Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

南極クルーズの食事

2014-06-02 16:11:00 | 北米/南米/南極
イラン旅行記はまだか、とお待ちの皆様、すいません。
南極の小ネタがまだ少しあるのでもうしばらくのご辛抱を。

というわけで、本日は南極クルーズ中の食事のご紹介。

19日間、毎日、朝昼晩とお世話になったダイニングルーム。
 元々海洋探索のための船なので飾り気もないが、100人が一度に座れる大きな部屋。
席も決まっていないので、団体ツアーで来ているイスラエル人とアメリカ人以外は適当に気の合った人の所へ行って座るが、毎日同じ席に座らないと気が済まないらしい人もいるのが面白い。

朝食はもちろんビュッフェ・スタイルでシンプルだが、卵の焼き方、フレンチトーストやパンケーキなどを日替わりにして変化を持たせている。
  
 
ある日、パンケーキにベーコンをのせ、メープルシロップをかけて食べていたら「それってすごくアメリカっぽい食べ方よね」「なんだその食べ方は。気持ち悪い」とオーストラリア人に言われてしまった。
自分たちだってトーストにベジマイトなんぞ塗りたくり、茹で卵を乗せて食べているくせに。

お昼と夜は3コース制になっていて、まずはビュッフェテーブルでサラダをいただく。
 
 
いつまでもつか、と皆が興味津々だったレタスも保存がうまいのか、最終日まで結構まともな姿で登場。
クスクスやライス、豆サラダなどの他に前日の肉類などもうまく再利用して、バラエティー豊かだったのはよかった。

テーブルにはパンとともに大きなスープ入れが置かれていて、これは飲みたい人が自分でよそう。
 こってりしたスープが多いのでパスすることが多かったが
 ある日のメニューはなんと「みそスープ」。
確かにみそが入っていたけど、む~。2度目には手を付けなかった。

ついでに「日本食」はもう一度だけ
 のり巻きが出た。
しかしこのご飯が固くて、それがまたガチガチに固く巻かれている。真ん中に巻かれているのは野菜で、努力はわかるがこれはさすがにいただけなかった。

ちなみに厨房のトップはアルゼンチン人、その下には3人のフィリピン人シェフとのことだったが、固いご飯はだれの責任だったのだろう。

メインは毎日、肉、魚、ヴェジタリアンの中から選択するが、ランチの場合は目先を変えて
  ピザやサンドウィッチ・ビュッフェになることもある。
 タコ・ランチは悪くなかったが
 パスタはイタリア人が乗っていなくてよかった。

メインにヴェジタリアンのオプションがあるのはいまや常識なのだろう。
 
何度かは頼んでみたが、米がやっぱりまずいし
 これを「豆カレー」とは絶対に認めない。
総じてスパイスの使い方がへた、というか全く効いていないのは欧米人に合わせた味付けだからなのだろうか。
 この「豆腐と野菜の中華風」も不思議な料理だったが、豆腐は残念ながらこの一回しか登場しなかった。

ではお肉を選択するとどんなものが出るかと言うと
  
ビーフやポークなどがどーんと、さすがに気前よく出てくる。
  
しかし一番おいしかったのは羊で、これがメニューにある時は逃さなかった。煮込み系はあまり登場しなかったが、このアイリッシュシチューもなかなか。

とは言え運動量の少ない船内、カロリーオーバーが気になる時は魚。
 こんなシーフード・シチューのこともあったが
  
たいていはタラのような白身にこってりしたソースがかかって出てくる。
 そこで魚の時は「ソースなしで」とお願いして、持参の醤油をかけて食べていた。これが一番さっぱりとしておいしい。

そしてこの後には必ずデザートがつくのだが、これが大問題。
メインの食事がいまいちだったのに比べて、フィリピン人パティシエの作るデザートがおいしすぎるのだ。
  
ごくオーソドックスなチョコレートなどのスポンジケーキも甘さ控えめでおいしいし
  
チーズケーキやプリンのようなものもおいしい。
 パウンドケーキ系は食後に重過ぎるのが難点だが
  
 
特にパイは得意と見えて盛り付けもおしゃれ。
毎日の食事の一番の楽しみはこのデザートだった。

そして旅の最終日にはロシア人船長主催の「キャプテンズ・ディナー」があった。
この船には乗客の食事を作るスタッフとは別に、ロシア人クルーのためにロシア人シェフもいるとのことだったので本格的ロシア料理が食べられるかと期待したが
 ボルシチに
 ラム・ロースト
 デザートはロシア人バレリーナにちなむパブロワ
とメニューこそロシア風だったものの、お味はいつも通りでちょっとがっかり。
聞くところによると船の持ち場は厳格なもので、他の部署の人間は絶対に入れないらしい。

