12月4日
この日、由布院の日の出は7時9分。
その少し前に帽子、手袋で完全武装をして外へ。
宿からすぐの金鱗湖畔に来てみると
期待通りに朝霧が立っている。
湖の周りには同じように朝の散歩に来た人たちがいっぱい。
その向こうには温泉の噴気が立ち上って
小さな池だけれど確かに絵になる。
気温はおそらく5℃以下、温泉が流れ込んで水が暖かいので冬はよくこの朝霧が立つそうだが、散歩ですっかり体が冷えてしまった。
そこで部屋のお風呂に入っているうちに仲居さんが朝食の用意をしてくれて
今朝は洋食の朝ごはん。
きれいなオムレツは卵3個ぐらい使っているだろう、大きすぎて食べきれなかった。
こちらのチェックアウトは11時とゆっくりなので、食後は宿の売店をひやかしに。
昨日お昼を食べた喫茶室の1階が広い売店になっていて
ここで珍しい干し竹の子やブックカバーをお買い上げ。スイートポテトの中に餡子の入ったお菓子がおいしくて、これはもっと買えばよかった。クーポン、順調に消化中。
チェックアウトした後はまた荷物を預け、またちょっと由布院をお散歩。
やって来たのは由布院御三家のもう一軒、「玉の湯」。
亀の井よりさらに落ち着いた雰囲気の中、こちらの売店も覗かせていただくと
ここは焼き物などの工芸品が多くてセンスがいい。牛の箸置きをお正月用に購入。
こちらの喫茶室にも寄らせていただきたかったけれど、「コロナのため宿泊の方以外は入れません」とは残念。
玉の湯さんのお向かいにもかっこいい旅館があって
その前の小川沿いをまっすぐ歩いて振り返ると由布岳。
頂上が白いのは昨晩雪が降ったのだろうか。
宿に引き返す途中でまた外湯を発見。これは湯の坪温泉。
覗かせてもらうと中もとてもきれいで、ここはタオルを持ってくるべきだった。
散歩をしているうちに空も晴れてきた。
タクシーを呼んでもらって、気持ちよく滞在した亀の井別荘からバスターミナルへ向かった。
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由布院の散歩から戻ってようやく亀の井別荘の宿泊棟へ。
フロントの前の椅子でチェックインを済ませ、干し柿に餡の入ったお菓子で一服。
仲居さんに案内されたのはフロントから長い外廊下を歩いて一番奥にある離れの七番館。
「我が家」の玄関を入ると
玄関、踏み込みに続いて
8畳の和室。
その先、庭に面して一段下がったスペースに冷蔵庫やお茶道具、流しがある。
和室の隣が広々としたベッドルーム。
70㎡あるので浴室やトイレも余裕の造り、どこもきれいでさすがにいつもよりリッチな気分。
お部屋のチェックが終わったらまずはお風呂。内風呂もあるけれど館内探検も兼ねて大浴場に行ってみることにする。
ちゃんと使えるという黒電話など置かれた廊下を歩いて
男女入れ替えのあるお風呂へ。
写真はHPから
入ったお風呂は大きな八角形にガラス張りの屋根、この外の庭には露天風呂が2つある。
ここも広くて明るくてきれいだけれど、お湯は残念ながら塩素のにおいがしてがっかり。
さらにがっかりだったのはほかのお客さんのマナー。
ほとんど体を洗わずに湯舟に入ってしまう子供連れがいたり、駕籠をいくつも独占して荷物を広げてしまうおばさんがいたり。
湯治場のような鄙びた温泉にはそんなマナーの悪いお客さんはいない。
そこで夜と朝は部屋の内風呂を使ったが
こちらはちゃんと源泉かけ流し。
源泉温度が50.6℃、蛇口のお湯も45℃ほどあるので水でうめて入ったが、単純温泉ながらメタケイ酸が豊富な弱アルカリ性なので入るとつるつるして気持ちいい~。
この宿で大浴場に行くのは愚の骨頂と学んだ。
大浴場からの帰りには我が家の近くにある談話室をちょっと覗かせていただいた。
レンガ造りの建物の中には大きな本棚と蓄音機。
ちょうど暖炉に火を入れている所で、盆地の湯布院は朝晩とても寒くなるとか。
ここでお茶が飲めるし、夜には蓄音機でレコードが聞けるそうだが、夜は部屋から出なかった。
というのも離れの食事は部屋出しだから。
時間になると仲居さんがテーブルに真っ白なクロスをかけてくれて
まずは銀杏とむかご、さやいんげんの白和えにレンコン蒸し。お造りは鯛とイカで地味な始まり。
と、次には鶏とごぼうのお鍋が来て、これは上品なお出汁で量もたっぷり。
おいしい甘鯛の焼き物と蕪の煮物に続いて
大分和牛。これがしつこい脂もなく柔らかくて、今まで食べたことのある牛肉の中でも一番と思うぐらいおいしかった!
