Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

インド・マダム映画2本立て@シネスイッチ銀座

2014-08-29 23:23:51 | 機内食・映画・美術展
銀座のシネスイッチがなぜかインド映画づいている。

現在上映中の2本共にインド映画、しかも片方はお弁当の映画となれば見ないわけにはいかない、といつもの通りレディースデイ割引の日に行ってみると、上映1時間以上前なのに2本とも既に立ち見。
昨夏の「クロワッサンで朝食を」以来、またも完敗。

せめて短い方を立ち見で、と最初に見たのはこちら
 「めぐりあわせのお弁当」 The Lunch Box

インドの都市部には昼食の時間に合わせて暖かい弁当を各家庭から職場まで届けてくれる商売があって、映画の中にも「ハーバードの先生がシステムの研究に来た」みたいなセリフがあったが、名前も付いていない弁当をなぜか間違わずにちゃんと持ち主に届けるのだそうだ。

この間違わないはずのシステムがどこかで狂ってしまって、本来の届け先ではない初老のやもめと、夫婦関係がうまくいっていない若い主婦が弁当箱を通じて文通を始める、というのがこの映画。
この筋書きを読んで、いかにもインドらしい軽いコメディー調の映画を予想していた。

ところが実際は違って、このシンプルな筋立てで現代のインド都市生活者の苦労や寂しさを大げさではなく、とてもリアルに見せてくれる。
給料があがっても物価の上昇に追いつかないとか、長患いの家族の看護の経済的な苦労とか。
特に女主人公の父親が死んだ後、ずっと看病で苦労していた母親が泣き崩れるかと思いきや、「おなかが空いたわ」というところなど、あまりにリアルでどきっとする。

劇中でブータンの話が出てくるところも興味深い。「GNPより国民の幸福が大事な国。物価もインドの5分の1らしい」と桃源郷のように語られるとは、ブータンも有名になったものだ。

全体にとても抑えた表現で、こんなにしっとりしたインド映画は初めてかもしれない。
ラストの曖昧さも、夢物語にせず、でも明るさも感じさせるところがいい。

弁当箱に魅かれて見た(実際、お弁当の中身はとてもおいしそうだった)けれど、予想以上にとてもいい映画で、おかげで通路に座ってみた105分も苦にならなかった。


この映画の終了後、すぐに続けて見たのはこちら
 「マダム・イン・ニューヨーク」 English Vinglish

裕福な家庭の主婦が姪の結婚式のためにニューヨークにやってきて、コンプレックスの克服のためにこっそり英語教室に通って自信を取り戻すというお話。
ほとんどニューヨーク・ロケながら、こちらは王道インド映画という感じで予想通りの展開、こてこてではないが音楽や踊りも期待通りちゃんと入っている。

「~お弁当」に比べるとたわいないが、こちらの見どころは主役のシュリデヴィ。インドの大女優でもう50歳なのだそうだが、その年齢が到底信じられないかわいらしい美しさ。もう彼女の顔と、次々に着替えるサリーを見ているだけで楽しい。インドの吉永小百合といったところだろうか。

この映画のはじめには「アミターブ・バッチャンの70歳を祝って」のような献辞が出るのだが、そのアミターブの出演場面は「え、これだけ?」ってほどあっけない。けれどやっぱりかっこよくて、さすがインド映画の顔。

とても分かりやすいこの映画はかなり国外マーケットを意識しているような感じがする。
おかげで時に辟易させられる泥臭いギャグもなく、気持ちよく見ることができた。
134分の長尺、ちゃんと椅子に座れたのも助かったし。


インド映画がこれだけヒットしているとは、なんだかうれしい。


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台湾で女子会 7 玉井市場

2014-08-26 18:45:00 | 東アジア
7月6日 続き

11時にホテルを出て、タクシーでやって来たのは高鐵台南駅。

ここにやって来たのは台北ナビ主催の「マンゴー狩りツアー」に参加するため。
このツアー、予約受付から半日で満席になってしまったほどの大人気で、我々の今回の旅行自体、このツアー参加が第一目的。

指定された場所に行ってみると本日のお客さんは15名、うち男性は1名だけと圧倒的女性パワー。
 思ったより大きなバスで12時に出発。

1時間で到着したのは玉井市。
 歩道橋にもマンゴーが突き刺さっている、こここそ台湾マンゴーの大集積地。

ということでここの玉井市場が最初の観光地。
 大型観光バスが何台も停まっている駐車場向かいの大屋根の下に入ってみれば
  
農家の人たちがずらりと並び、その前には大かごに入ったマンゴー、マンゴー。
 
赤いのやら、黄色いのやら緑のやら種類も豊富で
 
入口のそばには品種を書いているところもあったが、あとは何が何やら。
  
葉っぱの付いた、まるで椰子の実のようなのもマンゴー。
 
業者向けの大かごじゃなくても、大きなマンゴーが安い!

