Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

16年雪の東北 3 大湯温泉「阿部旅館」

2016-02-26 23:42:47 | 国内旅行
1月23日 続き

さて、高市青果店のバナナてんを食べながらバスに揺られ、うどん屋さんの並ぶ稲庭を通って1時間で小安峡温泉へ。
国道沿いには10軒ほどの旅館が並ぶが、我々はそのままバスに乗って周りに何もないバスの終点まで行く。
 
ここで宿の迎えの車に乗り換え、さらに5分ほど。
 今夜の宿大湯温泉「阿部旅館」に到着。

 
ここも脇に小さな囲炉裏のあるフロントでチェックインをして、
 
すぐに通された2階の廊下はピカピカ。お部屋は6畳とちょっと小さいけれど
 
部屋付きの洗面トイレは広くてきれいだし、用意された綿入れやお風呂用の手提げかごもかわいい。
ここもこれで10,800円なのだから実にリーズナブル。

部屋の窓から外を覗くと、川沿いの湯小屋へと続く廊下が見える。
 この宿の自慢は露天風呂、となれば明るいうちに入らねば。

早速1階に降りると、内風呂の手前に露天風呂への出口があり、屋根つきの階段を降りると
  
 秘湯を守る会の提灯の左右に男女ののれん。
こののれんは翌朝には入れ替わる。

入ると脱衣場は小さいが、ここに源泉を利用した蒸し風呂があって
  これがあまり熱くないスチームサウナでとてもいい。

浴室に入ると今昔風呂という4,5人でいっぱいになりそうな簡素な浴槽が一つ。
 源泉が熱いので加水をして42℃ほどにしたお湯は無色透明。
泉質は単純硫黄泉だそうで確かに宿に到着した時には硫黄の匂いが鼻を突いたが、お風呂に入ってみるとほとんど匂わないのは加水のせいだろうか。

まずはここで体を温めて、勇を鼓してドアを開けて外へ。
 すぐにあるのはプールのように四角い浴槽。
ここのお湯はちょっとぬるいのだが、このさらに下に
 
かじか風呂と言う大きな露天があって、ここが解放感いっぱい、お湯も熱くていい~。
ここから身を乗り出して川を覗き込むと
 
川からは湯気が立ち上り、岩には赤いペンキで「岸から高温 ヤケドします 98℃」なんて注意書きがある。
この川は夏には堰き止められて混浴の川風呂になるそうで、緑の中での湯浴みも気持ちが良さそうだ。

