Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

高峰温泉でバードウォッチング&スノーシュー

2013-12-29 17:22:29 | 国内旅行
朝、目覚めて見たら思いがけず7時を過ぎている。温泉ではたいてい早起きなのに。

あわてて部屋からすぐの、2階にある四季の湯へ。
 
1階のランプの湯に比べて1.5倍ほどの大きさ。見晴らしのいい窓が大きく、明るくて気持ちがいい。
ここも浴槽が2つに分かれているが、小さい方は37℃とのことで源泉そのままと言うわけではない。

 このお風呂の外には飲泉所があって、お湯を持って帰れるように空のペットボトルまで用意されている。しかしここのお湯も鼻を近づけると硫黄のにおいが強く、味はそれほどひどくないがやっぱり飲みにくい。体にいいと言われても、美味しい温泉はなかなかない。

温泉で目を覚ましたところで、1階の休憩所へ。
  
 大きな窓の外に鳥の餌箱が置かれ、ここにやってくる鳥をお兄さんが説明してくれるのだ。

ここで朝から夕方にかけて見られた鳥さんたち。
 
羽に黄色いアクセントのあるカワラヒワ。
 
胸に黒いネクタイをしたシジュウカラ。
 
目元に黒いアイラインが入っているのはゴジュウカラ。頭の黒いコガラはころっとしてかわいいがちょこまかと動き回るので写真が撮りにくい。
 
グレーに茶色がきれいなのはヤマガラ。肩に白い斑点のある大きな鳥はホシガラス。
 
これも大きなカケスは羽の下に青いアクセントがあって、飛ぶととてもきれい。
  
しかし一番派手だったのはキツツキの仲間のアカゲラ。お腹の赤が目立つが、頭にも赤い部分があるのがオス、ないのがメスなのだそうだ。

にわかに野鳥に詳しくなったところで朝ご飯。
 
美味しいふろふき大根など、野菜中心でヘルシーだ。

食後はすぐに着替え、チェックアウトを済ませて荷物を預ける。
 9時からスノーシューの体験コースに出発するので忙しいのだ。
この宿ではスノーシューやストックはもちろん、トレッキングシューズ、スパッツ、手袋やジャケットまで無料で貸してもらえるので何も用意がなくても参加することができる。
 宿の前でスノーシューの装着法を教わり、ガイドさんに先導されて出発。

 
宿から5分ほどのところから高峰山に上って行くのだが、結構な急こう配の雪の中を慣れないスノーシューで上がるのは大変。なにしろ出発点がすでに標高2000メートル、ちょっと動いただけで息がゼーゼー。それを聞くのが楽しいのだ、とSなガイドさんは笑う。

途中には見晴らしのいいところもあったが写真を撮る余裕もなし。撮ろうとしてもポケットに入れたカメラは気温が低すぎてバッテリーが動かない。
 
1時間半ほどかかって高峰山の山頂に到着。やっとバッテリーを少し温めることができたが、まわりの山は雲がかかってきてしまい、見えるはずの富士山も残念ながら雲の中。

  
この山頂には水の神様を祀る小さな神社があって、これは高峰温泉さんが寄進したものだそう。だからか「僕がこの山に上る時は絶対に天候が悪くならないんだ」とここでテレビの取材に答える若旦那。

帰りは来た道を時にお尻で滑りながら戻り、3時間弱でツアー終了。
体験というにはハードなコースだったが、無事に歩き通すことができてよかった!
これで用具のレンタルも含めて無料なのだからありがたい。

宿に戻ればちょうどお昼なので、また食堂へ。
 
昨夜お願いしておいたおやきとおそばを友人と半分こしておいしくいただく。

その後はもちろん温泉でまったり、ぬるいお湯に1時間ほど浸り、
  
休憩室に戻ったらココナッツアイスをいただきながらバードウォッチング。

のんびり時間をつぶして16時にやっと帰りの雪上車に乗車。
 
帰りは人数が少し少なかったのでちょっと小さめの雪上車。またスキー場でバスに乗り換え、帰りは佐久平から新幹線で1時間で東京へ。

ほんの1泊2日だったが、今回はイベント満載、盛りだくさんで実に満足度の高い滞在だった。
イベントと言っても大人向けの充実した内容なのがありがたい。
それにしても高峰温泉の皆さん、朝早くから夜遅くまで、その努力とサービス精神には本当に頭が下がる。
次は高山植物を見に、初夏に再訪決定。

東京では丸の内のイルミネーションをちょっと覗いてみようと改札を出てみたが、大勢の警備員の先導で人波に乗って歩いてみれば
 
あら、今年はこれだけなの、とかなりがっかりな内容。

 
それよりこっちの方がかっこいいね、とKitteから東京駅を眺めて、今年の旅行はこれで打ち止め。


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標高2000mで湯浴み@長野 高峰温泉

2013-12-27 23:30:55 | 国内旅行
毎年恒例となった友人とのクリスマス温泉旅、昨年に続いてまた長野に行くことになった。

出発は代々木駅の脇にあるバスターミナルから
 佐久平、小諸を経由してあさま2000スキー場まで直通のJR関東バス。
スキー合宿らしい学生の団体が乗ったので車内はほぼ満席。