台湾に住んでいればかごの一つも担いで帰りたいところだけれど、もちろんそうはいかないので
 
場内の一番奥にある店でマンゴーかき氷。
大100元(約340円)は4人で食べてちょうどいい大きさ、氷は普通だけど上にたんまり載っているマンゴーがお口の中でとろけます。

 
場内には観光客向けと思われる瓶詰やドライフルーツの店も何軒かあるので
  
味見をさせてもらっておいしい店でドライマンゴーをお買い上げ。
 売り子のお姉さんの絵が袋に入った愛文マンゴーは砂糖を使っていないそうだが、ヨーグルトでふやかして食べると甘くておいし~。細切りの緑の方は若い土マンゴーで、こちらは酸っぱいのがまたうまい。「100元分ちょうだい」と量り売りにしてもらって、おまけを入れてもらうのがお得だ。

市場にはマンゴーの他にも果物がいっぱいで
  
変わったバナナもいろいろあるし
 
山盛りパイナップルに巨大なアボカド
 
これまた大きなジャックフルーツはお母さんがばらして売っている。

  
場外のトラックの荷台ではヘチマやタロイモといった渋い物も売られているが
  
目についたのはこちらの「樹子」というもの。実はこれ、前日のお昼に食べた料理に使われていて、その時は「破布子」と教わったのだが、後でガイドさんに聞いたら同じものとのこと。
 野菜炒めに使われていて、酸味があるがかじると仁丹のような不思議な味がした。ゆでて醤油漬けにして使うそうだが、ここで生にお目にかかるとは。

市場には1時間の滞在だったが、もっと長くいたいほど面白かった。


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なす料理三昧@ヤミーズディッシュ

2014-08-25 17:08:47 | 食べ歩き
「ヤミーズディッシュ」とはタイ料理研究家の長澤恵さん、インド料理研究家の渡辺玲さん、ベトナム料理研究家の伊藤忍さんという3人によるユニークなアジアン料理ユニット。
毎月1回、一つの食材を3人が紹介するクッキングクラスがあるということで、なすがテーマである今月、初めて参加してみた。

場所は自由ヶ丘にある伊藤忍さんのクッキングスタジオ。
 
広々としたキッチンの棚には趣味のいいベトナム雑貨が並んでいて素敵。
 食堂スペースはちょっと狭いので、クラスの定員は12名だ。

クラスの形式は3人によるデモンストレーションの後に試食。

トップバッターはインド料理。
本日は「南インド・カルナータカ風ごま風味ナスのマサラ」。
 
ということでインド料理ではおなじみのホールスパイスやパウダースパイスの他に練りごまペーストが用意されているのが珍しい。
 各スパイスの香りの出し方のコツや、玉ねぎをどの程度炒めるべきかなど、渡辺さんの説明は論理的でとてもわかりやすい。
塩と油をケチってはいけないとか、玉ねぎはちょっと色づくまで炒めないとカレーが甘くなってスパイスが負けてしまうとか、なるほどと思うポイントがいっぱい。
 カットトマト缶を使い、最後にココナッツファインを振ってできあがったマサラがいいにおい。
ちなみにマサラとはカレーより玉ねぎやスパイスを多く使った贅沢なもてなし料理なのだそうだ。

次に教わる「ナスと豚肉のスイートバジル炒め」は中華風のタイ料理。
 
使う調味料がタオチオという中華みそやオイスターソースなので中華風とのことだが、バイホラパー(スイートバジル)の香りをかぐとやっぱりタイ料理だ。
 コツはあく抜きしたナスの水気を取りすぎずに高温の油でさっと揚げること。こうすると油を吸いすぎずにかりっと揚がるのだが、家でやるには度胸がいる・・・。
 
炒めもすばやく、ブロックから叩いた豚肉がおいしそう。

トリのベトナム料理は焼きナスのネギ油がけ。
焼きナスの作り方は日本と変わらないし、ネギ油はネギに熱した油をかけるだけ、とそれではレッスンにならないのでバリエーションを3つ教わる。
 
豚ひき肉のせ、エビのレモングラス炒めのせ、干しエビ炒めのせの3種類。
 食べる直前に砂糖、ヌクマム、レモン汁を合わせたヌクチャムをかけるのだが、ヌクチャムとは単に「たれ」という意味だとか、ヌクマムは必ず砂糖とセットで使われるとか、へ~。

こうして3つのお料理のデモが終わったら、3か国の料理が一つのトレーに乗せられ、インディカ米のごはんと一緒に試食。
 焼きナスはあっさりでバリエーションが楽しく、マサラは濃厚で辛さが後から来るが残らないさわやかさ、タイのナス炒めが一番辛いがこれもナスと豚肉の甘さが引き立つ。そしてもちろん、どの料理もご飯にぴったり。

同じナスと言う食材ながら、3か国の料理の特徴がよくわかる。
と同時にアジアの料理がいかに香り高いか、調理をしているからこそいっそう実感できる。
日本料理にももちろん香りはあるが、出汁や醤油の香り以外はあまり強くない。この香りが一番の違いだろうか。

