キンドルを入手して以来、おこもりも続いているので古典と呼ばれるものをたくさん読んでいる。
なにしろ著作権の切れた本はタダ同然で読めるのだから。
ダウンロードした中の一つがディケンズの全集で、中の一冊、以前から名前だけを知っていた「二都物語」を読んだ。
ディケンズとしては「オリバー・ツイスト」や「大いなる遺産」に比べると知名度の低い小説だけれど、フランス革命を背景にして主人公一家がいかに危機を逃れるかというお話。
150年も前に書かれたものだし、ディケンズは基本大衆作家なので甘いと言えば甘いストーリーなのだが、今読んでもぞっとするのが貴族層の圧政に立ち上がった民衆がしだいに革命の熱に浮かされてどんどん残虐になり、ブレーキが利かなくなるところ。
これが現在連日報道されているアフガニスタン情勢とリンクして暗澹たる気持ちになってしまう。
特に歯がゆいのはせっかく自衛隊機まで派遣しながら日本大使館やJICAに協力してきたアフガン人を脱出させられないでいる点。
隣の国がうまく大勢を脱出させたのと比べるとやはりこの国は危機管理に弱いと思ってしまう。
ニュースを見るたびになんとかしてあげて、と心の中で叫ぶ。
それにしても我が憧れの地、アフガニスタンは不幸な国だ。
フランスに限らず、現在の「先進国」のどこでも歴史のどこかには残酷で悲惨な内戦の経験があると思うが、それが何十年も続いてはいないのではないか。
一度は行きたいとずっと思っているアフガニスタンだけれど、また可能性が遠のいてしまったのが悲しい。
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7月14日
早朝に目を覚まして窓の外を見てみると
うれしいことに晴れている。
朝食は宿自慢の朴葉味噌とお豆腐が特に美味しくて御飯が進む。
宿では8時半に上高地行きのバスを出してくれるので、10人ほどのお客さんたちと出発。
バスは上高地バスターミナルまで行くが、途中の大正池ホテルの前で下車。階段を少し降りると
おお、この景色が見たかった。
穂高のてっぺんに少し雲がかかってはいるが、空も水も青くてきれい。
木道を少し先まですすむと焼岳がさらにきれいに見えた。
田代池の周りには少し人がいたが、その先の林道コースを行くとすれ違う人もほとんどいなくて
水草の茂る小川や倒木を覆う苔がすがすがしい。
ゆっくりと1時間歩いて、早くもコーヒーブレーク。
帝国ホテルの裏に出たので表玄関に回って
黒服のホテルマンでいっぱいのロビーを通り、大きな暖炉があるカフェへ。
季節限定、数量限定にそそられてシャインマスカット・サンデーを頼んだらこれがおいしかった。コーヒー付き2750円もしたけれど、これぞたまのプチ贅沢。友人のシャインマスカット・ショートケーキもおいしかったらしい。
かわいいお姉さんに「がんばってください」と励まされて(笑)ハイキング再開。
田代橋、穂高橋を渡り、ウェストン碑やいくつものホテルの前を梓川に沿って歩いて行くとやがて前方に河童橋が見えてきた。
歩いている人は多くなかったが、この橋の周りだけはさすがに人が多い。
それにしても梓川の水色の美しいこと。
穂高の山もまだ見えているが、だいぶ雲が増えてきた。
河童橋は渡らず、そのまま梓川の右岸道を行くと、ここまでよりは少しアップダウンがあって、途中遠足の小学生などとすれ違う。
これまた途中ですれ違ったのは猿。
子猿が2匹じゃれあっているなと思ったら木の上にもいて、さらに遠くには母猿も。逃げようともしない猿はこわいのでこちらが早々に退散。
明神橋の手前まで来ると左手に穂高神社奥宮の鳥居があるのでそちらへ。
正面の小さな祠が奥宮だがここから明神池は見えず、脇の社務所で500円を支払って先に進むと
明神岳をバックに池が現れる。
明神岳こそがこちらの神社のご神体、明神池も浅いけれど緑に囲まれた神秘的な雰囲気で、パワースポットなどはあまり信じないたちだけれど、ここはいい。