そして〆には御飯とのチョイスでおそばをお願いすると意外にも暖かい汁そば。しかも上に載っているのは玉ねぎの天ぷらなのだが、これがまた甘くて絶品。細いおそばはスルスル入る。
最後はかぼすのゼリーとショットグラスに入ったアイスコーヒー。
徐々に盛り上がる夕食は量も適当で楽しめた。
由布院の夜は静かに更けた。
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12月3日 続き
バスターミナルから徒歩1分の所にJRの由布院駅。
正面に由布岳を見つつ、ここからタクシーで宿に向かう。
乗り込むとタクシーの運転手氏、「どこからのバスが着いたの?」と聞くのでゆふいんの森の代替バスだと答えると「今までだったらゆふいんの森が着くと駅前が人であふれたんだけどねえ」と寂しそう。そのほとんどは外国人だったそうで、「やっと日本人が戻ってきた」のだそうだ。
5分ほどで宿に到着。
本日はちょっと贅沢に「亀の井別荘」。
ただしまだお昼でチェックインの3時まで時間がある。そこで右手の宿のフロントに荷物を預け、左手に向かうと
まだ紅葉の残る庭の先に食事処。
その手前の建物の2階に喫茶室「天井桟敷」があるのでお昼はここで軽く済ませることにする。
江戸末期の造り酒屋を移築したという建物内部は梁が見事で落ち着いた雰囲気。
ローストビーフサンドと由布岳を象ったというチーズケーキを友人とシェアして今夜の食事にそなえる。
ここでゆっくりしたらフロントでもらった地図を見ながらお散歩コースに出発。
入り口とは反対方向に歩いて行くと長い塀が続いて
その先の小川沿いは犬の散歩をする人がいるぐらいでとても静か。田んぼが広がり
周りはぐるりと山に囲まれてここが盆地だとよくわかる。
この周辺にもサザンカがいっぱい植わっていて
しばらく行くと渋い共同浴場があったので中を覗かせてもらったが、ここは地元民専用。
小さなゲストハウスが並ぶ狭い道を歩いて行くと
小さな天祖神社が現れてその奥が金鱗湖。
由布院と言えば必ず写真に登場する金鱗湖だが、実際に見ると驚くほど小さくて、これは湖と言うより池。一番長い所で100m、深さも2mしかないのだそうだ。
この池をぐるりと回るとまた地元民用の共同浴場があって、
そのお向かいにある茅葺の建物は観光客でも入れる「下ん湯」。ただしこちらは浴槽が一つしかない混浴だそうなので女性にはハードルが高い。
指をくわえてみているとその手前の川には魚の姿がいっぱい。水に手を入れてみると30℃ぐらいはありそうで、魚の温泉だ。
ここから宿とは反対方向に行くと由布院で一番の繁華街、湯の坪街道に出る。
タクシーの運転手氏に言わせると「ミーちゃんハーちゃん街道」で
なるほど猫カフェやら犬カフェやらフクロウカフェやら、食べ歩きの店や安っぽい土産物屋も多くて、しかしここだけは若いお姉ちゃんたちなど人がいっぱい。
軽井沢銀座のようなこの通りを歩いたらちょうどいい時間になった。
宿にチェックインしよう。
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12月3日
ホテルの朝食を食べたら博多駅へ。
本日は由布院への移動に「ゆふいんの森号」に乗る。そのために大分に行くのにわざわざ福岡から入ったのだ。
よく知らない駅なので早めに来たが、目指すホームはすぐにわかってしまった。
そこで次々に発着する列車を眺めていると
オランダ色のハウステンボス号に真っ青なソニック。
マークは「つばめ」だけれど今や「かもめ」の黒い車両など、JR九州の列車はかっこいい。
と、にわか鉄子になってはしゃいでいるうちに
黒い制服のアテンダントさんに迎えられて我らが「ゆふいんの森1号」が入線。
乗り込むと数段のステップがあって
我々の指定席、4号車は緑の葉模様でかわいい内装。
天井にも同じ模様が描かれ、テーブルも木製でおしゃれ。
出発までまだ時間があるので車内を見て回ると
内装は車両ごとに違って、一人旅の撮り鉄おじさんたちが同じようにうろうろ。
先頭の運転台を確認したら9:24に出発。
少ししたらビュッフェの売店が開いたとのアナウンスがあったので
