Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ポスト・コレクション 8

2011-10-29 17:38:57 | コレクション
ムスタンから帰った8月半ば、郵便受けにたまった大量のごみチラシを整理しているとその中から見たことのある絵葉書が出てきた。

 おお、これはGWにスリランカで出した絵葉書じゃないか。もう3か月も経って、これは届かないとあきらめていたのに。

ただしこれはスリランカ郵便局の責任ではたぶんない。
近くにポストがなかったのでリゾートホテルのフロントに預けたのが間違いだった。
ほい、と受け取ったおねえさん、引き出しに入れてそのまま忘れていたのだろう。
そう言えばシリアのホテルに預けた絵葉書も忘れたころに届いたっけ。

 これは切手を買った田舎の郵便局。ハトの郵便マークがかわいいここから出せばきっとちゃんと届いたはず。
  
旧イギリス領のスリランカはもちろん赤いポストで、クラシックな形がそのまま残っている。

  
ヌワラエリアのかわいい郵便局では普通郵便、速達、国際郵便が色分けされていたが、このポストはごみ箱みたいでちょっといただけない。

 マレーシアのポストも旧イギリス領らしく赤。

そしてネパールのカトマンズにはそもそもこのコレクションのきっかけになった屋根付きポストが健在。
  
空港にはこの屋根付きのミニチュア版まであって、やっぱりこの形はかわいい。

 
ジョムソンのメインストリートにも屋根付きではないけれどちゃんと郵便局とポストあり。

そしてローマンタン。この町では泊まっていた宿に郵便局があったのだが
 看板はあれども扉が固く閉ざされている。
聞けば宿のコックが郵便局員を兼務しているが、今日は留守にしているとのこと。
そこで切手だけ入手してポストに絵葉書を投かんしようとしたら
 はがきが大きすぎてこの激シブのポストに入らない!

でもなんとしてもローマンタンからはがきを出したかったので、出発日の朝に郵便局員を捕まえて直接手渡し。
 捕まえてみたらこんなかわいいお姉さんだった。

そして待つこと1か月ちょうど、東京の我が家に絵葉書が無事に届いた。
 宿の美人若女将にも好評だったこの絵葉書、馬、トラック、飛行機と乗り継いで届いたかと思うといとおしい。

ついでにトレッキング途中に見かけたお坊さんのTシャツ。
 頼もしい。


過去のポスト・コレクションはこちら↓

ふみの日記念 ポスト・コレクション
ポスト・コレクション 2
香港のポスト
ポスト・コレクション 4
ベトナムのポスト
バングラデシュのポスト
キプロスのポスト


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トレッキング中の食事のこと

2011-10-27 17:27:14 | チベット文化圏
トレッキング中の最大の楽しみ、それは食事。

これまでも何度か登場している通り、我々の一行には日本語の堪能なコックさんと、3名のキッチンスタッフがついた。

なぜコックの他に3名もスタッフが必要かというと
 こんな風に食材から調味料、鍋釜一式、肩に担いで運ばなければならないから。
朝食を終えると荷物を片付けて昼食場所に先回り、昼食を終えるとまた宿泊地に先回りして夕食の用意、とトレッキングのキッチンスタッフは重労働なのだ。

コックさんはしかしもちろん体力が優れているだけではない。

朝食からして
  
トーストだけではなくパンケーキやら
 
チャパティにシナモンロールまで。卵もオムレツ、目玉焼き、ゆで卵にスクランブルと毎日目先を変えてくれる。

お昼がお弁当の場合は
  
きちんと握られたおにぎりだったり、揚げパンだったり。

 
座って食べられる場合にはそうめんや天ぷらうどんまで出る。

宿泊する宿はどこも自分たちの台所の他にトレッキングスタッフのためのスペースを確保しており、
 そこでこんな風に食事の用意をする。

まずはトレッキング初日の夕食から本格的なチキンカツにおかかのかかった青菜のおひたしが出てきてびっくり。
  
疲れて食欲のない日にはさっぱりした酢の物にお味噌汁を用意してくれる。

  
  
餃子にのり巻き、精進揚げにちらしずしと、一体ここはどこなんだ。

なんでも作れるコックさんだけれど、持ち歩く食材は基本的に日持ちのするお野菜ばかり。
何日かするとお肉が食べたくなり、ローマンタンで宿に羊がぶら下がっていたので所望すると
  
買い上げた半身を豪快にさばいて
  
焼き肉やカレーに。

帰り道のシャンボチェでは宿の前を走り回っていた鶏さんを所望。
 
すぐに羽をむしられて鶏肉に変身。

「どうやって食べたいですか」と聞かれたので唐揚げがいいとか、焼き鳥がいいとか、レバーや砂肝が好き、とかみんなで好き勝手言ったら
 唐揚げの他に本当に焼き鳥が登場。しかもちゃんと串に正肉、レバー、砂肝がささっている。
まさか串までカトマンズから運んできたのかと思ったら、なんと荷物を運ぶ竹かごから作ったというから恐れ入る。

まだ若いのになんでもできちゃうコックさんだが、聞くと日本食が専門で、ほかの国のグループにはそれぞれ専門のコックがいるらしい。

そう言えば道中ほとんどずっと一緒だったイタリア人グループは出発の荷物に巨大なチーズを入れていたし、そちらのキッチンをのぞいた添乗員によると「今夜はピザ焼いてましたよ」

さらにおもしろかったのはこれまた道中一緒だった韓国人グループで、食卓には常にキムチが乗っているし、お昼は辛ラーメンを食べている。
日本語の話せるグループリーダーに冗談で「梅干しとキムチ、交換しません?」と言ったら
  
本当に韓国料理がまわってきた。
韓国人のおじさんたちは白いご飯にキムチがないとパワーが出ないんだって。

ムスタンのトレッキングはキッチンスタッフなしでももちろん可能だが、その場合は食材が乏しい場所なのでローカルの茶店や宿でインスタントラーメン、モモ、パスタばかりになってかなりつらそう。だからグループはみんなスタッフを連れて行くのだろう。

 最後の日にはケーキまで焼いてくれるネパールのトレッキング・キッチンは本当にすばらしい。


 
にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムスタンのホーストレッキング

2011-10-25 19:29:54 | チベット文化圏
以前にも書いた通り、ジョムソンからローマンタンへの往復には基本、馬を使った。

 肩までの高さが1メートル2、30センチの小さな馬。
鞍にはチベットカーペットが敷かれているが、大活躍のカエルさんクッションがないとお尻がかなりつらい。

どの馬もおとなしくて、乗り手が何かしなくても基本的には前の馬について勝手に歩いてくれる。
前を行く馬のお尻に鼻づらをくっつけんばかりにして歩くのだが、今回びっくりしたのが馬がよくおならをするということ。

歩きながらブーブー、ブーブー。

そして実が出る時にはしっぽが上がる。
そんな時にこちらの馬が鼻づらをくっつけている時は本当に内心「ひえ~」と思う。
さすがにこちらの馬もひっかけられるようなへまはしないのだけれど。
もちろんにおいはするけれど、広大な景色の中ではすぐに気にもならなくなる。

日本人5名が乗る5頭の馬に、馬子は3名。

   
一番年かさのお父さんは2頭の馬のオーナーでもある。そのためか朝晩の馬たちの世話はこのお父さんがほとんど一人で担当。食事は袋にトウモロコシを入れて頭に引っ掛けてやるとボリボリ音を立てて食べる。

あとの二人は18歳と20歳。
  
どちらもジョムソン近郊に住んでいるが、違う村のために今回が初対面だったらしい。
がすぐに仲良くなってこの通り。

どちらも今時の子らしく携帯電話を持ち歩き、
  
歩きながら音楽を聴いたり、写真を撮ったり。

「彼女の写真はないのか」と若い方の携帯をひったくってチェックしたら写真は自分を撮ったものばかり。どれだけナルちゃんなんだ。
 夜は大人ぶって他のポーターたちと酒など飲んでいたが、トレッキング最後の日に「もうすぐママに会えるね」とからかったら、「うん、パパも待ってる」って、まだまだ子供でかわいい~。