明神橋で梓川を渡ると、そのふもとに明神館があるのでここで一休み。
大きなジョッキに入ったリンゴジュースが身に染みわたる。
ここからさらに奥、徳澤まで行こうかと思っていたが、途中花の写真を撮りながら来たら思ったより時間がかかってしまったし、天気もすっかり曇ってしまったので今度は梓川左岸道で戻ることにした。
こちらは右岸よりも平らで歩きやすいが、面白みはあまりなく、その分また小さな花を探しながら歩いた。
というわけで、上高地で見つけた花々はこちら ↓
小さな地味な花が多いけれど、よく見ればどれもかわいい。
河童橋の近くまで戻ると上高地ビジターセンターがあったのでちょっと立ち寄り。
それと言うのも聞きたいことがあったから。
河童橋から梓川の両岸を歩いていると道のあちこちに動物のフンがたくさん落ちていて、中にはベンチの上にまである。ここに犬は入れないはずだし、いったい何のフンかと聞いてみるとスタッフのお兄さん、よくぞ聞いてくれたとばかりに「昨晩からこのあたりで猿が大暴れしていたんです。やつら、わざと道の真ん中にするんですよ」と、確かに道の真ん中では踏まれちゃった跡も多くて、やっぱり猿は極悪だわ。
こちらのビジターセンターは土産物も充実していて、セール中のTシャツはなんと一枚300円。コマドリのブローチも気に入った。
河童橋まで戻る頃には空はどんより。午前中の晴天は本当にラッキーだった。
帰路はバスターミナルから15時15分の路線バスに乗り、釜トンネルを出た所にある中の湯バス停で下車。
バス停には中の湯の売店があり、バスに乗る前に電話をしておけばここまで宿の車が迎えに来てくれる。
宿に帰り着いたタイミングで雨が降り出して、引き上げ時もちょうどよかった。
連泊の夕食は前日とはすべてメニューが変わり、メインは信州牛の朴葉ステーキで豪華。
上高地は同行の友人が30年来、来たいと思っていた所だそうで、これまでは夏には海外に行ってしまっていたので後回しになっていたとか。来てみれば人気があるのも納得で灯台下暗し、人も少ない時に来られたのはまさに怪我の功名。
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7月13日 続き
松本城から駅に戻り、構内を突っ切って線路の反対側に出ると今夜の宿のお迎えが待っていてくれた。
お世話になるのは「中の湯温泉」さん。我々の他に3組のお客さんを乗せて14時45分に出発。
松本の市街地を出ると山道になってどんどん標高を上げて行く。
1時間以上走ると上高地へ続く釜トンネルの前に出るが、ここで左折して安房トンネル方面へ。そのまままっすぐ行けば平湯を通って高山へ出る道だが、トンネルの手前で安房峠に行く細い道に入り、ヘアピンカーブをいくつも曲がって、16時10分ようやくお宿に到着。
こんな山奥に予想以上に立派な建物。中の湯温泉はおなじみ「日本秘湯を守る会」のお宿だ。
玄関を入ったロビーも広々と立派。フロントで記帳してすぐに部屋へ。
時節柄案内はないが、3階までエレベーターで上がると長い廊下が建物をぐるっと回るように伸びていて部屋までなかなか遠い。
6畳と狭い部屋にはこれまた最近のお約束ですでに布団が敷かれているが、トイレ・洗面付きのお部屋はとてもきれいで
窓からは穂高連峰が見える、はずだが到着時点では雲がかかって見えず。
一息入れた所で早速お風呂へ。
とても立派な木彫りの椅子の前に男女別のお風呂。これは夕食後に入れ替わる。
内湯には浴槽が2つ。少し黄色がかった透明な単純硫黄泉のお湯はそれほど硫黄の香りは強くなく、ちょっとゴムボールのようなにおいがする。大きな浴槽のお湯が40℃、脇の少し小さい浴槽の方が温泉の鮮度が良くて42℃。塀と緑に囲まれた露天には内湯のお湯が落ちているのでこちらは38℃とかなりぬるい。
露天を占拠していたにぎやかなお姉さま方が上がった後は静かでゆったり。
