こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『星空にパレット』安萬純一

2021-03-16 19:55:20 | 読書感想
 
九重高校の三年生、楢本ユキと、二年生の田町浩介、刀根エイミが探偵部を立ち上げた当日。
校内で盗難事件が発生した。
犯人とみられる黒マスクの男は、バド部の合宿費を狙っての犯行であるため、校内の者だと思われる。
目撃した陸上部関係者によると、犯人の逃げ足は陸上部の者に引けを取らないようだったと言う。
しかし後に再び現れた同一人物と思われる黒マスクは・・・。
「黒いアキレス」

冒頭のこの作品は、高校生による推理合戦の面もあり、いくらかは爽やか(?)なところもありますが、次の「夏の北斗七星」は、とんでもなくやりきれない結末でした。
続いての「谷間のカシオペア」は、ミステリ作家が友人のホラー作家に見せられた素人の習作ミステリから物語が始まり、大体の着地点は予想できるものの、準備万端じゃないとできない結末でしたね。
ラストの「病院の人魚姫」は、犯人の反省していない発言を録音して、法廷で裁判官に聴かせたいと思いました。

・・・ネタバラシしていませんよね?
面白く読めました。
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『女子高生探偵シャーロット・ホームズ最後の挨拶(上・下)』ブリタニ―・カヴァッラーロ

2021-03-13 19:46:17 | 読書感想
 
 
シャーロットの兄マイロがオーガストを銃で撃ち殺してしまってから、シャーロットとジェイミーは離れてしまった。

シャーロットとしては、ジェイミーがモリアーティー家から危害を加えられないようにするための行動だったが、ジェイミーは、シャーロットへの不信感以上に喪失感も抱いていた。
寮仲間は、ジェイミーを労わってくれたが、彼の周りで奇妙な出来事が起こり始めた。

ジェイミーは様々な困難を乗り越える事で、ただ、ホームズ物語に憧れていた少年から、ずいぶん成長しましたし、シャーロットは、ジェイミーという相棒を得る事で感情を取り戻しつつあるように思えます。
ホームズ家の教育は、かなりいびつでしたからね。

それと比べても、ルシアン・モリアーティーも復讐のためにそこまでやるか!?という人物でしたね。
お互いに影響し合って、ますますいびつになってきたのじゃないかと思える歪んだ家同士だと感じます。

そんなホームズ・パスティーシュも完結かと思いきや、本国では続編がある模様。
日本での翻訳出版もあるといいな、と期待しています。
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『ペナンブラ氏の24時間書店』ロビン・スローン

2021-03-05 20:04:36 | 読書感想
 
失業中の元デザイナー、クレイ・ジャノンは、あらゆる仕事を探したあげく窓に貼られた求人ビラを見ていくうちに”24時間書店”のビラを見つけた。

それには
 店員募集
 夜勤
 特殊な応募条件あり
 諸手当厚遇
と書かれており、合法な雇い主という感じではなかった。

実際の〈ペナンブラの24時間書店〉では、状態のよい本が販売されていた。
しかし奥には、それとは別の貸本スペースがあり、会員らしき人々が借りていった。
さらにクレイは、そこにある本の中身を見てはいけないと厳命され守ってはいたが、好奇心の強い友人たちが中身を勝手に見てしまい、解読できないローマ字の羅列が並んでいる事が分かった。
その他にもペナンブラ氏は、クレイに顧客とのやり取りや時刻、その様子、精神状態、どのように本を請求し受け取ったのか、などなどをノートに記録するようにとも言った。

この書店と貸本の内容には秘密と謎があり、クレイとその仲間、そしてペナンブラ氏も解読に乗り出す。

最初に、書棚が遥か高みまであって上は暗く、梯子でよじ登るところは危ないながらも冒険心をそそられ、書籍量にも心躍りました。
そしてペナンブラ氏の所属する〈アンブロークン・スパイン〉の取締役会長コルヴィナ氏との対立の場面では、ハラハラしました。
さらに、1500年代の人物が残した謎を、グーグルのコンピューターを総動員して解き明かそうとするくだりでは、ワクワクしました。
結末も、本好きとしては満足のいくものでしたし、続編の楽しみも倍増させてくださるようなものでした。
面白かったです。
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『青蘭国後宮みがわり草紙 第二巻』早見慎司

2021-03-04 20:07:47 | 読書感想
 
前回、尚鳳によって殺された真鶴の妹が、姉は王妃・英桜花によって殺されたと伝えられ、仇討の為に後宮にやって来た。

また尚鳳自身も、自分の家臣を三人、桜花こと蓮華の元に遣わした。
どうやら、厄介払いとスパイも兼ねているような気配。

今回、蓮華もいくらか成長しているようで、まるきり裏表がないという訳でもありませんが、気性はそのままなので、刺客やスパイに来ても考え直す方が多いようです。
次巻では、尚鳳の配下たちがどれくらい改心していくのか、また、尚鳳自身に態度や心境の変化があるのかが、気になるところです。

まだ未購入で気になっている方々!
ぜひ、ご購入の上、お読みください。
一から二巻の売り上げ次第で、三巻がでるかが左右されます。

もし読了後、余力があれば、本の帯の表紙側の裏に載っているQRコードを読み取って、アンケートで「もっと読みたいから、続きを出してください」と書いていただくと効果は倍増で、シリーズになったりするかもしれません。
編集さんも、やる気を出して下さるかもしれません。

著者やイラストレーターにもいい評価をコメントなさると、より良い本が出来上がると思います。
これは、他の本にもあてはまるので、お試しください。
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