ゆっくりお風呂を楽しんでいると、すぐに夕食の時間。
食事処に並べられていたのは
   
籠盛りの山菜においしいローストビーフや鱈の子の寄せ物。お刺身はいささか残念だったけれど
 
焼き立ての岩魚に鴨鍋とやっぱり盛りだくさん。

 
夜は広くてきれいな内湯に浸かって
 雪景色を楽しみつつ寝に着いた。


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16年雪の東北 2 肘折~秋田湯沢

2016-02-23 00:31:40 | 国内旅行
1月23日

肘折温泉元河原湯の朝ご飯。
  
豊富なおかずでおいしいつや姫のご飯、その上付きたてのお餅まである大盤振る舞い。

食後は10時の出発まで時間があるので、すでに2メートルの積雪がある肘折の温泉街を長靴を借りてちょっとお散歩。

  
温泉街の裏手を流れる銅山川には一部氷が張り、岩に積もった雪がポコポコとかわいい。
上流にある源泉公園をめざすも、雪が深くて途中からは通行止め。

  
以前お世話になったことのある丸屋旅館の軒先にはつららが下がり、別の旅館の看板に「熱烈歓迎」とあるのはここにも中国人観光客が増えているのだろうか。

狭い温泉街の道路では除雪作業で大忙し。
  
屋根の雪下ろしはこの冬初めてと言っていたが、これは確かに命だけだ。

一回りするうちに時間になり、また宿の車で送ってもらって新庄駅へ。
 
山形新幹線の終着駅、新庄は天井の高い立派な駅舎で大きな凧や山車が飾られている。

  
ここからは雪で真っ白な線路を行く奥羽本線に乗車。
 周りの景色も一面真っ白だ。

 約1時間の乗車で秋田県の湯沢駅に到着。

ちょうどお昼なので駅前からちょっと歩いて稲庭うどんの有名店、
 佐藤養助商店へ。
なにしろ稲庭はここからバスで30分ほどの所、まさに本場なのだからこれを食べないわけにはいかない。
 そして注文したのはオリジナルカレーつけめん。
なぜか佐藤養助さんはカレーに熱心で、メニューにはタイグリーンカレーにレッドカレーもある。
オリジナルカレーは日本風だが生クリームのコクもあり、スパイスもほどよく効いてとてもおいしい。
上品な稲庭うどんよりはご飯にかけて食べたい感じではあったが。
 もちろんお土産もここで購入。
ちなみに右側の細かく折れたうどんは食事をした人に無料でくれるもの。これをもっと細かく切ったものは麺粥と称して土産物屋でも売っていて、一度ゆでてからだし汁に入れて食べるのだそうだ。

お腹が膨れたところで駅に戻るべくほとんどシャッターの下りた寂しい商店街を歩いていると気になる店を発見。
 
高市青果店とあるが果物は売られておらず、タイ焼きやらタコ焼きやら大学芋やらメニューが豊富。
中に「バナナてん」の文字があったのでひっかかり、お腹いっぱいにもかかわらず買って次のバスの中で食べてみると
 これが期待通り、外はアメリカンドッグのような甘い衣、中は酸味のあるバナナでうま~い。

ところが駅まで戻り、駅中のジオパーク案内所のおじさんと時間つぶしにおしゃべりしていると、「三関のさくらんぼを知っていますか。粒が大きくて最高級のさくらんぼなんだけれど、地元の高校でこれをドライチェリーにしてミッチェリーと名付けたんですよ」とおっしゃる。
そう言えば先ほどの高市青果店でミッチェリークリームパイというのがあり気になっていたと言うと
 土日しか売らないから大人気、予約をしないと買えないのだとの仰せ。確かにさっきも売り切れていた。
こうなると食べなければ気がすまない、幸い明日の日曜日もここを通るので早速電話をしてチェリーパイを予約した。

そして翌日、帰路にまた高市青果店に立ち寄り、予約のミッチェリークリームパイに、「秘密のケンミンショー」でも取り上げられて有名になったと言うオランダ焼きもついでに購入。
  
駅前の土産物屋で湯沢翔北高校商業クラブのミッチェリーも買ってみた。

これらは大切に東京まで持ち帰り、帰宅してからまずオランダ焼きを食べてみると
 今川焼の中にハムとマヨネーズ。
想像通りのB級おやつ、とこれは褒め言葉。

そしていよいよミッチェリークリームパイを食べてみると、外はタイ焼きの型を押されているがサクサクでバターたっぷりのパイ。
そして中身は・・・なんとチェリークリームではなくチョコバナナ!
わざわざ電話で予約までしたのに間違えているなんて!

結局ミッチェリークリームパイは食べられなかったが、湯沢に降りたら高市青果店はぜひ行かねば。


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16年雪の東北 1 肘折温泉「元河原湯」

2016-02-18 23:28:36 | 国内旅行
恒例の大人の休日パスの旅、この時期ならもちろん雪見風呂、と今回も友人と二人で北へ向かった。

1月22日

今回まず乗り込んだのは山形新幹線。
 
お腹に紅花の絵の付いたスマートな列車で新庄まで一直線。

のはずだったのだが、もうじき山形に到着というあたりから列車のスピードが落ち、やがて「大雪のためこの列車は山形止まりとなります」との無情のアナウンスが。

 この先、村山まではなんとかローカル線が動いているが、その先はバスでの代替輸送とのこと。

次の列車までまだ時間があるので、それでは腹ごしらえ、と駅ビルの中のお蕎麦屋さんで
 山形名物ひっぱりうどん。
これは納豆とサバ缶、ネギをかき混ぜ、そこにうどんをからめて食べると言うもので、これなら家でも簡単にできる。
そそくさと食事を済ませて、時間になったのでホームに降りてみると
 旅行者やら学生やらでホームはいっぱい。

ところが時間になっても運行されるはずだった臨時列車は来ず、その後の普通列車も遅れて山形駅を出発できたのは到着してから2時間後。
山形線は単線なので、ダイヤの調整が簡単には行かないらしい。

