こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『非Aの傀儡[新版]』A・E・ヴァン・ヴォークト

2016-08-22 19:23:14 | 読書感想
予備脳を持つたった一人の男、ギルバート・ゴッセンは、パトリシアとクラングの待つ金星に向かおうとしていたが、<影>が邪魔をし、あろうことか<大帝国>の支配君主エンローの支配下にいるアジャージン王子の肉体に、精神だけ乗り移らせてしまった。

果たしてゴッセンは、元の体に戻りクラングたちに再会することができるのか?
また<影>の正体とその思惑は?

まさか<予知人>という人々まで存在するとは思いませんでしたし、ゴッセンがここまで飛び回って活躍することになろうとは、考えもつきませんでした。

ただ、<影>の正体については○○だったりして、という勘が当たってしまい、我ながら驚いています。
さらに、その人物の結末も物語の終わり方も、あっけないというか、ちょっと物足りなかった感じです。
ゴッセン自身の由来についても、もう少し深く知りたかったなあ。

全体として壮大な話だっただけに、終わりも華やかであって欲しかったです。
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『犬は書店で謎を解く ご主人様はワンコなのです』牧野修

2016-08-20 19:28:52 | 読書感想
傲岸不遜な青年・伏部萩兎は、ある日、飼い犬の柴犬・ハギトと共に雷に撃たれ、魂が入れ替わってしまった。

外見は萩兎なのに中身は人懐っこい素直なハギトになってしまったため、家族も周囲の人々も心配してリハビリも兼ねて幼なじみのハル子の家・姫川書店でバイトを始めることになった。

内緒だが、教育係は犬になってしまった萩兎である。

果たして、一人と一匹は元の体に戻れるのか?

彼らが元に戻るまで、夫婦喧嘩、詐欺など、様々な町内の事件を解決していきますが、まさか、あの人物が放火魔の正体だとは思いませんでした。
また、結末では憎まれ口をたたきながらも、萩兎はハギトを愛していることが分かり、温かい気持ちになりました。
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コミックス『プレイバウ! ナナっちとさんぽした、だいたい5000日。』遠藤淑子

2016-08-19 19:28:32 | アニメ・コミック・ゲーム
遠藤さんと牧羊犬のナナっちは、ケンカもするけど、いつも体当たりで遊んだりして、とても楽しそうです。

我が家のジュンも、子どもの頃は特に、体当たりで遊びをせがんできて大変でしたが、楽しかったです。
今はずいぶん落ち着いてきましたが、本当はもっとかまって欲しいんだろうなと、目を見ていると感じます。
ごめんね。インドア派の体力の無い飼い主で。
普通の日本の雑種の中型犬で、ナナっちほどには体力がいらないはずなんですけどねー。

明日こそはもっと遊ぼうね、と思いつつ、暑さ寒さに負けているダメな飼い主なのでした。
私こそ、ジュンに飼い主と思われていないんじゃないかな?
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『アンと青春』坂木司

2016-08-18 19:46:52 | 読書感想
アンちゃんこと杏子は母に誘われて、自らが勤めるのとは別のデパートで開催されている『全国駅弁大会』に出かけた。
ついでに『新春・和菓子フェア』をのぞいたら、客が店員にクレームをつけていた。
その客が去り際に言い残した「飴細工の鳥」とは?

アンちゃんは、客や仕事仲間などの言葉を真摯に受け止め、時に傷つきながらも知らないことは調べ、 学びながら成長していきます。
私みたいなへそ曲がりには、アンちゃんの素直さがうらやましく、ある意味、嫉妬の対象となるかもしれないのですが、大好きなんですよね。
そして、はた目にはありありと分かる、ある人物の心境ですが、アンちゃんがいつ気づくのか?気づいた時にどんな反応をするのか?今からとても楽しみにしています♪

お勧めです。
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『真実の10メートル手前』米澤穂信

2016-08-17 19:52:48 | 読書感想
急激に成長し、鳴り物入りでナスダックへの上場を遂げたベンチャー企業フューチャーステア。
しかし、新たな事業を始めてから雲行きが怪しくなり、経営破たんした。

その社長・早坂一太と妹の広報担当・真理が行方不明になっていた。
手掛かりは、末妹・弓美にかかってきた電話の録音データだった。

表題作をはじめ『王とサーカス』のジャーナリスト・太刀洗万智を主役にした短篇シリーズとなっています。
取材対象は、老若男女・善人・悪人、その他様々ではありますが、 読んでいくと心が締め付けられるような気分になります。
太刀洗が、彼らの思いを引き受けつつ取材をしているせいでしょうか?
どの短篇も、誠実さがにじみ出てくると同時に、結末に切なさを感じさせられます。

中でも、少年の心を守るという決意を感じさせられた「名を刻む死」が、一番印象に残りました。
お勧めです。
コメント (2)
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