10時半に新宿を出たバスはお昼に上里PAで10分の休憩。
 おまんじゅうで軽~くお腹を満たして、佐久平まで2時間45分、その先は路線バスとなってさらに1時間。
小諸から浅間山へ向かう山道を登るにつれて地面が次第に白くなり、出発から約4時間であさま2000スキー場に到着した。

ここで待っていてくれたのは宿の雪上車。
 
こんな乗り物に乗るのは初めてなのでちょっとワクワク。がたがたと揺られながら、スキー場を横目に10分ほどのドライブ。

そして到着したのが 「高峰温泉」
 なかなか大きな宿の、文字通り玄関に雪上車の出口をつけてくれるので雪の上は全く歩かずに宿に入ることができる。

 フロントの脇には品数豊富な土産物コーナー。
  
その前にはいつも温かい天然ガスの燃える暖炉、さらにそば茶が常備された休憩スペースがある。

  
ランプの下がる階段を上がり、高山植物の写真が飾られた廊下を通って2階のお部屋へ。
 
広縁のない8畳間はコンパクトだがとてもきれいで、トイレは扉を開けただけでふたが開き水の流れる最新式!
 窓からはスキー場のゲレンデが見え、屋根からは盛大につららが下がっているが、室内は暖房がよく効いてこたつに入らなくても十分に暖かい。

お茶など飲みながらしばらくゆっくりしたところで、まずはこの宿自慢の野天風呂へ向かう。
 
天候によっては入れないこともなるのでまずはこの確認をし、棚の脱衣かごを持って外に出る。かごがない場合は既に野天が満員のサインなのでわかりやすい。
 
外への扉を開けるとまずは雪よけのトンネルがあって、その先の雪道を50メートルほど歩くと手前が女湯、奥が男湯。

そしてこれが標高2000メートルの野天風呂。
 入浴中のみなさん、モデル協力感謝!
4人でいっぱいの小さなお風呂だけれど、ここからの景色は最高。
 
外気温はたぶん0℃前後、外に出ている頭は寒いけれど40℃ほどのお湯に肩までどっぷり浸かって眼下に小諸の町を見下ろし、夕日をたっぷり楽しんだ。

さて、この宿にはイベントがたくさんあって、それに参加しているとなかなか忙しい。
 野天風呂を楽しんだ後は若旦那さんのカメラ教室。
ホワイトバランスや絞りの変え方など教わっているうちにすぐに夕食の時間になってしまう。

18時からの夕食はこちらの食事処で。
 
23室ある宿なのでテーブルもたくさん。
 壁際には珍しい果実酒が並び、このうちのいくつかは食前酒として出されるが、中には薬効はあってもおいしくなくてとても普通には出せないものもあるんだそうな。

テーブルについていると後ろの方がなにやらにぎやか。何事かと振り向いてみると
 テレビの撮影中。
女の子の方は知らないが、男性はラッシャー板前さん。後で聞いてみると長野テレビの取材だそうで、1月28日の放映とのことだが東京では見られないのが残念。

それでは我々も食事をいただこう。
 
お膳で目立つ鯉のうま煮はこっくりと煮込まれて肝がおいしく、その隣の握りも鯉の昆布締めだが全く臭みがない。野沢菜巻きや刺身こんにゃく、豆乳鍋も山の食事らしくていい。
 
さらに鮎の酒粕付焼き、てんぷらは温かいものが運ばれ、
 これもアツアツの茶わん蒸しはかぼちゃとむかご入りに熊笹餡かけとちょっと変わっている。

お腹いっぱいいただいて、こたつに入っていると眠くなってしまうが、8時半からはまたイベントに参加しなくてはならない。
しっかり防寒をして玄関の外に出ると、若旦那さんが天体の説明をしてくださる。
なにしろここは標高2000メートルの山の上、他に建物もないので、玄関の明かりをちょっと落としただけで天の川がはっきり見える。しかもこの夜は雲の全くない晴天で月の出も遅く風もなし、天体観測には最高の条件だった。

さらに外には大きな天体望遠鏡が3台並び、これを若旦那は話しながら目標にピントを合わせ見せてくれる。
 この写真は若旦那のブログから拝借したが、これよりもっと巨大な望遠鏡もあり、シリウスから始まってオリオン大星雲、木星とその衛星、アンドロメダ星雲などなど、さらにウルトラマンの故郷、M78星雲まで見せてもらえるのだからすごい。

若旦那さんの説明はマイクや天体用ライトまで使って本格的。話すほどに熱が入り、カメラも天体撮影のために腕を上げた様子。天体望遠鏡もまだ他にいくつもあるとかで、まさにマニア。
そんな星空の解説をずっと聞いていたいが、気温は-12度、つま先と指先が寒さで痛くなってしまって、申し訳ないが途中でリタイアしてしまった。