満員の普通列車で村山へは30分ほど。
 
駅前にはバスが待っていて、テキパキと誘導されるのはこれまでも何度か東北の旅で経験した通り。

村山駅のあたりでは青空も見え、一面の雪景色とは言え積雪も大したことはなかったが
 
北に向かうにつれて雪がどんどん多くなり、新庄の手前辺りは確かにすごい積雪で、これでは列車が止まるのも無理はない。

こうしてバスに揺られること1時間でようやく新庄駅に到着。
  
2時に出発予定だった宿のお迎えの車が2時間遅れの乗客7名を待ってくれていて、ここからさらにすごい雪道を1時間走って5時にやっと肘折温泉に到着。

今回のお宿は「元河原湯」さん。
 
これは翌朝の写真だが、到着した時にはすでに周りは暗い。
  
囲炉裏のあるフロントを通り、部屋に通されると広い10畳間にこたつがあるのがうれしく、今回は11000円のリーズナブル・プランながら部屋にトイレがあるのもありがたい。

窓からは雪の中を流れる川が見えて、この景色も風情がある。

時間通りに到着していれば外湯の一つにでも行こうと思っていたのだが、遅くなってしまったのですぐに予約制の貸切風呂へ。
  こちらの浴槽は二人でゆったり入れる大きさの信楽焼。
かけ流しのお湯は自家源泉のナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉だそうだが薄い赤茶色で金気臭があり、なめるとちょっと塩気があって良く温まる。浴室内も落ち着いた雰囲気がよく、わざわざここまで来た甲斐があったと言うもの。

一風呂浴びた後はすぐに食事の時間となって食堂へ。
  
お皿の上のかわいい雪だるまはマッシュドポテト。
  
みそを塗られた岩魚は焼き立てが運ばれてきて、牛乳豆腐?はあまり味がなかったけれど
 
宿のご亭主が打ったという十割そばがすごくおいしく
 デザートまでいただいたらもう苦しくて動けん。

部屋で腹ごなしにゆっくりした後は4階の展望風呂へ。
  
こちらは大きなお風呂だけれど、肘折3、4号泉の混合と言うお湯は貸切風呂の自家源泉に比べるとちょっとインパクトに欠けるような気がするのはお湯の鮮度の差だろうか。

温泉でよく温まり、いいお布団にくるまって夜は暖房もいらずに良く眠れた。


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フュージョン和食@恵比寿「Gozzo」

2016-02-13 18:24:01 | 食べ歩き
ポーランド在住のスコットランド人の友人がまた来日したのでお店探し。
前回は本格和食にしたので、今度はちょっと変化球にしてみた。

 恵比寿駅から徒歩10分ほどの 「Gozzo」

店の外観はこじゃれたカフェと言った感じでカジュアルな雰囲気。
有名フレンチのシェフが監修する和食のアレンジとのことだが、果たしてお味はいかに。

メニューのほとんどがシェアできることを確認して注文、まず運ばれてきたのはアミューズ。
 ポテトサラダとライスコロッケと聞いてなーんだ、と思ったのだが、この平凡そうなポテトにちょっぴり振り掛けられた黒いものがトリュフで、たったこれだけの量なのにすごい香り。これはかなりいい材料を使っているかも、と期待する。

次に頼んだのはブリ大根なのだが
 これがなんとサラダ仕立て。
一見お刺身のようなブリにはごく軽く火が通され、カラフルな大根がさっぱりとブリの脂を中和してくれる。

温かい前菜にはワカサギのフリット。
 横にきれいにデザインされているのは桜塩と抹茶塩。
なめてもほとんど香りは感じないが、フリットはさくっと揚げたてで、ワカサギを頭からしっぽまでおいしくいただける。

メインに選んだのは豚肉の棒葉焼き。
 焼かれた鉄鍋にテーブルで味噌ソースをかけると山椒の芽がとてもいい香り。
ポークもとても柔らかくて、ごぼうや揚げレンコンの付け合せもいい。

お食事にはスープパスタを選んでみたが
 これはハタハタのしょっつる鍋にモチモチしたパスタが入っているという変化球。
焼いたハタハタが香ばしくてほろほろ、しょっつるのスープも強めの味付けにしているので太いパスタに意外なほど合う。
ただこちらのお店、食事はすべてお箸でいただくのだが、このパスタがツルツルすべって連れともども結構苦労した。

と、ここまで楽しく料理をいただいて、でもまだデザートは入ると言うことで
 自分はほうじ茶のプリンを選択。
こちらはごく普通のプリンで特筆すべきこともないが
 友人の選んだチョコレートムースはなんと山椒入り。
上に木の芽が乗っているだけではなく、ムースの方には山椒の粉が使われているので、最初はレモングラスのようなさわやかな香りがして、後から舌の先が痺れてくると言う何ともユニークなデザート。
中国にも何年か住んで花椒が大好きという友人は大喜び。