湯上りにロビーに行くと
囲炉裏のある小あがりの前には大きな窓に向かって椅子が並び、ここでお茶やお水が飲める。
到着した時には見えなかった穂高の山々を置いてある写真で確認。雲がどんどん流れて、山は見えたり隠れたり。
ここにはきれいに咲いたゼラニウムなど鉢もいっぱいあって、これらは宿のご主人の自慢のよう。
大きなつぼみを付けた月下美人が目下の楽しみのようで、気さくなご主人は楽しい。
夕食はここも山に向かって大きな窓のある食堂で。
お造りはサーモン、メインはお肉のたっぷり入った鴨鍋。この他に焼き立ての岩魚とぶっかけそばも来てお腹いっぱい。
珍しく男性ばかりのサービスも丁寧で、チーズゼリーをいただいて部屋に引き上げた。
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北海道、青森に続いて1週間後に今度は長野へ。
せわしないことだが、花を見に行こうとすると時期が限られているので仕方ない。
7月13日
今回は新宿からあずさ9号で出発。
平日の朝に乗ってくるのは背広姿のサラリーマンばかり。それでも密には程遠い。
2時間40分で松本駅に到着。すぐに駅前からタウンスニーカー号で市役所前へ。
お役所の壁にはオリンピック出場が決まったデーデー・ブルーノ君の垂れ幕が。お父さんがナイジェリア人のブルーノ君、人と争うのが苦手でサッカーから個人競技に転向、趣味はお菓子作りとテレビで見てファンになったけれど長野出身だったのか。オリンピックでは活躍する場面がなくて残念。
ここから少し歩いてネットで見つけたお蕎麦屋さんへ。
「日より」は蔵のような外見、テーブル4つのこじんまりした店内は蕎麦屋というよりおしゃれカフェのよう。
日よりランチをお願いすると豆乳豆腐ときれいに盛り付けられたプレートが登場。チリコンカンを中華バンズに挟んで食べるのがおもしろく、その後のおそばは細くて上品。
デザートのプルプルわらび餅はココナッツ風味と意外性があって、いかにも女性好みの店ではあるがとてもおいしかった。店主ご夫妻も美男美女だ。
お腹を満たしたら市役所前の太鼓門を通り、黒門をくぐって松本城へ。
このお城には8年前に来たことがあるけれど、外国人などが行列を作っていた前回とは違って今回はガラガラ。
おかげで城内ゆっくり見放題で
急階段ごとにいる警備員のお兄さんに階段の所では写真撮っちゃだめと注意されたけど、代わりに修復の際にちょっと歪んでいた柱を引っ張った跡まで教えてもらった。
天守閣のてっぺんからの景色も今日はいい。
窓から外を歩く怪しい侍など眺め、月見櫓も覗いて松本城を満喫。
脇から入って表に出てきた。
駅へ戻る途中にはなぜかカエルだらけ、雑貨屋だらけの縄手通りを通り
橋を渡って中町通りへ。
こちらはしっとりとした街並み、面白そうなお店もぽつぽつあるが、宿のお迎えが来る時間なので駅へ急ごう。
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しばらく前のこと、お友達の元コッコロ・マダムが高松のイサム・ノグチ庭園美術館へ行ったとブログ記事をあげていて、それが大層面白そうだった。
イサム・ノグチが日米混血の彫刻家であることは知っていたが、あまり詳しいことは知らないので興味を持ち、アマゾンで探してこんな本を読んでみた。
ドウス昌代著「イサム・ノグチ 宿命の越境者」
ドウスさんの本を読んだのも初めてだったが、両親の書簡など古い資料を丹念に集め、まだ健在だったノグチを直接知る人たちにインタビューをして、実に説得力ある伝記になっていて一気に読んでしまった。
何と言ってもこの両親が全く普通ではない。何のつてもないのにアメリカに渡って、英語もそれほど得意そうではないのに英語詩で名をあげる父親に、子供の認知さえしてくれないのに日本へ来てしまう母親。
混血児が珍しかった時代に日本で散々いじめられて、アメリカに行ってもアイデンティティに悩むイサムが複雑な人間になるのも当然だろう。