3人の先生方は調理をしながらも各国の料理の特徴なども説明してくださって、このクッキングクラスは密度が濃い。
どの国の料理もおいしいし、これはまた参加したい。

ユニットの活動、クッキングクラスの詳細などはこちら↓
「ヤミーズディッシュ」
 


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台湾で女子会 6 台南の朝散歩

2014-08-24 18:39:10 | 東アジア
7月6日

泊まっているホテルは朝食つきだが、せっかくの台南、食べたいものがたくさんあるのでホテルでは食べずに8時に出発。

ぶらぶら歩いて7、8分、やって来たのは小さなロータリーに面したこちらの店。
 阿堂鹹粥
店頭には既に長い行列ができているが、これはテイクアウトの人の列。
 隣の食堂スペースも1階はもうお客さんでいっぱい。
そこで勝手に2階に上がらせていただくと、こちらはまだ解放していなかったようで誰もいない。
 
下を見下ろせるテラス席があったので特等席、とここに座っていたら店のマダムがやって来て中へ入れとおっしゃる。
テラス席に座ってはいけない理由でもあるのかと思ったら、どうも暑いので冷房の効く室内に座れと親切で言ってくれたよう。なのでここは素直に従って漢字の伝票にチェックを入れ、店員に渡す。
 ←クリックすると大きくなります。

しばらく待つうちに2階の席もすべて埋まり、ぽつぽつと料理が出てくる。
 まずは小さなお茶碗に盛られたエビ飯。中華ピラフといった感じだが、上にタクアンが乗ってくるのが面白い。
  次にやって来たのは煎魚肚、つまり魚の内蔵。
紐のような部分もあったりして見た目はグロいが、味はうなぎの肝やフォワグラのようでうまい!
これは台南周辺で採れる虱目魚(サバヒー)と言う魚の肝なのだが、サバヒー自体が足の速い魚なので、こんなものが食べられるのは台南ならではとか。

これらをつまみつつ主役を待つが、これがなかなか出てこない。他のテーブルもみんな待っていて、しばらくしたらマダムが上がってきて中国語で何か言いながら頭を下げている。まだ時間がかかるので待ってください、とのことで、結局30分ほどかかっただろうか、ようやく登場した主役がこちら。
 総合鹹粥。
 総合とはミックスなのでサバヒーの他にサワラや小さな牡蠣がたくさん入り、ごはんは粒のしっかり残ったサラサラ、スープは出汁が良く出ているが優しい味で、なるほどこれは朝食にピッタリ。
しかもかなりの量が入ったこの丼が、なんとたったの100元(約340円)とは、素晴らしすぎる。

 店のマダムは日本語がちょっとできて、この店に日本人観光客なんて珍しくないだろうに、細々と気をかけてくれる。
気分よくおいしいものが食べられて、これは朝から大満足。

お粥屋さんを出た後は早い時間から開いているらしいお店を見ようとまた町をぶらぶら。

 このかわいい建物は旧台南測候所。正十八角形で1898年と日本統治の初期に建てられたもの。
 
現役の教会も歴史ありげ、1911年に建てられた旧台南公会堂は今も演奏会などに使われているとか、暑いけど台南の町歩きは楽しい。

  
ほどなく到達したのが目的の合成帆布行。店先で作業をしている卸問屋のようだが、棚にはかわいい帆布バッグがディスプレイされているので見せてもらうと、日本語のできるおばあちゃんが手伝ってくれる。
 
いつも店の前に座って仕事しているらしいこのおばあちゃんが楽しくて、つい話しこんじゃう。
そして散々あれこれ選ばせてもらって、買ったのはこちら。
 
カメラにピッタリのサイズなので派手な赤をもらったが、HPに「三歳小包」とあるのは三歳児用バッグということ?
丁寧な造りだけれど値段は2000円もしなかったと思う。

さらにここから徒歩5分ほどのところにはもう一軒帆布バッグ屋さん。
 
こちらの永盛帆布行はもっと飾り気がなくて、店内ではランニング姿のおじちゃんがミシンを回している。
 でもこのおじちゃんも親切で、同じ色形でも持ち手の色柄がちがうものをいっぱい見せてくれる。友人はちょっとエルメスっぽいオレンジのトートバッグを買ったけど、こちらも安い。

いい買い物に満足してホテルに戻ると、お向かいの林百貨の前がすごいことになっている。
 
日曜日のせいもあって、11時の開店を待つ人たちが昨夜よりもさらに大行列。

興味はそそられるが、我々にはこれから行くところがあるのだ。


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台湾で女子会 5 台南の夜散歩

2014-08-20 20:28:40 | 東アジア
7月5日 続き

高鐵台南駅から市の中心部までは遠くて、タクシーで40分ほどもかかる。
そんなわけで今夜の宿に着いたのは8時。
  
富華大飯店は町の真ん中にあってどこへ行くにも便利。それで1部屋8000円ほどだから台中の宿よりさらにお得。
 お向かいにはリノベーションされてオープンしたばかりの林百貨店があり、入口には入場者が長い列を作っているが、この中の見学は後のお楽しみにしよう。