ところで船中の食事、毎回写真を撮っていたら同行者たちにえらく面白がられた。
「毎日写真を撮ってどうするの?」とさんざん言われたが、こうしてあらためて並べてみると文句を言いつつ

よく食べたわ。


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南極旅行の戦利品

2014-05-25 16:56:21 | 北米/南米/南極
南極の旅行なら買い物をするところなどまったくあるまい、と思っていたが実はそうでもない。
結構あちこちでお金を落としちゃったりする。

お金を落としたくなる最大の要因はもちろん、ペンギン。
 ウシュアイアの監獄博物館売店に始まって
 フォークランドのビジターセンターの売店でも
 サウスジョージアの博物館売店でもひたすらペンギン。

特にペンギンの靴下は大人気で、「買わなかった人はいないんじゃない?」とイギリス人のお姉さんも言うほど。
フォークランドのスタンレーにあるお土産屋さんのペンギングッズはバラエティに富んでいて、
 ペンギンのグミまである充実ぶり。
 下船後のウシュアイア空港では買わないつもりだったのにインカローズのペンギンまで買ってしまった。

乗っていた船にも売店はあったが、ツアー催行会社はこういう商売が苦手らしく、どうも食指の動くものがない。
 
売られているものは防寒着が多いが、乗船客はみんな用意万端なので売れるはずもない。せめてペンギンの一つもつければいいのに。
というわけでここで買ったのは南極半島のガイドブックだけ。地図に各動植物の繁殖地まで示されて内容はいいが、これで30ドルは高い。

ブエノスアイレスで買いこんだのは甘いものばかり。
 
アルファホーレは固いクッキーの間にアルゼンチン人熱愛のキャラメル、ドゥルセ・デ・レチェをはさみ、さらに全体をチョコレートがけにしたお菓子。街を歩けば高級店から新聞スタンドの売店まで、まさにあらゆるところで売られているので目につくものを買ってみた。
左の写真は高級チョコレート店のもので一つ100円かそれ以上、右はスーパーで売っていたものでこちらは一つ30円かそこらで買える。
見るからに甘いし、甘いものよりはしょっぱいものが好きなので、まあ試しにと適当に買ってみたが、これが食べてみるとうまい。確かに激甘なのだが、キャラメルに塩気があるし、クッキーの硬さが食べごたえがあっていい。
でスーパーの量販品も安いなりにおいしいし、高いものはやっぱり値段相応にうまい。
こんなことならもっと買えばよかった、なにより一番有名なHavanna社の物を買わなかったのが悔やまれる。

 Bon o bon もアルゼンチンで有名なお菓子。丸いチョコ掛けウエハースの中にナッツとクリームが入っているが、こちらは駄菓子のようなもの。

 ウシュアイアのスーパーで買ったのはステーキ屋で気に入ったチミチュリ・ミックス。かわいい缶詰はお肉のパテだと思うが、これはまだ開けていない。
そしてまたも登場、ドゥルセ・デ・レチェ。一番安くて軽そうなものを買ったが、これがまたパンに塗るとうまい。どうもこのキャラメル味にはまったらしい。

パンに塗ると言えばジャム。
 左の2つはパタゴニア名物のカラファテのジャム。本当はこれのアイスクリームが食べてみたかったのだが、季節外れで食べられなかった。
右はフォークランドの博物館で買ったDiddle Deeというベリーのジャム。どんな実かと調べてみたら
 偶然にもジプシー・コーブで写真を撮っていた。
どうもそこいらじゅうに生えているらしい、というより島で採れるフルーツはこれぐらいしかないのだろう。
味見はまだしていない。