こんな時こそ温泉、と今度は宿の1階にある「ランプの湯」へ。
 このお風呂はあまり大きくないが、木の壁が新しいらしくとてもいい香り。
さらに含硫黄・カルシウム・ナトリウム・硫酸塩泉のお湯からは例の硫黄のにおい。浴槽が2つに分かれているのは源泉の温度が32℃ほどと低いため、小さい方はそのまま、大きい方は加温されているから。加水はしていないそうだがなぜか小さい浴槽の方が濁りが強く、冷たいのを我慢してこちらに入るとやがて体の周りに温かい層ができて、体全体がふっと軽くなるような心地よさ。
ランプの明かりで薄暗い中、熱いお湯と冷たいお湯を行ったり来たりして、これはたまらん。

お風呂を出たら暖かい羽毛布団にくるまって、翌日のイベントにそなえよう。


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有楽町で「キャプテン・フィリップス」&「ゼロ・グラビティ」

2013-12-23 16:32:28 | 機内食・映画・美術展
映画館に出かける時はマイナーな映画を選んでしまうことが多いが、たまには王道ハリウッド映画を大画面で見ようと有楽町へ。

まずは何年振りに入っただろう、丸の内ピカデリーで
 「キャプテン・フィリップス」 Captain Phillips

ソマリア海賊に誘拐されたアメリカ人貨物船船長の実話の映画化だが、海賊=悪い奴にはなっていないとの前評判なので見る気になった。

実際見てみると、開巻早々からソマリアの貧しい漁師村から元締め(?)に脅されつつ海賊たちが出発する様子が描かれ、なぜ彼らが命がけで海賊行為をするのかがある程度理解できるように作られている。
演ずる役者たちがまたやせこけたソマリア人ばかりなので、その必死さにリアリティがある。

襲われる方の貨物船はというと、巨大なコンテナー船だが乗組員は20名だけ。しかも「俺ら組合員だし、命かけるほどの報酬はもらってねえ」なんてこれもリアルだ。

映画は始まってすぐに海賊出動で全く無駄がない。
武装しているとは言えたった4人の海賊に巨大な船が乗っ取られてしまう手際の良さ、船員たちの反撃のしかた、船長が救命ボートに拉致されてしまう顛末まで息つく暇もない。

船長が拉致されてからはアメリカ海軍とSEALSの出動となって、普通の映画だったらここでヒーロー登場、善玉が悪い奴らをやっつけてめでたし、となるのだろうが、この映画ではそうは感じさせない。
むしろたった4人の元漁師相手にここまでやるか、と大人が子供をぶん殴っているように見える。
もちろん自国民は一人でも絶対に守るというその姿勢は、同じような状況となったらまるで当てにならないどこぞの国の人間としてはある意味うらやましいのだが、それにしても皮肉が効いているなと思ったら、監督のポール・グリーングラスはドキュメンタリー出身のイギリス人だった。なるほどね。

ところで主役のトム・ハンクス、アメリカでは非常に人気があるようだが、実はあまり好きな俳優ではない。
なんとなく「我こそはアメリカの良心」としたり顔をしているようなところが鼻につくのだ。
しかしこのキャプテン・フィリップス役、実話だから民間人が超人的な活躍をするはずもなく、ひたすら救助を待つという地味な役どころ。それをきっちり出すぎることもなく演じて、ラストで救助された後など迫真の演技。アカデミー俳優はだてじゃない。

134分、手に汗握りっぱなしで、これはいい映画だった。


緊張の連続でいささかぐったりしつつ、そのまま隣の丸の内ルーブルに移動して2本目。
 「ゼロ・グラビティ」 Gravity

こちらは海ならぬ宇宙で孤立無援になったサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの運命やいかに、というまたしても脱出もの。
宇宙空間を3Dで見せるとなればこれは映画館で見なければ、と出かけてきたわけ。

で初めて3Dメガネなるものをかけて見たわけだが、結論から言ってしまうとこちらはかなり期待外れ。
宇宙空間で孤立状態ということで「2001年宇宙の旅」が引き合いに出されることが多いようだが、確かに特撮やCG技術は格段の進歩、いったいどうやってこの画面を作っているのだろうと感嘆する場面もあったし、泣くと涙が丸い水滴になって浮かぶところなども面白かった。
しかし内容に深みはなく、サンドラ・ブロックのたくましさは「エイリアン」のシガーニー・ウィーバーをこそ思い出させる。

それはいいのだが、がっかりなのはストーリーのご都合主義。
以下はネタバレなので未見の方は注意

まず、最近の宇宙は衛星だらけとは聞いているが、ちょっと宇宙遊泳しただけですぐたどり着けるほど宇宙ステーションがいっぱいあるのか。しかもそのどれもが無人で、操縦可能な宇宙船が付いているなんて。
さらに国が違っても装置がほぼ共通で、宇宙飛行士ならぬミッション・スペシャリストでも操縦できちゃう、それなのにパネル上の文字は各国語のままって・・・。

ラストも着陸船が湖に着水し、ハッチを開けると水がなだれこんでくる。
こうなるのはわかりきっているのになぜ救援を待たずにハッチを開けてしまうのか、ネタ元の「ライトスタッフ」ではちゃんとハッチを開ける理由があったのに。
さらに水中で宇宙服を脱ぎ捨て、水面まで泳ぐところ、その後のシーンと矛盾している。