荷物を置いたらすぐに行動。
タクシーを呼んでもらってすぐ近くの赤崁樓へ。
お腹も空いているが、先に観光をしてしまおうと門の中に入る。

赤崁樓は元々1652年に東インド会社のオランダ人が築いたプロヴィンシア城という要塞。
 
中に元の姿の模型があるが、オリジナルは城壁の一部が残っているだけ。
 この城を陥落させ、オランダ人たちを台湾から追い出したのが鄭成功。というわけで庭ではオランダ人が鄭成功に頭を垂れている。

  
その奥にある海神廟、文昌閣という思いっきり中国らしい建物は清の時代に建てられたもの。
  中には鄭成功の肖像画に胸像
 
オランダとの闘いの説明やら、当時の船の模型などあって、やっぱり予習をしてきてよかった
 
庭には鄭成功の墓を守っていたと言う石の馬がいるし、椰子の間に見える中国風の楼閣というのも台湾らしい。
 前庭ではミニコンサートのようなものも行われていて、夕涼みに大勢集まっている姿も南国らしい感じがする。

さて、一応観光も済んでやっと夕食、とすぐ近くの「赤崁擔仔麺」と言うこじゃれた店に入ると、入った途端「すみません、もう閉店です」と日本語で言われてしまった。てっきり夜中まで開いていると思っていたら9時で閉店とは、ああ勘違い。

さあ、それではどうしよう、と思ったらすぐ隣にも渋い擔仔麺屋がある。
  
こちらは1964年以来の老舗、道端で食べるこのスタイルこそ本来の姿ではある、ということでおばちゃんに擔仔麺を所望。
 軽食サイズの麺はにんにくが効いて、まあこんなもんでしょう。

えらく軽い夕食になってしまったので、デザートの余裕が十分にある。
目指す店に向かって、夜の台南をぶらぶらとお散歩すると日本統治時代の建物が次々に現れる。

 大きなロータリーにあるのは今は國家台灣文學館となっている元の台南州庁。
 
消防署と警察署は統治時代の1930年代に作られたものが今もそのまま使われているとか。

やがて到着した目的の店には夜遅くにもかかわらず大勢の人だかり。
 
 
豚やアヒルの姿をしたスイカも並ぶ「莉莉水果店」は人気の果物屋さん。
オーダーはメニューに印をつけて先払いなのだが、まずはテーブルを決めなければならなかったらしく、満席なので席がないと言うとレジのおじちゃんはお客さんが列を作っているのにわざわざ立って席を作ってくれた。
 おじちゃん、ありがとう。

で無事にありついたのは
 あえてマンゴーをはずした豆一杯のかき氷、65元(約220円)。甘すぎない台湾の餡子は大好き。
 12種類ものフルーツの盛り合わせはたったの100元(約340円)。
 しかし一番おいしかったのは実はこのトマト。
中華圏ではどこでも生のトマトはフルーツ扱いなのだが、台南では独特のタレをつけて食べると言う、これが一度食べてみたかった。
でこのタレだが、醤油に梅砂糖が入り、生姜のすりおろしが乗っていて、これが懐かしくも青くさいトマトにぴったりでなんともおいしい。人気のあるものはやっぱり試してみないと。

おかげでお腹も十分に満たされた。
夜も更けたのでもうホテルに帰ろう。


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台湾で女子会 4 東埔温泉

2014-08-19 17:08:15 | 東アジア
7月5日 続き

微熱山丘の後に立ち寄ったのは玉山ビジターセンター。
 
えらく立派な建物だが上の方は宿泊施設にでもなっているのだろうか。

最初に玉山のビデオを見せるということでこれまた立派なシアターに案内されたが、他に見学者はなく、係員ももたついて見られず。しばらく待たされた後に会議室のようなところに移動してやっと見られたが、わざわざ見るほどのものでもなし。

他の部屋はと言うと
  
玉山の動植物の紹介がある程度。
 この熊のキャラクターはかわいいけど。

ここに立ち寄る必要はなかったのでは、と思いつつ、お昼の時間。
汚くてもローカルなものが食べられるところがいいか、とガイドが言うのに「もちろん」と合意して案内されたのはここ。
 