そして最後のニューヨークで買ったのは
 
アメリカ産のチーズもろもろ。Zaber'sで買うと安いし、おいしい。
シナモンとレーズンの入ったピーナッツバターもいかにもアメリカ、だけれどこれに逆らえない。

金を落としたと言っても、まあこんなもん。


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南極旅行 31 JLスカイスイートで帰国

2014-05-23 16:32:38 | 北米/南米/南極
2月26日

とうとう帰国日。
カーテンを開けても窓の外はレンガ壁なので天気もわからない。

ホテルの宿泊には朝食が含まれているので、一階にある食堂へ。
 
奥にはキッチンがついていて使い勝手がいい。 
 NYらしくベーグルもちゃんとあるし。

8時半にチェックアウトをして外へ。
 今日も小雪がちらつき、温度は0℃以下。南極より寒い。

ポート・オーソリティーのバスターミナルまでは近いので歩いてしまう。スーツケースを転がしながら歩いても10分弱。
  
JFK行きのバス乗り場はターミナルの正面にあるのでニューアーク行きよりはわかりやすいが、やっぱり小さな看板が一つ出ているだけで分かりづらい。20分も待って、ようやくやってきたミニバスで空港まで1時間。

 JLにチェックインし、ラウンジに行くとそこはもう日本。
さすがに安心するが、食べ物の用意などはしょぼい。

コーヒーだけもらって、時間になってゲートに移動すると
 これは日本人向けサービスなのだろうか。

さて本日はようやくスカイ・スイート777の座席。
 
窓側の席をもらい、隣との仕切りを上げると確かに個室のようにまわりからは見えない。
足元が広く、モニターが大きいのもいいが、座席幅は意外に狭くて全体に圧迫感があり、CAからも完全に隠れてしまうので通りがかりにちょっと用を頼むこともできない。座席回りに小物入れのスペースがないのもちょっと不便で、使い勝手は以前のビジネスシートの方が良かったかも。

などと考えているうちに東京行きは定刻出発。
 まだ雪の残るNYにさようなら。

 まずはちまちましたアミューズをいただいて
 食事はほぼ1か月ぶりの和食を選択。
これまたちまちまと小皿が並ぶ前菜だが、上段は冷たいもの、下の2段は暖かいものでバラエティーに富み、味もちゃんと日本食になっていて大変に結構。
 それに比べるとメインのお肉は普通。ご飯もいまいちなのはちょっと残念。
 デザートにもらったチーズとアイスクリームも普通。

お腹がいっぱいになり、映画も見て、昼便なので眠くはないが、フルフラットの寝心地を試してみようと座席を倒す。
この席にはエアウィーブのマットレスが用意されているが、頭上の物入れから出して敷くのは自分でやらなければならない。大体かさばるマットレスで物入れをふさいでしまうのはいかがなものか。座席がフルフラットになればマットレスまでは要らないような気がする。

ごろごろと本など読んでいるうちに日本も近くなった。
そろそろ2食目を頼まねば、とモニターを使って頼んだのは
 ラーメン。なにしろ汁そばに飢えていたので。
しかしかなり期待していたこのラーメン、スープは確かにおいしかったが、麺はノンフライのインスタント、しかも伸び気味でがっかり。これなら「ラーメンですかい」の方がおいしかった。

と文句をたれつつ、飛行機は無事に成田に到着。
期待したほどではなかったけれど、ビジネスクラスはやっぱりエコノミーに比べればずっと快適。

長かった空の旅も、そして南極旅行もこの旅行記も、これにてようやく終了。


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南極旅行 30 再びのNY

2014-05-21 18:22:01 | 北米/南米/南極
2月25日

早朝6時に到着したヒューストン空港。

入国審査に時間がかかることで悪名高い空港だが、はたせるかなイミグレには長蛇の列。窓口の数だけはたくさんあるが、いつものごとく職員はぽつぽつとしか働いていない。
乗り継ぎ便の時間が迫って焦っている人たちもいるが、列の整理係はまるで取り合わない。Welcome to USA!

結局イミグレを通るだけで50分、税関を通り、荷物を預けなおし、セキュリティーを通った後はターミナル移動が遠くて、出発ゲートに到着するまで1時間半。ゲートではすでに搭乗が始まっていた。乗り継ぎに2時間みていたがそれでもぎりぎり。

さらにゲートで搭乗券を見せると、「機材が変わってビジネス・シートが足りなくなりました。エコノミーになりましたので代わりに250ドルのクーポンをくれてやりますからそれでがまんして」って、なに~。
マイル使用だから損しているわけじゃないが、ユナイテッドなんてもう使わねーよ。前からろくな航空会社じゃなかったが、ますますひどくなったみたい。
次に南米に行くことがあったら絶対に中東経由にしよう。

ぶーたれながらNYまで3時間半。
12時半に到着したら荷物が出るのに時間がかかり、また市内までシャトルを頼んだら出発まで1時間も待つはめになった。
お金を出せばタクシーでさっさと行けるが、アメリカほど「金次第」を痛感させられるところはないかもしれない。

ようやく今夜の宿にたどり着いた時にはすでに15時。
 最後の一泊はタイムズスクエアからすぐのBroadway@Times Square

往路のホテルよりは若干部屋が広いが、カーテンを開けてみると窓の外は「壁」。
しかしこのロケーションで15000円ほど、夜寝るだけなので問題ない。

さて、ヒューストンからの飛行機では何も食べていないのでおなかが空いた。
気温0℃と寒~い街へ早速繰り出す。

目をつけておいたのはホテルからすぐのこちら
  
カンボジア風サンドイッチのお店、「Num Pang」。店内にアジアっぽさはほとんどなく、働いているのは黒人の兄ちゃん、かかっている音楽もレゲエかなんかだったけれど
 良く煮こまれた豚肉のポーク・サンドにはニンジンのなますや香菜が入ってアジアの味。これに飢えていた。
これでUS$10.50はNY値段だけれど、サンドイッチが小さく見えるのは馬鹿でかいジュースのせい、お腹いっぱいになった。

残り時間も少なくなったNY、最後は大好きなスーパーめぐりをしようと
 まずはコロンバス・サークルのTime Warner Squareへ。
こんなビル、10年前にはなかったけれど
  
広々とした吹き抜けのロビー、大きな窓からの眺めは素敵だ。

そしてもっと素敵なのは地下にあるスーパー、Whole Foods。
 オーガニック食材などを取り揃えたグルメスーパーとして人気だそうだが、日本の紀伊国屋とデパ地下に高級デリを合わせたような感じ。すぐ食べられそうなサラダやお惣菜がおいしそうで、これは人気が出るはずだ。

あれこれ買いたくなるのをぐっと我慢して、外に出るともう夕暮れ。
 
 
 
しかしNYはくやしくなるぐらい絵になる街だ。

 店頭に色鮮やかな野菜が山と積まれているのは Fairway。
ここもお惣菜などたくさんあるが、Whole Foods よりずっと庶民的な感じ。

 さらにアップタウンまで歩くと昔からある Zabar's。
初めてここに来た時はその品揃えに感激したが、今を時めくWhole Foods に比べてしまうといささか古くて狭苦しい感じが否めない。でもチーズなどがお安くて、やっぱり楽しい。

 もうすっかり暗くなったところで地下鉄に乗ってタイムズスクエアに戻る。

夕食はスーパーのお惣菜にも惹かれたが、何しろ寒いので暖かいものが食べたい。
ネット検索をするとホテルの近くに四川風の麺の店を見つけたのでそこへ。

店の名前は Xian Famous Food。
カメラも携帯も持たずに出てしまったので写真がないが、小さなファーストフード式の店だった。
店頭に並ぶ写真の中から春雨入りの羊肉スープと、香菜とセロリの和え物を注文。
お金を払い、レシートをもらって、番号を呼ばれたら奥の窓口から料理を受け取る。中国にもよくある方式。

しかしここは残念ながらはずれだった。
スープは確かに羊のにおいがするが、辛いばかりでこくがない。
香菜とセロリの和え物も、これは自分でも作ってみようと思う取り合わせだが、タレがあまりに酸っぱすぎる。
中国だったら2、3ドルで済みそうな食事が、ここではやっぱり10ドルも取られる。

