Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

渋谷でマレーシア麺食べ比べ

2018-02-28 19:48:32 | 食べ歩き
ペナンから戻ったばかりだが、面白いイベントを見つけたので参加してみた。
「マレーシアごはんの会」が主催する「カレーミーとラクサを徹底検証」

会場は渋谷の「マレーアジアンクイジーン」
 以前にもここでナシレマとラクサを食べたことがあって、どちらもおいしかったので期待できる。

 貸し切りの店内は30人ほどでほぼ一杯。
マレー系の一グループに、見た目では日本人と区別がつかないが中華系マレーシア人も何人か来ている。

時間になると主催者のちょっとした挨拶と説明があって、早速2種類の麺の食べ比べ。
まずはニョニャラクサから、と言うことで
 カウンターで一杯づつ出来立てを受け取る。
手前がイポー出身の店のオーナー、奥がジョホール出身のシェフだそうだが、どちらも中華系なので話さなければマレーシア人とはわからない。

こちらが一杯目のニョニャラクサ。
 
こちらのスープは濃厚な魚出汁。エビと、底の方には魚の身のフレークも沈んでいたのでサバあたりを使っているのではないか。ココナッツミルクがたくさん入っているのでスープはピリ辛ながらマイルド、辛くしたい場合はサンバルで調整する。
麺はかなり細めのビーフン、トッピングにはもやしやお揚げ、ゆで卵の他にエビとイカが乗っている。

ラクサをおいしくいただいて、小さく見えた器ながらたっぷり入ったビーフンでもうかなりお腹が膨れながら、勢いのあるうちに、と次のカレーミーを受け取る。
 
上から見ると同じように見えるが、こちらは明らかにカレーのにおいで、スープを一口飲めば違いが歴然。
出汁は鶏だし、ターメリックなどのスパイス使いがまったく違い、ココナッツミルクが少ないので意外にラクサよりもあっさりしている。
麺は黄色い小麦麺、トッピングに鶏肉が乗っているところも違う。

しかしこの2つの麺、こうして比べると明確に違うが、実際のマレーシアの屋台では地方によってもバリエーションがあり、特にKLではフュージョンもあってかなりごちゃごちゃ、さらにシンガポールまで含めると呼び方はさらに混乱するらしい。
 それでも主催者の古川音さんによれば、ラクサは海鮮だしで米麺、カレーミーは鶏だしで小麦麺が一応基本、とプレゼンテーションで説明。

ラクサに関しては今回食べたのはニョニャラクサだが、これも地方ごとにいろいろ違い、会場にいたマレーシア人に聞くとそれぞれ出身地のラクサが一番、と主張するのが楽しい。
ペナン出身者はもちろんアッサムラクサが一番好きだと言い、KL出身者はラクサには赤貝を煮たものが入らなければ偽物だと言う。
おもしろいのはジョホール出身者で、ジョホールラクサの麺はスパゲティ、汁はなくて魚系のタレをかけて手で食べるのだとか。

カレーミーの麺は食べきれなくて残しながら
 
揚げたてのピサンゴレン(揚げバナナ)の誘惑には勝てず、甘いテタレ(ミルクティー)と一緒にいただいてイベントは終了。

文化が混ざりあい、さらに地方色も豊かなマレーシアの食は面白くて、しばらくはまりそうだ。


にほんブログ村 グルメブログ 東京食べ歩きへ ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スリランカカレーと下町散歩

2018-02-26 19:10:09 | 食べ歩き
蒲田のアーユルヴェダ・カフェ「ディデアン」、夏までやっていたランチブッフェを今は別の店で週末のみやっているとのことなので、友人たちを誘って出かけてみた。

場所は門前仲町、深川不動のまさに門前。
 
店頭にアーユルヴェダの文字はないが、予約をして行けば2階に案内される。

当日は我々3人だけだったのだが
 
手前のテーブルにはサラダ類、奥のテーブルにはご飯が2種類にカレー類が10種類、さらに揚げ物が3種類もあってすごい充実ぶり。
 辛さを調整するポルサンボル(ココナッツと唐辛子ふりかけ)も4種類ならんでいて、スリランカ人シェフがいろいろ説明してくれる。

