こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』シオドラ・ゴス

2020-09-12 19:41:26 | 読書感想
 
父親に次いで母親まで亡くしたメアリ・ジキルは、ほとんどの使用人に暇を出した。

これまで、母親が祖父から終身財産を与えられていたため生活できていたのだが、それも母の死によって閉ざされてしまった。
ただ唯一の頼みの綱は、銀行からの手紙をつてに訪問してみると、生前の母が、ある協同組合あてに百ポンド預けており、そこから一月一ポンドの支払いをある人物にしていたという事だった。
支払われていた人物こそ、ハイド。彼の世話代としてだったらしい。

メアリはその口座を解約して、唯一、屋敷に残った家政婦のミセス・ブールに相談した。

メアリはそれをきっかけに、ハイドの娘ダイアナ、ジャコモ・ラパチーニの娘ベアトリーチェ、モロー博士の娘キャサリンなどに出会い、シャーロック・ホームズとワトソン博士の助けも借りつつ、〈錬金術師協会〉の悪だくみを暴こうとする。

ヴィクトリア朝の時代に生み出されたモンスターや、それを生み出した人物たちの娘たちが、手を取り合って冒険をするというこの物語。
気弱な私にはとても出来ない事ですが、それでも、元気で勝ち気な女の子たちが巨悪に立ち向かっていくのを、応援せずにはいられませんでした。
また、この物語自体もこの子たちが共同で創り上げたという設定のため、あらゆるところで内容についの議論が発生して、その部分もそれぞれの個性が面白く現れていました。

結構、読むのに時間がかかるのですが、実はこの作品は三部作らしいのです。
読むのは大変ですが、とっても面白いので続きの翻訳を待っています。
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『コルヌトピア』津久井五月

2020-09-04 20:09:03 | 読書感想
 
二〇八四年。
人類は、植物の生理機能を演算に応用する技術〈フロラ〉を生み出していた。
東京は、二十三区すべてを取り囲む環状緑地帯によって、世界でも群を抜く計算資源都市となっていた。

フロラ開発設計企業に勤める砂山淵彦は、多摩川中流で発生したグリーンベルトの事故調査が縁で、植物学者・折口鶲(ひたき)と出逢う。
植物には、〈フロラ〉に向いているものと向かないものがあり、向かない植物を異端植物と呼んだりもするが、鶲は、それを〈フロラ〉にして自分に試していた。
淵彦も、首筋につけるウムヴェルトという装置をつけているが、鶲の異端植物の〈フロラ〉の情報処理を脳に描出する事ができるのかを試して、意識を失ってしまう。
その中で、過去に藤袴嗣彦という少年との事を思い出す。

植物によって発電したりコンピュータとして働いてもらったり、もし、それができるのなら、空気や水の汚染がどれだけ無くなるでしょうか?
ただ、この技術も過渡期らしいので、今後、今回の様な様々な不具合がでてきそうです。
最悪、人類が植物に乗っ取られるという未來も考えられなくは無いですよね?

できれば、人間にも植物にもより良い社会ができて、共存共栄できる事を願います。
大きなテーマにしては、三人だけで世界が完結しているようなので、もう少し大きい世界も見たいです。
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「風景画のはじまり コローから印象派へ」北九州市立美術館本館

2020-09-03 20:07:08 | 美術館・博物館

久しぶりに本館に来ました。

歴史や神話の背景でしか無かった自然の風景を、主役とした「風景画」というジャンルが成立した19世紀初頭。
コローなどの風景画の先駆者たちから始まり、バルビゾン派、そして画家がエッチングの技法によって版画という表現を始めます。
そして、ウジューヌ、ブータンなども経て、印象主義が現れてくるまでが、今回の展覧会のようです。

私としては、ベルタンの「風景」や、ラヴィエの盆栽の元になりそうな「平原の老木」が好きです。

コローでは、明暗がくっきりして実際とは位置関係は違うらしいのですが、暗がりから明るい景色が見える「ヴィラ・メディチの噴水盤」柳のうららかな配置が春めいて美しい「春、柳の木々」
やはり、春の穏やかさが伝わる「樹間の小道、春」も気に入っています。
かと思えば、突風にしなる木々を描いた「突風」の動きも好きですね。
あ、そうそう「水辺で洗濯する女性たち」も忘れてはいけません。

バルビゾン派では、シャルル・ジャックの「水飲み場の羊の群れ」が好きです。

画家=版画家の誕生以降では、レオ・ドルーアンの「ジロンド・ラカノー沼」ミレーの「野良仕事」
レオン・オーギュスタン・レルミットの「村にて」では、子どもが、母親に叱られて泣いている光景に見えてかわいいです。

ブータンは「水飲み場の牛の群れ」が、牛が大きくおおらかにゆったりと過ごしているようで、穏やかな気持ちになりました。また、「ベルク、船の帰還」では、船が漁から帰ってきて浜の人々と魚たちを多分市場まで引いていっている光景が、素敵です。

印象主義では、ルノワールの「風景」とマキシム・モーブラの「日没の岩礁」がいいと感じました。

私も、観に行くのが遅くなりましたので、開催が9/6(日)までなのをお知らせいたします。3日後ですね。
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体調不良のため、S.S.D.Sを視聴。

2020-09-02 16:51:51 | CD・DVD等
実は、昨日から体調不良のため、仕事を休ませていただいて病院受診して胃腸の活発になる薬をいただきました。

いや、元々胃腸が丈夫なもので食べれば入るのですが、胃が動かなくなって消化しきれなかったみたいなんですよねえ。
今日・明日は、元々いただいていた休みで、職場の上司も明日まで休んでいいと仰っていただいたので、ゆっくり心身ともに休養したいと思っています。
まあ、台風最中ですしね。

あと、久しぶりにスーパースタイリッシュドクターズストーリー、略してS.S.D.S.のDVD『2012とことん診察会(4)』を拝見して笑い、少しはストレスが発散できたように思えます。
ありがとうございます。聖ラフォーレ病院の先生の方々。

ちなみに私のひいきは、バウム・クーテヘン教授とDr.HAYAMIです。
 
 
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