いかにも中国っぽい道路脇の食堂だが、
 
大きな甕の中につるして焼いた鶏が名物と言うことで、頭も脚もまさに丸焼き。しかしこれが皮はパリパリ、お肉はジューシーでとてもおいしかった。
他にも
 
 
きのこや山菜の炒め物、竹筒に入れて炊いたご飯や竹の子のスープなど、タイヤル族の烏来で食べた郷土料理とほぼ一緒だが、どれもおいしくいただく。

食後は道路を渡ったお向かいにある梅子夢工廠というお土産屋さんへ。
 
ここ、信義郷というところは梅の産地だそうで、中国系の皆さんが大好きな茶梅などを求めてちょっと驚くほどたくさんのお客さんが来ている。
  
梅と言えば我々日本人には梅酒だが、ここにももちろんあって、イケメンのお兄さんに試飲させてもらったものは甘いけどおいしかった。

 
謎の豚キャラやかわいい猪キャラのビールもあるが
 デザートには梅味ソフトをいただいてようやく出発。

ここからどんどん山道を上がり、やがて標高1200mの東埔温泉に到着。
  
まわりは確かに山ばかりの奥地だが
 小さな温泉街にはかなり古そうなビルが立ち並んで、鄙びてはいるが「秘湯」という感じではない。

ここに到着した時点ですでに日は傾き、午後4時近く。
本来はここから歩いて滝を見に行くはずだったのだが、ガイドは「大変だし、もう遅い」と言う。
結構時間のかかった微熱山丘に行くことを同意したのは我々だけれど、それなら時間配分などもっと早く相談してほしかった。
かなり太めのガイド、はなから滝までハイキングする気はなかったのではないかという疑念がわく。

滝はともかく、本日のメインイベントは温泉。
と言うことで案内されたのは
 帝倫大飯店。
温泉街の中では一番大きなホテルでロビーも立派。
しかし案内されたビル7階のお風呂は
 
洞窟風呂風ながら水着着用の混浴温泉プール。浴槽は棚田のようにいくつにも分かれていてそれぞれ温度が違い、一番奥の小さな浴槽は42℃ほどあって温泉らしい。
しかしまわりでは子供たちがばちゃばちゃと水を跳ねあげ、歓声を上げてやかましいことこのうえない。
とても落ち着かないので、裸で入れる個室風呂があるはず、とわざわざ着替えてフロントまで戻る。

ところがフロントで聞いてみるとこのホテルには台湾でおなじみの個室風呂はないと言う。
しかたがないので4時半から使用可という2階の露天へ。
  
こちらもプールのようなものだが、うるさいガキンチョどもがいないだけまし、と仲間4人で独占。
 ここのお湯は浴槽内で40℃未満、無色透明無臭で湯花も見えないが、入っているとわずかに肌がつるつるする。状態のいいお風呂に裸では入れれば気持ちがいいだろうに、と非常に残念。

風呂から上がった後に、裸で入れるところは他にないのかと聞くとガイドは「昼間も営業しているのはここだけ」と言う。その時は仕方がないと納得したが、あとでよく見直したらツアーの案内にあったのは他のホテル、しかもそこは水着は必要ないとあるじゃないか。現地ですぐに指摘できなかったのはこちらがぼーっとしていたからだが、めったに行けるところではないだけに悔しい。

後半は尻つぼみだったものの、時間の制約もなく案内してくれたことにはとりあえず感謝。
高鐵台中駅に着いたのは6時過ぎ。
ここから台南に向かうのに構内をうろついていると
 
高鐵グッズのなんと自動販売機がある!これは買ってみなければ、というわけで
  
高鐵のイヤホンピアスをお買い上げ

さらに車内販売のお姉さんから
  
高鐵ペットボトル。これがまわりのフィルムだけではなく、ボトルの形まで新幹線型になっている凝ったもの。
日本の新幹線グッズは子供向けのものばかりだが、高鐵グッズはセンスが良くて大人でもほしくなるぞ。

遊んでいるうちにあっという間の40分で台南に着いてしまった。


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台湾で女子会 3 微熱山丘詣で

2014-08-14 18:50:16 | 東アジア
7月5日

本日の朝食は昨日買っておいたサンドイッチ。
 
白パンの「オリジナル」はたまごとハムなのだが、たまごは薄焼き、パンがほわほわで食べやすくておいしいけど、それほど特別と思わなかったのは期待値が高すぎたか。
 
今朝はこれとサラダ、コーヒーで軽く、と思っていたのに、ホテルのビュッフェが意外に充実していて、つい魯肉飯と煮卵まで取ってしまったのは台湾だから仕方ない。

さて、本日は台北ナビで予約をして「秘湯東埔温泉と梅の里1日ツアー」というのに申し込んである。
そこで指示された通り8時にホテルのロビーで待っていると、ちょっと太めのお兄さんが登場、案内されたのは5人乗りのワゴン車で、貸し切りなのはいいけどちと狭い。

これに乗り込んで早速阿里山方面に向かって出発。
始めは愛想なしだったお兄さん、車が動き出すと口がほぐれはじめ、自称「イケメン」が今日は好きなところに連れて行ってくれるらしい。要は日程表通りでは時間が余ってしまうので他に行きたいところはないかということ。
しばらく走って高速を降りた頃、「すごく有名なパイナップルケーキのお店がありますけど、行きたいですか」というので「もちろん行きたい」と即答。走っていた車をUターンさせてその店に向かうことになった。

やって来たのは台中の南の南投市。
 道端ではパイナップルをたくさん売っていて、4つ100元(約340円)とか安いが、「夕方になれば5個100元になるよ」とガイドは笑う。

市街地を抜けてさらに山道を上がって行くとまわりはパイナップル畑がいっぱい。
 そんな農村の道路脇にいきなり屋台群が出現し、路駐の車が延々と連なっている。これがすべて一軒のお菓子屋さんのためというのだから、週末とは言えすごい。

 
道路のすぐ脇にもパイナップル畑があって、パイナップルの花を初めて見た。
 
実の方ももちろん大量販売。
  
その他にもかぼちゃやら芋やら謎の漢方食材まで。 
  
ドラゴンフルーツのそばにもその花が咲いていて、月下美人のようなこれも初めて見た。

こんな屋台街をしばらく歩いて、ようやく店の看板に到達。
 今や東京の青山にも支店を出している 微熱山丘 Sunny Hills のここが本店なのだ。

 
店の敷地内に入ると中国伝統の三合院の建物があり、パラソルの下には大勢の人。
  
入ってすぐの列に並べばパイナップルケーキを丸ごと一個と冷たいお茶を無条件にくれる。

しかしあたりに店舗らしきものは見当たらず、
 よくよく見たらこの地味な入口が販売所。
  
売っているものはパイナップルケーキとパイナップルジュースのみで、店内も商品が積みあがっているだけの殺風景さ。
 しかし買えばもれなくついてくる布袋がかわいくて、もちろんここでお買い上げ。(中身についてはまた後日)

他にも何かないか、と場内をうろつくと屋上テラスを発見。
 
ここにはパイナップルスムージーがあって、冷たくておいし~。

 このテラスの外を見ると、向こうにある大きな建物がパイナップルケーキの工場とか。
そしてその手前の大きなテントの下はと言うと
 
近所の農家の市場になっている。
 
売られているのは果物の他にも瓶詰類とか
  
山羊の乳製品とかいろいろ。ハイジも飲んだ山羊のミルクは初めて飲んだが、思ったより癖がなくてごくごくいける。
 ここで買ったパッションフルーツとライチーも香り高くておいしかった。

この微熱山丘と言う店、元はお茶農家だったがもっと地元の産品を活かせるものを、とパイナップル100%のケーキを売り出したら大成功。おかげで地元に雇用が生まれ、さらにこんな辺鄙なところにまで観光客が来るようになったというのだからたいしたもの。
台中の日出といい、ここといい、台湾のお菓子屋さんのなんとパワフルなこと。

予定していなかった本店に来ることができて大満足で微熱山丘をくだった。


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台湾で女子会 2 台中の日出詣で

2014-08-11 15:48:29 | 東アジア
7月4日 続き

サンドイッチの包みをぶら下げて、やって来たのはこちら。
 
看板には「台中市第四信用合作社」とあり、金庫の扉もある元信用組合。
 
しかし今は「日出」という台中で有名なお菓子屋さんの一番新しい店舗で、扉を開けてくれる愛想のいいお兄さんの衣装もユニークだ。

 
内装はアールデコ調でおしゃれだが、大勢のお客さんが長い行列を作っている。
 
みなさんのお目当てはアイスクリームで、ケースを覗いてみるとチョコレート系だけでも20種類、紅茶やら烏龍茶やらのお茶系がまた20種類ほど、その他にフルーツ系がまた同じぐらいあってものすごい品揃え。その上にケーキやらナッツやらをトッピングするので完成品もすごいことになっている。

オーダーの仕組みがよくわからないので2階へあがってみると、そこは飲み物のオーダーとイートインのスペース。
飲み物以外をオーダーしたかったのでまた1階に戻り、やっと入り口のすぐ脇のカウンターでかき氷のオーダーができるとわかる。入口のお兄さん、愛想はいいが英語はほとんど通じないのだ。
 
カウンターの上には巨大なマンゴーかき氷のサンプル。この四角いのがすべてマンゴー氷らしいのだが、これは4人でも食べられそうにないので、もうちょっとおとなしいものをお願いする。
 かわいいお姉さんにいろいろ盛り付けてもらって
 こちらが完成品。
手前はパイナップルのかき氷の上にアールグレイのアイスクリーム。間にはスターフルーツの煮たものが入っているが、これは各パーツも組み合わせも全部おいし~。
奥はあえて台湾らしいものをと選んだ烏梅かき氷。ラムレーズンのアイスクリームと甘く煮た金時豆が入っているが、いぶしたような梅風味はやっぱりちょっと個性的過ぎて日本人には不評。おもしろいけど。

ボリュームたっぷりのこのアイスは4人で2つでちょうどよく、どのテーブルを見てもみんな仲良くシェアしている。
人気の通り、この店はジェラートタイプのアイスクリームがおいしいことを確認して、さあ次。

 と徒歩1分で着いたのは同じ日出の別の店。
 
日本統治時代、宮原眼科だった建物を改装した店で、実は台中に来たのもこの店を見てみたかったから。
 この店のアイスクリーム売り場にはさらに長い行列ができていて、やっぱりまだここほどは有名になっていない四信で食べてきたのは正解。

さて、それではと物販の店の中に入ってみると
  
 
高い天井の店内は薬棚と本棚が並んでおしゃれ。
  
天井は中国風のステンドグラス、ここの店員さんの制服は華やかなチャイナドレス。
  
 商品のパッケージやディスプレイもいちいち凝っていて、これはすごい。
しかもこの店、店内撮影禁止なんてケチなことは言わない。だからみなさん撮影しまくりで、それが一層この店の宣伝になるのだろう。

試食も気前よくさせてくれるので、パイナップルケーキとくるみ入りのしデーツをお買い上げ。
 
視力検査表のような紙袋がまたしゃれている。

日出は台中にしか支店を出さず、その支店一つ一つが違ったテーマで作られているとか。
と聞けばすべての支店を見たくなるし、そう思わせるところがすごい。

買い物をした後はホテルに戻って一休みし、アイスクリームを消化したところでタクシーに乗って夕食へ。
向かったのは公益路という火鍋の店がたくさんあるところだが、台中の町は広いのだ。

 予約をしておいたのは「無老鍋」という店。
なにしろ大人の女子会だからね。
  
店内は薄暗くて雰囲気たっぷり。中央には気球の浮かぶ池があり、その周りにテーブルがいっぱい。大きな店だ。

2階の席に案内されて、早速注文。
 
この店には「養顏美容鍋」と言う素敵な名前の辛くないスープと、「無老辣香鍋」という辛いスープの2種類があるので両方食べられる「鴛鴦鍋」を注文。運ばれてきた鍋には棗やらクコやら漢方でおなじみの材料がたくさん入り、スパイシーでエキゾチックなにおいがして食欲を刺激される。
テーブルには継ぎ足し用のスープも用意されていて、こちらはチキン・ベースだと思う。
  
鍋の中には湯葉と鴨血を固めたものがすでに入っていて、これは食べ放題。
あとは野菜やら練り物やらを注文してどんどん投入。別テーブルにはタレや薬味も用意されているが、スープの味がしっかりしているので何もつけなくても十分。
お手伝いしてくれるお兄ちゃんの衣装もかわいく、この姿で90度のお辞儀がこの店の売りらしい。
 ひとしきり食べるとレモン味のスムージーが運ばれてきて、これがさっぱりとおいしい。

別注したのが魚の練り物ばかりになってしまい、お肉も少し入れればよかったと反省したが、もうご飯も入らないぐらい満腹になった。

タクシーを呼んでもらって、朝が早かったので今夜はこれにて終了。
一日目から充実して、なかなか幸先がいい。 


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台湾で女子会 1 台中へ

2014-08-10 15:50:16 | 東アジア
イランの小ネタはまだあるけれど、放っておくと完全に季節外れになってしまいそうなので先に台湾旅行記。

2014年7月4日から7日 台湾中部・南部の旅

7月4日

3年前に大人女子(笑)5人で行った台湾旅行が楽しかったので、今回は一人欠員ながら、同じ面子で台中と台南に行くことにした。

台北まではたった3時間ほどなのでまだ乗ったことのないLCCにしてみようかと思ったが、特別なキャンペーンがないと大手の安いチケットと変わらないことがわかったので方針変換。中華航空なら羽田発松山着、追加料金なしで荷物も預けられるし機内食も出る。

ただし今回目いっぱい遊ぼうと選んだ出発便は7時10分発。
始発に乗っても間に合わないので、羽田の東横インに友人と前泊。
ホテルは中国系のお客さんであふれていたが、早朝でも空港行きのバスが出るし、なにより家からタクシーに乗るより安い。

そんなわけで乗り込んだ中華航空。
 朝ご飯を食べているうちに台北に到着。

荷物を受け取り、両替をしたらすぐに台中を目指す。
松山空港からは台中行きの高速バスが出ているとネットで調べていたのだが、バス停の表示を見てもそれらしいものはないし、案内で聞くと「そんなバスはありません。台北駅から鉄道です」と不審そうな顔をされた。直通バスはなくなってしまったのだろうか。

しかたがないのでタクシーで台北駅へ。しかし今回は4人なのでただでさえ安い台湾のタクシーがさらに格安。
車内のテレビでは神戸の号泣議員をローカル放送が取り上げていて、我々が「恥ずかしい」と騒いでいたら運ちゃんに笑われちゃった。

台北駅の切符売り場では英語は通じるし、クレジットカードで簡単に指定席券を購入。
地下のプラットホームからはじめての台湾新幹線(高鐵)に乗車。
 
良く知られているように日本の新幹線の輸出だから何の違和感もなし。
 しかし台中まで50分、NT$765は約2600円。
同じ50分で着く宇都宮まで東北新幹線の指定席だと5130円だから半額だ。

 桃園を過ぎれば車窓には田んぼの風景が広がる。
7月でもう稲刈りをしているところがさすが二期作の台湾。
 やがて高いビルが見え始めたらもう台中に到着だ。
 

高鐵の駅は台北以外はどこもよく似ていて、ピカピカで近代的だけれど市街からは離れたところにぽつんとある。
そのため中心部に行くためには在来線に乗り換えなければならず、台中でも新烏日と言う駅が高鐵台中駅と連絡通路でつながっている。 
 
その通路にあるお店がなかなか面白くて、紙製品の専門店には段ボール製の汽車から神社まであるし、他にも鉄道グッズの店やら猫グッズの店やら、ついひっかかってしまう。

しかしおなかも空いたので早く台中市内へ行こう。
 在来線の乗車券はたったの15元(約50円)
 
33℃でもう蒸し暑いホームからふつーの電車に15分ほど乗って
  
台鐵の台中駅に到着。台湾の鉄道は日本統治時代の古い駅舎をそのまま使っているので、昔の日本の田舎にタイムスリップしたかのようだ。

この駅からは大きな荷物を引きずりながら7分ほどで宿に到着。
  
Park City Hotelは一部屋1万円もしないが、部屋は広くて大満足。

ここに荷物を放り込んだら、早速お昼を食べようと徒歩5分のこちらへ。
 
沁園春餐廳
もう2時を回った頃だったので他にあまりお客さんはいなかったが、ベテランのおばちゃんに注文をして待つことしばし。思ったよりもだいぶ時間がかかって出てきたのが
 蟹粉小籠包。これがスープたっぷり、蟹みその香りがぷーんとたっておいしい 登場する前に入り口脇の厨房からゴーッという音がしていたのはこれを蒸していた音だったらしい。
 青菜炒めもあっさりと食べやすく
  
もう一つ「薔薇の万頭」という珍しいメニューがあったので頼んでみると大きな中華まんが登場。半分づつ食べたいので切ってほしいというと、日本語のできる大女将が「中身が出ちゃうから切れないよ」と結局手で割ってくれて(笑)、中から出てきたのは薔薇のジャム。正直イチゴジャムとさほど変わらなかったが、大女将が親切でなんだかほっこり。

操業64年の老舗だそうだが気取らずおいしかった。
ここの小龍包はもっと食べたいぐらいだったが、他に食べなきゃいけないものがあるからと同行者たちをおしとどめ、徒歩で次の店へ。

 
立派な店構えの洪瑞珍はやはり老舗のパンとお菓子の店。かなりレトロな感じのお菓子が並ぶ中、ここのサンドイッチが有名ということなのでお買い上げ。
 1つ100円もせず、この包み紙がまたいい感じ。
レジの後ろには大きな箱が山と積まれていて、ジモティーはこれを大量に買っていくらしい。

しかしこのサンドイッチも明日の朝までお預け。
デザートは次の店で食べるのだ。


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バレエ・リュス展@国立新美術館

2014-08-09 14:01:00 | 機内食・映画・美術展
暑い、暑いと連日引きこもっているのもなんなので、久しぶりに六本木にお出かけしてみた。

出向いた先は国立新美術館。
現在オルセー美術館展を開催中で、平日にもかかわらず大した人出だったが、自分はへそ曲がりなのでそちらへは行かず、
 ニジンスキーの薔薇の精が出迎えてくれるこちらへ。



バレエ・リュスはロシア人のディアギレフが1909年にパリで立ち上げ、彼の死の1929年に解散したバレエ団。
その後も同じくロシア人のバジル大佐と言う人によってバレエ・リュス・ド・モンテカルロというバレエ団が後を継ぐ形で1950年代まで活動したそうだが、バレエ・リュスはディアギレフという独裁者の圧倒的な美意識がさまざまな才能を使いこなして成立していたバレエ団だったということがコスチュームのみの展示からでもよくわかる。

目玉はもちろんバレエ団のスターだったニジンスキーが実際に着用した衣装。
以下の写真は博物館HPより
 これはインドの神様の衣装だそうだが、ビーズやら刺繍やらで飾られた凝ったもの。 袖の腕まわりが意外にも小さくて、ペトリューシカの衣装を見てもかなり小柄な人だったようだ。

この衣装のデザイナーがレオン・バクスト。
  
バレエ・リュス初期の濃厚なオリエンタル趣味に大きく貢献した人で、この人が描いたパンフレットの表紙やデザイン画も素敵。

ディアギレフがバクストに飽きると、マティスやピカソ、キリコなどの有名画家にも舞台や衣装のデザインを依頼したようでそのラインナップも見事だが
  ナタリア・ゴンチャローワという女性デザイナーのタツノオトシゴとイカの衣装がかわいい!

 衣装の中には今でもちょっと着てみたいようなものもあって、広い会場ではないが全140点、細部まで見ていると見ごたえがある。

バレエ・リュスはパリなどで人気を博したものの経営的には大変だったそうで、それは衣装だけでもこれだけ凝りまくれば当然でしょう、と素人でもわかる。会場のパネルに「ディアギレフは放蕩者だった」という記述があったが、この人にますます興味を持ってしまった。

オーストラリア国立美術館所蔵というこのコレクション、キャンベラにある美術館だし常設展示はしていないようなので、珍しいものが見られてよかった。


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