「でもまずはお茶を飲んで」と蓮茶が供され
 次に運ばれてきた豆スープは名前を聞き取れなかったがレモンがいっぱい入って酸っぱく、いかにも食欲をあげてくれそう。

では早速、とブッフェテーブルに向かうが
 ほんの少しづつと思っても全部はとても乗せきれない。
揚げ物は一番大きいのが白身魚、細長いのはピリ辛の牛ひき肉入り、丸いのはツナコロッケで、どれも揚げたてでとてもおいしい。
そしてカレーはチキンあり、魚あり、一番辛いのは意外にもジャガイモのカレー。
何種類もある豆類のカレーはソースの味も様々、中に一つとても苦みが強いものがあるが、他のカレーや甘いチャツネと混ぜて食べると味に深みが出て一段とおいしい。

うまい、うまいとお代わりまでして満腹になった所で、「シコクビエを蒸したものがあるんですけど食べますか」と日本人オーナーの女性に聞かれ、どんなものかとお願いしてみると
 ココナッツと混ぜて蒸したプットゥが登場。
スリランカでは赤米の物を食べたが、こちらの方が自然な甘みがある感じ。何もつけずにおいしく完食。
 さらにデザートと紅茶もいただいて、もう動けないほどお腹いっぱい。

これで2500円は蒲田時代の1800円よりも値上がりしたが、この内容と繊細な味なら大満足。
こちらのスリランカ人シェフは凄腕だと思う。

食後はせっかくなので、と目の前の深川不動さんにお参り。
 
こちらは成田山の別院だそうで、昔ながらの不動堂の隣には梵字で覆われた真新しい本堂が建っている。

この深川不動さんのすぐ隣にはごく最近大スキャンダルのあった富岡八幡宮。
 
あんなことがあっても参拝者はいるのかと思ったが、広い境内にはそれなりに人出はある様子。

本殿も華やかだが
 こちらは手水場にまで金の鳳凰がいる豪華さで
  
立派な倉に入った「日本一の黄金大御輿」というのがすごい。なにしろダイヤやルビーまではめ込まれているというのだからつい探してしまうが、狛犬の目は確かに輝いていて、これが1つ3カラット!
これがこのお宮の性格を表しているのだろうか。

 境内にはこの他にもこの地から全国の測量に旅立ったと言う伊能忠敬の像とか
 
大関力士碑、横綱力士碑なんてものがあって
 
懐かしい名前から一番最近の稀勢の里まで名前が刻まれている。
江戸の勧進相撲はここが発祥の地だそうで、この碑に名前が刻まれると新横綱の土俵入りが奉納されるんだそうだ。

予想外に楽しめた富岡八幡から、次は地下鉄に乗って両国へ。
江戸東京博物館の前に伸びる通りが北斎通りと名付けられ、2016年にすみだ北斎美術館なる施設ができたとついこの間テレビで見て知ったのだ。

 
公園の奥に建つ美術館はNの字を変形したような不思議な形。
 
中央の隙間に入口があり、4階に上がると目の前にスカイツリーの見える小さな展望ラウンジがある。

この脇にあるのが入場料400円の常設展示室で
 
こちらにあるのはすべて最近はやりの高精細レプリカだそうだが、北斎の生涯をわかりやすくまとめている。

北斎はすみだ生まれで、90回も引越ししながら生涯のほとんどをこの近辺で過ごしたという墨田の誇り。
 最後には北斎と娘のやたらリアルな人形があるが、この二人、絵を描くことに没頭して掃除もしなかったとか。部屋が汚れたら引っ越していたので90回にもなってしまったらしい。

普段は出没しないエリア、たまに出かけると東京観光ができて楽しい。


にほんブログ村 グルメブログ 東京食べ歩きへ ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仁和寺&サウジアラビア@東京国立博物館

2018-02-24 22:23:19 | 機内食・映画・美術展
今年は年間パスポートの購入を放棄した東京国立博物館だけれど、仏像好きtrin様のおすすめもあってまた足を運んでしまった。

 お目当てはもちろん現在開催中の「仁和寺と御室派のみほとけ」展。
密教好きとしてはやはり行かねばなるまい。

みぞれがぱらつくような寒い平日の午後、さすがに入場の行列などはなかったが会場内は思ったより混んでいて、年寄りばかりではなく結構若い人も多いのが予想外。

展示の初めの方は書が多くて、国宝である空海の真筆がもちろん目玉なのだろうが、書に関しては知識も審美眼も皆無の者には文字通り豚に真珠、猫に小判。

第一会場では巨大な子島曼荼羅以外にはあまり興味を惹かれるものはなく、これで1600円は高かったかも、と思いながら第二会場へ。

するとこちらには入ってすぐに写真撮影OKゾーンがあって大人気。
 中央の金ぴかの千手観音の両サイドに
 
風神・雷神や二十八部衆がずらりと並んで壮観。
これは一般には非公開の仁和寺の観音堂を再現したものだそうで、仏像は本物、背後の壁画は最近はやりの高精細画像。
  
仏像は江戸時代の物なので時代はないが、探せば男前もいらっしゃる。

 この展示では仏像の並ぶ背後の回廊も見事に復元されていて
 
観音様もいいけれど、やっぱり地獄の方に興味をひかれてしまうのはやがて行くところだからか。

ここから先は写真を撮るな、と係員が声を張り上げていたが、この先が怒涛の秘仏大集合で圧巻。

目玉は大阪の葛井(ふじい)寺からいらっしゃった千手観音様。
 写真は絵葉書から
8世紀の乾漆像なので木彫とは違う柔らかさがあり、天平時代のお顔はたおやかで美しい。
 
特に1041本もあると言う手がすごいのだが、裏に回るとこれを背負っている様が良く見えて、まるで宝塚のレビューの羽根飾りみたい。

この千手観音を始め、月に一度、年に一度、あるいは数十年に一度しか開帳されない秘仏がいっぱい。
  写真はパンフレットから
中でも兵庫県神呪寺の如意輪観音とか福井県中山寺の馬頭観音など素晴らしくて、これぞ東博の威光と言うべきか。

後半の充実度に予想以上に時間がかかり、平成館を出た時には閉館時間まで40分ほどになってしまったが、これもtrin様おすすめの「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」展も見なければ、と次は表慶館へ。
 
空調の故障で館内は寒い、と係員の皆さんもコートを着ているが、平成館が暑かったのでこちらはほっとする心地よさ。

展示は石器時代から現代まで、アラビア半島にあった文明を追っているが
 エジプトやメソポタミア、ギリシャ・ローマなどいろいろな文明がこの地を通ったことがわかる内容。
 
素朴なラクダや、日本のお茶事にも使えそうな茶碗がかわいく
  
カーバ神殿のものをはじめ、扉のコレクションが個人的にツボ。
 
古代アラビア文字が刻まれた墓碑がたくさん展示されているのも独特な感じだ。

去年オマーンから片足だけ入らせてもらったサウジアラビア、近々観光ビザの発給を再開する(した?)予定だそうで、この展覧会はそのプロモーションといったところだろうか。

旅友の中には以前、観光が許可されていた頃にツアーで行ったことがある人が何人かいたが、外国人でも女性は黒いゾロゾロを着なければならず、メッカにはムスリム以外は近寄ることもできなかったそうで、観光資源は非常に乏しかったと聞いた。

さて、観光を再開するサウジ、何を売りにするつもりだろうか。

相変わらず東博はおもしろい。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めてのペナン 6 水上集落とインド人街

2018-02-21 19:44:19 | 東南アジア
2月7日

朝ご飯を探しがてら、今日も観光に出発。
3日目ともなればだいぶこの町のレイアウトや距離感にも慣れてきた。

カーナボン通りを行くとローカルの市場が現れた。
 
こちらの露天ではちゃんとマンゴーなどの南国フルーツを売っている。

 なかなかかっこいい屋内市場への入り口。
 
魚屋さんが仕事をしていたが、お客さんがいなくて閑散としていたのは時間の問題だろうか。

 
さらに進んで海の方へ向かうと
  
 
こちらにもショップハウスが連なっているが、修復はあまりされていなくて自然な姿。

やがてたどり着いた海岸縁にはクラン・ジェティと呼ばれる桟橋がいくつかある。
クランとは氏族のこと、中国から移住してきた同姓氏族が桟橋に水上集落を作って住んでいるところだ。

中でも周一族の橋が一番規模が大きいらしいが、かなり観光地化されていると言う話なのであえてマイナーな所へ。
 
こちらは李さん一族が集まっている所。
 
狭い木の桟橋の両側に平屋が続くが、どこもこぎれいなお家で、家の隙間を覗かなければこの集落が海の中とは気が付かない。

100mほどで桟橋は終り、タンカーがたくさん浮かぶ海の向こうには本土のバタワースが見える。
  
 隣の桟橋の端には中国風のお宮が見え

振り返ると杭の上に乗った家々が結構奥行があって大きいことがわかる。
住み心地はどうなんだろうか。

特に何があると言うわけではないが、海も見られたことに満足して引き返し、さあ朝ご飯と思うとこれと思う店がない。

 
歩いているうちにモスクが見えてきて、インド人街に入ってしまった。
 
とたんにインド音楽がガンガン鳴り響いて、スパイスの香りが漂ってくる。
かっこいい消防署など見ながらさらに歩いていくと
 バナナリーフなる名前の店を発見。
ならばバナナの葉でミールスを食べようと入店。
残念ながらまだ時間が早くてミールスはやっておらず、朝食メニューしかできなかったが
 