NYで安くおいしいものにありつくのは難しい。
スーパーの総菜売り場が充実するわけだ。


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南極旅行 29 ウシュアイア~ヒューストン

2014-05-18 20:46:08 | 北米/南米/南極
2月24日

ウシュアイア帰港の朝、6時前に目を覚ましてデッキに上がる。

船はビーグル水道を通過中。
 日の出直前の空には小さな三日月。
 
雪をかぶった山の稜線が明るくなり始め、久しぶりに見る街の明かりがきらきらとそれは美しい。

  
やがてお日様が顔を出して、ウシュアイアの町も赤く染まる。
 朝の7時、船は無事にウシュアイアの港に接岸した。

エンジンを止めた船上で最後の朝食をいただいて、8時から下船開始。
飛行機の時間に合わせて3グループに分かれているが、19日間も一緒に過ごした旅仲間、あっちでもこっちでもキスしたりハグしたりで大騒ぎ。
 タラップの下ではスタッフが一列に並んで乗客を見送り、ここでもまたキス&ハグの嵐。
しかしこのスタッフやクルー、今日の午後にはまた次のお客さんたちを迎えてまたすぐに南極に向かう。上陸して休めるのはほんの数時間、季節労働とは言え休みなしで大変だ。

 第二班の自分も9時前にはバスに乗って港を出る。

しかしブエノスアイレス行きの飛行機の出発は13時、それまで時間があるのでしばしウシュアイアの町で自由行動となる。
そこでドイツ人、オーストラリア人を誘ってまず向かったのはカフェ。
  
船のコーヒーがまずかったので、本物のコーヒーに飢えていた。さすがアルゼンチンのコーヒーはうまい。

その後はお土産など物色しながらウシュアイアの町を再度ぶらぶら。
  
 
雪と氷の世界から帰れば、この町のカラフルさもまた新鮮に見える。
 
最後のペンギンに別れを告げ、「世界の果ての町」を離れる。

そしてやってきたウシュアイア空港。
 
 木材を多用してとてもきれいな空港だ。

 今日もアルゼンチン航空は定時の出発。
しかし往路は直行3時間半だった道のり、帰りはトレリュウ経由で5時間もかかる。
 その間に出されたのは往路と全く同じお菓子の箱、それが2回も。せめてサンドイッチぐらい出してくれよ~。

文句を言いつつ、ブエノスアイレスには予定よりなんと45分も早く到着した。
 
今回はエセイサ空港に着いたので、国内線ターミナルから国際線ターミナルへは徒歩で移動。しかしこの距離が結構あるうえ、久しぶりの真夏の温度なので大汗かいて大変。

ここまで一緒だった船の仲間たちとはここでいよいよ世界中に散らばり、カウンターが開くのを2時間も待ってようやくユナイテッドのヒューストン経由ニューヨーク行きにチェックイン。
復路はビジネスなのでラウンジを探し回り、わかりにくいところにこっそりあるのをようやく見つけて入る。
 
中は広いものの、用意されている食べ物はいささかお粗末。キャラメルクリームのドルチェ・デ・レチェやチョコレートビスケットのアルファホーレが用意されているところはアルゼンチンらしいが
 甘くないものはこれぐらいしかない。

ヒューストン行きのユナイテッドは22時30分出発。
  
B767の座席はこんな感じで、地味だがフルフラットになるのがなによりありがたい。
モニターも大きいが、UAでは見たい映画もない。

食事も、さすがアメリカの航空会社。
 
 ビジネスでもこの雑さ。

フルフラットのおかげでしっかり寝られた後の朝食も
 とてもアメリカン(笑)。バナナ一本そのままだもの。

 早朝のヒューストンは今日もどんより霧がかかっていた。


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南極旅行 28 ドレーク海峡越え 

2014-05-17 18:34:22 | 北米/南米/南極
2月22日

船は昨晩、南シェットランド諸島を離れ、魔のドレーク海峡に突入。

ここからは海がおおいに荒れる・・・はずだったのだが、昨晩ベッドに入ってからちょっと揺れていたものの、今朝も全く大したことがない。
朝食の時、一度だけ椅子が横滑りしたが、結局それ以上の揺れはなし。
具合が悪くなった人もほとんどいないようだし、乗客全員肩透かし。
「どうせなら大荒れのドレーク海峡が経験してみたかった」というイギリス人のおっちゃんに同意するのは無い物ねだりのぜいたくというやつだろうか。