早速出向いてゆずみつスカッシュとかぼすアイス、お濃茶アイス、ついでにエコバッグをお買い上げ。
このエコバッグの模様がかわいくてお気に入り。
さて、ゆふいんの森号の座席は快適なのだが、列車は結構横揺れが激しくて車内を歩くのは大変。
そこでおとなしく席で車窓を眺めていると
しばらくは平野の畑の中を走る。
見ていると本州ではあまり見ないサザンカの木がたくさんあって、ピンクの花びらが一面に散っていたりしてきれいだ。
やがて列車は山の中に入り、筑後川に沿って走って
天ケ瀬の手前、慈恩の滝の所ではスピードを落としてくれるけれど逆光であまりよく見えず。
そして11:09に豊後森駅に到着。
本来であれば由布院まで2時間の旅なのだが、今年の7月の豪雨で湯布院近くの線路が流されてしまったとのことでここから代行バス運行。もっと列車に乗っていたかったよ~。
駅到着からバスの出発までは10分の余裕があったが、バスに乗り込んだのは30人ほど。
実際平日の朝だったためか、今日の列車には10人ほどのツアーグループが一組いた他は各車両5,6人しか乗っていなくて、早くから予約しなければ乗れないと言われたこの列車、大丈夫だろうかと思わず心配してしまった。
バスはすぐに高速に乗り、
30分で湯布院のバスターミナルに到着した。
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コロナの感染拡大が止まらないのに相変わらず出歩いている人が多いな、とニュースを見ながらつぶやきつつ、映画を見に銀座に出かけた。言行不一致もいいところ。
まずはシネスイッチ銀座で
「ニューヨーク 親切なロシア料理店」 The Kindness of Strangers
亭主の家庭内暴力に怯える若い母親が男の子2人を連れてニューヨークに逃げてくる。
車はあるけれどクレジットカードも持たず、寝泊まりしていた車も駐車違反でレッカー移動されてしまって路頭に迷う。
普通だったら警察にでも保護を求めれば良さそうなところ、暴力亭主が警察官なのでそれができないのがつらく、この一見誠実そうな男前の亭主が恐ろしい。
食べるものに困るとデパートで万引きしたり、ホテルのバンケットに忍び込んで食べ物をくすねるお母さん、どんな育ち方をしてきたかがさりげなくわかる。
結局は教会ボランティアの救済所で着るものや食べ物をもらうことになるのだが、日本で同じような羽目に陥った場合、こんな救済所はあるのだろうか、と考えてしまった。
日本語タイトルから主人公はロシア料理店で働くことになるのかと思ったがそうではなく、英語タイトルの通り親切な人たちに助けられて逃げ込むのがその料理店。狂言回し的な場所で、そのオーナーを演じるのがビル・ナイ。
実はこの映画を見ようと思ったのは彼が出ているから。出演場面は多くないのだがつらい話の中のコメディリリーフ担当、とは言え北欧の監督らしく微妙なユーモア、それをビル・ナイはほんのわずかな表情で絶妙に演じて見せる。さすが。
地味なキャストながら他の出演者たちもうまく、ありがちなストーリーではあるが気持ちよく見られる。
もう一本はしごして、次はヒューマントラストシネマ有楽町で
「声優夫婦の甘くない生活」 Golden Voices
こちらはイスラエル映画なのだが主人公の初老夫婦は1990年にソ連から移住してきたという設定。なのでセリフはほとんどロシア語、ヘブライ語は語学教室の一場面で聞こえるだけ。
実際ゴルバチョフ政権末期のこの時期に大量のロシア人が移住したそうで、監督も主演の二人もソ連からの移住者。現在ではイスラエルの人口の20%がロシア語話者だそうで、だからタイトルの通りの声優や、奥さんが働くことになるロシア語のエロ電話サービスなんてものも成り立つわけだ。
この映画の監督はフェリーニがお好きらしく、夫婦の若い頃の写真にはフェリーニ監督の顔が入っているし、主人公夫婦もフェリーニ夫婦にちょっと似ている。
セリフにもちょこちょこ登場し、最後の重要な場面は映画館で「ボイス・オブ・ムーン」を上映中という設定なのだが、ほんの少し映るこの映画、もっと見たい!
