北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

妻へのクリスマスプレゼント

2015-12-24 22:01:38 | Weblog

 

 稚内では不思議に暖かい日が続いています。

 今朝などは細かい雨が降っていて、地面は氷も緩んで


 メリークリスマス! 妻にクリスマスの曲をプレゼントしました。

 クリス・レア(Chris Rea)で" Driving Home For Christmas (Vintage Memories)"をどうぞ。

 http://bit.ly/1U6MW66

 クリス・レアは1951年にイングランド出身のシンガーソングライター。この曲は1988年の曲で彼の曲では一番有名な曲です。

 wikipedeiaにはこうありました。

「ずいぶん昔、この曲を録音する前のことだが、妻が私をミドルズブラまで連れ帰るために高い電車賃を節約しようと、オースティンミニでロンドンまで迎えに来たんだ。私たちは車で家へ向かったんだがひどい渋滞に巻き込まれてしまってね。その時にこの曲の着想を得たんだ。この曲はクリスマス・キャロルの車バージョンなんだよ」


       ◆ 


 プレゼント曲を聞いたかどうかを電話で訊いてみると、「あ、今聞いてたところ」とのこと。

「今日は何を食べたの?」と訊くと、「うーん、アヒージョにしようと思ったタコをそのまま刺身で食べて、あとはピクルスとスパークリングワインをいただきました。そっちは?」

「冷蔵庫の残りを片付けるのに、豆腐鍋と豚肉炒めと鮭の塩焼きに十六穀米のご飯さ」
「二人ともまったくクリスマスじゃないね(笑)」「ほんとだ(瀑)」

「今日はほかに、どうしても食べたくなってティラミスを一つ買ったよ」
「ははは、"クリぼっち"って知ってる?」

「え?なに?知らない」
「クリスマスに一人ぼっちの人のことを"クリぼっち"っていうんだってさ」

「えー、じゃあお店の人に(この人はクリぼっちだなあ)って思われたのかなあ」「ははは、確実にね(笑)」


 笑い過ぎて曲の感想はうやむやになってしまいました。また後で電話してみようと思います。

 それではどなた様も、メリークリスマス! 

 

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究極の冷え性対策~こ、こんなことで直る!?

2015-12-23 22:48:57 | Weblog

 今日放送のNHK「ためしてガッテン」は、「みなさんの願い かなえたいSP」ということで、読者からの様々な悩みを解決するという企画でした。

 悩みとして選ばれたテーマは、「腰痛対策」と「冷え性対策」と「ペット(猫)の異常行動対策」の三本。

 私は冷え症なので、二番目のテーマに惹かれて番組を見ていました。

 放送では朝ドラで今絶好調のヒロイン、白岡あさ役の波瑠さんが登場しました。彼女もひどい冷え症に悩んでいるとのことで、赤外線カメラでスタッフと並んで撮影すると、手の指先が冷たくなっているのが一目瞭然。
 靴下も何枚もはいて撮影に臨んでいるようで、可哀想なくらいでした。

 番組では、ものすごい数の学会を通じて「冷え性対策として良い対処法を教えてください」と連絡をして、これまたすごい数の答えが返ってきた中から選りすぐりの提案を紹介してくれました。

 紹介された冷え性対策としては、「蛋白質(アミノ酸)を摂取する」、「しっかりと入浴する」などが紹介されていたのですが、衝撃的だったのは「太ももに手を置いて、ゆっくり呼吸をする(だけ!)」というものでした。

 しかも冷え性がひどかった波瑠さんに実施してもらったところ、見事に冷え症が改善していたのでした。本人は「体全体が暖かくなるんです」と言い、赤外線カメラでも温度上昇が顕著に見られました。

 具体的なやり方は、
①背筋を伸ばして椅子に腰掛け、楽な姿勢をとる
②手を太ももにのせて、目を閉じる
③次の言葉を、心の中で繰り返し唱える
  「気持ちが落ち着いている」
  「両腕が重たい」
  「両足が重たい」
  「両腕が温かい」
  「両足が温かい」

