10月22日
今朝はホテルでビュッフェの朝食。
品数は多いが郷土色が感じられるのはままかりぐらい。しかしこちらのビュッフェ、デザートが充実していて、朝からさつまいもとかぼちゃのアイスクリームを食べてしまった。
荷物はフロントに預けて、昨晩も来た美観地区へ。
まだ人通りのまばらな本通りを少し歩いて
高台にあるお寺の境内から街並みを見下ろしてみると、立派な公民館が一番目立つ。
その奥にあるのはまだ開館準備中の大原美術館の別館。
旧中国銀行倉敷本町出張所を増改築しているそうだが、なかなか素敵な建物で内部も見てみたい。
この脇の白壁に囲まれた小路を抜けて行けばようやく紅葉の兆しも見えてきた川沿いに出て
さすがに人の多い橋の向こうにギリシャ風の柱が目立つ大原美術館。
この美術館は倉敷紡績などで財を築いた大原孫三郎の創設だが、メインの西洋美術を収集したのは児島虎次郎という画家。エル・グレコなど20世紀の初めによく買い付けられたと感嘆するし、ゴーギャンやムンクもいいものがある。児島氏の審美眼は確かだと思うが、それ以上に莫大な資金で好きな絵画を買い付けられるのはどんなに楽しかっただろう、なんて想像してしまった。
西洋絵画の並ぶ本館を出ると蔵が並んでいるが、こちらは工芸・東洋館。
特に芹沢銈介がデザインした室内がしゃれていて、陶芸は民芸運動の作家たちを並べて見るとそれぞれの個性がわかりやすい。バーナード・リーチなど日本とイギリスが融合していて面白く、本館よりもむしろこちらの方が楽しかった。
ミュージアムショップにはこんなものがあったが
カタールのアヒルに比べるとごく控えめなお値段。
大原美術館から川を挟んだ対岸には有隣荘という大原家旧別邸があって、特別公開の最終日だからとチケット売り場のお姉さんにお勧めされたので入ってみた。
別邸なのでそれほど大きな建物ではないが、1階に大きな洋室がある以外は大きな窓で明るい和室が並ぶ。緑がかった屋根瓦がきれいだ。
美術館を出たら本通りに戻ってずっと歩いてみる。
お店が並んで人通りも増えたが
その合間には今もちゃんと人の住む民家が思いのほかたくさんあって、それでも街の統一感がとれているのに感心。
確かに絵になる町だ。
お昼もだいぶ回ったのでガイドブックにあったカフェを目指す。が、地図のそのあたりに来てもそれらしき店がない。もしや、と思って脇に回ると
建物と建物の間の細い道の先、さらに奥まった蔵の中に目指す「はしまや」はあった。
元は米蔵という建物。
発酵食品を使った料理を出していて、奥には料理教室のスペースもある。
ハンバーグ定食をいただいたが、甘酒やピクルス、米麹を混ぜた納豆など付け合わせもおいしく、特に発酵玄米がもちもちしてうまい!
そしてデザートにミニパフェをお願いすると
底にジュレなど入ったこれがおいし~。
そもそも岡山に来ようと思い立ったのはフルーツパフェが食べたかったからなのだが、この年になると巨大なパフェよりこれぐらいがちょうどいい。お昼はここにして大正解。
この辺りは美観地区もほぼはずれなのだが、観光客もぐっと少なくなって落ち着いたたたずまい。
米蔵の本宅は元呉服商だったそうだ。
また適当に歩いて行くと長い板塀に突き当たった。
この内側は元倉敷紡績の工場などがあった所で、今はホテルやショップなどのあるアイビースクエアという商業施設になっている。
ツタの絡まるレンガ造りの建物などあって、中ではこの近所の特産であるジーンズの展示会をやっていた。
美観地区の中心である川まで戻るともうだいぶ日も傾いてきた。
昨晩ライトアップされていたあたり、お店はどこも賑わっているが、20年ほど前に一度来たことがある友人に言わせると、以前よりもしゃれた店が増えて垢ぬけたとのこと。
ディズニーランドにならなくてよかった!
これにて観光は終了。ホテルで荷物をピックアップして倉敷駅へ。
美観地区方面とは逆の北口駅前にはなぜかそれこそDランドのような時計塔が建っているが、こちら側から岡山空港へのバスが出ている。
バス乗車35分で岡山桃太郎空港。帰路はJLで羽田へ。
今回の旅でようやく日本の47都道府県すべてに足を踏み入れたことになった。
海外もいいが、日本も広い。
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