こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『ぼくはアスペルガー症候群』権田真吾

2014-08-23 19:51:09 | 読書感想
今まで私が読んだ数少ないアスペルガー症候群の方々の体験談の中で、本人に対してと周囲の人々に対して、とても適切なアドバイスをくれる本だと思いました。

権田さんの様々な経験と失敗の中から、本人はどのようなことに気をつけたらいいのか、周囲の人はどういう配慮をすればいいのか、書いてくださってます。
もちろん全員に当てはまるのかは分かりませんが、かなりためになりました。
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『神の名はボブ』メグ・ローゾフ

2014-08-22 19:34:28 | 読書感想
地球は宇宙の果てにあり労働環境が悪かったため、神になりたいという者が現れなかった。

結局、それはポーカーゲームの賭け金にされ、ゲームに勝ったモナが十代の息子ボブにやらせることにした。
ボブは気まぐれで怠け者で惚れっぽく、自己中心的な若者だった。
さすがに心配した理事が、中年の管理職ミスターBを補佐につけた。

天地創造から長い年月が流れた現代、またしてもボブは人間の若い女性に恋をし、そのせいで、天変地異が多発した。

ボブとルーシーの恋模様は、ルーシーがいい子にもかかわらずボブが幸せにしてやれそうにもないので、ただただ、ルーシーの身が心配なだけでした。それよりも、ボブのペットのエックが残り数週間で命を絶たれるのを、どうやってまぬがれさせられるのかが、一番気になりました。

エステルやミスターB、そしてルークによって物事が良い方向に進みそうなのが、一番うれしかったです。
ボブがああいう結果になったのは、仕方ありませんよね。
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『私がデビューした頃 ミステリ作家51人の始まり』東京創元社編集部=編

2014-08-20 19:30:28 | 読書感想
この本、本来ならばミステリ作家志望の方が読むべきものじゃないかしら、と後ろめたい気分になりつつ手に取りました。

新人賞を受賞してなられた方、チャンスをものになさった方など、皆さん、色んなきっかけがおありのようです。
あとやはり、子供の頃から書いておられる方も多いようで、表現するのが好きな方なのでしょうね。
もちろん、例外もありますが、多種多様なデビューの仕方があって、とても楽しく読ませていただきました。

それから、読書好きだからといって、小説を書きたくなるわけじゃないことは確かです。
そんなわけで、私は今日も読書に勤しむのでした。
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『My Humanity』長谷敏司

2014-08-17 19:44:15 | 読書感想
疑似神経制御言語ITPによる経験伝達によって高度な専門技術者を簡単に養成しようとする実験が行われていた。
しかし、ITPは英語圏の人間を基準に開発されていたため、他文化圏で齟齬が起こる。
ケンゾーたちが開発している日本文化調整接尾辞は、この欠点を解消するため、経験記憶を日本人の脳に合わせる処理手続きだった。
果たして、ITPは文化を押し潰す方向に偏っているのか?

日本人でありながら、さほど日本文化に愛着のないケンゾーと、文化を気にするジャックを描いた「地には豊穣」ほか三作品を収録した長谷氏初の短編集です。

私は中でも、この「地には豊穣」とナノマシンの急激な進化による災害とその研究者の苦悩を描いた「父たちの時間」が、より人間らしさを扱っているようで特に気に入っています。

「allo,toi,toi」は結末が悲惨すぎますし、その過程の矯正対象者の心の動きにいまいち共感できません。
そういえば「あなたのための物語」も、結末はつらかったですよね。
それでも面白い物語ではあるという共通点はあります。

「HollowVision」は、IAIAという国際人工知能機構から送り込まれたヘンリーが、軌道ステーションでテロの対抗する物語で面白いです。
ただ、まるで新大陸アメリカとヨーロッパの関係を繰り返しているように感じられて、人間って進歩しないのかと思ってしまいました。
『BEATLESS』のスピンオフ作品だそうですが、まだ読んでいないんですよね。
つい、読みやすい本を選んでしまう情けない奴です。
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『本屋さんのダイアナ』柚木麻子

2014-08-16 19:35:59 | 読書感想
母子家庭で育ち、母に幼い頃から髪を金色にされていた矢島ダイアナ、漢字では大穴。
実は彼女は、文字を覚える前から、この名前が大嫌いだった。
そんな彼女と親しくなったのは、ダイアナが理想とする家庭環境で育った神崎彩子。
二人の共通点は、本を読むことが大好きなこと。
大の親友になった二人だが、彩子が私立のお嬢さま学校に、ダイアナが公立の中学に進む直前に、些細なことでけんか別れしてしまった。

高校まで、茨の道を進むダイアナ。
一方、大学で厳しい試練に直面する彩子。
ダイアナもつらかったでしょうが、彩子のこの経験はあまりにもつらいことで、その後の変貌も無理もないことだと思えました。

結末は、ハッピーハッピーではありませんが、二人が挫折や苦労を乗り越えた素晴らしいものだと感じられました。
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