などなど、設定の矛盾が気になって画面に没頭できなかった。
鍛えぬいたサンドラは適役だし、登場人物が二人だけと言う潔さもよかったのだが。
宇宙ものならこの人、が声だけ出演しているのもツボで、監督がSF好きなのはよくわかる。
結局画面を作ることでせいいっぱいで、ストーリーを練りきれなかったのだろうか。


ところでこの2本を見に行ったのは水曜日のレディースデイ。
1000円なので混んでいるかと思いきや、どちらの映画もガラガラで肩透かし。
おばさま好みの映画じゃなければレディースデイは楽勝と学習した。


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13年初冬の大人旅 9 増田町の内蔵巡り

2013-12-21 15:39:57 | 国内旅行
12月2日

大曲駅から奥羽本線の各駅停車で30分、十文字と言う駅で降りる。
 ここから今度はバスに乗って10分、横手氏増田町へ行く。

バス停前にはありがたいことに休憩所とコインロッカーがあるのでここに荷物を預け、早速町歩き開始。

まずは毎月2、5、9の付く日に開催されるという朝市へ。
  
ちょうど2の付く日だったのはラッキーだが、早朝からお昼までの市場、11時半にはもう店じまいしてしまったところが多くてお客さんの姿もなく、はなはだ寂しい。
  
それでも箱いっぱいのハタハタやら山菜やらを見て歩けば、優しげなおばちゃんがいぶりがっこの試食をさせてくれたりして、ここはもっと早い時間に来たかった。

朝市通りの前に伸びるのは中七日町通り。
 
車もさほど通らない狭い道だが、この通り沿いに古い建物が立ち並び、その中に全国でも珍しい内蔵というものがあって、いくつかが一般公開されているというのでやってきたのだ。

まずお邪魔したのは「佐藤又六家」。
 表には小さな「マタロク・カメラ店」と言う看板が出ているが、ごめんください、と引き戸を開けるとすぐにご主人が出てこられ、見学料200円を払うとすぐに先に立って案内を始めてくださる。
内部は勝手に見られるのだと思っていたが、実はこの町の建物はすべて住人の案内付き。それも道理で、これらの建物はどこも現在居住中のところばかりなのだ。

特にこの佐藤さんのお宅の場合は、大きな蔵の周りに普通の家の壁、屋根が作られ、居住部分は蔵の中。
  
しかも奥へ奥へと細長い造りで、表からはわからないがとんでもなく広い。
 
2階に上がれば太い梁に手斧の跡も見え、明治前期に建てられたままなのがよくわかる。

又六さんの並びにあるのは佐藤三十郎さんのお家。
  
表はこの通り、ごくありふれた古い商店風なのだが、ここも案内されて細長い住居部分を通り過ぎると、一番奥に内蔵の入り口がある。
 
そしてこの中の壁がなんともモダンな印象のストライプ。白い漆喰部分は磨き上げられ、木の部分との対照が実にいい。
  
正面の床の間や、一番奥の扉の意匠もすばらしいが、案内してくださったご主人によると、この町の内蔵に文化庁の調査が入り始めた数年前まではここはがらくたがあふれる物置で、こんなに凝った作りになっているとは家の人たちも知らなかったのだそうだ。

さらに通りを歩き、ちょっと離れた谷藤家。
 
 
こちらは表がごく普通の民家風で、玄関からお邪魔すると品のいい年配の女性が出てきてくださった。
住居部分は昭和になってから建て直したが、内蔵は明治中期のものとのこと、磨き上げた黒漆喰の壁がすばらしいが、蔵の正面は天井が吹き抜けになっていて高く、「夏は涼しくていいんですけど、冬は寒くてねえ」と苦労していらっしゃるようす。
いろいろお話を伺って、帰る時には玄関の外までお見送りしてくださり、なんだか知り合いのお家にお邪魔したみたい。

  
 
町にはまだまだ面白そうな建物があるが、家ごとに思いのほか時間がかかるのであと一軒だけ見せていただこう。

と入らせていただいたのは山吉肥料店さん。
 
こちらも表は店舗になっているが、この部分は明治後期のものだそうで天井がとても低い。
しかしその奥へと伸びる住居部分は天井が高く
   
さらにその奥の内蔵部分では2階分が吹き抜けになっている。
 
この蔵扉の前は台所になっていて、親からは何も作るなと言われたけれど、あまりの寒さに台所に壁と天井を作ってしまった、とご主人は笑われながら、今も使っているという井戸まで見せてくださった。
  
こちらの内蔵は増田町でも最大で細工も凝っているが、作られたのは昭和8年でおそらく一番最後のものとのこと。しかも用途は冠婚葬祭の際の座敷なので、使われるのは何年、何十年に一度だけとか。なんとも贅沢なことだ。
 
ご主人には裏の味噌蔵や来客用の離れまで見せていただき、ここにはすっかり長居をしてしまったが、おかげでとてもためになった。

 最後は観光物産センターである「蔵の駅」でタクシーを呼んでもらい、待っている間に若いおねえさんとお話すると、この町には45軒ほど内蔵のある家があるが、表からは見えないし、人に言うことでもなかったのでつい最近までみんな他の家の存在は知らず、増田町でも内蔵を見たことのない人が大勢いるのだそうだ。