 …ということで、一回5分ほどを一日三回を目標にすると良いのだそう。なんだか狐につままれたようです。

 こんなことで冷え症が改善する理由というのは、「血管を収縮させている副交感神経の緊張を解いている」ということなんだそうで、温かい太ももに冷たい手を当てることで、脳がリラックス感を感じて全身の副交感神経を緩める指令を出すことで全身の血管の血流が改善し、体温が上がるのだそうです。

 実際私もテレビを見ながら試してみましたが、一定の効果が感じられました。不思議ですねえ。

 定番ですが「首にマフラーを巻く」というのも良いとされていました。

 冷え症に悩んでおられる皆さん、どうぞお試しあれ。

 それにしても、ためしてガッテンでは過去に何度も冷え性対策を放送していたでしょうに、今ここに至って、「これが究極の対策かい!」とツッコミたくなりました(笑)。

 いろんな知恵が出てくるものですねえ。

 

 
【ためしてガッテン】
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20151223.html

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利尻の「味楽」のラーメンが自宅で作れる…かも

2015-12-22 23:33:35 | Weblog

 

 利尻島に「味楽」というラーメン屋さんがあるのですが、ここはミシュランガイド北海道2012でビブグルマンを得ているところ。

 利尻島へ行っても、シーズンであれば開店前から列ができるほどの人気店です。

 こちらの自慢は地元産の利尻昆布をふんだんに使っていることで、離島ならではの味わいがラーメンの人気に繋がっています。

 
 年末が近づいて、建設業関係者のを始め多くの方がご挨拶で職場を訪ねてきてくれます。今日もある会社の方達が挨拶に来てくれたのですが、そのなかの一人が「実は私、もう一枚名刺がありまして…」と、差し出された名刺を見ると、なんとこの「味楽」のご主人でした。二足のわらじを履いておられるのですね。

 「味楽」のご主人とはフェイスブックでもお友達になっていて、しばしば私の記事に「いいね」をくださるのですが、お会いするのは今日が初めてで嬉しい出会いとなりました。


「私もこの秋に利尻島を訪ねた際に、味楽さんのラーメンを食べました。美味しかったです」と言うと、「ブログにも書いてくださっていたのを読みました」と喜んでくれました。

 そして、「実は今度どういう行程でラーメンを作るのかを動画でアップしようと思っているんです」とおっしゃいます。

「ええ?それって企業秘密じゃないんですか。真似されますよ」というと、「全然かまいません。まともにやったらあの値段では出せませんから(笑)」と笑います。

「ほー、味楽さんのラーメンは『スープに利尻昆布をたくさん使っている』とは噂に聞くのですが、実際はどういう材料なんですか?」
「はい、鶏の骨や豚骨、それに野菜なども煮込んで作ります。それだけでも普通のラーメンのスープとしては十分なんですが、そこに利尻昆布を大量に入れています。だから同じ材料で真似をしても、それを原価計算したら一杯千円以上のラーメンになっちゃうんです」

「ではどうやって原価を抑えているんですか?」
「はは、身内が昆布漁師ですからその手伝いというか、結局自分で昆布を採っているので昆布がたっぷり手に入るんです」

「なるほど!」

  
       ◆  


 実はご主人は、生まれた故郷は函館なんだそう。

 それが仕事で利尻島で4年ほどを過ごし、当時は沓形港近くに住まいしてとても楽しかった思い出があるのだそう。

 それが次第にお店が少なくなっていくのをみて寂しい思いがしていて、職場の早期退職に応募したときには、『沓形でラーメン屋をする』ということを自然に思っていたそう。

 人生には不思議な縁がありますが、土地にも不思議な縁があったというお話。

 あーー、また利尻島へ渡って味楽さんのラーメンが食べたくなりました。動画が出たら利尻昆布を使って、見よう見まねで自宅で作ってみたいものです。

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血糖値がKPI!?~職場の魅力は職員の健康から

2015-12-21 23:45:00 | Weblog

 

