人に読ませるためではなく書かれた日記を、真に必要とする人に売っている日記堂。
鹿野友哉は、父の用で安達ヶ丘に向かい、その中腹にある日記堂でタダ働きをする破目となった。
美女ながら理不尽な店主、かなり個性的な客に囲まれて働いているうちに、店主の秘められた謎と悩みに行きあたる。
まさか店主が歴史的有名人の関係者で、ある物語に関わっているとは思いませんでした。
面白かったです。
幻想日記店 (講談社文庫) 価格:¥ 659(税込) 発売日:2014-01-15 |
人に読ませるためではなく書かれた日記を、真に必要とする人に売っている日記堂。
鹿野友哉は、父の用で安達ヶ丘に向かい、その中腹にある日記堂でタダ働きをする破目となった。
美女ながら理不尽な店主、かなり個性的な客に囲まれて働いているうちに、店主の秘められた謎と悩みに行きあたる。
まさか店主が歴史的有名人の関係者で、ある物語に関わっているとは思いませんでした。
面白かったです。
幻想日記店 (講談社文庫) 価格:¥ 659(税込) 発売日:2014-01-15 |
信仰心の篤かった祖父を持つ藤波孝太郎は、所属していた社会人野球チームを練習中の怪我でやめなければならなくなり、チームの所属する会社が経営悪化で野球部を廃止したため、営業も倉庫作業も怪我でできないとあっては、会社自体を辞めざるをえなくなった。
この春からバイトを始めた孝太郎が、ある日、神様の御用を聞いて回るという仕事を、大神さまの眷属と呼ばれる存在から引き受けることになったのは、祖父がそれまでやっていたということもあった。
そんなわけで、初めに会うこととなった狐神とともに様々な神様の願いを叶えて回ることになる。
狐神の黄金の願いが、抹茶パフェを食べることにすりかわる顛末には笑ってしまいました。
ただ、そうですよね。信仰する者が減ることで、神様の力も減るでしょうし、自分自身の願いさえ叶えられなくなっても無理はありません。
とはいえ、神様の言葉にならない願いにたどりついて叶えてしまう孝太郎は、感がいいのか、運がいいのか。
あと、大昔の人々は、食事の前に決まった和歌を詠んでいたのですね。初めて知りました。
面白かったです。
神様の御用人 (メディアワークス文庫) 価格:¥ 616(税込) 発売日:2013-12-25 |
帝國薬科大学創薬科学科修士二年の伊野瀬花奈は、しょっちゅう何もないところでつまづいたり、週一ペースでフラスコを落としたりしている。
そんな花奈は<フロンティア創薬研究室>に籍を置き、インフルエンザ耐性ウイルスが新たに発生したときのための新薬を創るプロジェクトに参加しているのだが、そのメンバーの一人・北条智輝に恋をしている。
そんなある日、少子化対策のために大学に置かれている<恋愛相談事務局>からメールが来たのをきっかけに、本人も周りも少しずつ変わっていく。
基本はミステリですが、今回はまた片思いだらけの物語ですね。
しかも、思わぬ人がモテモテ。
また、弱く見せておいて花奈は結構タフですね。
実は、花奈みたいな子が、恋愛では一番強者なのではないでしょうか?
面白かったです。
恋する創薬研究室 片思い、ウイルス、ときどき密室 (単行本) 価格:¥ 1,512(税込) 発売日:2013-10-10 |
最初の執筆者が次の執筆者を指名し、お題を渡して書いてもらい、また次の方をという風なリレー形式の短編集です。
法月綸太郎さんの「まよい猫」は、ユキムラさんとちひろさんの入れ替わりについて、どちらとも取れる結末になるところが面白いです。
鳥飼否宇さんの「ブラックジョーク」麻耶雄嵩さんの「バッド・テイスト」は、見事に連作になって面白く、拍手を贈りたい気持ちになりました。
そういう意味では、貫井徳郎さんの「帳尻」と歌野晶午さんの「母ちゃん、おれだよ、おれおれ」も続き物になっていましたが、痛々しい結末になっていましたので、ちょっと辛く感じました。
ラストの辻村深月さんの「さくら日和」は少女の切ない物語でしたが、結末が最初の執筆者である北村薫さんの「くしゅん」に戻って円環になっているように思われ、うまいなあと思いました。
収録の順番はバラバラになってしまいますが、北村さんの「くしゅん」は、長年連れ添った夫婦の妻の独白が、とてもやりきれない空気を醸し出し、殊能将之さんの「キラキラコウモリ」は、日常の中に寒気を感じさせるものとなり、竹本健治さんの「依存のお茶会」は、人間関係の薄ら寒さを思わせるものでした。
面白かったです。
9の扉 (角川文庫) 価格:¥ 562(税込) 発売日:2013-11-22 |
1975年に、五代目柳家小さんさんと興津要さんが芸のこと、江戸のこと、食のことについて対談なさって単行本となっていたものを、昨年、文庫化したものです。
芸のことは、私は素人ですから今の噺家さんに判断していただくとして、江戸の風俗や当時は当たり前にあった物が無い今、私自身だって落語の芯の部分が分かっているかどうかは自信ありません。
そういう意味では、古典落語がどのように残っていくのか、気になるところです。
食のことは、小さんさんは本当によく召し上がっていらしたのですね。
食べ物には相当の思い入れがおありのようで、中でも、むすびについては、読んでいてよだれが出そうなほど美味しそうでした。
面白かったです。
芸談・食談・粋談 (中公文庫) 価格:¥ 741(税込) 発売日:2013-05-23 |