そんな内蔵が最近になってテレビや雑誌で取り上げられ始め、実際自分がこの町の存在を知ったのも「大人の休日倶楽部」の会報誌のおかげ。そのためまだ来訪者は少ないらしく、東京から一人で来たと言うとどの家でも驚いてとても喜んでくださった。
しかし歴史的建造物の残る町でもこんなに居住者とお話しできるところは他にはないだろう。観光客が多くなったら難しくなるかもしれないが、このふれあいの楽しさはぜひとも残していただきたいところ。
公開されている15軒のうち4軒しか拝見できなかったし、ここはぜひまたもっとゆっくりと来てみたい。

 
待合室まで蔵のような作りの十文字駅からはまた大曲まで戻り、スーパーこまちで今度は東京まで。

計画では十文字の道の駅で横手焼きそばを食べようと思っていたのだが、時間が無くなってしまったので大曲の売店に一つだけ残っていた駅弁で遅いお昼。
 「こだわり鶏めし」950円は比内地鶏の歯ごたえがよく、特にごまがたっぷりのそぼろがおいしい。でもそれ以上にご飯がおいしくて、やっぱりあきたこまちはおいしいな。

列車に駅弁、温泉に観光と、5日間の大人の休日、めいっぱい楽しませてもらった。


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13年初冬の大人旅 8 岩倉温泉

2013-12-18 21:25:55 | 国内旅行
大曲駅前のロータリーから少し先のバス停でしばらく待ち、まわりの景色も見えない中、40分バスに乗って終点の岩倉温泉へ。

終点のバス停でお金を払って降りようとすると、「温泉に行くんでしょ?なら玄関の前まで行くからちょっと待ってて」と運転手さん、ほんの50メートル先でまたバスを停めてくれた。今夜の宿はこの温泉の一軒宿なのだ。

宿に入ったのは17時半。
出迎えてくれた女将さんにすぐに部屋に案内され、お茶を入れてもらって、でもすぐにお風呂に入りたいので、とちょっと遅めの夕食をお願いする。

わずか7部屋の旅館だが館内はゆったりした造りできれい。
 
8畳の部屋の暖房はストーブとおこた。ここもトイレまでちょっと遠いのだけが難だ。

速攻で浴衣に着替え、お風呂へ。
  
トイレ、洗面台の先にのれんがかかっているが、ドアの上の印はお風呂と言うよりトイレみたい。
 
シンプルな脱衣場から浴室に入ると、ここもシンプルな造りながら明るくて意外に広い。
窓側いっぱいに作られた浴槽は10人以上入れそうな大きさで、深さも股上まで届くほど深い。縁の段に腰かけるとちょうど肩まで浸かれ、お湯は全くの無色透明、においもないがなめると塩辛さと苦みがあり、浸かっているとちょっとした重さを感じてこれが何とも心地いい。お湯の質で言えば銀婚湯よりこちらの方が好きかもしれない。

お湯を堪能し、女将さんに声を掛けられてテーブルが2つ並ぶ小さな食事処へ。
テレビがついた飾らない食堂にはもう一人、やはり一人旅のおじさんがいたが、その他に部屋で食事の人もいるようで、女将さんは大忙し。

 
食卓に用意されていたのはミズやワラビなどの山菜が中心、鍋は期待通り、鶏肉がたっぷりのきりたんぽ鍋。
  
大きな栗やむかごの天ぷらもからりと揚げたてでとてもおいしい。
 あきたこまちのデザートもおもしろかったが、盛んにすすめられた温泉水で淹れたお茶だけは、ごめんなさい、とてもおいしいとは思えなかった。

食後はお布団を敷きに来てくれた旦那さんとちょっとおしゃべり。
大曲と言えば花火があまりにも有名なので「その時は忙しいのでしょうね」と聞くと、「その時ばかりは断るわけにいかないから」とあまりうれしくなさそう。
なんでも人口38,000のこの町に花火の時には80万の観客が詰めかけるそうで、普段は15分で行けるところが2時間かかるわ、民家の庭がトイレにされるわで、一般住民にとってはありがたくないことの方が多いらしい。さもありなん。

ぐっすり休ませてもらった翌朝は部屋で朝ご飯。
 温泉粥というのでちょっと警戒したが、温泉の塩気がちょうどよくて、これはおいしく食べられた。ほっ。

バスの出発時間に合わせてチェックアウトをすると他にも2組のお客さん。夜遅く到着した人たちもいたし、どうやら昨夜の宿はいっぱいだったようで、完全家族経営のご夫婦に余裕がなかった理由を納得。

  
雪の残る玄関先に見送りに出てこられたお二人はやっとほっとした様子であれこれおしゃべり。
品の良いご主人たちの人柄が反映したような、簡素だけれど静かでいい宿だった。