 少し前のネット情報ですが、超大手検索サイトの"グーグル"では、社員の血糖値をKPI(=Key Performance Index:達成すべき目標)に設定して社員の健康管理に努めているのだそう。

 職員が健康であるというのは、もちろん企業として生産性の向上や創造性の向上が期待できることですし、企業イメージの向上にもつながること。

 そして企業の枠を超えて考えると、社会として医療費の削減につながる素晴らしい取り組みです。

 経営コンサルタントの大前研一氏は「いまや経営の要諦は、『人・モノ・金』から『人・人・人』になっているのだ。とにかく優秀な人材の確保こそが企業にとって何より重要」とさえ言っているのだとか。

 ところが日本では、少子化のあおりを受けて仕事に就く人数が減っているのに加えて、経済が上向いてくると学生さんたちもより良い条件を求めるようになり、ネガティブな条件のところには来たがらなくなっています。

 建設業も公務員も、成り手が少ない厳しい職業と思われているようで残念です。

 職業を魅力的に思わせるには給与水準はもちろん、休暇などの待遇という制度的なバックアップもあるでしょうが、そもそもその企業体の考え方に賛同するということだってあるでしょう。

 グーグルなどは、世界一魅力的な企業として多くの志望者を集めているでしょうに、そこになお、会社として社員の健康を大切にするポリシーを持っている、ということを表明するというのは実にしっかりした考え方に思えます。

 そしてその指標として「血糖値」を用いているというのがじつに興味深いことです。

 実はこれはNASAが宇宙飛行士の健康とパフォーマンスを調査した結果、血糖値との関係性が強いということがわかり、それを採用しているのだとも聞きます。

 先進的な企業の考え方はいつも科学的で驚かされます。


       ◆ 


 ではわが職場はどうか、と担当の職員に「わが職場の職員の健康状態はどうなっているのか」と訊いてみると、健康診断を受けた者のかなりの割合で、脂質異常や高血圧が見られるのだとか。

 職員の健康は職場にとっても大切ですが、何と言っても各個人の幸せの礎です。それなのにまず自分自身の健康を保つことにあまり積極的ではない姿勢が伺えるのは実に残念です。

 職員が健康であるということが自慢の職場だったら、魅力の一つに十分カウントされることでしょう。
 
 医者へ行くのが煩わしいとか、怖いとか、忙しくて時間がないなど、様々な「病院へ行かないための理由」を作っていないで、勇気を出して不健康な状態から健康を取り戻してほしいものです。

 その小さな一歩を踏み出さないことには大きな成果は得られないということ、「いやいややらされる」のではなく、「自ら行うべき」ことなのだと思って欲しいのですが、実際にはなかなか難しいのが現実です。

 は~、人の心を動かすことは難しいものですが、それが組織マネジメントというもの。手を尽くさなくては、ね。

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今年の年賀状のお年玉賞品、一等を当てたいなあ!

2015-12-20 23:17:55 | Weblog

 年賀状への一言添えをすべて終えてなんとか格好がつきました。

 相手の顔を見ながら浮かべる一言も、考え始めると書き始めるまでに時間のかかるものです。

 大体はいくつかのパターンを用意すればそのうちのどれかに当てはまるのですが、突然予期しない縁の人が出てきて、それまでにない一言を添えようとするとまた時間がかかってしまいます。

 さて、郵便局も民営化されてしたたかになったのか、お年玉賞品で結構国民を煽る形になっていて、これが当たるかもしれないなら親しい友人に夢を送っても良いかな、と思わせます。

 年賀状は出すことによって年賀状をもらえる、という相互依存システムということを上手に煽るという民間的発想が根付いてきたのでしょうか。

       ◆ 


 今年のお年玉商品は、下六桁の一等(百万本に一本)が「十万円相当の旅行、家電、現金」だそうで、今年の2015年は「一等の現金」は一万円でしたので、一気に高騰しているのが特徴です。

