『毒殺協奏曲』アミの会（仮）編

「毒殺」をテーマに８人の作家が競作した、バラエティに富んだアンソロジー集です。

学校の教師の「毒殺未遂事件」の真実と事実。
人気小説家が誰かに殺される前に犯人を突き止めようとしたら、思わぬ事態に。
飼い猫の毒殺が、犯人にもたらしたもの。
毒による心中の顛末。

この４作品だけでも、多様な内容で面白かったです。
ただ今回、私が特に気に入っているのは、松村比呂美さんの『ナザル』と光原百合さんの『三人の女の物語』の「ある姫君の物語」です。

面白かったー！

『ダイエット物語・・・・・・ただし猫』新井素子

『銀婚式物語』でおなじみの大島陽子さんと正彦さんが飼っている兄妹猫、天元とこすみのうち天元にダイエットが必要になった。
元々、天元は足が不自由だったせいで運動できなかったためだと思われる。
果たして、猫のダイエットとは？

自覚を持たないため、食餌療法のみになってしまう猫のダイエットの大変さもよく分かりましたし、次の「ダイエット物語・・・・・・今度はヒト」も面白かったのですが、やはり素子さんも仰るように、この本のキモは「大腸ポリープ物語」ですね♪

私の場合、胃カメラ呑んでリアルタイムで自分の胃を見るのが楽しかったのですが、陽子さんの、というか素子さんが大腸見て感動する気持ちがよく分かります。

そして、松生先生への質問のお答えも、ためになりました。
うん！とっても楽しめました。

『なごみクラブ（７）』遠藤淑子

正月に実家に帰っていたトオルが、激太りして戻ってきた。
ダイエットを始めようとしたが、なかなかうまくいかず、その上、実家から大量の食材が送られてくるようになった。

第６５話のコミカルな話で笑わせつつ、合コンで出会った女の子の意外な一面や、２０代後半で地域密着アイドルになった女性の悩み、マネージャーが買った絵など、多様なテーマと物語が描かれています。

中でも、フジツボの歌姫・ローサさんの歌に秘められた思いに感動しました。
ローサさんが素敵なのはもちろんですが、それを描いた遠藤さんは、もっと素晴らしい方だと感じました。