帰り支度をしていると若いシェフが顔を覗かせ、おいしかったと言うととてもうれしそうにしてくれた。
お値段もリーズナブルだし、ここは日本慣れした外国人を連れて来るにはぴったりの店。
いい所が見つかった。

ところでポーランド在住の友人、今回は先月就航したばかりのポーランド航空の直行便で楽々来られたとのこと。
機材はB787のドリームライナーでワルシャワまで11時間半。
まだお客は少なくて航空券も安そうだし、東欧への乗り継ぎもすごく良さそう。
友人がまだポーランドにいるうちに、一度は行かないとな。


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隠岐の戦利品

2016-02-11 17:20:29 | 国内旅行
神社めぐりに明け暮れた隠岐の旅、そのせいばかりではなく、島で買い物のできるところは多くない。

土産物らしいものを買えるのは空港かフェリー乗り場の売店
 
 あとは西郷港の近くに物産館と道の駅のようなお店があるぐらい。

西郷にはお魚センターというのもあったが
 あまり見慣れないお魚がいっぱい。
  ミズダコは100g300円、福井ではセイコ蟹と呼ばれて1匹800円ぐらいする松葉ガニのメスがここでは250円と安い!

しかしさすがにここから鮮魚を抱えて帰るわけにはいかないので、
 あご(飛魚)の粉末と、この島らしい海藻をお買い上げ。
隠岐の周りでは魚がよく獲れるが、輸送技術のなかった最近まで島外に売れるのは海藻ぐらいだったのだそうだ。

 燻製になっているのはお昼を食べたレストランにあったクロマグロの幼魚、これをこのあたりではヨコワと呼ぶ。
海苔の佃煮は海苔にひじき、もずく、昆布まで入っている。

 あごせんべいやイカ墨せんべいはパリパリと香ばしく、空港売店でイチオシだったそば粉のかりんとうも好みにピッタリの噛みごたえ。
隠岐神社のお向かいで買ったふくぎ茶とは高級和菓子などを食べる時に使うクロモジの葉のお茶だそうで、これがちょっとレモングラスのようなさわやかな香りがしてとてもおいしい。ティーバッグになっているのも使いやすく、これは日本橋の島根館でも売っているようなので今度買いに行こう。

 こちらは隠岐神社の参拝記念にいただいた絵葉書とおさがりの玄米。

売店がないと言う割には結構買い物をしていた。


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隠岐の旅 4 中ノ島~島後

2016-02-08 23:38:31 | 国内旅行
11月16日

ホテルの部屋から眺める菱浦港の朝焼け。

朝ご飯をいただいたら中ノ島を出発。

美しい木造のフェリーターミナルには「ないものはない」のポスターがずらり。
これ、「ならぬものはならぬ」みたいに「なんにもない」という意味かと思ってしまったが、「なんでもある」って意味よね、たぶん。
 
土産物売り場に並ぶ商品パッケージがしゃれているのはIターン移住者のプロジェクトらしい。

島後への戻りは今度はレインボージェットというジェットフォイルで。
 
 
日の差す海を快調に飛ばして、フェリーでは1時間10分かかるところを30分とさすがに速い。

島後に戻っての神社めぐりは天健金草(あまたけかなかや)神社からスタート。
  
 拝殿よりも奥の本殿が立派な小さな神社だが、成立は927年と古く、後醍醐天皇がここに祈願して脱出がかなったと言うことで昔は社格も高かったらしい。

境内には後鳥羽上皇を慰めるために始まったと言われる隠岐の闘牛場があり
 
この町のマンホールにも闘牛。

ここを出て山の中に入り、次に向かったのは壇鏡神社。
  
杉林の中、きれいな水の流れる小川に沿って歩いて行くと小さな神社が現れるが
  
その背後にまっすぐ落ちているのが落差50mの雄滝で、脇の道から回り込んでこれを裏から見ることができる。
 神社の左手にはもう一本、雌滝があって、こちらは水量が少ないと見えないことが多いが今日はちゃんと見えているとのこと。
ここは杉林と滝の水ですがすがしく、とても気持ちのいい所だ。