映画自体はフェリーニというよりアキ・カウリスマキに雰囲気が似ているが、ストーリーはわかりやすく、特に独りよがりな旦那に黙ってついてきたが不満を募らせている奥さんを演じる女優さんがとてもうまい。
イスラエル映画と言えばちょうど1年前に「テルアビブ・オン・ファイア」を見た。
ニュースではイスラエル政府の強引さばかりが目立って好きになれないが、文化的には様々な所からの移民による多様性があるのだろう。映画は面白い。
と、2本のロシアがかった映画の合間にはロシア料理を食べた。
銀座メルサ7階にある老舗、「ロゴスキー」。
平日限定のランチをお願いすると
まずはカラフルなサラダが登場。
揚げたてパリパリのピロシキはひき肉とゆで卵入り、真っ赤なビーツ入りの田舎風ボルシチは野菜がたっぷりで、どれもとてもおいしい。
ここでロシアパンを買って帰ろうと思っていたのだが、レジのおじさん、「残念ながら今日はないんです」って、無念。
ところで「ロゴスキー」のあるメルサ7階、レストランが4店舗入っているはずなのにあとの1店は休業、2店は撤退で閉まっている。
映画館は平日昼間のせいではあろうが、どちらも20人ほどしかお客が入っていない。
出歩いても密じゃない、と喜んでばかりもいられない。
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名古屋に続いては九州に行ってきた。
元々は5月に予定していた旅行、コロナの流行でキャンセルした旅程で再チャレンジしたわけだが、Go Toのおかげでずいぶんお安くなったものの、またまた感染者急拡大でいつストップがかかるかとひやひやしつつ、なんとか停止前に滑り込んだ。
2020年12月2日~12月7日 大分温泉三昧の旅
12月2日
大分の旅と言いながら、出発は羽田から福岡へ。
午後の中途半端な時間だったせいか、10月に比べて空港は閑散。
久しぶりにJLを使ったらこちらも荷物預けがセルフになっていた。
今まで使ったことのなかった広い国内線ラウンジもガラガラ。
しかし食べ物もおせんべいとキャンディーしか置いていなくて、ひもじいよお。
15時50分発の福岡行きは搭乗率3割ほどで密とはほど遠く、18時半には博多のホテルに到着。
本日の宿泊は博多駅から徒歩5分のデュークスホテル。
ちょっと古いホテルなので今時では珍しい英国調のダークな内装だが、清潔だし便利だし文句なし。
さて、一泊だけの博多、今夜は水炊きにしようと思うが同行の友人が珍しい海鮮水炊きがいいと言うので行ってみることにした。
ホテルから徒歩5分ほど、三井ガーデンホテル1階にある「うお田」。
飲み物を注文して出てきた突き出しはエビの唐揚げと、珍しいボラの白子。トマトソースに入っておいしい。
明太子も辛すぎず、思わずご飯がほしくなる。きのこの唐揚げはえのきが多くてちょっと期待外れ。
水炊きの方はまず日本酒で海老とハマグリに熱が入れられて
あとはお出汁が張られて普通のお鍋。魚は鯛や穴子、鰆など5種類ほどあったが、サービスの若い男の子は魚の名前がわからない。
〆は雑炊にしたけれど、これもお出汁が煮詰まりすぎて味が濃すぎる。
このお店、素材やコンセプトは悪くないと思うが、サービスの目が行き届いていなくて残念ながらはずれ。間違いのない鶏の水炊きにすればよかった。
食後は腹ごなしもかねて博多駅の土産物売り場を覗いてみようと行ってみると
駅前がクリスマスのイルミネーションできれい。
周りはクリスマス・マーケットになっていて、ドイツや東欧の物を売っているので2年前のウィーンを思い出す。
真ん中ではホットワインなども売られて大賑わい。福岡は今思えば緩かった。
そして翌日はホテルの1階で朝食。
目玉焼きとたっぷりのサラダをいただいてホテルを出た。
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暇な一日、ネットサーフィンをしていてJAのHPで野菜Boxを見つけた。
これはその時に旬の野菜を詰め合わせて送ってくれるもので、全国各地の農協がそれぞれ行っているので地域によって野菜の種類も価格も違う。
なにより何が入ってくるか、届いてみないとわからないというのが面白くて、そういうのが大好きなので試しに一つ注文してみた。
選んだのは山形。注文して3日で大きな段ボールが届き、開けてみると
野菜がぎっしり。
数えてみると12種類、どれもいい状態で、食用菊のもってのほか、おかひじき、ヤマブシタケなどが入っているのがうれしく、ちゃんと食べ方のお勧めまで入っていて至れり尽くせり。
人参が立派な葉付きなのが珍しくて、これはお揚げと炒め物に。
おかひじきともってのほかはお勧め通り鳥ささみとポン酢あえにしたらすごくおいしい。
ヤマブシタケはお吸い物、葉っぱがふさふさのセロリは塩昆布和えなど、食べでのあること。
山形で味を占めて、次は福井県若狭に挑戦。
こちらも10種類の野菜が一つ一つ生産者の名前入りで届いたが、おなじみの野菜ばかりで珍しいものはなし。
その分使いやすいと言えば使いやすく、赤かぶやニンジンはカラフルなサラダに。つるんとして肉厚のピーマンは肉詰めにしたらすごくおいしくて、近所では売っていないこのピーマンがまたほしい。
さらに3回目、今度は山口県へ。すると今までで一番大きな段ボールが届いて
HPには「5,6種類の野菜」とあったのになんと11種類も入っている。
ただしレタスや水菜、からし菜、スイスチャードなどサラダ用の葉物が多くて、これは日持ちがしないので近所の友人に少しおすそ分けしたらおいしいと喜ばれた。
大量の水菜は豚肉としゃぶしゃぶにして食べたが、しばらく葉物ばかり食べて青虫になった気分。
と、3回注文してみたがこれまでのところはずれはなし。
どれも送料込みで3000円前後、スーパーの特売より安くはないが、鮮度と質が明らかに違うので満足度は高い。
届いたものを見てどう食べようかとレシピ検索するのも楽しくて、いつも作らないようなものが食べられるのもいい。
産地はまだまだたくさんある。次はどこから取り寄せようか。
それにしてもこんなことができる宅急便のありがたさよ。
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このところ続けざまにヨーロッパ産のミステリーを読んでいた。
翻訳もので読むのはたいていイギリス人作家の作品なのだが、しばらく前にベストセラーになった「ミレニアム」シリーズにははまって、全巻ほとんど徹夜をして一気に読んでしまった。
これに味を占めて同じスウェーデンの「刑事ヴァランダー」も何冊か読んだが、これは主人公が暗すぎて途中でドロップアウト。
次には同じ北欧ながらデンマークの「特捜部Q」を読み始めた。するとこれが面白い。
はみ出し者の警部補が地下室に追いやられて、謎のシリア人や変人の女の子たちと未解決事件を捜査するのだが、その時々の社会問題をうまく絡め、チームメンバーとのやり取りにはユーモアもあるので暗い事件でも楽しく読める。
今まで8冊出ていて、これは新作を楽しみにしているシリーズ。
はみ出し者を集めたチームで未解決事件の捜査、と全く同じ設定なのがフランスの「パリ警視庁 迷宮捜査班」。
これは女流作家で、そのせいかチームのリーダーも女性警部という設定。
地下室ならぬ、古アパート最上階のボロ部屋に集められるのだが、驚くのがみんな勝手に好きな家具やら電化製品を持ち込んで壁紙まで張り替えてしまう所。
自宅ならともかく、フランス人はこれほど居住環境にこだわるのか。
フランスのミステリーはこれもベストセラーになった「その女アレックス」がなかなか衝撃的で、続けてピエール・ルメートルは3冊読んだが、描写が残酷すぎて気持ち悪くなってしまった。
幸いにして「パリ警視庁」にはエグイ描写はないが、設定ありきのストーリーで登場人物たちのキャラクターも浅く、娯楽小説にしてもちょっと物足りない。
またもやはみ出し者を集めた設定のイタリアのミステリーは「P分署捜査班 集結」。
この設定はどこの国でも使いやすいのだろう、キャラクターの設定も「パリ」と似ている部分があるが、現地での出版はこちらの方が先。「特捜部Q」をなぞったようなタイトルは日本の出版社の仕業、Pはピッツォファルコーネ署から来ているのだが、米英以外の小説では地名や人名になじみがなくて覚えにくいのが難。
同じような設定ながらP分署の面々はパリよりキャラクター設定がきっちりしていて、解決する事件そのものは他愛ないが複数の事件が同時進行して、複数の視点からストーリーが語られるなど凝っている。シリーズものらしいので、これは続巻が楽しみ。
と、同じようなミステリーを続けざまに読むとお国柄が見えて、これが実は一番面白い。
フランスの小説では女性が強いし、イタリアの小説では胸の大きなナイスバディーの美女がぞろぞろ出てくる。そのわりにイタリア人はなかなか関係が進まないのだが、北欧だとすぐに寝ちゃったりする。
しかし一番違うのは食事について。フランスやイタリアの面々はチームで一緒に食事をする場面がたくさんあって、食べるものもおいしそう。それに比べて北欧では一人でせいぜいサンドイッチぐらいしか食べないし、ミレニアムの主人公たちなどタバコとコーヒーで生きているのかと思った。
警察小説で一番好きなのは実はイギリスのフロスト警部シリーズなのだが
こちらはもちろん紅茶ばかり飲んでいる。
外国人が日本のミステリーを読んだらどう感じるのか、聞いてみたいところだ。
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11月20日
ホテルでの朝食は前日に食べたので、今日は朝から名古屋メシ。
やって来たのは名鉄の地下街にある老舗喫茶店、「コンパル」。
年季の入ったビニールシートでいただいたのは
エビフライサンドと小倉トースト。
エビフライサンドには大量のキャベツと薄焼き卵もはさまれ、ボリューム満点でどえりゃーうみゃー。さすが名古屋のエビフリャー。
駅に隣接するバスセンターからは市バスに乗って「徳川美術館」へ。
雨が降ったりやんだりのあいにくの天気だが、散り敷いた落ち葉がきれい。
門を入ると正面が美術館の入り口、右手には一部が展示室になった蓬左文庫。
中の展示は撮影禁止。
茶室や能舞台も作られた美術館内には刀剣や茶道具、着物など尾張徳川家のお宝がいっぱい。しかし贅を凝らした工芸品ながら、先日東博で見た桃山時代の物に比べるとどうも制約が多くて面白みがない。
そんな中、家光の娘の千代姫の嫁入り道具は凝った意匠の中に葵の御紋を見つけるのが楽しい。
またちょうど源氏物語の企画展があったのはこの夏に読んだばかりなのでグッドタイミング。この美術館所蔵の国宝の絵巻は日程が合わずに見られなかったが、時代の異なる物語本をいろいろ見られたのはよかった。
美術館からは名古屋の観光ルートバス、メーグルに乗車。
シートがお城やシャチホコの柄になっていて可愛い。
車窓からテレビ塔や名古屋城、栄などの繁華街を一通り見られて便利。
市内を回って、降りたのはノリタケの本社がある「ノリタケの森」。
昔の工場だった赤レンガの建物の一部にはレストランやショップが入り、その裏は名古屋駅のすぐ近くとは思えないほど広い公園になっている。
お昼も過ぎたのでまずはショップ内のカフェへ。
しかし名古屋メシを食べすぎたので、ここではノリタケのカップでお茶を飲んだだけ。
ショップでの買い物も踏みとどまり、次はノリタケミュージアムへ。
こちらの1,2階はボーンチャイナの製造工程を見せる工場になっているが内部は札撮影禁止。と言っても他と特に変わった所はない。
3,4階はノリタケの歴史がわかる展示になっていて
特に4階の明治時代から戦前まで欧米に輸出されたオールドノリタケのコレクションが素敵。
いかにも西洋人好みの装飾過剰な日本趣味から始まり、流行したアールヌーボーへ。
壁一面に展示されたデザイン画が欲しい!
1920年代のアールデコがおしゃれで
帝国ホテルで使われていたフランク・ロイド・ライトがデザインした食器もあった。
3階は歴代食器の展示。
プレートやコーヒーカップのデザインが時代と共に変わっていくのがわかって楽しい。
どこかの小学生たちが社会科見学で来ていて食器のデザインを器用に模写していたが、我々が見学しているととても気を使って声を潜めたり、どいてくれたりする。
なのにあとから来たおばさんグループは大声でしゃべりまくって、しつけがなっていない。
ノリタケから名古屋駅までは歩いて10分ほど。
最後は「風来坊」の手羽先を買って、名古屋の旅は終了。
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11月19日 続き
教会から坂を下ると木造の建物がまとまって建っている。
一番手前はお風呂屋さん。
次が「呉服座」という大阪にあった芝居小屋。
小泉八雲が焼津に避暑に行った時に使っていたという魚屋の家は駄菓子屋になっていて
その隣は東京本郷にあってという床屋さん。この2階に東京時代の石川啄木が家族と間借りしていたのだそうだ。
蒸気機関車の前にあるのはハワイ移民の集会所、その先にあるのはシアトルにあった日系移民の家。どちらもわざわざアメリカから移築した建物だが、いかにもアメリカの住宅。
その向こうにはかなり大きな湖があっていい景色だが、これは入鹿池という農業用のため池とのこと。
正面がガラス張りの大きな建物は1890年に建てられた日本赤十字病院。
今にも白い制服の看護婦さんが現れそうな室内。
陽はだいぶ傾いてきたがこれでやっと半分カバーしたところ。
そこでまた移動のために乗り物に乗る。
今度は京都を走っていたという市電。
途中には踏み切りもあり、わざか5分ほどの乗車だがなかなか楽しい。
終着駅にある品川灯台をさっと見て
次は重文指定されている西園寺公望の別邸。
内部はガイド付きでなければ上がれないが、時間に間に合わなくて残念。
こちらは墨田区にあった幸田露伴の家。
西園寺さんの別邸に比べると質素だが、これでも普通の町屋よりはずっと広いらしい。
しゃれた豪商、芝川邸も外観だけ見て
ドイツ風の北里研究所へ。
古い検査器具などの展示は見ようによってはちょっと不気味。
最初にきしめんを食べたエリアにようやく戻って
油屋だったという東松家住宅や
東山梨郡役所を見学。
いよいよ閉園時間も迫って来たのであと一か所だけ、と小高い所に建つ聖ヨハネ教会堂へ。
これも京都にあったそうだが、先の聖ザビエル天主堂がカソリックだったのに対してこちらはプロテスタントの教会。内部がぐっと質素なのがいかにもそれらしい。
と外に出るともう4時でタイムアップ。
一通りは回ったが、すべての建物を見ようとすると明治村は半日では足りない。
帰りのバスで思いがけず30分も待たされつつ、充実した犬山の一日に満足して名古屋に帰還。
そのまま今夜もまた名古屋メシにしようと、やってきたのは名古屋Kitte地下の「ヨコイ」。
こちらはあんかけスパの元祖だそうなので、元名古屋在住者のお勧めに従って「ミラカン味」を注文すると
やってきたのはパスタに昔懐かし赤い皮のウィンナーたっぷりの具にどろりとした茶色いソースが添えられた一皿。
ソースは中華餡のような粘度だが味は友人曰く「アメリカのBBQソースみたい」で、胡椒がびっくりするほど入っていて辛い。
パスタの方は極太のスパゲティだが、この食感はソフト麺!
赤いウィンナーにソフト麺で思わず大昔の給食の話題で盛り上がってしまったが、この話題で年齢がわかってしまう。
辛いソースはなぜか食べているうちに辛さを感じなくなるのだが、このチープな味は英語で言うところのacquired taste。癖になる、のかな。
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