信仰心の篤かった祖父を持つ藤波孝太郎は、所属していた社会人野球チームを練習中の怪我でやめなければならなくなり、チームの所属する会社が経営悪化で野球部を廃止したため、営業も倉庫作業も怪我でできないとあっては、会社自体を辞めざるをえなくなった。
この春からバイトを始めた孝太郎が、ある日、神様の御用を聞いて回るという仕事を、大神さまの眷属と呼ばれる存在から引き受けることになったのは、祖父がそれまでやっていたということもあった。
そんなわけで、初めに会うこととなった狐神とともに様々な神様の願いを叶えて回ることになる。
狐神の黄金の願いが、抹茶パフェを食べることにすりかわる顛末には笑ってしまいました。
ただ、そうですよね。信仰する者が減ることで、神様の力も減るでしょうし、自分自身の願いさえ叶えられなくなっても無理はありません。
とはいえ、神様の言葉にならない願いにたどりついて叶えてしまう孝太郎は、感がいいのか、運がいいのか。
あと、大昔の人々は、食事の前に決まった和歌を詠んでいたのですね。初めて知りました。
面白かったです。
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