  
我々一行には乗馬の他に荷物運びのロバが5頭いて、こちらはこの赤い服の馬子がいつも別働隊で動いてくれた。
こちらのロバと馬子は最終日、カグベニの手前からまたローマンタンまで引き返してフル稼働。

夏中良く働いた馬も馬子も、今頃はもうのんびり休んでいることだろう。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。  
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムスタン紀行 18 ポカラ~カトマンズ

2011-10-23 20:16:55 | チベット文化圏
8月20日

とうとう旅行最終日。

 前夜遅く着いたポカラ・グランド・ホテルを早朝に出発。
 ポカラ空港に到着。

今日も曇天とはいえポカラからカトマンズへの飛行機は普通に運航している様子。
しかしせっかくカトマンズから呼んであったヘリだから、ということで
 なんとこれで帰ることに。
人生で初めてのヘリ~。

 パイロットはジーパンにポロシャツ姿の丸顔のおじさん。でもこのパイロットが見るからに頼れる感じで、実に男前。 

  
パイロットの他にはお客が5人乗れるだけの小型ヘリだが、荷物もすべて無事におさまった。

  
じゃんけんに負けてパイロットの隣には座れなかったけれど、真後ろの席を確保して、いざ出発。
ヘリだから当然垂直に上昇するのだが、これが初めての経験で乗客一同「おお~」。

  
ポカラの空港も飛行機で飛び立つと滑走路のすぐ前に山が立ちはだかってスリルがあるのだが、ヘリだと優雅に町や畑の上を飛んでいく。

  
前方には川が伸び、足元は一面の緑。
  
腕の高度計を見ると3000メートルぐらいを指しているので地面から2000メートルほどの所を飛行しているのだろうか。
このあたりでは山のてっぺんまで隙間なく段々畑が作られ、尾根上に家が並んでいる様子がよく見える。
しかし考えてみたらローマンタンはこのヘリより高い所にあるんだ。

 やがて高度を下げて
  
家が増えてきたと思ったらカトマンズ。
この町の上空を覆うのは雲ではなくて排気ガスだ。

  
ジェット機も泊まるカトマンズ空港の端にまたスーッと降下して、8時20分無事到着。
45分間の飛行は思ったほどプロペラの音もうるさくなく、実に快適だった。

  
サルも歩く空港の端っこから開放的なバゲージクレームで荷物を受け取り、初日に泊まったロイヤル・シンギ・ホテルへ。

午後の飛行機でカトマンズを発たなければならないのでつかの間の休憩だが、お土産を何も買っていないので寸暇を惜しんでスーパーへダッシュ。
 外車が駐車場を埋め尽くすカトマンズの高級スーパー、バトバテニで
   
ネパール産のコーヒー、クッキー、はちみつ。
ネパールの東部はインドのダージリンにつながっているので紅茶の評価が高いらしいが、コーヒーもオーガニックで栽培されていてかなりおいしい。
 茶店でポピュラーなインスタントラーメンはチープなお味。
 「マホロバ・パン」は名前からして日本人が経営しているのだろう。アンパンマンは普通においしいアンパンだった。

戦利品をバッグに詰め込んだらまたカトマンズ空港へとんぼ返り。

無事に予定通りの飛行機でカレーを食べながらバンコクへ。
  
さらにおかゆを食べながら東京へ。

8月21日に予定通り成田到着。

忘れがたいムスタンの旅、やっぱり行ってよかった!
 


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムスタン紀行 17 ジョムソン~ポカラ

2011-10-21 15:18:17 | チベット文化圏
8月19日

空港近くに1泊した翌朝。
 MDSAの人は4日以上飛行機が飛ばないことはめったにないと言っていたが、谷は雲で真っ白、ジョムソンまで雨が降っていては望みはほとんどない。

前日に手配したヘリもポカラで待機してくれているが、この低い雲ではやはりとても飛べない。

しかし今日は車のストは解除になったということで
 ジープの屋根に荷物を積み、2日前にお役御免になったはずのキッチンスタッフたちと陸路ポカラを目指す。途中で天気が回復した場合はその時点で最寄りの軍事基地(!)にヘリが迎えに来るということで。
何しろ我々のカトマンズ発の飛行機は明日、これを逃すわけにはいかないのだ。

カリガンダギ沿いの舗装されていない道をジープは順調に飛ばす。
  
マルファを過ぎ、標高が2500メートルを切ると周りにはぐっと緑が増え、日本に持ち帰ったら手が後ろに回る草もそこいらじゅうに生えている。
しかし雨が降って景色は真っ白。

しばらく走ったところで聞かされていた通り崖崩れで通行止め。
雨季のこの時期、ポカラからジョムソンまでの道は寸断され、崖崩れの箇所は歩いて通り、車を次々に乗り換えなければならないのだ。

  
雨の中を歩いて、でもこの最初の崖崩れヶ所はそれほどの距離はなかった。

 派手派手だけれどおんぼろバスに乗ったと思ったらまたすぐ崖崩れ。

  
こんな岩が転がっていては仕方がない、と大人も子供もぬかるんだ道を歩く。

  
晴れていれば素晴らしい景色の所だと思うが、雨の中を歩くのはうっとおしく、アッパームスタンの乾燥した気候が恋しい。しかも我々の大きな荷物はキッチンスタッフが台所用具の上にさらに担いでくれるのだからまったく申し訳ない。 

 途中に大きな滝があったが、増水して橋にまで水がかかり、ここはとても渡れない。
 
そこで脇道を行くが、ここも助けてもらわなければとても通れない。

  
それでもこの道を行くと石造りの村があり、牛がいる。

この箇所は2時間近くも歩いただろうか。
  
やっと車の待つ茶店に到着。
他のポーターたちもみなここで休憩しているが、みんな凄い荷物。

ちょうどお昼時なので、ここで本当にローカルなダルバートをいただく。
 ごはんに豆のダールにほんのちょっぴりのじゃがいも。
周りのポーターたちの皿にはこの3倍ほどの米が盛られ、さらにお代わりをしていたがあの荷物を運ぶのにはそれぐらいの食事が必要だろう。
こちらにも大量のご飯が来るのかとビビったが、さすがに加減したらしい。
質素な食事だけれど、マイルドな味付けはとてもよくて、このご飯はペロッと完食してしまった。

 やれやれとジープに乗り込むが、その先も楽ではない。

なにしろ舗装のされていないぬかるんだ道、轍が深い溝になってすごいことになっている。
運転手はみな「まだ子供じゃないの?」というほど若い子ばかりだが、さすがに実地訓練を積んでいるだけあって運転はうまい。

そしてしばらく行けばまた崖崩れ。
   
標高は下がって、やがて道端にはお米の田んぼが見え始めた。

結局この日は一日中雨で、途中の基地までもヘリが来ることはできず。
 乗り換え5回目でようやくポカラから手配されたこのバンに乗り込んだ時はその快適さに全員歓声を上げた。

このバンでポカラにたどり着いたのが夜の10時。ジョムソンを出たのが8時半だったから、崖崩れなどなければ7、8時間で行けるところを13時間半かかったことになる。

それでもジョムソンからポカラは123キロ、ジョムソンからローマンタンは84キロしかないのだからやっぱり車はすごい。

それにしても、疲れた。


 
 
にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2011年10月の台北

2011-10-19 19:51:13 | 東アジア
先週はバンコクに出張の予定だったが、例の洪水懸念のためにキャンセル。

バンコクから回るはずだった台北に羽田から飛んだ。

その羽田のJLのラウンジに入ると、受付カウンターに見慣れないものが。
  
受付のお姉さんによると、お役御免になったB-747のエンジン部品から整備の人が作ったものなんだそうだ。
なんだかけなげな感じがして、ちょっといい。

座席もめずらしくアップグレードしてビジネスにしてもらったけど
 このちまちました弁当箱はエコノミーとたいして変わりがない。
昔の日本アジア航空の時代にはすごくいい食事だったんだけど。

ついでに台北発のビジネスクラス機内食。
 でっかいハンバーグが肉々してて、こっちの方がよかったな。

到着した台北での宿はいつもとは違って中山駅のそば。
町の中心で便利なんだけれど、常宿の周辺の方がどこになにがあるかわかっているので勝手がいい。

一日目の夕食は安食堂街でワンタン。
 ちょっと癖のあるタレが底にひそんでいるが、これは安くておいしくて合格。

でも大通りに面した店で食べると
 この牛肉麺に小皿を2つで300元は高い。

  
24時間営業の飲茶屋もまずくはないがコスパが悪い。
飲茶はやっぱり香港に限る、と再確認。

その代り台北には香港よりおいしい朝ごはんがある。

  
9時半になっても客足の絶えない豆乳屋さんでいつもの鹹豆漿、22元(約60円)。
この店のはちょっと薄味で、いかにもおなかにやさしい感じがする。

こちらはいい感じの老夫婦が歩道で商う飯團屋さん。
   
  
このおばさんはご飯で具を軽く包むだけで他の店のように細長くしないけれど、中にはザーサイ、肉そぼろ、油條に煮卵が入ってすごくおいしい。たしか30元でおなかいっぱい。

午後便で帰国する前には時間に余裕があったので雙連圓仔湯でお昼代わりにかき氷。
 以前の写真を見たら、前回もこれと全く同じものを食べてた。だって台湾のあずきと蓮の実はおいしいんだもん。

これを注文する時、店のおばちゃんに「かき氷だけど本当にいいの?」と確認された。
周りを見れば確かにもうかき氷を食べている人はいなくて、みんな暖かいぜんざいを食べている。
ユニクロではうれしそうにダウンジャケットの試着をしている人たちがいるし、日本から行けばまだ十分に暖かい(昼間で25度前後)台北だけれど、こちらの人の感覚ではもう寒いらしい。

相変わらず大勢の人でにぎわう雙連市場を歩けば
   
マンゴーはもうすっかり姿を消して果物屋さんの店頭はリンゴに梨、柿、みかんになった。
ハイビスカス・ティーの原料である洛神花を生で売っているのは初めて見たが、これは生食できるらしい。
菱の実は皮をむいて販売中。

  
道端で餃子を包んでいたり、アヒルの首だけ売っていたり、こういう市場は何回来ても見飽きることがない。

 帰りの荷物の中にはパイナップルケーキがいっぱい。
以前はそれほど興味のなかったこのケーキ、人に頼まれたのでどれがおいしいかとばら売りを買ってみたところ、店ごとにちがうのでおもしろくなってしまった。それで見かけるたび1つづつ買うのだが、台北中どこのパン屋でも自分の店のパイナップルケーキを出しているのでキリがない。

今まで試した中では常宿の近くにある世家名店坊のもの、もう一つ維格餅家の洛神花入りという変わり種がおいしかった。
基隆の元祖パイナップルケーキは評判ほど感心しなかったが、台湾人との好みの差だろうか。

今回もう一つの掘り出し物はこのロブスタークラッカー。
 新製品らしいがスーパーで買える。
これはうまいよ。 


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムスタン紀行 16 MDSA訪問

2011-10-15 00:23:45 | チベット文化圏
8月18日

本日の予定は7時20分発の飛行機でジョムソンからポカラ、さらに国内線を乗り継いでカトマンズへ。

 しかしホテルの外を覗いてみるとポカラへの谷筋は腕を伸ばせば届きそうな低さにまで厚い雲で覆われている。

実はここ3日間はこの谷筋に雨雲が滞留し、有視界飛行が絶対条件の飛行機は飛んでいないという。今日もホテルのマネージャーに言わせると「運が良ければ雲が晴れるかもしれないけどねえ、ふふふ」

しかし急に天候が回復することもあるかもしれない、と丘の上の高級ホテルからトラクターで送られて空港の隣にある安ホテルへ。
 トレッキングの初日にも立ち寄ったホテルだが、ここはなんとWIFIがフリーでサクサクつながり、高級ホテルよりずっと便利なのだ。

空模様をにらみながら時間は刻々と過ぎていく。
次第に頭上から北の方の空は晴れてきたが、肝心の南の谷は相変わらず雲に覆われ、飛行機が飛んでくる様子は全くない。
 5分も歩けば終わってしまう町のメインストリートを散歩してみると、同じように飛行機を待つ外国人が大勢、同じように手持無沙汰にしている。

