大鰐温泉からはわずか10分で弘前、ここで私鉄の弘南鉄道に乗り換える。
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2両編成のワンマンカーだが、改札では手でパンチを入れてくれるのが懐かしい。
終点の黒石までは30分、雪がうずたかく積もったロータリーからはバスに乗る。
黒石の温泉で人気があるのは青荷温泉。同じバスに乗ったおじさんたち4人も青荷に行くようだったが、今回はぐっと渋く手前の温湯(ぬるゆ)温泉で下車。
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バス停の前から斜めに入る雪道を3分も歩けば
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今夜の宿、飯塚旅館に到着。大正時代に建てられたと言ういかにも昔風の旅館建築が素敵だ。
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玄関を開けると中は土間になっていて、左手に廊下が伸びている。ここで声をかけるとすぐに出てこられた女将さんにどうぞ、どうぞと土間から上がってすぐ、一階の道路に面した8畳間に案内された。
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部屋にはがんがんにファンヒーターがたかれて温められていたが、大きな窓は二重になっていてもやはり夜は寒い。
その窓辺に置かれていたリンゴを出され、三つ指ついて挨拶されたのも久しぶりな感じ。
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お若くはないが美人の女将さんは優しく、布団がセットされて部屋の隅に巻かれているのも気取りがなくて、なんだか田舎の親戚の家に泊まりに来たみたい。
「もうお風呂に入れますよ、温まってください」と言われたので、今日はもう外に出るのはやめて早速お風呂へ。
浴室は最近になって建て増されたものらしく、廊下をずっと歩いて階段を数段上がる。
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すっきりとシンプルな脱衣場から扉を開けると
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かなり広い洗い場の奥に3,4人サイズの浴槽がある。
かけ流されるナトリウム-塩化物泉のお湯は無色透明でちょっと熱め。壁も浴槽もヒノキの香りが強いのでお湯に浸かっているとにおいがわからないが、シャワーを使うと硫黄の独特の匂いがする。
この木の浴槽の階段になっている部分が寝そべるのに具合が良くて、ああ、ここもいいお湯だ~。
部屋でゴロゴロしているうちに食事の時間になると、お膳が部屋に運ばれてきた。
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思いのほか海の物が多いお膳で、ナマコ酢や立派なホタテが青森らしく、蟹はなんと3連チャン。でも一番おいしいのは焼き立てを運ばれてきた岩魚の塩焼きで、身がふっくらしている。
ここもこれで一泊9000円なのだから、東北の温泉通いはやめられない。
ところでこの宿のお風呂は夜の10時まで、翌朝は浴室が温まらないのですぐ目の前の共同浴場を使うように、とチケットを2枚くれた。
おそらく夜にお湯を抜いて掃除をして、朝はお湯を入れないのだろう。
この日も自分の他にはお客は男性が一人だけのようだったから仕方ないかもしれない。
というわけで思いのほか暖かく寝られた翌朝、6時半ごろに共同浴場の「鶴の湯」へ。
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宿の目の前に見えるのが浴場の裏側、表に回ると大きなこけしの提灯が4つ並んでいる。
この建物は10年ほど前に建て替えられたそうでロビーも浴室もきれい。
浴室には熱い方が45℃ほど、ぬるい方が43℃ほどの2つの浴槽があり、床にお湯がかけ流されているので寝転んでトドになる人もいる気持ちよさ。
お湯は飯塚旅館と同じはずだが、ヒノキの香りがないせいか、こちらの方が硫黄の香りがする。
朝の6時半でも近所の人たちが5,6人入っていて、お国言葉でおしゃべりに余念がない。
山形の湯野浜では50%ぐらいは話の内容が理解できたが、津軽まで来ると80%はわからない。
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この共同浴場の営業はなんと朝の4時から。
しかし以前は24時間開いていたそうで、そのため近在から暴走族などろくでもない連中が夜中に集まってしまい、地元の人とトラブルを起こすので夜は閉めるようになってしまったそう。
温泉に集まるというのが考えてみればおかしいが、他に行くところがなかったんだろうね。
宿に帰って、部屋に運ばれてきた朝食をいただく。
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これを運んできた若女将はお母さんに比べると愛想がなく、気も効かないが、この後コーヒーも持ってきてくれたのでよしとしよう。
食後もまだバスの時間までだいぶあるので、温泉街を一回り。
と言っても共同浴場の周りだけだが
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ここには客舎と言って、自炊しながら共同浴場で湯治をするための古い形態の宿が何軒か残っている。
今も営業しているのかどうかもさだかではないが激シブ。
飯塚旅館も内風呂を作るまでは同じような自炊宿だったのだろう。
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その先には雪で覆われた橋があって、宿の裏を流れている川が見える。
山形や秋田の海岸ぺりでは大したことなかった雪も、青森まで来るとさすがに多い。
体が冷えたところで、チケットを2枚もらっていたのでついさっき入ったばかりだがもう一度「鶴の湯」で最後の湯浴み。
9時近くになったら早朝より一段とお客が増えた。
しかしここは本当に離れがたいほどいいお湯だ。
宿に帰り、女将さんに見送られてバス停へ。
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ようやく青空の広がった朝、どこの家でも雪下ろしが大変だ。
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