10月6日
台風が関東に上陸中の朝、岩手・秋田県境も激しい雨。
それにもめげず、朝早く目が覚めたので、6時過ぎに須川高原温泉の大露天風呂へ。
受付のおじさんに台風情報など聞きつつ更衣室に入ると、なんと、もうすでにお風呂から上がってきたおばちゃんたちが4、5人いる。
「傘ささないと濡れちゃうわよ~」とアドバイスをくださったおばちゃんたち、オープン前から待って入ったというからすごい。
アドバイス通りに傘を持って温泉に出れば
露天の周りの紅葉も霧にけぶる。
そしてここにももう一人、物好きな方が洗面器をかぶって根性で入浴中。
(写真はご本人の承諾をいただいております)
やはり「大人の休日パス」を使ってご夫婦で来られたと言う奥様、「主人は入りに来なかったけど、こんな経験、めったにできないわよね~」と2人で大雨と紅葉の中の温泉浴を堪能(笑)。
宿に戻ってみたら露天は閉鎖の張り紙が出されていた。
部屋に戻ったら朝ご飯。
鍋いっぱいのサラダやグリーントマトの塩麹あえが美味。
さらにデザートにともちゃんちの庭になっていたポーポー。
北米原産と言うこの果物、寒さに強いらしいがマンゴーやパパイヤのようなトロピカルな香りがして、味はマンゴーとバナナとパイナップルを足して3で割ったみたい。おいしいのだが、皮に傷がつきやすくて見た目が美しくなく、追熟が必要な割に日持ちがしないので商品としての流通は難しいのだそうだ。
充実の朝食が済んだら須川高原温泉にさようなら。
自炊なら一泊5500円のこの宿、リピート必至。
雨の中をともちゃんに運転してもらい、帰りは岩手側に降りて一関駅へ。
ともちゃんと別れた後は新幹線で新青森へ。台風で遅れたり、運休したりするのではないかと心配したが、東北新幹線は時刻表通りで感心する。
新青森ではまた別の友人と合流し、宿の送迎バスで1時間20分。
今夜の宿は
「ぬぐだまりの里 八甲田温泉」
写真は翌朝獲ったので快晴だが、到着した時はまだ雨。
「ゆっくり温泉に入ってください」と感じのいい宿の人に案内されて部屋に向かえば
広々としたロビーから
廊下や休憩処にはちょっと雑多な古民具などが並べられている。
案内された部屋は6畳+8畳でゆったり。
すでに布団が敷かれているので邪魔される気遣いもない。
部屋の内装はきれいになっているが、宿泊棟は相当古そうで
外から見るとはっきり言ってかなりぼろい。
しかし窓の外に見える大浴場は
宿の人自ら「旅館よりずっと立派です」という堂々たる建物。
そこで一休みしたら早速その大浴場、「龍神の湯」へ。
廊下の突き当たりを左へ曲がり、スリッパをはきかえて一度外に出る。
こちらこそ高級旅館の入口のような扉を開けると男女の浴室へののれん。
更衣室も広々としてきれいだが、浴室への扉を開けると圧巻。
中央に樹齢200年という巨大なナラの柱がそびえ、その向こうの大きな浴槽の中にも木の柱が何本も立っていて、浴槽の縁、壁、天井もすべて木材。
浴槽は近くの酸ヶ湯の千人風呂にも負けないほど大きく、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉という茶色っぽく薄濁りのお湯はちょっと金気臭があって、43℃ほどだろうか、悠々と手足を伸ばして入れる。
その手前には3分の1ほどの大きさの浴槽がもう一つあり、こちらは硫黄の香りのする白濁の「ミルク風呂」。温度が体温ほどしかないのでかなりぬるいが、熱いお湯と交互に入ればいつまででも入っていられる。
さらにこの浴室から扉を開けるとこれまた大きな浴槽が2つある露天。
こちらも薄濁りと白濁の2種類のお湯が張られ、塀の向こうの紅葉も美しいが、雨が降って寒いのでさすがにここはぬるすぎる。
照明を落とし、小さい窓からの光だけでうす暗い内湯は落ち着いてすばらしい。
ずっと入っていたいが、もう一つあるお風呂に行くために着替えて廊下の反対側へ。
こちらも一度外に出る「らむねの湯」。
「龍神の湯」に比べるとだいぶ簡素な造りだが、入ってすぐ右手に貸切風呂、手前に男風呂、奥に女風呂がある。
こちらのお風呂は8人ほどでいっぱいになる位の大きさで、まわりはやはりすべて落ち着いた木造。二面は雨戸を開いて半露天にできるようだが、気温が低いためだろう、閉め切られていて、内湯好きとしてはこれもまたいい。
こちらのお湯は無色透明、ほんのわずか白い湯の花が見えて硫黄の香りもする。温度は38℃ほどだろうか、やはりかなりぬるいがミルク風呂よりは暖かい。
そして一番の特徴は名前の通り
炭酸の泡がいっぱいつくこと。
お湯に入ればすぐに体中に小さな泡がついて、これを手で拭うのが何とも気持ちいい。
宿の人は日本でも一、二を争う炭酸の量だと言っていたが、確かにお湯でこれだけの泡が付く温泉はそうないだろう。
この八甲田温泉、実は良く参考にさせていただいている
「温泉逍遥」のブログ主さんが絶賛されているので来てみたのだが、さすが2000湯も入っている方が絶賛するだけのことはある、素晴らしい温泉だ。
宿の方のおすすめ通り、本当にゆっくり温泉を楽しんで、6時から食堂で夕食。
静かな宿だが15部屋のほとんどが埋まっていたらしく、大勢の人にちょっとびっくり。
食事はすでにテーブルに並べられていて
ぜんまいの煮物や根曲がり竹、お切込みなど郷土料理がうれしく
冷めたてんぷらは残念だが煮魚がおいしい。
一人分づつ炊かれた釜飯の他にお蕎麦も来たが、おかずが少なめなので全部食べてしまった。
男性にはいささか物足りないんじゃないかと思うほどの量だが、これぐらいがヘルシーか。
食後、寝る前にもう一度と一人でラムネの湯へ行き、気持ちよさに長居をしていたら同行者に心配されてしまった。
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