こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『松本城、起つ』六冬和生

2016-11-24 19:43:57 | 読書感想
松本市に住み、地域密着型お気楽歴史オタクを満喫していた高校三年生の少女・矢諸千曲は、両親に本業を思い出させようと予備校の申込書を叩きつけられたと思われるが、それに抵抗し、家庭教師として信州大学生の巾上岳雪に白羽の矢を立てた。

次の模試で志望大学A判定がとれなかったら、自分のことはクビにして娘さんを予備校に入れることを提案したのだが、その肝心の判定結果が出た日、千曲はそれを見せぬまま岳雪を松本城見学に案内した。

はぐらかし続ける千曲に岳雪が腹を立てていると、松本城が崩壊し・・・気づくと1686年の松本藩の藩士・鈴木伊織となり、千曲は女子高生姿のまま、松本城に祀られている二十六夜神さまと名乗っていることを知らされる。

その年は、貞享騒動という百姓一揆が起こり、多数の死者が出るはずだった。

直接、一揆の首謀者となるはずの農民たちに接した岳雪は、何とかして彼らを窮乏から救い、同時に元の時代に戻ろうと願うのだが。

「『松本城、起つ』って何?早川書房で時代小説?」
タイトルを知ったときには、かなり戸惑いました。
なるほど、ある種のタイムスリップものなのですね。
とはいえ、似たような悲劇的状況を二回繰り返させられたときには、どうしたものかと思いました。

結局、何でしょうねえ?岳雪のある決心が状況を動かした、ということでいいのでしょうか?
あと、宇宙人?大きな蛾?あれの正体といいますか、それと世界観も気になるところではあります。

疑問符はいっぱい付くのですが、とても面白いSFですので、ぜひ、お読みになって下さい。
コメント
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