こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

2023年10月15日 柳家花緑独演会in北九州芸術劇場 中劇場

2023-10-15 20:38:56 | 落語
本日、北九州芸術劇場の中劇場で柳家花緑師匠の独演会がありまして、伺ってきました。

まずはお弟子さんの緑助さんの「たいこ腹」
行く時期のせいでしょうか?この噺は、よく聴く機会が多い気がします。
とはいえ、サゲは初めて聴くものでしたので古典と言えども演る方によりますよね。

続いて待ってましたの花緑師匠。
それがですね、私も落語というものを聴き始めて十数年以上になりますが、初めて生で「目黒のさんま」を拝聴しました!ビックリです!!
内容自体は、中学時代に学校図書館の落語全集らしきものを読んだのでよく知ってはいるのですが、有名過ぎるせいでしょうか?どの噺家さんもして下さらなかったのですよ。
物語もオチも、知られ過ぎているのでやりにくいかもしれません。
ものすごく面白く、楽しませていただきました。

普通なら高座から降りられて中入りなんですが、やはりお弟子さんの花飛(かっとび)さんが創られた新作落語をなさいまして、結構面白かったです。

中入りを挟みまして、再び花緑師匠。
そういや今回珍しく、花緑師匠が高座でお茶を飲んでおられて「おや?」と思ったのですが、どうも昨日7席話されたために声が枯れておられて、そのためだったようです。

それはともかく今度は新作をなさいまして「おさよ」
バレエの「ジゼル」の江戸版ですね。
いわゆる人情噺になったようですが、途中から観客皆で静かに聴き入ってしまいましてねえ。
もちろん落語ですから面白かったです。

全ての演目が終わって帰りに、ちゃんと演目の掲示板の写真も撮ってきました。 

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『星合う夜の失せもの探し』森谷明子

2023-10-13 19:49:56 | 読書感想
 
花畑の中に建つ秋葉図書館の、本編からすると少しだけ番外のような物語。

離婚したばかりの茉莉に元夫の実家近くにある秋葉図書館との縁ができたのは、息子の佐由留にトラブルがあった時に助けてもらった事から。
それから、この図書館の名探偵に助けてもらうようになる。

身内では無いものの親しくさせてもらっている方の急逝から始まり、元夫の幼児期のミステリや佐由留の同級生の不審な行動の理由、気軽な頼みごとが思わぬ事態を生んだ事による心の葛藤など、様々な謎とそこから派生した話も興味深く、しみじみと人の縁、心の奥深さ、人間関係の複雑さなど、もう一度考え直させられる事たびたびでした。
また理屈では分かっていても、現実への対処法や応用など、なかなか実際には適応できないんですよねえ。
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『二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ』古内一絵

2023-10-07 20:02:12 | 読書感想
 
時代は平成から令和に変わる時期。
間もなく海外資本に身売りする予定の映画会社「銀都活劇」で、DVD 宣伝チーム長である砂原江見が「さよなら銀活」という自虐まがいの90年代トリビュート企画を、グループ長の葉山学に持ち込み却下されるところから始まる。

こう書くと江見が主人公かと思われるでしょうが、実は章ごとに主人公が変わる群像劇です。
同じ出来事も違う立場から見るとまるっきり変わってきて、それぞれの人間関係、視点、考え方、葛藤、迷いがあり、外からは充足しているように見える人物にも満たされていない部分があって、読者としても一人くらいは親近感を持てる人物がいるのではないかと思います。

私としても50代で独身と言う面で、江見に少しは親近感を覚えます。
彼女ほど有能ではありませんけどね(苦笑)
ただ、この物語から自分自身の譲れない部分がいくらか見えてきたりもしました。

他の読者の方々も読み終わってみると、何らかの気持ちの変化があるのではないかと考えます。
なかなか面白かったです。
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