まわりに何があるというわけでもないが、いいお湯のあるこの宿、機会があればまた泊まりたい。


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13年初冬の大人旅 7 秋田県立美術館

2013-12-17 17:43:40 | 国内旅行
12月1日 続き

秋田駅に到着後、荷物を預けて外に出る。
 この駅に降り立つのは初めてだが、駅前にデパートなどお店が多くて、思ったよりずっとにぎやか。

駅前に伸びる仲小路商店街を通って、10分もかからずに着いたのは今年の9月に新しくなったばかりの秋田県立美術館
 
安藤忠雄設計の建物は外から見るとずいぶんそっけないが
 
入口を入るとすぐに印象的ならせん階段があり、これをあがると喫茶ラウンジがある。
 
ここのソファに腰を落ち着ければ、目の前の水庭に映るのは千秋公園。ゆずのドリンクなど飲みながらしばしゆっくりさせていただく。

一息入れたところでこの美術館の2,3階にある常設展へ。
入口を入ってすぐにあるのが大壁画ギャラリー。
 展示は撮影禁止なのでこの写真はウェブから拝借したが、これがこの美術館の目玉である藤田嗣治の「秋田の行事」。秋田の四季がお祭りを中心に描かれているが、繊細で女性的な印象の強い藤田がこんなに巨大な絵を描いていたとは、とびっくりするような大きさと迫力。

この美術館の収蔵品の中心は秋田の資産家、平野政吉のコレクション。この人が1930年代に藤田のパトロンとなったので常設展はフジタ一色。おなじみ乳白色の肌の裸婦像もあるし、素描やフジタ、平野の写真も面白く、まとまったコレクションなのでとても見やすい。

秋田をテーマにした目玉作品のあるこの美術館も、こんなに立派な器に作品を集められたフジタも幸せなことだ。
この素晴らしいコレクションがたったの300円で見られるこちらも幸せ。

フジタを堪能したら秋田駅にとんぼ返りして、今度はこの列車。
 
これも今年デビューの「スーパーこまち」。カラーリングも運転席も「はやぶさ」よりかっこいい。

しかし今日はこれに乗るのはたったの30分。
 夕暮れで寂しい大曲駅に降り立った。


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ネパールとスリランカのコラボプレート@西新橋「Mandap」

2013-12-15 19:03:08 | 食べ歩き
先日の「スリランカパーティー」にスナックを出していた「アハサ食堂」さんが今度はネパール料理屋さんでカレーを出すというので、友人と一緒にランチをいただきに行ってきた。

会場は西新橋にあるこちらのお店。
 「Mandap」
オフィスビルの立ち並ぶエリアにひっそりあるが、虎ノ門、内幸町から4、5分、新橋駅からでもさほど遠くない。

ここはインド・ネパール料理の店ということで厨房にはネパール人シェフの姿も見えるが、本日は特別、スリランカの「ライス&カリー」とネパールの「ダルバート・タルカリ」がワンプレートで提供されるということで
 
やってきたターリー盆にはちゃんと旗まで立っていてかわいい!
その旗が示す通り、左側はスリランカ料理、右側はネパール料理。

 皿のてっぺんにはレンズ豆の料理が並んでいるので、両国の違いがよくわかってとても面白い。
スリランカの豆カレーにはココナッツミルクが使われているのでややこってり、ネパールのダールスープの方はサラサラで、ニンニクが使われているが味付けも非常に薄味。

 スリランカの、これは珍しいイカ・カレー。
聞くとイカはスリランカでよく食べられる食材だけれど、現地ではカレーではなくグリルなどにするそう。
なのでこれは「アハサ食堂」さんの創作だけれど、トマトとココナッツミルクの入ったカレーはおいしく、スリランカ人の旦那様のお墨付きとか。

 こちらネパールのタルカリは野菜をスパイシーに炒めたものだが、オクラに枝豆、京人参にネギ、むかごまで入って食材は純和風。しかしカレーリーフやチリ、スパイスを使えばなるほどネパールになるというのが面白い。

 皿の下に並ぶのはお口直しで、スリランカ側は人参のピクルス、アッチャール。ネパールのダルバートにも普通は同じようなアチャールが付くのだが、本日はアルゴ・チョカ。ネパール風ポテトサラダと言う感じで、スパイスは使われているが優しい味。普段はネパール人のまかないというから家庭料理なのかもしれない。

これらをすべて混ぜ混ぜしながらいただけば、ご飯がすすむ、すすむで食べすぎるし、やっぱり口の中がスパイスでつらくなる。

ご飯は少しごめんなさいさせていただいて、最後はスリランカのデザート、ワタラッパンとマサラチャイ。
 とても上品な甘さのワタラッパン、おいし~。

一括りにカレーというけれど、インドではないスリランカとネパール、その食べ比べが一度にできる今回の企画はとてもよかった。
今後も1ヶ月に一度ほど開催の予定とのことなので、次回にも期待。


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13年初冬の大人旅 6 リゾートしらかみで秋田へ

2013-12-13 19:47:53 | 国内旅行
12月1日

 朝、8時過ぎの青森駅。

構内のドトールでコーヒーを買ってホームに降りれば、乗るべき列車がすでに待っている。

  
以前に一度、強風のために諦めた「リゾートしらかみ」にリベンジ!本日の車両は「ブナ」編成。
  
無事に窓側席が確保できたのは川部から東能代まで先頭となる4号車。運転席の後ろには正面の見える展望席とイベントスペースがある。
  
2号車と3号車はボックス席で、座席をずらせばお座敷になるのがうらやましいが、グループじゃないと乗りにくい。

出発の時間までうろうろと写真を撮って回るが、まわりにはもっと年のいったおっさんたちがさらに熱心に写真を撮りまくっているので安心。

そうこうするうち定刻の8時23分となり出発。
  
座席そなえつけのファイルを見ながら、本日の朝食は函館の洋館パン屋さんで買ったクルミのパン。

青森出発の段階では乗車率は50%ほど。
人気の列車と聞いていたが、意外に空席があるのは中途半端な季節のせいかと思ったが、りんご畑を見ながら弘前に着くと、ここでさすがに席はほぼ埋まった。