そんな複雑な生い立ちながらイサム・ノグチは芸術家としては驚くほど恵まれていたように思う。
もちろん本人の才能あってのことではあろうが、人たらしでもあり、意外にちゃっかり憎む父親の名前を利用していたりもして、余計に彼の作品に興味がわいた。
そこで東京都美術館で開催中の「イサム・ノグチ 発見の道」展へ。
まずは1階の真ん中、たくさんの「あかり」を背景に「黒い太陽」に迎えられる。
左手には40~50年代のブロンズ作品が並び
ここいらへんは結構露骨に性的なモチーフが多くて、さすがモテ男の面目躍如。
右手の石の彫刻も面白いけれど
唯一結婚した淑子さん(山口淑子)の陶器の人形がかわいい。
2階に上がるとここにも「あかり」が部屋の隅を照らし
その間を埋める作品は鋼板を折り紙のように曲げたものが多く、日本の影響が濃い。
なぜかここだけ撮影禁止の3階には晩年の石の彫刻が庭のように置かれていて、題もほとんどついていない作品の数々はシンプルそのもの。最後に石そのものに回帰したようで、ノグチの遺骨が納められたという卵型の石の写真に感動。
基本二次元の表現物に反応するたちなので彫刻にはあまり興味なく、まして現代美術にはほとんど関心がなかったのだが、作家の伝記から作品に入るのもたまには面白いと感じた今回の展覧会。
会場では晩年になってもセクシーなノグチのインタビュー・ビデオを若い女性たちが熱心に見ていて、ずっと2,30代の美女にしか興味を示さなかったという作家もご満悦だろうと面白かった。
都美術館の隣では雨にもかかわらず動物園の入場に行列ができていたけれど
今回も上野駅2階の「騒豆花」で芋圓豆花を食べてさっさと撤収した。
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道を歩くと面白いバリケードはないかとつい探してしまう癖がついてしまった。
動物シリーズもまだ新しいものが時々見つかるけれど、
稚内にあったイルカはノシャップ岬に像もあることだし、これはご当地バリケードになるのだろうか。
このご当地バリケードこそが面白くて
姫路城の近くにあったのは「しろまるひめ」と「かんべえくん」のコラボ。
調べてみると姫路市にはなんと19もご当地キャラがいるって、いくらなんでも多すぎるだろう。
バリケードも形に工夫がないのが残念。
こちらは岩手県のPRキャラクター、わんこきょうだい。
5兄弟の長男、そばっちはかわいい。
これは一目でわかりやすい青森のバリケード。
八戸ではさらにウミネコがイカの頭巾をかぶったキャラクター・バリケードを発見。
表と裏でブルーとピンクになっているがこれはお父さんとお母さんで、さらに子供たちがいる「いかずきんズ」という八戸市のご当地キャラクター。
館花岸壁の売店でもグッズがいろいろ売られていて猛プッシュされている。
ご当地単管バリケードはどこで何に遭遇するかわからないから面白い。
単管バリケード・コレクション 1
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道北、青森と続けざまに行ってやたらに買い込んでしまったもの。
それは海草類。
まずは仙法志御崎の調子のいい昆布猟師さんのお店でいっぱい買いこんで
青森の大間でもマグロならぬ海草のお土産。
とろろはインスタント吸い物の素で便利だし、磯のりは酢の物に便利。銀杏藻は以前函館の近くの銀婚湯でいただいたことがあるが、トロトロと柔らかくておいしいのだ。
下風呂温泉唯一の食料品店では地元産のひじきを買い
礼文では塩蔵もずくも買ってみた。塩抜きは簡単にできて、これも使いやすい。
礼文でもう一つ買ったのは蒸ウニの缶詰。紫ウニとバフンウニがあって、これはちょっとお高い方のバフンウニ、100gで4200円。これを贅沢に1缶、磯のりも加えて卵焼きにしたらすごくおいしかった!
