こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『どこかでベートーヴェン』中山七里

2017-02-12 19:34:52 | 読書感想
ショパン・コンクールの後、パキスタン大統領がテレビを通して岬洋介にメッセージを送った。
それを、岬の高校時代の友人・鷹村亮も見ており、高校時代に起きた殺人事件を思い出すこととなった。

鷹村は、岐阜県中央部、所謂中濃地区の山を切り拓いて造られた県立加茂北高校の音楽科に通っていた。
その二年生の時に、岬が転校してきたのだった。

彼の才能に憧れるもの、嫉妬するもの、クラスメイトの反応は様々だったが、大体において好意的なものが多かった。
豪雨による土砂崩れをいち早く察知し、ふもとに助けを呼びに行った岬が、殺人事件の容疑者になるまでは。

余談ですが、難聴になるまでの岬も、決して才能に恵まれた天才ということばかりではなく、無理解な父親との確執もあったのですね。

それにしても、クラスの中でほとんど四面楚歌だった岬が、あそこまで冷静に事件を解き明かしたのも素晴らしいのですが、あの状況で、岬を信じ守ろうとした鷹村も、隠していたことがあったとはいえ、尊敬に値する人物だと思いました。

また、ラストでは、思わずニヤリとさせられました。
『もう一度ベートーヴェン』(仮)も、楽しみにしています。
コメント
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