 下四桁の二等は「ふるさと小包など」で、下二桁の三等が「お年玉切手シート」とこのあたりは定番です。

 かつては一等に海外旅行が入っていたこともありましたし、下六桁の二等として百万本に三本があたるという賞品構成の時もありました。

 こうした賞品も時代を反映していて変遷を眺めると結構面白いものですね。

 私から送った方に当たると良いことを祈っていますが、別に番号を控えたりはしておりません。念のため(笑)
  
【年賀状のお年玉賞品のご案内】
 http://yubin-nenga.jp/otoshidama/

 

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サハリン航路の継承断念…無念だ

2015-12-19 22:55:08 | Weblog

 昨日稚内市議会の全員協議会が開催されて、その場で工藤市長から正式に来年度のサハリン定期フェリー航路の存続断念の考えが示されました。

 今週になって新聞各紙がフェリー存続断念という予想記事を書き立てていましたが、関係者から正式にその遺志が示されたのは初めてです。

 市長からの説明は議会全員協議会の場であったので、基本的には質疑はせず、議事録も残らないという方針説明飲みということ。

 全員協議会はマスコミや一般市民にも公開されていたので我が職場からも傍聴に行き話を聞いてもらいました。

 市長の説明としては、これまで使用していたフェリー船『アインス宗谷』をそのまま取得して、第三セクターで運営を行うことを予定していたこと。また船籍を外国へ変更し外国人船員を雇用することで経費を抑え、かつ今後旅客や道北を中心とした農産物の集荷を拡大させることで事業収支の確保も可能と判断していたとのことでした。

 しかしながら、いざアインス宗谷に外航船籍としての「船級」を取ろうとすると、これが難しかったのだと。

 多数の人命と貴重な財産を積込む船舶には航行の安全性が特に要求され,そのためあらゆる点で航海に適しているという保証を得るために、一定規模以上の外航船は船級協会というところの技術的な検査を受け,船級を取得しようとしました。

 ところが、韓国でのフェリー事故の影響と、アインス宗谷は建造からすでに17年が経過している船であることから船級取得ができないということになりました。

 その点が解決できない以上、これ以上の手続きの進展が望めず、この時点での運行断念という判断になったというのが市長の説明でした。

 アインス宗谷は現在ハートランドフェリーさんの所有で、申し出があれば稚内市に優先的に売却するという約束でいたのですが、このことで市への売却もなくなりそう。

       ◆ 

 今後について市長は「サハリン州との交流は稚内市にとって欠かせないことなので、今後もこの航路問題については人生を賭けて取り組んでいきたい」と決意のほどを述べられたそうです。

 9月にサハリンへ行った旅行が最初で最後のアインス宗谷との旅となったということでしょうか。思い出がよみがえります。

 今までの様な定期航路は当面無理としても、これからもサハリンとの交流、北海道の産物をサハリンへ運ぶ物流の可能性について見守っていきたいと思います。

 サハリンをなんとか近づけたいですね。

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最北の道の駅を巡りましょう

2015-12-18 23:17:26 | Weblog

 平成5年に始まった道の駅認定制度ですが、最初11駅から始まった道内の道の駅はこの11月に木古内町の「みそぎの郷きこない」と鹿部町の「しかべ間歇泉(かんけつせん)公園」を加えて、今日117駅になりました。

 制度創設の当初からいち早く始まった「道の駅スタンプラリー」ですが、さすがに全道の道の駅を完全制覇するのは大変です。そんなときには『地域限定道のスタンプラリー』はいかがでしょうか。

 私のいる宗谷管内には4つの道の駅があります。稚内駅にある「わっかない」、猿払村の「さるふつ公園」、枝幸町の「マリーンアイランド岡島」、そして中頓別町の「ピンネシリ」の四つです。

 三年前には、この4カ所によるスタンプラリーを地域限定スタンプラリーとして始めましたが、昨年からこの4カ所に上川管内音威子府村の「おといねっぷ」と中川町の「なかがわ」を加えて六駅による「最北ぐるりん道の駅スタンプラリー」を実施しています。

 宗谷管内をちょっとだけはみ出しているのですが、地図をよく見ると、かつての国鉄が国道40号線と平行して音威子府駅から左に宗谷本線、右に国道238号線と平行して天北線として鉄道路線を走らせていたとおり、かつての鉄道路に沿った形で大きな輪になっていますね。