ちなみに利尻まで行って肝心の利尻昆布を買っていないのは去年羅臼で買った昆布をまだ使い切っていないから。
今我が家のキッチンは海草だらけ(笑)。
他に北海道で買ったものは稚内の「モッチリーヌ」というシュークリーム。
稚内駅構内のお土産物屋さんで冷凍で売られていたのだが、皮に米粉を使っているとのことで名前の通りもっちりとした独特の食感。中のクリームは生クリームとカスタードを合わせたもので、これはおいしい。
空港のANAの売店でも売られていたので、買うなら空港がいいかも。
青森で買いこんだのは、今回は八戸中心だったので南部せんべい。本当にどこにでも売っているのだが
特におすすめはJR構内のNewdaysで売っている三角パッケージのもの。割れた南部せんべいに醤油がしみ込ませてあって、これが食べやすくてうまい。前回、平泉の駅で見つけたのだが、売っていたら買い占めたくなるほど気に入っている。
青森ではリンゴのお菓子もふんだんにあって、これはどれを選んでもはずれはない。シャイニーのリンゴジュースもおいしいけれど、微妙に値段の違うものが何種類もあって、しかしその味の違いが分かるほど舌が繊細ではない。緑の瓶は「はっち」で見つけたルバーブのジャム。
是川縄文館の合掌土偶には「いのるん」という愛称があって、ショップで買ったのはクッキーと一筆箋。
そして舘鼻岸壁朝市で買ったのは
乾燥食用菊。戻して酢の物やお吸い物に入れるときれいで、袋には4つ折りにされて入っているが、元は直径25㎝もあって使い出がある。これがたったの160円。
その隣の袋に入っているのは生のカシスで、ジャムにしたら一瓶分あったがこちらは100円。
この後ハイキングに行くのでこれしか買わなかったが、そうでなければ帰りの荷物はさらに大変なことになっていたであろう。
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7月5日
今朝はゆっくりとホテルで朝食。
ホテル最上階にあるレストランからは八戸市中心街が見下ろせて
ローカル食材が豊富なビュッフェはなかなかの充実ぶり。せんべい汁にカレーまでいただいてお腹いっぱい。
チェックアウトをしたら荷物はフロントに預けて中心街3番ターミナルから是川団地行きのバスに乗車。
ターミナルと言っても八戸市中心街に「中心」はなくて、行先別に乗り場が分散しているのがちょっとわかりずらい。
バス乗車22分で目的の是川縄文館に到着。
ここまでバス代は220円、入館料は250円だがバスを降りる時に運転手さんに日帰り路線バスパックをお願いするとチラシを渡されて、これを出すとたったの120円になった。
館内にはほとんど人がいなくて閑散としているが、2階の展示室に入るとまずは縄文時代の生活を紹介するビデオ。
その先は黒を基調にした暗い部屋にショーケースがライトアップされておしゃれ。
ここに収蔵されているのは近所の是川遺跡、風張遺跡から出土したものだが、約3000年前の縄文後期にあたるそう。
驚いたのはこの時代に漆器があったことで
刀や装身具
壺にも漆器が塗られて、赤い色が残っている。が、漆器の歴史は9000年前までさかのぼるのだそうだ。
隣の部屋には土偶がいっぱいあって
眼鏡をかけたような遮光器土偶もいくつもある。
土器のデザインも驚くほど洗練されていて、今でもほしいぐらい。
最後の部屋にはケースが一つだけ置かれ、中に入っているのは国宝の合掌土偶。
ポーズが珍しいこの土偶、よく見ると女性だとわかる。
広くはないが思ったより多くの出土品がとても質のいい展示をされているこちらの博物館、120円の入館料では申し訳ないほど。
階下にはカフェの横にミュージアムショップもあって
なかなか面白いものを売っている。
つい先日、こちらの是川遺跡も含む北海道・北東北の縄文遺跡群は世界遺産に登録されたので、こちらの博物館も来訪者が増えるだろうか。
1時間ほどで見学を終えて、またバスに乗って八戸市内へ。
ホテルの斜め向かいにあったのは「マチニワ」なるイベントスペース。
前日の早朝に見た時はシニアの皆さんがラジオ体操をしていたが
中は大型ビジョンもある木材を多用したおしゃれなスペース。
その向かいにある施設は八戸ポータルミュージアム「はっち」。
たくさんの八幡馬に迎えられて中に入ると、1階にはミュージアムショップがあって
地元の工芸作家の作品から洒落の効いたお菓子まで、ここはとても面白い。
ここでお土産を物色していたら急にたくさんの下駄を鳴らすような大きな音がしてきてびっくりしたが
それはこのからくり時計のせい。獅子頭の歯打ちだそうで、この頭が動いたりしてこれも面白い。
上の階に行くと
ケースの中に八戸の代表的食べ物の精巧なミニチュアがあったり
列車デザインで有名な水戸岡鋭治さんの襖絵のステージがあったり。
体験スペースにレストランもいくつか入った施設だけれど、コロナのためか閉まっている所が多いのが残念だった。
青森の旅もこれにて終了。ホテルで荷物をピックアップ、タクシーを拾って
八戸駅から新幹線で帰京した。
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青森の旅を書いているが、昨日はお世話になったばかりの下北半島が大雨で被害を受けたとのこと。
特に下風呂温泉のある風間浦村は道が1本しかないのを見たばかりなので通行止めの大変さがよくわかる。
一日も早く復旧することをお祈りします。
7月4日 続き
陸奥湊からはうみねこマークのついた八戸線で2駅先の鮫駅へ。
駅前には名前の通り、ジョーズがいる。
駅を出て標識に従って蕪島へ。
陸続きの小さな島のてっぺんには立派な神社が見えるが、看板にもある通りここはウミネコの繁殖地。
神社の前にも後ろにもウミネコがびっしりいて、爆弾が怖いので神社は素通り。
砂浜を通って前方に見える水産科学館方向へ歩いて行く。
ここは環境省が定めた、この蕪島から福島県相馬市松川浦まで三陸沿岸を一本でつなぐ総延長1025㎞の「みちのく潮風トレイル」の出発点。本日はその中の種差海岸ルートを歩こうというわけ。
海岸から海を覗くと海草がいっぱい見えて
昆布を軽トラに乗せる人や、駐車場に干す姿も見える。
しばらく車道を歩いて、途中から遊歩道に入るのだが
ところどころこんな標識もあるものの、特に車道を離れる所などわかりずらい。これに比べると済州島のオルレは簡単な印ながら迷いようがないほどよくできていたと思う。
ちょっと迷いながらも海岸沿いの遊歩道に入ると
岩間で貝か海草を採る人がいたり、釣りをする人がいたり。海に向かっては昼顔がたくさん咲いているが、それ以上にこの周りは花がいっぱい!
キスゲやスカシユリ、ノハナショウブが道北に負けないほど咲いていて
花の種類の多さではこちらの方が勝っているかもしれない。
恵比寿浜から鮫角までは他に歩いている人もいなくて、とにかく花の多さに圧倒されてものすごく楽しかった。
鮫角でちょっと車道に上がるとたくさんの人が上っている鮫角灯台が見えて
その先には駐車場もある葦毛先展望台。
さすがにここからの景色がいい。
ここにはホロンバイルというカフェがあるので
海を見ながらソフトクリームで一休み。
展望台から先、中須賀と言うエリアも花がいっぱいで
ハマナスはピンクの他に白も。
北海道でよく見たシシウドはここが南限だそう。スカシユリは岩の割れ目にたくさん咲いている。
岩場を過ぎると広い砂浜が見えてきて、これが大須賀海岸。
この砂浜は2.3kmもあって、鳴き砂で有名とのことだがこの日は風が強くて砂が鳴っているかどうかもわからず、それでなくても砂の上を歩くのはものすごく疲れる。
途中から土のある方を歩いてようやくここを通過。
小さな深久保漁港を過ぎるとまた景色のいい岩場が続いて
遊歩道は淀の松原に入って行く。背の高い木があるのはここだけで、林の中を歩くのは気持ちいい。
かわいい花もいっぱい。
松林を抜けるとキャンプ場が見えてきて
その先はまるでゴルフ場に迷い込んでしまったかのようだが、ここが種差天然芝生地。
蕪島からここまで約9㎞、休んだり花の写真を撮ったりしながら4時間かけて歩いてきた。
遊歩道はもちろん先まで続くが、この先まで行くと帰りの足に苦労してしまうので
種差海岸駅から八戸線に乗車。
本八戸駅から街の中心にあるホテルまでは20分もかかるので
途中の老舗フルーツパーラーでフルーツパフェを食べ、ホテルのきれいな大浴場で汗を流したら
八戸の静かな日曜の晩はデパ地下でお惣菜を買って夕食にした。
それにしてもみちのくトレイルの種差海岸ルートは楽しかった。
三陸海岸をすべて歩くのは無理にしても、各県一ルートづつくらいは歩いてみたい。
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7月4日
最近年と共にめっきり早起きになった友人と自分だが、今朝は一段と早起きして外へ。
ホテルの前の道には数メートルおきに彫刻が並べられていて
八戸の名所をテーマにしたこれが結構面白い。
ホテルを出てすぐの所からバスに乗車。
これは八戸で有名な日曜朝市開催日に運行されている循環バス。
朝5:55から6:45まで4本あるので、6:35のバスに乗る。
乗車15分で日曜朝市会場に到着。鉄道なら本八戸から一駅の陸奥湊、そこから15分ほど歩かなければならない場所なのでこのバスは便利だ。
入り口には感染対策のチェックがあったけれど
中に入ればずらりと並ぶテントの間を大勢の人が買い物したり食べ歩いたりして大盛況。
これが3月から12月まで毎週日曜に開催されている舘鼻岸壁朝市。
文字通り漁港の岸壁で開催されていて、車の向こうに並ぶ屋台は300店ほどもあるらしい。
陸奥湊には6年前に来たことがあるがその時は平日。以来この朝市に来てみたかったのだ。
並ぶ屋台を覗いて回ると
港らしく魚屋があって、炭火で干物が焼かれている所もあるし
ホヤだけ売っているおばちゃんもいる。
いかにも自分のうちで採れた野菜を並べている人がいたり、盆栽屋さんがいたり。
岩手で有名な南部せんべいは八戸でもせんべい汁などにしてよく食べるらしいが、天ぷらや赤飯をサンドしたものは初めて見た。
汁物が並ぶ店もあるし、ここで「かっけ」を発見。お店の人に聞くと小麦粉の生地を延ばして切ったもので、やはり鍋に入れて食べるのだとか。見た目はワンタンの皮みたい。
しかし一番人気は揚げ物らしく、特に鶏手羽を揚げる店が多くてよく売れている。
季節柄梅を売っている店も多くて、大きいのから小さいのまで種類も豊富。
サクランボも「もう最後よ」と大きな箱が安く売られていたけれど、これからまだ行くところがあるから買えない~(涙)。
会場内では思いっきりローカルなアイドル達が歌っていたりもして、お店の人たちはフレンドリーだし、これは楽しいわ。
リアルな幼虫グミを「中身もぶちゅっと出るよ」と嬉しそうに売っていたのはコーヒー屋さん。このグミを買う気はないけれど、座るスペースがあったのでこちらで朝食を取らせていただく。
コーヒーに鶏手羽先、パンにナッツと蜂蜜を乗せたもの。
これは韓国のヶランパン。ホットケーキのような甘い生地の中に卵入り。
ブルーベリージャムをのせた水切りヨーグルトも濃厚でとてもおいしくて、朝市で朝食は大正解。
しかし8時を過ぎるころから店じまいを始める屋台も増えてきて、9時には撤収してしまうというこちらの朝市、一番盛況なのは日が上る頃らしい。
岸壁からは住宅地の中を歩いてJR陸奥湊駅へ。
かわいいイカ提灯の下がる駅の中で列車を待っていると休日パスのお仲間が何人もやってくる。
このまま東京に帰るという奥様は野菜やら食べ物をいっぱい抱えてらして、次回は絶対ここを最後に旅程を組もう、とまた来る気満々になってしまった。
それにしても毎週こんな楽しい朝市がある八戸の住人、羨ましい!
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