穏やかな船内でスタッフによる最後のレクチャー。
南極でペンギンの数を数えている団体の話とか、オキアミの話とか。
手つかずの自然のように見える南極も、地球温暖化の影響がオキアミの数やペンギンの勢力図の変化で顕著に分かるんだそうだ。

夕食の前にはラウンジでオークション大会。
 
南極基地のTシャツや帽子、スタッフの著書や写真が並べられ、
 
シャクルトンゆかりのウィスキーの復刻版や、今回の航海図なんてちょっとそそられるものもあったが、競売の値段はどんどん吊り上げられて、とてもじゃないが貧乏人には手があげられない。
みなさん、お金持ちで気前がいい。売り上げはもちろん、南極関連の活動に寄付される。


2月23日

船で過ごすのもいよいよ今日が最後の一日。

 まだドレーク海峡のはずだが、波はこの通り穏やかそのもの。風も明らかに冷たくなくなっている。
船のエンジン音が急に静かになったが、あまりにも順調な航海でこのままでは早く着きすぎるため、2基のエンジンの1基を停めて速度調節していると聞かされた。

午前中には部屋に預けていたスーツケースが配られ、請求書もやってきて、デッキごとに順番に清算手続き。
と言ってもチップと、船内で買った本代だけ。
清算が済めば  こんな「南極行きました証明書」がもらえる。

午後2時には南アメリカ最南端のホーン岬を通過。
 
この高い崖の右手には半島が伸びていて、そこにチリの海軍基地がある。
ホーン岬とはこの高い崖のことなのか、基地のあるところのことなのか、と写真を撮る一同混乱するが、どうやら岬はこの高い崖、ただしここは近づくのが大変なので、灯台や岬のモニュメントは基地の近くにある、というのが正解らしい。
船の墓場として有名なこの難所も、今日は穏やかに通過。

この後にはスタッフによるシップ・ツアーがあるとのことなのでこれに参加。
こういうのって航海の始めにありそうだが、このクルーズの場合にはレクチャーがたくさんあったので後回しになったということだろうか。

 
毎日お世話になったマッドルームには防寒着やブーツがもうきれいに洗濯されて干されている。
クルーズの時以外はいまも海洋探査船として現役のこの船、頭上の大きな装置は探査機器の巻き取り機だと初めて教わる。

 電気系統がいかれた時のための手動舵輪を見て
 
さらに船底のエンジン・ルームを覗かせてもらう。1988年建造だそうだが、メンテナンスはしっかりされているようでとてもきれい。
 コントロール・ルームの機械にはいささか時代を感じるが
  
最後だからか、ロシア人クルーも愛想がいい。厳しいキャプテンでなければロシア人の皆さんとももう少しお近づきになれたのだろうか。
 ちなみにこちらのお兄さん、「まるで映画に出てくるKGBの殺し屋みたい」と密かに大人気。実はこの船には小さなジムがあるのだが、行った人によるとクルーは毎晩ジムでトレーニングに余念がなかったそうな。

そして最後の夕食には「キャプテン・ディナー」ということで厳しい船長がようやくおでまし。
 さすがにこの時ばかりは愛想よく、ドレーク海峡を穏やかに通過できてラッキーだったとご報告。
なんでも我々は大きな嵐が通り過ぎた後に海峡に入ったそうで、一日早い日程だった姉妹船は大荒れで大変だったのだそうだ。

 最後にはクルーズ・スタッフが全員でご挨拶。
みなさん、お世話になりました。


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南極旅行 27 フォルニエ・ベイ

2014-05-14 17:44:44 | 北米/南米/南極
2月21日 続き

 昼食の間に船は北へ進路を向け、夕方の4時、今回のクルーズの最終停泊地、アンバース島のフォルニエ・ベイに到着。

 
空はますます晴れ渡り、最終日にこんな天気を持ってくるとは、なんてうまい演出なんだ。

 
最後の停泊では上陸はなく、氷の浮かぶ鏡のような海面をカメラマンのアドバイスなど受け、動物を探しながらボート・クルーズ。

  
 
まるでカットガラスのような氷塊が美しく
 拾ってなめてみたら表面以外は塩辛くなかった。

あちらこちらで背びれを見せるのはミンク鯨。
 
 
おお、あっちのボートは鯨に近い!が、こればかりは運でどうしようもない。

  
氷の上にアザラシ発見との連絡が入ればそちらへ急行。

これはペンギンや他のアザラシを襲う獰猛なヒョウアザラシ。近くで毛皮の模様を見ればその名前の由来は一目瞭然。
  
とは言えここでは近づいても頭をちょっとあげる程度。「うるさいなあ」
 
「ふわ~、やっといなくなったよ」
しかしヒョウアザラシのこのあご、なんと180度近くも開くんだそうだ。

  
あっちの氷山の上にも
 
こっちの氷の上にもヒョウアザラシ。顔が細長くて、ちょっと恐竜っぽい。

動物探索の間にはこんなペンギンもやってきた。
 
ふるまわれたお酒やジュースで乾杯。

そうこうしているうちに陽が西に傾いてきて、船の姿がくっきり浮かぶ。
  
 最後はカメラマン推薦の角度にボートをまわしてもらって船首をパチリ。

 
船に戻ったらまたペンギンさんにごしごしこすられて、お世話になった長靴ともお別れ。

 
デッキではシャンパンがふるまわれて、南極探検が無事に終わったことを祝してカメラマンに向かった祝杯を挙げる。

 夕日に照らされて遠ざかる南極半島。

あとはウシュアイアに向けてドレーク海峡を渡るだけになってしまった。


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南極旅行 26 パラダイス・ベイ

2014-05-12 15:26:22 | 北米/南米/南極
2月21日

南極滞在もとうとう最後の一日。

朝、起きて外を眺めてみると、昨日の深い霧はすっかり晴れて、これから快晴になりそうな予感。
 
静かな海に浮かぶ氷の上にはアザラシの姿が見える。

 船が今いるのはパラダイス・ベイ。
 
朝食後ボートを下して、今日も半数は上陸、半数は周辺のクルーズ開始。

 上陸地点にある赤い建物群はアルゼンチンのアルミランテ・ブラウン基地。
ここは1951年以来維持されているが、1984年には一年越冬した隊員がもう一年滞在するのがいやなあまり建物に放火してしまい、救助がなかなか来れなくて、隊員たちは何か月もテント生活をする羽目になったことがあるんだそうな。放火犯がリンチされた、とは聞かなかったが、さぞほかの隊員たちから恨まれたことだろう。

 
基地のすぐ裏手には70mの崖がそびえていて、先発隊の中にはすでに上まで登っている人たちもいるが、自分は先にクルーズをする組。

 
基地の目の前の氷上にアザラシ発見。
 
こちらでは3匹が仲良くゴロゴロ。
これは Crabeater Seal (カニクイアザラシ)と言う種類だが、名前とは違ってカニではなくオキアミを主食としているおとなしいアザラシだそうだ。

 
頭上にそびえる崖にはナンキョクムナジロヒメウがいっぱい。
 基地の周りはジェンツーペンギンのコロニーになっている。

 
昨日とは打って変った好天のなか、雪山や氷河を楽しんでいるうちに交替の時間になった。

  
上陸地点ではツアーリーダーが「南極へようこそ」のプラカードを持ってボートをお出迎え。
というのも、これまで上陸していたのは南極半島沖の島ばかり、今回こそしっぽの先端とは言え南極大陸そのものに上陸と言うことで
 ようやく七大陸制覇達成!
ここのポールには東京まで8866マイル(約14,000キロ)とある。

 
もうすっかり見慣れた(見飽きたとは言うまい)ペンギンたちを横目に、目指すは例の高い崖。

 雪の斜面をストックを頼りに上って行くと、長靴で難儀しながらも急斜面なので思いのほか早くてっぺんに着く。

そして上からの眺めは

これぞ絶景。パラダイスとはまさにこのこと。
 湾に浮かぶ我らの船の、なんと小さいこと。

崖の上からの景色をしばし楽しんで、下りにはお尻で滑り降りるコースも作られていたが
 チキンな自分は「ここで怪我をしては」と苦労して歩いて下りるコースを選択してしまった。でも下から見ているとすごく楽しそうで、やっぱり滑り降りればよかった、と後悔したものの、もう一度上まで登る根性はなし。

 しぶしぶ天国を離れて船に戻れば
  
はじめは不恰好に見えた船も、2週間以上も乗っていれば愛着がわく。

 
船の上から鏡のように穏やかな海の景色を楽しんで 

最後の停泊地へ向かった。


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南極旅行 25 クーバービル島

2014-04-21 16:32:08 | 北米/南米/南極
2月20日 続き

ウィルヘルミナ・ベイから半島を一つまわり、午後はクーバービル島へ。

 ビーチの奥の山は相変わらず低い雲に隠れている。


海面にはたくさんの氷が浮かび、地面も雪に覆われているが
 急斜面の雪のないところは苔に覆われて緑だ。

  
ビーチの端の岩場まで行ってみると、その先はペンギンでいっぱい。
ここは半島でも一番大きなジェンツーペンギンのコロニーなのだそうだ。

もうすっかりおなじみになったジェンツーたちだが、コロッとした姿はやっぱりかわいい。
 
  
   
  
 
モフモフした灰色のヒナは特にかわいい。

 
雪の上にはペンギンたちの足跡が無数についていて、斜面では通り道がまるでスキーのスラロームの跡のよう。ペンギン・ハイウェーだ。

陸の上ではよちよち歩くペンギンも、水の中に入ると途端に動きがすばやくなる。
 
海の中でお腹を見せてグルグル回転するのもいるが、専門家に聞いても「遊んでるんじゃない?」だって。

そして本格的に泳ぎだせば
  
まるで飛魚のように海面を跳ねて、その速いこと。この写真もやっと撮れた。
 
 
海岸にたくさん転がっているのは鯨の骨。
と言うことで、船に戻る前にまた鯨を探してボート・クルージング。

 
潮を吹く鯨発見。
 
頭がフジツボででこぼこなのはやっぱりザトウクジラだ。

 
氷の上に整列したペンギンたちに見送られて島を離れると
 
ようやく雲が少し晴れてきた。
 明日は晴れてほしいな。


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南極旅行 24 ウィルヘルミナ・ベイ

2014-04-20 15:52:03 | 北米/南米/南極
2月20日

前日のデセプション島から南極半島をさらに南下。
 今日の午前中はウィルヘルミナ・ベイでボート・クルーズ。

 波は穏やかなのでボートは降ろされたが、空は低い雲がほとんど海面まで垂れているようで一面の霧。太陽がかろうじて見えてもまわりの景色は全く見えない。
 気温0℃で雪もちらついているので皆さん重装備。

さて、この湾は鯨が多いので有名なところなので、みんな一生懸命海面に目を凝らす。
 ボート同士、無線で連絡を取りながら探すうち
 第一鯨発見!
 
尾びれが見えるといかにも鯨らしいが、これは Humpback Whale(ザトウクジラ)だそう。
 船の近くでは2頭が並んで泳いでいる。

まわりの海には氷塊が浮かび
 
天気が悪い方が青く見える、と言われた通り美しい。
 平らな氷の上にはオットセイもいる。

 ようやく少し見えてきた南極半島。
  
海岸に近づくと小さな氷がびっしり浮かんでいて、その中をゆっくりボートで進むのも面白い。

 また2頭いる、とキョロキョロするうち、まとまった数がいるとの連絡が入り、そちらの方向へ急ぐ。

 お腹の白いところまで見えた鯨。
 
やけに周りを鳥が飛んでいると思ったら、この鯨たちはバブルネットフィーディングと言って魚群の周りを泡で囲んで一網打尽にしているところなのだそう。そのおこぼれに預かろうと鳥が鯨を追いかけているわけだ。

 
2時間ほどボートで探し回って、何回か鯨を見ることができたが、ほとんどは遠くてかろうじてヒレが見える程度。
しかし中には運のいい人たちもいて、一頭の鯨がボートの真下を白いお腹を見せながら潜り抜けて行ったのだそうだ。
そのボートに乗っていたおじさん、「近すぎて、望遠レンズだったので写真が撮れなかった」とくやしそう。
でも鯨は賢いので、近くに来てもボートをひっくり返すことはないとか。

賢い動物だから殺すな、という議論は大嫌いだが、世界中から反対されながら捕鯨を続けなければならない理由もわからない。


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