こんな風に欠航が何日も続けば飛行機待ちのツーリストは増える一方。
往路に飛んだ飛行機がピストン輸送していた理由はこれなのだ。
飛べる日にはできる限りのお客を運ばなければならない。

ところで飛行機が飛ばない場合、ジョムソンからポカラへはバスやジープで行くという手段もある。
ところがなんと、この日は何らかの理由によりネパール全土の運転手がゼネストに入っており、車は一切動かないという。

それでは、と我が添乗員が手配したのはカトマンズからのヘリ。
飛行機よりも悪条件でも飛んでこれるというので、
 ホテルの脂ギッシュなトゥクパを食べながらその到着を待つことにする。

ご飯を食べてごろごろして、でもやっぱりヘリはやって来ない。
谷筋の雨雲はヘリでも飛行が無理なほど厚く、午後になれば例の強風が吹くので結局本日のジョムソン脱出はあきらめなければならなくなった。

そうとなればホテルでごろごろしているだけなのももったいないので、添乗員の知り合いがいるという「ネパール・ムスタン地域開発協力会(MDSA)」の農場を見学させていただくことにする。

MDSAは日本人の近藤亨氏が立ち上げた農業指導を中心とする地域開発のための組織。
創設者の近藤氏の他に2人、若い日本人ボランティアがムスタンに常駐して活動をしている。

見せていただいた農場はジョムソンのメインストリートのはずれ、川沿いにある。
 
この宿舎に住むボランティアの一人は奥さんと2歳のお嬢さんを連れて赴任したばかりとか。

その先に広がる農場には
  
リンゴありブドウあり。
 石造りの温室の中では
  
巨大なきゅうりやらトマトやら、様々な野菜が育てられ、この標高3000メートルの土地で収穫を上げる方法が模索されている。

畑の端には牛小屋もあって
  
さすがにここの牛は道端で見かけるやせた牛たちとは体格が違う。

 
さらに川の向こうにも農場があり、そこでは世界最高地でのお米の栽培に成功したという。

農場を見学させていただいた後、夕食はこの組織の創設者、近藤氏が日本食をごちそうしてくださるという。

 ジョムソンのメインストリートに建つこちらのオフィスにお邪魔してお会いした
 これが近藤亨氏、御年90歳!

実はムスタンから帰国してすぐの8月28日にテレビ東京の「世界の何ともヘンピな所でガンバる日本人」という番組が近藤氏とボランティアの有沢氏の活動を紹介していたのであるいはご覧になった方もいるかもしれない。

近藤氏はもともと新潟県で農業技術の研究、教授などをされていたが50歳を過ぎてからJICAの仕事でネパールに渡り、ムスタンのあまりの貧しさに「なんとかせねば」と今の組織を立ち上げたのが20年前、70歳を過ぎてからだとか。
農業指導の他に学校や病院の建設も手がけ、ガミの長いマニ壁の前にあった病院も実はこのMDSAが運営しているもの。
大病も患い、その治療のために2ヶ月ごとに日本とネパールを往復しているそうだが、90歳でもこれだけお元気なのはまだやりたいことがあるからだろう。

真になすべきことを見つけた人は幸せだ。

 いろいろなお話を伺いながらいただいたのはもちろん農場で育てられたものばかり。
鶏の唐揚げ、鯉こく、肉じゃがにきゅうりの酢の物。
ネパール人スタッフの女性が作ったそうだが、とてもいい味付けで肉じゃがなどうちの母親が作るものよりおいしい。

「お米もここでとれたものですか」と聞いたら、我々なぞに食べさせるほどの量は採れないのだそうで、「標高3000メートルでの米作りは挑戦」でさすがに実用ではないらしい。

飛行機が飛ばなかったおかげでまた一つ面白い経験ができた。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムスタン紀行 15 ツェレ~ジョムソン

2011-10-12 01:45:08 | チベット文化圏
8月17日

いよいよトレッキング最終日。

 ツェレからカリガンダギ川を見下ろすと往路よりもきれいにニルギリ峰の上部が見えている。

  
山を下り、川を渡って来た道をテクテクたどる。

  
 道中は白い頂がずっと前方に見えて、やっぱり雪山の姿は神々しい。

 お昼にはカグベニに到着。

  
懐かしの「なんちゃってセブン・イレブン」に寄って買い物をしたら店の子供にカエルさんクッションを気に入られてしまった。あげたいのはやまやまだったけれど、まだジョムソンまでの道中に不安がある。ごめんね、と記念写真だけ撮ってクッションを奪還。

この店で購入したのは Seabuck Thorn という木の実の濃縮ジュース。
   
往路にホテルで試してみたらアプリコット・ジュースのような味でとても気に入ったもの。道端にも棘だらけの木があり、オレンジ色の実がなっていたが、これはラダックでラマジーに教えてもらったのと同じ植物だろう。ビタミンCが豊富で、ほかにもいろいろ体にいいらしい。

  
午後にカグベニを出発すると、例によって南から川沿いに強風が吹いてきた。
土ぼこりを巻き上げて目も開けられず、馬の背中からも落とされそうなほどの強風。

 そんな中を我慢して歩いて、15時半、とうとうトレッキングの終着点、ジョムソンに無事到着。

空港近くの宿屋で荷物を下ろしたら、10日間世話になった馬と馬子たちとさようなら。
ジョムソン近辺に住む馬子たちは謝礼をもらうといそいそと帰って行ったが、この夏はローマンタンまでまだ何往復かして稼ぐのだろう。

 メインガイドを除く他のスタッフともこれでお別れ。東ネパール出身の彼らは明朝、我々の飛行機の出発を見届けてから陸路で帰るそうだが、一仕事終えてこちらもうれしそう。

さて、ジョムソンでの一泊はムスタン唯一の5つ星(?)ホテル、ジョムソン・マウンテン・リゾート。

丘の上にあるホテルに行くためお迎えが来るのだが
  
これが10年前と変わらず、トラクターのお迎え。
ジープやバスも走るようになったジョムソンだが、ホテルまでの道は急すぎてやっぱりこのトラクターでなければ登れないのだ。

 丘の上の、これがジョムソン・マウンテン・リゾート。

 
相変わらず立派な構えのホテルだが、10年前からあまり手入れはしていないらしくて壁などペンキのはげかけたところが目に留まる。

 石造りの部屋も相変わらずで、しかしシーズンオフのこの時期、宿泊者はしばらくいなかった様子で部屋の隅には蜘蛛の巣が張り、蛇口から出る水はしばらく真っ黒だった。

他に誰もいないレストランのウェイターたちも普段着姿だったが、久しぶりでホテルらしい給仕でネパール料理を食べ、お湯のシャワーを浴びて、湯たんぽの入ったベッドで就寝。

この先の行程に波乱が待ち受けていようとは、この時点ではまったく考えていなかった。 


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムスタン紀行 14 シャンボチェ~ツェレ

2011-10-10 19:01:24 | チベット文化圏
8月16日

シャンボチェを出た後、サマルへの道は2通りある。
 右は往路に来た道で、ほとんど馬で行ける楽な道。
左に行くと歩きが多くなるが、途中に洞窟にうがたれた寺があるというので左手に行くことにする。

 出発してしばらくはなだらかな下り。
 やがて両側に断崖が迫ってきて、細い崖道を下ることになる。
この崖道が危険なので馬ではいけないということなのだが、我々の他に人影はなく、高い崖には鳥の鳴き声だけが響いて実に気持ちいい。

前を行くガイドが盛んに崖を指さすので目を凝らしてみると
 
ブルーシープの小さな群れがとんでもない崖の上をかけている。
しかしこんな保護色の動物を良く見つけられるものだ。

崖道をずっと下ると小さな川が流れていて、めざす洞窟はこれをちょっとさかのぼったところにある。
  
タルチョがはためく所を目指して石段を上がるのだが、高度順応しているとはいえ3400メートルの高度ではこの登りがつらい。

  
やっと到達したのがチュンシ・ランチュン・ゴンパ。
 堂守りのじいちゃんが一人住み込んでいるだけのお寺だ。

  
中に入るとかなりの大きさの洞窟の真ん中に仏画の描かれた祭壇。

しかしこの洞窟が神聖とされている理由は実はこの祭壇の裏にあって、時計回りに祭壇の周りを回ると岩肌に仏様の姿が自然に現れているという、そのような石をランチュンと言うのだ。

真っ暗な岩肌を懐中電灯で照らしてみると
 なんだかよくわからない形だったり
  明らかに人の手が入っていたり。
しかし一緒に馬を引いて来た馬子のおじさんは敬虔な仏教徒らしく、この岩肌の仏様を撫でてうれしそう。

  
グル・パドマサンババもここで瞑想したという洞窟は確かにおこもりするのにふさわしい雰囲気に満ちている。

この岩窟寺を出た後は峠まで険しい登り道が続く。
このために馬がついてきてくれたのだが、
  
目的地ははるか頭上。馬子に引かれる馬も苦しそう。

  
そしてようやく到達した峠。こんな崖を上がってきたなんて。

 お疲れのルンタ3号。
ジョムソン出発時にあてがわれたルンタ2号は体の大きい添乗員に奪われて、実は2日目からは一番体の小さいこの子の世話になっている。

 やっと登ってきた峠からはまた急な崖を下って
  
往路に来た道を逆にたどってサマルへ。

サマルからツェレへは例の崖道。
  
しかし帰路は下りなので楽勝。

トレッキング最後の夜は往路と同じ宿の同じ部屋に落ち着いた。 
 
 


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムスタン紀行 13 ローマンタン~シャンボチェ

2011-10-09 17:05:49 | チベット文化圏
8月15日

 朝、道を埋め尽くしてご出勤される山羊さんたちを見送ったら我々もローマンタンを離れる。

当初の予定では帰路もホーストレッキングだったが、楽をして自動車道路のつきるシャンボチェまで車で帰ることになった。
  
屋根に荷物を積み、宿の皆さんに見送られて出発。
 車の前部座席には5人乗れるけれど景色がよく見えるから、とあえて後部の荷台を選択。キッチンスタッフと一緒だけれどここに車のオーナーまで乗り込んだもので席はギュウギュウ。
 車がスピードをあげて走り出すと砂埃がモウモウ。
全身真っ白になっちゃって、これはちょっと選択を誤ったか。

  
でも車の後部から見る景色はやっぱり雄大で、往路に馬の背中にしがみついて見た景色がどんどん後ろに流れていく。

ツァーランへ戻るちょっと手前でメインルートから西へはずれてローゲカル村へ。
  
そばや野菜の畑が広がるのどかなところ。

ここからさらに山の方に入ったところにガル・ゴンパというお寺がある。
  
  
ここは小さいながらも8世紀建立という由緒あるお寺。
チベットのサムエ寺を建てようとした時、悪魔が邪魔をしてうまくいかなかったものをグル・パドマサンババがここで退治をして建立に成功したという。

中のお堂は壁が彩色されたたくさんのスレート彫刻で飾られていてとても珍しい。
が残念ながらこの内部の撮影は禁止。

  
標高3950メートルのお寺からの景色も素晴らしい。

  
メインルートに戻り、往路には車で渡れなかったツァーラン手前の川も今日はなんなく通過。
ツァーランでお昼を食べて、この村ともさようなら。

埃っぽい道を一路南下し、ガミの村の手前で小休憩。
  
崩れかけた大きなチョルテンの前に伸びる長いマニ壁はグル・パドマサンババがガル・ゴンパで退治した悪魔の腸から作られたと言われているのだそうだ。

そのマニ壁の前には白い建物。
 こちらは日本のNPO法人が建てた病院とのこと。

またガミの村を素通りして、自動車道路の終点、シャンボチェには15時に到着。
 朝8時に出発したから往路は2日かかった道を7時間で帰ってきたことになる。

宿が3軒あるだけの宿場町。
 
標高3800メートルのシャンボチェの夜は寒かった。 


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする