こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

家守綺譚

2005-08-08 00:00:00 | 未分類
梨木香歩さん『家守綺譚』を読みました。

学士綿貫征四郎の著述せしもの、という設定で、彼の出会う不可思議な出来事を、
様々な植物を題材に、淡々と描いています。
稼ぎの少ない物書きであるところの征四郎が、先立つものがなく、困っているところへ、
湖で行方不明になった親友の父親から、住まう者のいなくなった家の守をして欲しいと頼まれ、
渡りに舟と住まうことになります。

そこは不思議な住まいで、家の掛け軸から、亡くなったはずの高堂が舟をこぎながらやってきたり、
サルスベリに惚れられるは、河童が迷い込むは、狸や狐にだまされるはと、
次々に不可思議な出来事が起きます。

でも、征四郎も隣の奥さんも、当たり前のように淡々と受け止めています。
多分、時代は明治か大正時代。
この話のように、不思議なこともゆったりと受け止めて生きていたのでしょうね。
優しく、穏やかな物語でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする