『 検察の罠 小沢一郎抹殺計画の真相 』 (森ゆうこ ・著) を読みました。
西松建設事件、陸山会事件とは何だったのか。
小沢一郎氏を政治的に抹殺するための、検察権力による大謀略だったのではないか。
このようなことを本書は問うています。
供述調書を ‘創作’ し、検察審査会への捜査報告書を捏造した検察。
みずからが事実の丹念な掘り起しをせず、一方的に大量のバッシング報道を流し続けたマスコミ。
これでは、どんな政治家だってひとたまりもありません。
社会正義と国民の人権を最終的に保障してくれるべき人(検察・司法)と、それを監視すべき人(ジャーナリスト)がその役割を放棄したら、いえ、役割の放棄どころか、逆に一緒になって犯罪をでっち上げてくるとしたら、この世の中はいったいどうなるか。
それこそ民主主義の崩壊であり、暗黒社会の到来です。
そこに危機感を持った参議院議員、森ゆうこ氏は、これまで三年間、その検察、マスコミとあらゆる場面で必死に闘ってきました。(今も闘っている)
本書はその経緯を、当事者の実名もあげながら、明快な文章でわかりやすく記録しています。
「政治家小沢一郎を支持しない」 「嫌いだ」 という人があっても、それはそれでいいと思います。
でも、だからといって、一人の政治家の政治生命が不当に抹殺されたり、人権が蹂躙されたりしてもいい、ということには絶対なりません。
今、政治をとりまく状況においては、大手の新聞やテレビでは知りえないことがあまりにも多すぎるように思います。
検察やマスコミ、さらには検察審査会などのあり方にも、つねに目を向けておかなければ、誰しも、いつ何時、同じことがわが身にふりかからないともかぎらない。
今の時代、そのような怖さを感じます。
本書を、できるだけ多くの人に読んでほしいと願っています。
(日本文芸社・刊、定価1575円<税込>)