 あいにくと雲が低いが、岩木山の周りをぐるっと回って列車は進む。

冬枯れの田んぼを見ながら走るうち、五所川原から鰺ヶ沢までの間には津軽三味線の演奏がある。
  
民謡には合いの手も入り、なかなかの盛り上がり。

鰺ヶ沢を出ると線路はいよいよ日本海の沿岸に出て景色がよくなる。
  
有名な千畳敷では速度を少し落としてくれるが、一番景色のいいところは建物の陰になってしまって写真が撮れない。
しらかみ3号ならここで10分の停車があって降りることができるが、今回の2号は停まってくれない。

海岸線を走るうち、先頭の展望席が空いたのでちょっと座ってみる。
  
運転席がばっちり覗けるが、フロントガラスはかなり汚れていてちょっとがっかり。
この展望席、カメラを持ったおっさんたちがうれしそうに座っているが、誰も一人占めすることなく順番に譲り合っているところはさすが大人(あたりまえだけど)。

 
線路は海辺ぎりぎりを走り、日本海らしい景色が続く。窓が大きいのでさすがに見やすい。

深浦駅では対向列車とすれちがいのため6分の停車。反対ホームに停まっているのは「くまげら」編成の1号車。
 
どちらの列車からも乗客が降りて反対車両を撮りまくり。

 ウェスパ椿山の周りには温泉があるのでここでだいぶ乗客が降り、車内の空席が多くなる。
しかしこの駅前の建物といい駅名と言い、日本海の風情がなくてセンスなさすぎ。どうにかならんか。

 
岩舘からは秋田県に入り、このあたりの景色のいいところでも列車は速度を落としてくれる。

 トンネルに入ったところでは天井のイルミネーションを点ける演出もあり。

そして次の「あきた白神」駅に着く前には大切な用事のために2号車と3号車の間の出口へ移動。
というのもわずか1分の停車時間中にこのお弁当を受け取るため。
 「あわびめし」1200円。
このお弁当、2日前までに電話で予約すればお店の人がホームで待っていてくれる。
指定された出口でぴったりの金額を渡し、おかげでもう一人のおじさんともども無事にお弁当を受け取ることができた。

ふたを開ければご飯の上にびっしり並べられたあわび。期待したほどの厚みはないがイクラも散らして贅沢に食べる。でも実はあわびよりもちもちした食感でいい味付けのごはんと、キャベツやふのりが入ってお酢の効いたいかずしの方がおいしかったりする。とにかく満足。

とこれを食べているうちに列車は海沿いを離れ、東能代からは方向転換して田んぼの続く八郎潟を通り、13時16分に無事秋田駅に到着。

約5時間の乗車時間、天気は今一つながらやっぱり海沿いの景色は楽しくて、今日も退屈することはなかった。


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13年初冬の大人旅 5 函館散歩

2013-12-12 18:32:02 | 国内旅行
11月30日 続き

市電を末広町で降りて、基坂をのぼる。
 結構急な坂を上がると
 
まず現れる旧イギリス領事館。1859年に開設され、現在の建物は1913年に建てられたものだそうだが
  
2階の執務室では小柄なユースデン領事が今も港を見張っている。
 函館開港の歴史を説明する部屋もあって、思ったより面白い。

坂をさらに上がるとちょっと気になる大きなお屋敷。
 
開港間もない函館で大儲けをした相馬哲平の邸宅が今は相馬家の手を離れ、個人とボランティアによって公開されている。
内部は残念ながら撮影禁止だが、和洋折衷の部屋は細部に凝った贅沢な造りながら華美にならず、特に来客用トイレとか
  
ここだけは撮らせてくれる地球儀の下がる囲炉裏、その熱を2階に上げる天井の空気穴など面白い。
 
庭を覗くと眼下に旧イギリス領事館が見え、基坂の下に建っている(株)相馬の木造社屋も見下ろすことができる。

 相馬邸の隣の元町公園に建つのは北海道庁函館支庁庁舎と旧開拓使書籍庫。
 その上に建つ堂々たる建物は旧函館公会堂。
1910年に建てられたこの洋館、建築費の大半は相馬哲平さんが寄付したのだそうだ。
  
2階の大広間や、港を見下ろすベランダからの眺めも素晴らしいが
 やっぱり面白いのは大正天皇の宿舎として使われた時のトイレだったりする。
   
一般のホテルとして利用する計画もあったために浴室もあるが、その計画は実現しなかったとか。

 
公会堂の前をまっすぐ行けばかわいらしい洋館が多く並び、八幡坂の上からはお約束の写真が撮れる。

さらに行くとこれまた有名なハリストス正教会。
 
中に入ってみるとずいぶんとかわいらしい教会だが、まわりの壁にかかる絵の最下段は日本人最初のイコン画家、山下りんの絵だと教えられる。16枚の絵はどれもとても小さくて、ロシアのイコンというよりはイタリアの宗教画のよう。