滝の後は島の北へ向かい、伊勢命(いせみこと)神社へ。
 
この神社の始まりは海から現れた光の玉がこの地に留まったから、といかにも海に囲まれた島らしい言い伝え。
 
本殿の正面、屋根の下の龍が建物に絡みついたように彫られているのが面白い。

そしていよいよこの旅で最後の神社、水若酢神社へ。
  
境内には立派な土俵があって、元々神事である相撲にふさわしい。
  
そして現れる拝殿と本殿はさすが隠岐国一宮の立派さ。
 
本殿の茅葺屋根と、その下の波の彫刻が美しい。

無事お参りが終了した後はすぐ近くの五箇創生館なるところで隠岐最後のお食事。
 
岩のりのおにぎりにめかぶの酢の物、海藻の煮物におそばにもあおさと海藻づくしのお昼ごはん。
隠岐のそばはさばだしが特徴だそうで、十割そばも風味がたってとてもおいしかった。

食事の後は西郷の町でちょっとお買い物タイムがあって、すぐに空港へ。
 
帰路は天気も良く、かわいいエアコミューターは時間通りに伊丹へ。

こうして2泊3日、正味2日でめぐった神社の数は11社。
まさにマニアック・ツアーであったが、隠岐の自然ももう少し見たかったと言うのが本音のところ。
もう一度隠岐を訪れることはあるだろうか。


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隠岐の旅 3 西ノ島~中ノ島

2016-02-07 00:04:13 | 国内旅行
11月15日 続き

昼食後も西ノ島の観光続行。

次に訪れたのは焼火(たくひ)神社。
 
ちょっとした山道を植物好きのガイドさんに案内されて上って行くと
  
ようやく晴れてきた空の下、海の向こうには島前でも一番小さな知夫里島が見える。

 さらに上がって鳥居をくぐると
 
まるでお城のように立派な石垣があり、それを過ぎると社殿が現れるが
 
本殿の屋根は後ろの崖にめり込んでいるなんとも印象的な姿。
この社殿は1732年に作られた隠岐でも一番古い建築だそうで
 
欄間の彫り物なども立派。そしておもしろいのは大日孁貴尊(おおひるめむちのみこと)を祭る神社でありながら、
 
同じ拝殿の中に雲上宮として地蔵菩薩が同居していること。神仏習合のいい例だが、納められたお地蔵様が美しい。

この山を下りたところにあるのは大山神社。
  
元来は焼火神社のある山をご神体としてまつる神社だったのだそうだ。

別府港の近くまで戻って、西ノ島最後のお参りは黒木神社。
 
この小さな神社のご祭神は後醍醐天皇。
 というのもこの神社の裏手には隠岐に流された後醍醐天皇の行在所だったとされる黒木御所の跡があるからで
  
敷地内には碧風館という小さな資料館もある。

後醍醐天皇は鎌倉幕府討幕に失敗して1332年に隠岐に流されたが、わずか一年で脱出に成功。
その手助けをしてのちに皆殺しになってしまった名和一族の墓には出雲に行った時にお参りしたっけ。

 
後醍醐天皇はこんな景色を眺めながら脱出計画を練ったのだろうか。

 
西ノ島の別府港から中ノ島の菱浦港までは、今度は小さな「いそかぜ」にわずか7分で運んでもらう。

そしてすぐに向かったのは宮内庁管轄のこちら。
 
後鳥羽上皇の火葬塚に行在所跡。
後醍醐天皇より100年前に隠岐に流された後鳥羽上皇は19年をこの地で過ごして亡くなったそうだが、和歌を作る以外にすることもなくてさぞや退屈だったことだろう。

 行在所の向かいには歴史民俗資料館があり
 
展示は複製だけれど、後鳥羽院の手形を押した文などがある。

日が傾いてきても神社めぐりはまだ続く。
 田んぼの向こうにあるのは宇受賀命神社(うずかみことじんじゃ)。
 
今は小さな田舎の神社の風情だが、土地の神様を祭るここは隠岐国4大社の1社なのだそうだ。

渋いお参りを終了したら今夜の宿、マリンポート海士にチェックイン。
 
 
そしてすぐに海の物づくしの食事となったが、そのわけは本日のプログラムがまだ終了していないから。

食後またバスに乗って向かった先は、後鳥羽上皇の行在所に建てられた隠岐神社。
本来神社の参拝とは日があるうちにするものなのだそうだが、隠岐神社では申し込めば夜の参拝ができるのだ。

 
暗い参道に点々と小さな明かりだけが灯された中を進み
  
薄暗い拝殿でご祭神の後鳥羽院に正式参拝。ちょっとミステリアスな雰囲気で、我らがリーダーの宮司はなにやら感じ取った様子。
昼には軽妙な解説で行在所を案内してくれた隠岐神社の若い宮司もさすがにこちらでは神妙だ。

ところで隠岐神社は歴史がありそうで実は昭和14年といささかきな臭い時代に作られた新しい神社。
そしてこの夜の参拝は観光誘致の一環として町の観光課が企画したものらしい。
バスで案内してくれたその観光課のお姉さんは東京からの移住者、神社で迎えてくれたもう一人の青年も福岡出身とのことで、聞けば隠岐の中でも人口わずか2500人ほどのこの海士町というところは積極的にIターンを誘致して成功しているのだそうだ。

青年いわく「町の人も移住者に慣れてきたので疎外感はないです」とのこと、他のガイドさんも「釣りはし放題、自然が好きならいいところだ」と言っていたし、島への移住もいいかも?


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隠岐の旅 2 島後~西ノ島

2016-02-03 01:11:29 | 国内旅行
11月15日

ホテルの窓から見える朝の西郷港。

残念ながら今朝もどんよりとした曇り空。

 おいしいイカ刺しやヤナギガレイをいただいたら、出発の時間まで宿の周りの散歩に出る。

宿の前を流れるのは八尾川。
 
小さな漁船が並び、川の縁に立つ家々には船着き場がある。

橋を渡ってちょっと歩くと「福かっぱ大明神」なる祠を発見。
  
大明神というわりにはかわいらしい祠だが、中のかっぱにはちゃんときゅうりがそなえられ、
 八尾川にはかっぱがいるということらしく、電柱にまでかっぱ。

町の中心と思しきあたりをぐるりと一回りしてみると激シブの看板などもあるが
 
日曜の早朝とは言え人っ子一人いない。

やがて集合時間になったのでホテルから目と鼻の先の西郷港フェリーターミナルへ。

乗り込むのはフェリーしらしま。
  
 空港もある一番大きな島後と、中ノ島、西ノ島、知夫里島の三島からなる島前、さらに鳥取県の境港を結ぶフェリーだ。

ところでこのフェリーの船体には大きな鬼太郎のイラスト。
   
船内にもあちこちにキャラクターがいるが、これは水木しげるの故郷境港に寄るからだけではなく、水木の家が隠岐出身らしい、ということだそうで
 西郷のターミナルにもこの通り。

 
8:30に西郷港を出港し
 島後を右舷に見ながら進んで
 
9:40、きれいな木造ターミナルの中ノ島、菱浦港に到着。
しかしここでは下りず、
 すぐ目の前に見える西ノ島の別府港までさらに15分。
 
ここでも一反木綿と目玉おやじがお出迎え。
 到着したらすぐにバスに乗って山を上がり、島の西側へ向かう。

さて、西ノ島で一番の観光名所は257mの絶壁が海へ落ちていると言う摩天崖。
その突端まで行けるということだったので楽しみにしていたのだが、「昨日の雨で足元が危ないので行きません」と無情なお言葉。
代わりにやはり景色がいいと言う赤尾展望台から眺めたのだが
 
この距離からではビル65階相当の高さも実感できず。その手前の通天橋がある国賀浜から崖の上まで歩くこともできるそうなのだが、これは平均年齢の高いこのツアーではしょせん無理。

ということでおとなしく展望台に上ると
 竹島まで160キロとの表示があるが

これもこの天気では姿は見えず。

風が強くて寒い展望台を早々に降りて、次は由良比女神社へ。
  
由良比女とは瀬織津姫とも言う水の神様ということで鳥居が水の中に建っているが、ここはいかよせ浜と言って昔は万単位で拾えるほどイカが寄ってくることもあったとか。
そんなわけでここでは
 
手すりもマンホールの蓋もイカ。

 
神社へお参りすると、拝殿は大きくないがここは隠岐国一宮として格が高いそうで
 
本殿の千木(屋根の上の交差した木)のてっぺんが水平に削られた横そぎなのでここに祀られているのは女の神様とわかる、などリーダーより宮司らしい解説を受ける。

ここでちょっとお昼休憩。
 ちょっと寂しいお弁当だけれど、ヒオウギ貝の炊き込みご飯はおいしかった。


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