ウッタパムとマサラドーサにラッサムやサンバル、ココナッツチャツネともう一つはトマトを使ったようなソースがついて、まさに南インドそのまま。

これにアイスミルクティが2つで8リンギット、一人100円ちょっとの朝ご飯になった。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めてのペナン 5 ジョージタウンのストリートアート

2018-02-20 23:43:33 | 東南アジア
2月6日 続き

今日もまた夕方近くなってから再始動。
宿にストリートアートの地図があったので、これらを探しにスペインのコルドバに続いてまたオリエンテーリング。

ジョージタウンの旧市街のあちらこちらにはワイヤーで作られた漫画っぽい作品が立っている。
 
これはこの街が2008年に世界遺産登録されたのを記念して州政府が"Marking George Town"というアート・コンペを実施した際に採用されたもの。
  
各作品には文字が書かれていて、読んでみるとこれが立っている道や地域の案内になっている。
 
夜にはライトアップもされるこれら、全部で52もあるそうで、実に洒落た町案内だ。

このワイヤーアートの出現後、2012年にはアーネスト・ザカラビッチという若いリトアニア人画家がジョージタウン・フェスティバルのために壁画を描き、これがワイヤーアート以上に目立って街の名物になった。

 宿のすぐ近くにあった、これが最初の作品で
 
ザカラビッチ氏は本物の小道具と絵を組み合わせるのがお得意。

アルメニア通りの入口には人だかりができているので何かと思うと
 
そこにあるのは一番人気の自転車に乗った子供たちの絵。
皆さん、この絵と一緒に写真が撮りたくて、順番待ちの行列になっていると言うわけ。

地図を見ながら捜し歩くと、今はザカラビッチ氏以外の画家の作品もいろいろあって
 
この一角には猫の絵が集中。
 
大きな猫の見つめる角を曲がるとネズミが隠れていたり、どれもユーモアがあって楽しい。

と言うわけで、地図にあったスポットのほとんどと、それ以外にも見つけた作品群がこちら。


どのように管理しているのか、絵は増えているようだが下手な落書きにはなっていないところにも関心する。

 オリエンテーリングの合間にはカフェでアイスカチャンを食べ、
夕食は昨晩のリベンジ。

8時ごろに行ってみると、今夜は開いてて良かった、大東酒楼。
 
昨晩はちょっと行くのが早すぎたのだろう、たくさんのテーブルはお客さんでいっぱい、誰かが席を立つとすぐに次のお客さんが座る。

道路沿いのテーブルを首尾よくゲットして、
 まずはメニューからカイランのオイスターソースがけを注文。
あとは点心がカートで回ってくるのを待つが、お客さんがいっぱいでなかなか来ない。
 
皿を選ぶとおばちゃんが値段に応じてオーダー表に印をつけてくれるのは香港と同じシステム。
 
エビ蒸し餃子や鶏肉の豆鼓蒸しもおいしかったが、最後に取った一皿が秀逸。野菜を巻いたお揚げをさらに湯葉で巻いたもの、一緒に蒸されたピーナッツもおいしくて、これを選ぶとおばちゃんが「これはおいしいよ」と満足そうにしたのが大正解。

これでお会計は40.4リンギット(約1100円)。
ペナンはいいところだ。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めてのペナン 4 チョン・ファッツィ・マンション

2018-02-18 19:38:22 | 東南アジア
2月6日 続き

市場で買った果物を置くべくホテルに戻り、一息入れた所で再びおでかけ。

 目的地は宿から5分のチョン・ファッツィ・マンション。
外からも目立つ真っ青な壁からブルーマンションとも呼ばれるこちらの建物、今はホテルになっているが、毎日11時、2時、3時半の3回、ガイド付きのツアーで内部の見学ができるのだ。

