こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『二百十番館にようこそ』加納朋子

2020-09-17 19:42:09 | 読書感想
 
平凡な大学の卒業を前に、就職活動でお祈りばかりされる状況に心をすり減らされた主人公・刹那は、オンラインゲームに逃避し引きこもりになったあげく、亡くなった伯父の遺産である館の相続を口実に、両親からそれのある島に捨てられてしまった。

しかもすぐに引っ越してしまったようで音信不通。
父の武士の情けだという五十万円は、島の診療所には引かれていたケーブルを引っ張って来てもらうために、半分は使ってしまう。
このままでは飢え死にしてしまうと考えた刹那は、彼と同じニートを持つ親たちへ、その子どもを、余っている部屋に住ませる代わりに家賃を取るという宣伝を始めた。

初めから、かなり事態が重いのですが、島のお年寄りが、皆さん世話焼きだったり頼りになったりで、生活の基盤さえ整えば好環境かも?と思えます。
もちろん、何らかの問題を抱えている人々が来るわけですからトラブルはありつつも、ネトゲ仲間が泊まりに来たり、住み始めたりと、なかなか楽しそう?

そして、少しずつ心をほぐされた彼らはどうなるのか?ということろは読んでいただくとして、大抵の方々が他人事に思われているかもしれませんが、人生、何が起きるかわかりませんよー?
学歴・職歴だって当てになるか?・・・これは、自戒も含めていますが。

辛い状況の方々には重いと思いますが、最初の部分を乗り越えられたら面白くなってきます・・・多分。
でも、とっかかりでつまずいたら無理せずに、心がもう少し癒えてからチャレンジしてみて下さい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする