都市計画学会全国大会のエクスカーション(見学旅行)に行ってきました。
新千歳空港で集合して11時にバスで出発、小樽駅で待ち合わせする部隊と合流してから、余市のオチガビワイナリーさんと、ニッカウィスキー蒸留所を訪ねるというコース。
テーマ名を「北海道産業今昔」として、かつて石炭で栄えた空知~小樽を思いつつ、昭和9年から始まった余市でのウィスキーづくり、そして今日のローカルワイナリーの勃興の姿を見てみよう、というわけです。
もともとは一週間後の日程で開催する予定だったこの全国大会ですが、来週の週末に人気アイドルグループの「嵐」が来るというので、一週間早めたこの週末。
まだ気温がそれほど低すぎるほどでもなく、またブドウ畑ではまだ収穫直後のブドウの葉っぱが残っていたり、普段の栽培の様子が伺えてぎりぎりの良い季節でした。
オチガビワイナリーさんでは、ワイン醸造の現場を一回り見せていただいた後で、ちょっと高級なワインも試飲させてもらえて、(やっぱり高いワインは美味しいな)ということを実感。思わず一本買ってしまいました。
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ニッカウィスキー蒸留所では、自分たちのガイドで案内をしましたが、参加者の七割以上はNHK朝のテレビドラマ「マッサン」を見ていて、ドラマ撮影でも使われた施設などを見ていただきました。
施設内の見学はどちらの施設もほぼ想定した時間通りに過ごせたのですが、やはり事件は起こるもの。今回のハプニングは集合時に起きました。
まず10時50分集合予定だった新千歳空港ですが、男性二人で来るはずだったコンビの一人が飛行機に乗り遅れ、その連絡は私のところに来たものの、肝心の飛行機に乗れたはずの方が相方を待って集合時間が20分遅れに。
その遅れは、余裕をみていた新千歳~小樽駅間の行程の余裕で吸収したのですが、今度は小樽駅へ来てみると、札幌~小樽間でJRが線路トラブルで電車が止まっているとのこと。
13時には出発予定だった行程ですが、私の携帯にはJRに乗った参加者から「電車が遅れている」という電話がじゃんじゃん入ってきましたが、やがて、全員13時10分には到着できそうだ、という情報が入りました。
なかには「行程が遅れるようなら置いて行ってください」と言う人もいましたが、「いえ、全員拾って参加できるようにします」と全員参加を優先。
ここでの出発の15分遅れもまた余市までの間で吸収しました。
このような遅れが解消できたのは、行程の中にある程度どうでもよいコース設定を含ませていたから。小樽駅からは直接ワイナリーに行かずに、一度小樽運河周辺を巡る行程を入れておいたのですが、これをカットすることで、足りない時間を取り戻しました。
一見、意味のある行程のように見えますが、全体としての優先度は低いので、いざとなればなくても良いと判断できるようなプランを混ぜてあるのです。
つまり、リダンダンシー(=冗長性)という余裕を少しずつ持たせておくことで、全体行程を調整することができる。
全てがうまくいく前提でびちびちの計画にしておくと、何かがつまづいたところでその後ろ行程が全部ずれてしまって計画が破たんしてしまいますが、計画に余裕を持たせておくと計画の破たんが避けられるというわけです。
最終的には夜の交流会の会場まで5分遅れで到着し、交流会の開始には全く影響を与えず、行程管理はほぼ理想通りに終わり、ほっと一安心
エクスカーション担当責任者としてのミッションを無事に終了することができました。
参加してくださった皆さんも、見学内容ともども満足してくださったようで、私の喜びもひとしおです。
計画には余裕を。良い経験でした。