ホテルへの入り口は向かって右手にあるが、見学者の入り口は左手にあって、時間の15分前になるとおじさんがゲイトを開け、17リンギットのツアー代を徴収する。

 
正面から見ると家が3棟つながっているように見えて、中央が入り口。
 
軒下や破風の飾りは陶器のかけらを立体的に組み合わせたいかにも中華風だが、その下の窓枠は西洋風。
窓の下にはトライショーが置かれて演出もばっちり。

 
入り口の正面には見事な透かし彫りのある壁があって、簡素なフロントデスクの前にはなにやら由緒ありげながくも掛かっている。

このロピーで待つうちに時間になって、ガイドのおばさんが登場。
 
ツアー参加者は30名ほどだろうか、国籍も様々なので案内はもちろん英語。
透かし彫りの説明を丁寧にして、やがて壁の向こうへ。

  
中は吹き抜けの中庭になっていて、まわりにプライベートな居室が並ぶ造り。
 正面の部屋は宿泊者の朝食室になっていて、ここで朝ご飯を食べたら優雅な気分になりそう。

1880年代に建てられたというこの屋敷には部屋が38、中庭が5つ、階段も7つあるそうで
  
床のタイルはイギリスのストーク&トレント製、バルコニーの手すりはスコットランドから、ステンドグラスはアールヌーボー・スタイルで、そこに中国風の彫刻がはめ込まれているという、この地域ならではの折衷様式。
 
2階に上がるとバルコニーの鋳鉄飾りが美しい。

フロント・ロビーの上部分はレストランになっているが、吹き抜けの周りはこの屋敷に関する資料室のようになっている。
 
写真の男性はもちろんこの屋敷を建てたチョン・ファッツィ氏。中国広東省の貧しい生まれからインドネシアに渡り、西洋との交易で巨万の富を築いてシンガポールやペナンの清国大使も務めたと言うお人。
隣の白い服の女性は8人いた妻の内の7番目で最も寵愛を受けたと言う奥さん。20代の初めで30以上年の離れたチョン氏を言いなりにさせたとか。

その他にもガイドさんの説明では6人いた息子の内には遺産をほとんどもらえなかった者もいたとか、この家にはドロドロドラマになりそうなネタが山ほどありそう。
そのためかこの屋敷は長男が継いだもののすぐに没落してしまったそうで、屋敷は人手に渡り、そのうち不法占拠者が住みついたりして荒廃。1990年から修復が始まってやっと現在の姿になったのだそうだ。

と、ここまででガイドは終了。結局見ることができたのは吹き抜けの周りの部分だけで
 
「ホテルの他の部分をご覧になりたい場合はどうぞ宿泊なさってください」だそうだ。

ちなみにこのホテルはカトリーヌ・ドヌーブの「インドシナ」のロケにも使われているそうなので、そのうちに見てみなければ。

お屋敷見学を終えるとちょうど昼時。
目当ての店に行こうと宿の前の道に入ると、部屋にあった雑誌に「ありえないほどおいしいお粥」と紹介されていた店があった。
 
看板も読めないような店だが、店頭では親子が忙しく働き、お客さんが次々に入って行く。
となればこれは試してみなければ、と2人でお粥を1杯と揚げ豆腐を一皿だけ注文。
 
やがて運ばれてきたのは味がまったくついていない本当の白粥で、正直どこを絶賛されているのかわからない。
揚げ豆腐の方は癖は少ないが台湾の臭豆腐にそっくり、濃いめのたれが掛かってお粥に合う。
見ているとお客さんたちは粥一杯におかずを2,3皿、あるいは連れと何皿かシェアして食べていて、確かに毎日の食事となればこういうご飯が食べたくなるだろう。
なにしろお粥一杯に豆腐一皿ならお代はたったの2.5リンギット(約70円)なのだから。

この店、お粥屋さんだけれど朝にはやっていなくて、午後も4時ぐらいには後片付けをしている。
家族経営のようだが、よくこれで成り立つなとちょっと不思議なほど。
ペナンのお店は昼だけとか夜だけとか、営業時間が結構わかりにくい。

お粥は一杯食べたけれど、本日の目当てはここではなく、チューリア通りからちょっと奥まった所。
 
車がたくさん停まっている、その向こうの「Moh Teng Pheow」というニョニャ菓子の店だ。

入ってすぐの所は厨房になっていて、しかもお菓子作りは終了している様子。
 
ちょっと驚くが、「奥へどうぞ」と言われて先に進むと
 
細長い建物の奥にお菓子の並ぶケースと中庭まで広がるテーブル席があって、すでにお客さんでいっぱい。

ニョニャとはプラナカンの「奥様」のことで、彼女たちの作るのがニョニャ料理、ニョニャ菓子。
とは言えケースに並ぶお菓子はインドネシアでなじみのある物ばかり。
 糯米にココナッツミルクやヤシ砂糖、緑豆を使った物で、色は派手だがやさしい味の物ばかり。