 そこで「おといねっぷ」と「なかがわ」を加えることで道北をぐるりと巡ってもらうスタンプラリーとしたのです。

 スタンプラリーとしては、今年の6月1日から10月31日の間、所定の用紙にこの6カ所のスタンプラリーを集めてもらって応募してもらいますが、4駅以上のスタンプを集めれば各自治体の地元特産品詰め合わせが当たる景品抽選に応募できます。

 さらに、6カ所の全駅を制覇した方には『完全制覇賞』という各自治体自慢のワンランク上の特産品詰め合わせセットの抽選に応募できるというわけです。

 10月末の募集期間を終えた後、事務局でいろいろな整理をして、去る12月7日に、中頓別町へ伺って小林町長さんとともに、完全制覇賞10名の抽選をしてきました。

 今回は応募総数が2,120名で昨年度よりも約二割増加、完全制覇をして応募してくれた方が、昨年の1,072名から1,325人とこちらも二割増加したそうで、知名度が少しは上がったのでしょうか。

 応募者の居住地別を見てみると、8%が宗谷管内、宗谷以外の道内が68%、道外の方が24%だったそうで、道外客の方も案外楽しんでくれたようですね。


           ◆   


 応募用紙につけられていたアンケートへの声では、「スタンプラリーがあるからこそ、なかなか行くことのできないところへ行く気になる」とか、「道の駅全駅は難しいけれど、地域に絞られると目的ができて楽しめた」という声がありました。
やはり目標はちょっとがんばると届くくらいが楽しめますね。

 最北ぐるりんスタンプラリーは、多分来年もやってくれるでしょう(希望です)。

 来シーズンも陽気が良くなったらぜひ道北へお越しください。

 


【最北ぐるりんスタンプラリー】
 http://www.wk.hkd.mlit.go.jp/houdou/pdf/h27/150528_stamprally.pdf

【ホームページ「北の道の駅」】
 アクセス数
 

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もしものための絆づくり~震災あんぜんパック

2015-12-17 23:37:06 | Weblog

「小松さん、『震災あんぜんパック』って知ってますか?」

 そう訊いてきたのは年末の挨拶で稚内へ来てくれた、札幌のシンクタンカーの知人のAさんです。

「ええ?知りません。保険か何かですか?」
「似たようなものですがちょっと違います。大震災の対策の順番ってご存知ですか。まずは①家の耐震化、②家具の転倒防止、③水や食料、携帯トイレの備蓄、そして四番目が④避難対策です」

「なるほど」
「大きな震災が起きた時には、大都会では大勢の避難民が発生しますよね。しかし現実には避難所の状況は劣悪です。大人二人で畳一枚分のスペースしかないとか、トイレに行くのにも気が引けて水を飲まないようになって体調を崩すとか、プライバシーがないとか、とにかく命は助かっても心休まるような環境は到底得られないでしょう。お年寄りや女性、小さな子供さんなどのストレスは甚大です。
 その大変さに気が付いたのが東京の早稲田商店街の人たちで、彼らは新潟県へ飛び、そこの商店街の人たちに相談をし、いざというときに避難先としての連携を提案しました。そしてその活動が今日、NPO法人全国商店街まちづくり実行委員会による『震災あんぜんパック』という形になったんです」

 

       ◆ 

 

 実際にどういうシステムかというと、被災時に避難疎開先として受け入れてもらうことを前提に、事前に受け入れ先の自治体や商店街に対してお金を払います。もしその年に何もなければ、受け入れ先はその分で自治体から地元の特産品を『ご無事特産品』として送ってくれます。

 震災が実際に起きれば、事務局が手筈を整えて疎開先が受け入れてくれるはずです。いざというときに疎開してそこで何か月もの間暮らすことを考えると、どんなところかを事前に知っておくことには意味があります。