函館山を背に、カトリック教会や小さな洋館を見ながら坂を下りる。
 
 
   
函館の洋館はどれもこじんまりと質素な感じがする。

さらにてくてくと海に向かって歩くと赤レンガ倉庫街。
 
港にはカナダから送られてきたという大きなクリスマスツリーが立っていたが、点灯は明日から。
 外観は趣ある倉庫群の中は若い子向けのお店と土産物屋ばかり。
中国人観光客が大量にお土産を買っていて、北海道経済は中国に支えられているんじゃないかと思ってしまう。

夕暮れ迫る町を歩いて駅へ戻り、有名な夜景を見ることなく、また特急白鳥に乗って青森へ。

青森での宿は駅前の「青森グランドホテル」。
 3500円でシングル部屋を予約したらツインにアップグレードしてくれてラッキー。
古い部屋だけれどフットマッサージ器まで備えられていて文句なし。

せっかくの青森ではあるが、外に食べに出るのもおっくうなので今夜の夕食は函館駅で調達。
 渋く「鰊みがき弁当」880円。
鰊の味付けは濃くてご飯が進み、大きな数の子の歯触りがなんとも心地いい。
お正月ぐらいしか食べない数の子だけれど、やっぱりおいしい。 


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13年初冬の大人旅 4 函館・五稜郭

2013-12-09 15:43:24 | 国内旅行
11月30日

目覚めの一湯はここだけまだ入っていなかった家族風呂へ。
 一人で足を伸ばすのにちょうどいいサイズの浴槽、ここも頭を乗せるところが木になっていて気の利いた造り。
ただし本日はお湯がぬるめ、なのですぐに大浴場に移動したがこちらもぬるめ。
やはり温泉の温度管理は難しそう。

 窓の外の雪景色を眺めながら朝食をいただいたら、ちょっと早めにチェックアウト。
こちらの宿は本館に一人泊で一泊11,700円。
温泉も食事も、なにより宿の人がすばらしくて、近くだったら通いたくなるようなコスパの良さ。

落部駅では事務所のストーブに当たりながら列車を待つ。
 
快速だけれどたった一両の列車で函館までまっすぐ、1時間15分。
 途中、湾越しに駒ケ岳も見える。

 初めて降り立つ函館の駅。
ここまで来ると雪はなくなった。

 まずはいつものごとく、高いところから街を見ようとバスに乗って五稜郭タワーへ。
入場チケットを買うと、「もうすぐガイドツアーがありますがいかがですか」と勧められた。
てっきり公園の方も案内してもらえると思ってお願いしたが、実際はタワーの中だけの案内。しかしイヤホンも使ったお姉さんのガイド、結果的にはとてもよかった。

エレベーターを降りた途端、目の下に広がる五稜郭。
 この眺めは高いところに上ってこそ。
  
ぐるりと回れば函館山や函館港が見える。

 展望台の中には人形で幕末の函館を説明する展示があり、
  
ペリー来航の様子やら、榎本武揚らの写真撮影の様子やら、これがガイドさんの説明もあって面白いのだ。

大きく取り上げられるのはもちろん人気の土方歳三。
  
しかしあまりにも有名なこの写真、実際はもっとむくんで写っているものをちょっとカッコよく修正しているんだそうな。
銅像の前ではたくさんの中国人観光客がさかんに記念撮影をしていたけれど、どんな人だか知っているのかね。
土方ってルックスがいいので人気があるが、今風に言えばテロリストよね。

45分ほどタワーでガイドを聞いたあとは下に降りて五稜郭の中へ。
  
内部には奉行所の建物だけがあるが、これはつい最近復元されたもの。
幕末に7年かけて作られた五稜郭内の建物はたった7年使われただけで、明治時代になってから資材を札幌で使うという名目で取り壊されたものの、実際にはほとんど廃棄されてしまったのだそうだ。

雪こそないが、さすがに函館は冷たい風が吹いて寒い。
早々と公園は引き上げて、ちょうど時分どきなので昼食へ。

函館といえば常識的には海鮮ものかラーメンだろうが、本日はちょっと変化球。
 五稜郭タワーのすぐ下にある、こちらは函館限定のハンバーガー・チェーン、「ラッキーピエロ」。
 市内にある16店舗はそれぞれテーマがあるそうで、ここのテーマは「エンジェルたちのおしゃべり」だそうだが、エンジェルよりたくさんの張り紙が目立って、なんだか雑然とした店内。
 一番人気と言う「チャイニーズチキンバーガー」を頼むと、バンズの中には唐揚げが3つ。中華風の甘辛味で大きいが、いささか脂っぽく、なにより大きすぎて食べにくい。
たくさんの地元客はバーガーならぬカレーやオムライスを食べていたが、その理由を納得。
バーガーは若い子にまかせて、やっぱり順当にラーメンにすればよかった。

と反省しつつ
 今度は市電に乗ってベイエリアへ向かう。


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