そしてここで食べたかったのはナシ・ウラム。
 ご飯に野菜やハーブを入れた混ぜご飯なのだが、米よりハーブが多いのではないかと思うほど香り高く、味付けは干魚(?)の軽い塩味だけ。
玉ねぎやニンジンも入っているが、レモングラスやコブミカンの葉の香りが強く、さわやかでめちゃくちゃおいしい。
あるペナン旅行記を見て絶対に食べたいと思ったのだが、思った通り好み!
材料を刻んで混ぜるだけだが、この香りは現地のハーブがなければ出せそうにない。

お腹が一杯になったので、暑い昼下がりは宿のあずまやでゴロゴロして過ごそう。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めてのペナン 3 チョウラスタ・マーケット

2018-02-16 16:42:50 | 東南アジア
2月6日

ペナンの朝は遅い。
 
7時半ではまだ薄明り、8時を過ぎてやっと太陽が顔を覗かせる。

まださわやかに涼しい街を歩くと
 
宿のすぐそばにも中国式の媽祖廟があり、イスラム教のモスクがある。

朝一からやってきたのはチョウラスタ・マーケット。
 
さすがにここは朝早くからにぎわっていて、公設市場の周りにも小さな店や屋台がいっぱい。

ビルになった市場の中に入ってみると
  
ムスリムの売る羊や、鶏はさばいたのも、もっと新鮮なのもある。

 
貝類の専門店に、魚屋ではエビやマナガツオ、中華系の大好きなハタのたぐいが多かっただろうか。

 
八百屋ではたくさんのハーブとともにバナナの葉が売られているのがこの土地らしい。

 
ひょうたんがたくさん売られていたのは正月のためだろうか、場外の果物屋でもこちらが期待する南国フルーツではなくリンゴやみかんばかりで、これも正月準備。
 
派手な正月飾りに、正月用の衣装も真っ赤。
 器に入ったなにやらういろうっぽいお菓子も正月用と書いてあった。

市場内の一軒でようやく南国らしいサワソップを発見。
 
どれがいいかと物色していると、「今日食べるならこっち」とおじさんが別の箱から取り出してくれて、1キロもあって14リンギットしたが、さすがに食べごろでおいしかった。
小さなミカンは中国産だが、これも甘くて大好き。
ロンガンがこれで4リンギットは売り子のおばばにぼられた気がする。

市場の周りには食事屋台や食堂もたくさんあってどこも盛況だが、宿にあった雑誌で見たカヤトーストが食べたくて、店を探してハットン通りへ。

 
この通り沿いにも趣のある建物がいっぱい。
 中にはこんな状態になってしまっているお屋敷もあるが、あちらこちらで修復が行われていてきれいにお色直し中。
ただしその多くはホテルなどになってしまうようで、一般の住人は世界遺産地域からはいなくなってしまうのではないかといささか心配。
 
こういう姿があってこそ街は魅力的なのだから。

 こちらはリノベされたペナガ・ホテル。
ここもおしゃれで泊まってみたいと思わせるが、さて、この近くにあるはずの目当てのコーヒーショップがどうしても見つからない。

しかたがないので近くにあった小さなパイの店のカレーパフとエッグタルトで本日の朝食にしたが
 これがどうして、あなどれないおいしさ。

さらにローカルのパン屋を見つけたので、こちらでカヤジャム付きのパンをオーダー。
 
いかにも昔風の素朴なパンに、自家製カヤジャムもスーパーで買うものよりおいしい。
 と言うわけでジャムをお買い上げ、2.5リンギット。
ただし無添加らしく賞味期間は短いので、これは早く食べないと。 


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めてのペナン 2 ペナン・プラナカン・マンション

2018-02-15 16:52:15 | 東南アジア
2月5日 続き

今回の旅のテーマの一つはプラナカン。

プラナカンとはマレーシアやインドネシアが植民地だった時代に移住してきた中華系の人々のことで、交易を生業としつつ定住して、現地や西洋風の文化を自らの文化と融合させた。