 それが地元の特産品として送られてくるだけではなく、興味があるなら疎開先の町を訪ねるツアーを行うことも良いでしょう。そこで地域の人たちと触れ合っておけば、いざというときも心強い絆が生まれるでしょう。

 こうした絆を普段のまちづくりに繋げて行けばよいのではないか、というのが知人の考えです。

 現在この受け入れ先として名乗りを上げているところはそう多くはありません。温泉やホテルなどの名が見えますが、北海道では滝川市だけです。

 こうした都会の住民たちとの絆を形成することは普段からの交流につながり地元を知ってくれる人たちを増やし、観光振興にもつながるかもしれません。

 また本当に震災が発生して疎開してくれる人がいたならば、災害時の受け入れだけではなくそのまま定住してもらっても構いません。

 地域の人口が減少に向かう今日、地元のファンを増やす努力の一つとしてなんでもやれることはやった方が良いのではないでしょうか。

 


【震災あんぜんパック】http://m-shoutengai.com/shinsai/

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信頼と共感を得るためには

2015-12-16 23:55:21 | Weblog

 職場の大先輩で、神職いわゆる神主さんになる資格を取ってしまった方がおられました。

 私も公共事業を仕事している以上、建設業や土木の仕事は小さな生き物の棲みかや命を結果として奪うことになってしまうので、そうしたことへ心を寄せる気持ちは大切にしたいと思っています。

 まあ神主さんになった先輩というのはそもそも家柄が歴史ある神社を守る神職の家系だったということもあって、そうした道を選ばれたのかもしれないし、人にはそれぞれの事情があるのだということだと理解しています。

 以前はその方から古事記の話を教えていただいたりしていたのですが、その後には、その方からお話を聞きにくくなりました。

 神道は「教義がなくて、布教もしない」のが特色だという話を聞いたことがありますが、第三者としての感想や知識ならば「よく御存じだなあ」と感心できる事柄も、いざ神職となった方から話を聞くとなると受け取る方の感覚がそれまでとは異なってしまいます。

 同じ人なのに、背負うものが変わるだけで受け取り方が変わるというのは興味深くもあり、一つの現実でもあるように思います。


       ◆ 


 先日地元の建設業者の若手の方が挨拶に来て、「どうやったら建設業の良いところがこれから世に出る若い人たちに伝わって、自分たちの世界に就職してくれるだろうか」という話になりました。

 我々もしばしば様々なイベントやシンポジウムを開催して建設業の社会的な意義や果たしている役割を世の中にお知らせしていますが、自分たちの中では納得できる内容でも世間にはなかなか伝わらないことを残念に感じています。

 つまりは、建設事業に身を置く者が自分たちのやっていることをアピールしてもそれは、上記の話題と同様に、素直に受け止められにくいということなのではないか、ということです。

 ではどうしたら関心を持ってくれたり、そうした情報に共感を寄せてもらえるでしょう。

 そのためには『第三者の評価』が必要なのだと思います。ある主張をする人の身内から評価を得るのではなく、第三者である一般の方やオピニオンリーダーのような方たちからの評価を得ることが大切なのです。

 一般新聞が評価してくれるような内容の記事を書いてくれるということは、やはり我々にとっては励みになるばかりでなく、社会の関心と共感を得る一助となるでしょう。

「第三者ですか、なるほど」
「必ずしもマスコミさんだけでなくても良いのです。一般の主婦の方とか商店主とか、お医者さんとか、私たちとは直接的な関係性のないような方からも一定の評価を得られるようにしましょうよ。がんばりましょう」


 道は迂遠で長い道のりですが、地域を守ることの大切さを、地道に誠実に訴え続けて、少しでも多くの共感者を得たいものです。

 

 

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俺、ふるさと納税やめとくわ

2015-12-15 23:10:00 | Weblog

 先日東京在住の女性コンサルタント(既婚)の方と話をしていて、「ふるさと納税」の話になりました。

 好きな自治体に対して寄付をすることができてお礼がもらえるということが大いに喧伝されて、利用者も多いのではないでしょうか。

 好きな自治体への寄付は別に自由に行えば良いのですが、このふるさと納税のメリットは、自治体によっては還付率の高いお礼がもらえるという点で、このことを上手に使えばかなりの節約生活ができるということです。

