人たちこそ心から憧れる場所に違いない、と思いました。
流行りのオートキャンプと違って、見渡す限りの原野風景の中で、車で手軽には来られない秘境だからこそ価値が上がるサービスは、大量販売で大量輸送の旅行商品では得られない価値をもっています。
しかしこの手の旅は、行政が目標とするような「産業としての北海道観光」とは今は対極にあるものでしょう。
そこで暮らす生活者と来訪者との関係は、隔絶、交流、迎え入れといった距離感による分類ができそう。しかし「理想はどれか一つ」ではなく、これらが組み合わされる多様なコンテンツ。そしてガイドがビジネスになるのかどうかが重要なポイントです。
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海外のアウトドア事情に詳しい方と話をしていると、海外ではガイドが同行しなくてはいけない場所やできない釣りがあるということが当たり前で、それに高額の料金を払うのも常識になっているとのこと。
ガイドを資格ビジネスにして質を高めて育成しつつ、その人たちが生活できるだけのフィーを確実にするのが釣りやフィールド侵入へのライセンスビジネスというわけ。
キングサーモンやスチールヘッドといった希少な魚を釣るためには、二人で一人のガイドを雇って、釣るためのライセンスを購入するのが当たり前。それが日本では当たり前になっていないのと、漁業との折り合いをつけきれずにライセンスビジネスという形が定着していないのが現状。
たとえば北海道の川ではサクラマスは釣っちゃいけない魚になっていますが、それをライセンス料を払えば釣っても良いという制度はできないものか。もちろんその裏側にはライセンス違反をした者は厳正に罰するという取り締まりの力が必要ですが、それを誰が担うか、というシステムも問題。
犯罪を取り締まるという観点では警察が機能するのか、それとも駐車違反の取り締まりを駐車監視員に委託しているのと同じような外部法人がやれるのか。
「北海道を観光の島にする」
それならもっと魅力を尖がらせる方法を試行してみるのが良いと思いますし、行政はそういうところにもっと力を尽くすような新しい方策に挑戦してほしい。
新しい時代にふさわしい観光スタイルを模索してほしいものです。