マラッカやシンガポールと共にこのペナンも彼らの一大拠点だったので、少し日が傾いてからお出かけ。
 
来週に迫った旧正月の準備か、赤い提灯で飾られた道を歩いて「ペナン・プラナカン・マンション」へ。

このお屋敷は19世紀末にこの地の有力者が建てたものだそうで
  
吹き抜けの中庭を囲む各部屋はどこもかしこも細かい装飾だらけ。

 
部屋を飾るのは集められたアンティークだが
  
いかにも中華な家具や建具と、西洋風のタイルやシャンデリア、食器類が共存しているところがプラナカン。
 
結婚式の引き出物などを入れたと言うこの籠が欲しい。

 
西洋風の噴水のある中庭を通って隣の建物に入ると、そこは宝石博物館。
入って右手は刺繍のギャラリーになっていて
 
洋の東西を問わず、高貴な女性やお金持ちの奥様は刺繍ぐらいしかすることがなかったようだが
  
プラナカンの場合には特に細かいビーズ刺繍が特徴的で、しかもなぜかサンダルがいっぱい。
 
これ、本当に履いて歩いたのだろうか。

左手は主に金の装飾品を集めた部屋で、こちらは撮影禁止。
でもこれだけは面白いので写真を撮らせていただいた頭飾り。
 頭のてっぺんに髷を作り、まわりをジャスミンなどの花で飾って金のかんざしをさしていたらしい。

こってりしたエキゾチズムを満喫した後はスーパーの下見などして、ペナン最初の夕食は飲茶と決めていた。
ところが6時過ぎにお目当ての店に行ってみるとシャッターが閉まっている。今日が定休日とは聞いていなかったが。

しかたがないのでキャンベル通りをうろついてみると、おいしそうなインド料理屋を発見したので予定変更。
 
名前にあるからには、とタンドーリ・チキンを注文してみると、これが炭火焼の香りが何とも香ばしくてすごくおいしい。
 
もう一つは野菜のムルタバを頼んでみると、パリパリの皮の中は意外にもオムレツ。
キャベツや玉ねぎがいっぱい入ったやさしい味のムルタバをカレーソースにつけると、これもおいしい。
これに飲み物2つでお代は22.25リンギット、2人でシェアしたのでなんと一人300円ちょっと。安すぎる。

ところでこの店の入り口付近に座っていると、料理はすべて外から運んでくるし、料理を盛った皿を持ったお客さんが次々に入ってくる。
 実はテーブル席のある店の2,3軒先に厨房があって
 
店先では愛想のいいおじさんがムルタバを焼いているし、奥にはカレー版ぶっかけ飯のナシ・カンダーのカウンターがあった。
皿を持ったお客さんたちはここで好きなものを選んでいたわけで、これも食べてみたかったけど、チキンもムルタバもおいしかったので満足。

 明かりの灯った宿もいい感じで、初日からなかなか快調。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めてのペナン 1 エアアジアでペナン入り

2018-02-12 18:02:13 | 東南アジア
先日はわざわざ雪を見に東北へ行ったけれど、今度は寒さを逃れに暖かい所へ行ってきた。

2018年2月4日から9日 マレーシア・ペナン島の旅

2月4日

今回は初めて羽田発のエアアジアXを利用。
23時45分と遅い出発なので空港には3時間前に到着。
ウェブチェックインを済ませていたので同行の友人の荷物だけカウンターで預けたが、機内持ち込みのこちらの荷物は重さを量ることもなくて拍子抜けするほど。
荷物を一つ預けると液体や刃物も持って行けるので便利だ。

 
日本橋を渡り、おでんとお茶漬けの定食などゆっくり食べていたら思いのほか早く時間が経って機内へ。

A330-300で3-3-3の座席配列はさすがに座席幅が狭く、特に通路の狭さが際立つが、後方で窓際が2席になっているところを指定しておいたので気兼ねなく、シートピッチは他の会社のエコノミーと大差ないので問題なし。
 
それにしてもぎっちり満員の機内は飛行機の国際線というより長距離バスの雰囲気。
お客さんはほとんどマレーシア人のようだった。

 定刻の10分前には出発して、キラキラと美しい東京の夜景を見ながら上昇。
すぐに機内食の販売が始まるが夜中では注文する人もほとんどなく、やがてキャビンの明かりが落とされてお休みタイムに。

ところがこのキャビン内が寒い!
噂は聞いていたので出がけに着ていたヒートテックなどは脱がず、毛布替わりに大判のストールも持参していたのだがそれでも足りない。
結局ダウンを着こんでそのまま脱げず、7時間50分をウトウト過ごしてKLに到着。
聞きしに勝るとはこのことだ。