 そのシステムは、たとえば一万円の寄付を五つの自治体に対して行えば、自己負担2千円を差し引いた4万8千円が所得税として支払っている所得税と住んでいる町に支払っている住民税から還付されるというもの。

 そして寄付のお礼たるや、各自治体が競って我が町自慢の産物を選べるようになっていてよりどりみどり。

 冒頭の女性コンサルタントの方は、「鍵は還付率ですよ、還付率!」と語気を強めます。

 還付率とは、寄付した額のどれだけがお礼として返ってくるかということ。一万円を寄付して5千円相当のお肉が送られてくれば、還付率は50%ということです。

 還付率が50%の自治体五カ所に一万円ずつ寄付をしてお礼をもらえば、自己負担分実質2千円で、2万5千円相当の産物がいただけるというのですから、使わない手はない、というのが鋭敏な主婦の感覚のようです。


           ◆ 


 寄付ができる額には収入に見合った限度額があるのですが、「限度額を考えながら、どこに寄付しようかと考えています」といいます。

「それに、元々は寄付をして所得税控除を受けようと思うと翌年の2月に確定申告をしないといけなかったのですが、今は確定申告がいらない『ふるさと納税ワンストップ特例制度』もできましたし、多くの自治体ではクレジットカードでの支払いもできるんですよ」
「国としてどんどん推奨しているって事なんですね」

「ふるさと納税のポータルサイトもあるんですよ、ご存じですか?」
「えー?知らないな」

「"さとふる"というキーワードで検索してみてください。『人気のお礼ランキング』とか、好きな自治体から探すとか、いろいろな情報が満載ですから」

 彼女の場合は、産地自慢の美味しいお米や肉、水産品などを目当てに自治体を選別しているそうで、壮大な地域間競争になっているのでした。


【ふるさと納税ポータルサイト『さとふる』】
 http://www.satofull.jp/


           ◆  


 しかし話を聞いているうちに、だんだん私自身は消極的になってきました。

「この手法って、寄付してもらおうという自治体や住民のまちづくりの努力やがんばりが報われるということじゃないですよね。何か釈然としないなあ」
「そんなことありませんよ!人気が出てたくさんの人がほしい、と思われるようなお礼の品を作り上げるところに努力とがんばりのポイントがあるのじゃないですか!」

 確かにそこは重要です。稚内市でも今年の11月から、ふるさと納税のお礼の品を充実させて、それは市のホームページでも紹介されています。

【稚内市のふるさと納税 お礼の品々】
 http://www.satofull.jp/city-wakkanai-hokkaido/
 


 三万円以上の寄付をしてくれたらなんと「最北海産物セット」がお礼としてもらえます。これはいい!


 しかし私は稚内市の住民なので、稚内市にふるさと納税をすることができません(笑)。

 おまけに、稚内に住んでいながら、他の自治体へふるさと納税するということは、お礼の品で美味しい思いをすることには繋がっても、結局我が町へ納めるべき税金が他の自治体へ流れて行くことを意味するのです。

 自分の住んでいる町から行政サービスを受けていながら、そこへ納めるべきものを他に流し、自分は恩恵を受ける、というのは自分の損得を超えて、何かが間違っているような気がしてきました。

 人口が一極集中している東京に暮らす人たちが、ふるさとへの貢献を果たしたり、結果としてお礼をもらう姿というのは、地方から見ると快哉を叫びたくなりますが、結局地方に住む私のような者が地方で暮らす人たちに奨励すべき話ではありません。

「結局待つだけなんだよなあ…」
「小松さん!そんなこと言っていちゃあダメですよ!お得なことには飛びつかないと!」

「いや…、少なくとも今稚内に住んでいるうちはやめておくよ。義理のある町の税金をいじめて自分が得をするというのは性に合わないよ」 


 ふるさと納税を心底喜べるのは、嫌いな町に住んでいるときなのかな。何かどこか間違っているような気がするなあ。

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