2月5日

 到着したKLは朝の6時半ではまだ真っ暗。
 LCC専用というKLIA2もこれまた噂以上に巨大で、けれど動く歩道以外に移動手段はないので歩く、歩く。

マレーシア入国に20分ほどもかかって、それでも3時間の乗り継ぎ時間を取っていたので国内線側のラウンジへ移動。
 
変な動物たちの並ぶ先にあるプラザプレミアムラウンジには昨年作ったプライオリティーパスを初めて使って入場。
 
狭いカフェテリアと言った感じだが、お粥の朝食をありがたくいただく。

また広いコンコースを延々歩いて、無事にペナン行きに搭乗。
 こちらA320-200のシートピッチはさすがに狭い。

 
エアアジア機だらけのKLIA2を飛び立つと周りはヤシ畑。
 
水平飛行に入ったと思ったら降下体制に入って、島が見えたと思ったらもうペナン島に到着。
ビーチリゾートのイメージが強いが島の中央は緑に覆われた山、海岸線には思いのほかたくさんのビルが建っている。

 
小さいけれどきれいなペナン空港からジョージタウンまではタクシー。
カウンターで規定料金44.7リンギット(約1300円)を支払い、運転手にホテル名を告げるとすぐうなずいてくれて楽々。
やっと暖かくなったのもうれしい。

空港からは30分、12時にホテルに着いたが、先客がまだ出たばかりということでチェックインできず。
大きな荷物を預けて、まずは両替とお昼を食べに出ることにする。

両替商はホテルの近くに何軒かあって、この日は1リンギットが28.7円。
ペナン一食目には目星をつけていた店があったが、さすがに30℃を越える気温にまだ体が慣れず、遠出は無理とあきらめて目についたお店に即入店。
 
Chulia Courtはおしゃれなバーもあるカフェながらラクサのメニューが豊富で
 
左はココナッツミルクを使ったおなじみの味のカトン・ラクサ、そして右が待望の本場ペナン・アッサム・ラクサ。
これが魚出汁にタマリンドの酸味、そしてミントをはじめハーブがたくさん入っていて今までに食べたことのない味。
濃厚な魚の味とハーブがすごくおいしい、けど辛い!丸い米麺を食べつくし、辛い、辛い、と言いながらスープを何口か飲んだらお腹の中が熱くなった。

ペナン一食目を楽しみ、街並みを眺めながらホテルへ。
 
ホテルの周辺はジョージタウンの世界遺産エリアに隣接しているので古いショップハウスが続く。
   
 
きれいにされている所もぼろいままの所も、それぞれ味があってこれは楽しい。

そんな中、我々の宿は元馬房だったというMuntri Mews
 
手前にカフェがあって、その奥が客室。
我々には1階の部屋が割り当てられたが
  
扉を入ってすぐ右手に長いソファ、部屋の真ん中には丸テーブルがあって、ベッドは白いカーテンの向こう。
シャワーのみのバスルームは小さく、部屋も思ったよりは狭いが設備は十分。
 扉の向かい側にはこんなスペースもあって、ここは暑い午後にダラダラするのに最高。夜は蚊にさされるけど。
 ついでに部屋は禁煙でドリアンも禁止だが、どちらも嗜まないので問題なし。

夏服に着替え、暑い盛りを過ぎたらまた街に出よう。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海の駅 九十九里

2018-02-03 22:51:14 | 食べ歩き
道の駅が大好きな我が家、最近のお気に入りは九十九里町にある「海の駅 九十九里」

 場所は片貝魚港の目の前。
1階には鮮魚売り場や物産売場、イワシがいっぱい泳ぎ回る水槽に小さないわし資料館なんてものもあるが、我が家のお目当ては2階のフードコート。
 ここには海産物を出す店が2軒あるだけなのだが、12時少し前に入った時には簡単に確保できたテーブルが、10分もしないうちにみるみる埋まってしまったほどの盛況ぶり。

本日は手前にある「わたしの家」で
 まずはアジフライ定食、1100円。
このフライの仕事が丁寧で、小骨が一つ残さず取られているので食べやすく、揚げたてのアジはふっくら。

 こちらは日替わり刺身盛り合わせ、1500円。
写真が下手でわかりづらいが、アジにサワラ、マグロ、カツオ、イカ、皿に乗っていたのタイだったろうか、しかし一番おいしいのは奥に見えるイワシで、これに比べたら「マグロなんて食ってる場合じゃない」。

と言うわけで、本日一番お得だったのは
 イワシ御膳、1400円。
お刺身にてんぷら、煮魚とイワシづくしだが、特に小鉢に入ったマリネがおいしい!

食後は1階でイワシの丸干しや冷凍になった南蛮漬け、野菜漬けなど買い込んで、やっぱり九十九里はイワシに限る。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする