しばらくJAの野菜ボックスにはまっていたが、日本各地お得そうな所は一通り頼んでしまった。
同じものをリピートするのもちょっとつまらないと思っていたところ、別の産直サイトを見つけた。
産直アウル
初めにこのサイトを使ってみたのは切り花を取り寄せるため。
北海道からデルフィニウム。
20本の花束が1500円のところ、送料が1410円と同じぐらいかかってしまったが、これが期待以上に花持ちがよくて2週間も楽しめた。
以前に同じデルフィニウムを別のサイトから取り寄せた時には1週間も持たなかったのでこれはうれしかった。
これに気を良くして、次にはまた何が来るかわからない野菜ボックス。
千葉県館山からのボックスは「カラフル野菜セット」。
ミニトマトとスイスチャードが名前の通りカラフルで、他にアイスプラントやカーボロ・ネロ、スティッキオなど珍しい野菜が入っているのが楽しい。
次の山梨からのお取り寄せはトマトが3種類にきゅうりが2種類、物は悪くないけれどちょっとつまらない。
それでも懲りずに兵庫県は南あわじ市のシングルマザーの農園に注文を出してみると
こちらは白ナスに白ゴーヤ、白オクラときれいな野菜が届いて
マイクロきゅうりという珍しいものが入っていたのもポイントが高い。
2㎝ほどのラグビーボール型のきゅうりにはスイカのような縞があって、食べるとちょっと酸っぱい面白い野菜だ。
そして先日は佐賀県の農家が訳ありパッションフルーツを出展しているのを発見。
取り寄せてみると
箱の中には24個も入っていてすごくいい香り!
2150円に送料を加えると3000円になってしまったが、食べると甘酸っぱくておいしくて、この量ならば何の文句もない。
南国っぽいパッションフルーツ、沖縄や鹿児島で作られているのは知っていたけれど、最近はそれ以外の県でも作られ始めていて、夏には露地栽培でも作れるらしい。
大好きなのでもっと一般的になったらうれしいな。
産直アウルがJAのサイトと違うのは、出品者が個々の農家という所。
そのためJAより作り手の顔が直接見られて、有機や無農薬、少量多品種を売りにしている所が多い。
送料がいささか高く、特に夏場はクール便を使うのでさらにかかるが、時々お得な掘り出し物もあるのでついサイトをチェックしてしまう。
他にもたくさんある野菜のお取り寄せサイト、次は食べチョクあたりを試してみようか。
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7月11日
今朝もまた早起きして散歩に行きたかったけれど、夜半から雨が降り出して朝には土砂降り。
階段は滝になっている。
この時期、バリは乾期のはずなのに今年は異常気象とやらで、昨日は貴重な晴れ間だったとこの後実感することになる。
雨を眺めながら今日はまた一段とかわいいピンクのスムージーやお菓子をいただき
メインはポーチドエッグにしてみた。
さて、今日は Green Village という所に行こうと送迎を依頼してあり、10:30のピックアップをフロントで待つが一向に来ない。電話をしてもらうと雨のため渋滞に引っかかっているとのこと。
結局1時間も遅れて車が来たが、出発してみればそれも納得。
途中、こんなに冠水している所があって大渋滞。人の膝ぐらいまで水がある所をなんとか通り抜けた時には思わず拍手してしまったが
さらに先には川と田んぼと道路が一体化してしまっている所があって、ここもひやひや。熱帯の豪雨、恐るべし。
何もなければおそらく20分ほどで着いてしまうだろう距離だけれどかなりわかりにくそうな脇道に入り、45分で目的地に到着。
すぐに事務所で受付をすると、12時出発のツアーも少し遅れてスタートしたので合流してくれとのこと。
Green Villageは竹でできた家の分譲、賃貸をしていて、その家をガイド付きで見学できるのでやってきたのだ。
そこでまず見学したのはこの施設内で最初期に造られたという3階建ての Garden House。
広い開口部には靴が散乱していて、中には走り回るインド人の子供たちも含めて20人ほどの見学客。ガイドは最初にざっと説明をすると質問を受け、あとは勝手に見学してくれというゆるいスタイル。
そこで裸足で中を見て回ると床から壁、階段、天井とすべて竹で作られていて、縦割りにしたところなど日本ではあまり見ない使い方もあるのが面白い。
基本開け放たれた空間だけれど、さすがにベッドルームにはガラス戸とエアコンがあったり、トイレやシャワーの造りにも工夫がある。
20分ほどでこの家の見学を終えたら次は川沿いの傾斜地に建つ5階建ての River House へ。
初期に建てられた家は屋根まで竹製だが、さすがに持ちが悪くて10年で葺き替えなければならないのでこの家の屋根は銅葺き。丸いガラス戸を回転して入る。
入った所は天井が高く、とても広いリビング・ダイニングとキッチン。
設備の整ったキッチンの脇にあるとんがり帽子の片方はパントリー、片方はトイレ。
中二階には籠のような書斎もある。
階段を下りて行くとベッドルームが3つあって
お風呂もおしゃれ。
一番下にはプールもあるが、日本人だったらここに露天風呂でも作りたいところ。
見学ツアーで入ったのはこの2軒だけだが、この敷地には現在14軒、一つ一つデザインの異なる竹の家が建っている。
ほとんどの家は一泊から賃貸可能、一軒は売りにも出ている。
最初にAirbnbで見つけた時にはここに一泊することも考えたが、実際に来てみると開放的な造りの割に隣の家との距離は近いし、緑は多いが景観はなく、デザインのおもしろさはあるが日本人的感覚からはいささか雑な造りのところもあり、ここは見学にとどめるのがちょうどいいかもしれない。
ツアー終了後には食堂で昼食付き。
チキンの煮物に野菜のあえ物、トウモロコシの天ぷらのナシチャンプルはまあまあのお味。
お土産にくれた竹製品はお箸かと思ったらストローだった。
こちらの見学ツアー、通常は250,000ルピーのところ、この日は「バリ観光再開価格」で150,000ルピーだった。
送迎代は別だが、帰りは違う道を通ってくれて30分でホテルに帰り着いた。
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7月10日 続き
マッサージを終えたら遅い昼食を摂ろうとまた街の中心へ。
王宮の脇の道を折れ、看板が出ている所でさらに曲がって細い路地をずんずん進むと突き当りにやっと目指す店がある。
ウブドでおそらく一番有名なバビ・グリン(豚の丸焼き)の店、「イブ・オカ」。
吹き抜けになった店内は広いけれど、もう3時を回っているのでお客さんはまばら。
早速全部乗せのセットを頼むと
豚の正肉や豚血のソーセージ、豚皮の揚げたものに冬瓜の乗ったプレートが登場。他にご飯と出汁が良く出てちょっと辛いスープが付いて、飲み物を頼むと大体1,000円。
遅くて丸焼きの皮が揚げ物になってしまったが、イスラムのインドネシアでは普通は食べられない豚が食べられて満足。
お腹いっぱいになって王宮まで来ると、道路が塞がれてなにやら正装の人がいっぱいいる。
大きな箱にはお供えの飾り物が無造作に放り込まれ、後からも次々に何か運び込まれてくる。
これ、どうもお盆の後のお焚き上げの準備のよう。しかしいつ、どのようにするのか、よくわからない。
ついでに王宮の中をちょっと見学。
と言っても中庭がちょっと見られるだけだが、いたる所にバリ風の彫刻があるのが雰囲気。
この王宮から道を挟んだお向かいには吹き抜けのホールがあって、ここで子供たちが踊りの練習をしていた。
年齢は10歳から15,6歳だろうか。正面の先生はなかなか厳しそうで、子供たちも真剣。
華奢な女の子たち、中でも表情のいい子にはつい目を引き付けられてしまう。
この子たちが正装で踊る所が見たいねえ、と言いながら近くのカフェでお茶とビール休憩。
今夜は先ほど見学した王宮の中庭でバリ舞踊の公演があるので、近くにたくさんいる売り子のおばさんの一人から切符を買って、開演の1時間前に場所取りのために会場へ。
暗くなってくると頭上には月が出て、星が見えてくると南十字星も確認できた。
7時半の開演近くなると客席はほぼ欧米人観光客で埋まり、ライトが付いて舞台左右の楽隊の演奏が始まる。
最初の演目はTedung Agung という歓迎の踊り。
次は Bari という戦士の踊り。手足の指の反りに見とれてしまう。手前の男性は京劇が似合いそうな顔だ。
女性5人による Legong Supraba Duta に続いては女性がソロで踊る Taruna Jaya 。
この踊りは若者の変わりやすいムードを表しているとあって、激しい動きの合間に踊り子さんの表情がクルクルと変わる。さすがピンをはるだけあって、この踊りはひときわ素晴らしかった。
Topeng は能面のような仮面を着けた踊り。
肩車で現れたのはガルーダに乗ったヴィシュヌ。手にもってクルクルと回すのはチャクラだそうで、これは伝統的な踊りではなく最近の創作のよう。
これにて公演は1時間で終了。観光客用ではあるけれど見ごたえのある踊りで、以前に見たものよりもずっと良かったように思う。
帰り道、昼間から目をつけていたココナッツのお店に寄り道。
こちらのココナッツ・アイスはココナッツの果肉にロースト・ココナッツ、それを砕いたココナッツ粉も載っていてうま~い!
このアイス、滞在中一度しか食べなかったことを非常に後悔している。
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7月10日
ウブドは標高600m、海岸部よりは涼しいはず、だが赤道に近いバリ島なので昼間歩けばやっぱり暑くて汗だくになることは昨日経験済み。
そこで散歩は早朝にすることにして、3人の集合時間は6時15分。
すると日の出は6時半ごろなので外はまだ真っ暗。
歩き出してようやく空が明るくなってくる。
人出もまだ少ないけれど、小さな雑貨屋の朝は早くてもう店開き。
ウブドの中心街、ジャラン・ラヤ・ウブドに来ると、昨日の夕方には土産物屋が並んでいたウブド市場の前が野菜や果物の露天になっている。
バナナの種類も豊富だ。
王宮の前を通り過ぎると横道に Juwuk Manis Rice Field Walk の看板が立っているので入って行く。
すると道は観光客の名前やメッセージを入れた石畳になっていて、これが店や民家の並ぶ中をかなりの長さ続く。
少し行くと周りはいかにも村という雰囲気になって、すれ違う人は「スラマット・パギ(おはよう)」とにこやかに挨拶してくれる、その様がいかにも自然でとても気持ちいい。
村を過ぎ、急な坂を上ると家はなくなり、いきなり水田が現れる。
あのバイクや車、観光客でいっぱいの中心街からほんの少し入っただけでこんな景色があるとは。
道はバイクがやっと通れるような細道だが、途中には田んぼの中のコテッジを売りにしているらしいこじゃれたホテルがいくつも現れる。滞在は楽しそうだけれど、宿泊客はどうやって来るのだろう。
時々雨に降られながら歩いて行くと田んぼの中でアヒルたちが朝食中。
やがて一列になって小屋に帰って行くので、我々もここで引き返すことにして
途中のコテッジの一軒で田んぼを見ながら朝のコーヒー。朝の風の気持ちいいこと。
2時間ちょっとでホテルに帰り、すぐに朝食へ。
ビュッフェテーブルにはフルーツとパン、インドネシア菓子が並んでいて、鮮やかなピンクはドラゴンフルーツのスムージー。ドラゴンフルーツはとぼけた味でおいしいと思わないが、これはバナナなど入っているのか、ほんのり甘くて気に入る。
他に卵やナシゴレン、ミーゴレンなど温かい料理は注文制。
ヘルシーなんちゃらを頼んでみたら生野菜のクレープ巻きで、きれいだけれどお腹いっぱいにはならない。
パンはいまいちだけれどバナナの葉の器に入ったジャムと、日替わりで並ぶインドネシア菓子がおいしい。
この後はホテルにあるスパでマッサージ。
まずはハーブティーをいただいて
可愛いお姉さんに足を洗ってもらったらオイルを使ったバリ・マッサージ、1時間185,000ルピー。
小柄なお姉さんだけれど肩などしっかりもんでもらって、極楽、極楽。
設備はきれいだし、施術後すぐに部屋に帰ってごろごろできるのがうれしい。
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7月9日
6時過ぎにトランジットホテルをチェックアウトして、朝食を食べにまたマレーシア航空のラウンジへ。
今回はサテライト側、エアロトレイン乗り場を見下ろす2階にあるゴールデン・ラウンジ。
こちらはさすがに広くて、カラフルなダイニングエリアの他にゆったりしたソファスペースやバーエリアもあり
まだ人の少ないこちらで朝食らしくナシレマをいただいた。
9時出発の予定が30分遅れたゲートへ向かうと、デンパサール行きは成田からと同じA330-300。
しかし今度はほとんど満席なほどお客さんで一杯。半分は東南アジアやインド系、半分は欧米系で、東アジア系はほとんどいなかったと思う。
紙箱に入って出された機内食は色の割に味のしない麺なのでほぼそのまま返却。スラバヤの上を飛んで
30分遅れで無事バリ島に到着。
バリに来るのは15年ぶりだろうか。
こんな立派な空港じゃなかったよなあ、と思いつつ人の波に付いて行けばワクチン接種確認のテーブルがたくさん並んでいてここはアプリ画面を見せるだけですぐに通過。アライバルビザはクレジットカードOKで4,635円。入国審査には30分並んだけれどここもごく普通の手順で、インドネシア入国は本当に簡単だった。
出口にずらりと並ぶプラカードの中から自分の名前を探して迎えの運転手氏とも無事合流。
今回はBooking.comで送迎タクシーを手配したら宿の手配の半額で済んで、しかも迎えの運転手さんは日本語も流暢。この2年半は本当に大変だったけれど、まだ日本人は戻ってこないと嘆く。
空港からデンパサールを抜けるまでは道路工事で大渋滞。ここで1時間もかかってしまって、ウブドまで結局2時間もかかった。
そして到着したホテルは Jati Cottage。
目隠しのある小さな門を入ると正面に見えるのは食堂。
右手のフロントでチェックインして冷たいハーブティーをいただき
案内されたのはプールに面した2階建てコテッジの1階の部屋。
大きなベッドにソファと小さなデスク。エアコンもテレビもWiFiもあるし
小さな流しがあるのも気が利いている。
決して最新の設備ではないけれどすっきり広くて、今回はこの部屋を一人一部屋。一泊朝食付き6,000円なら文句はない。
ここで一足早くバリ島入りしたスクムビットさんとも合流。
まずは周りの様子を見ようと近所の散歩へ。
手始めに宿の一番近い両替所に行くと、この日のレートは1万円で1,040,000ルピー。
日本円に換算する時は0を2つ取っていたけれど、お札の0が多すぎて迷う、迷う。特に少額の物を買う時ほど間違えそうになる。
両替所のお姉さんによると我々は「コロナ以来、初めての日本人」だったそうだ。
宿の周りは雑貨屋の店先でガソリンを売っているようなローカル感いっぱいのエリア。こういう雰囲気こそ恋しかった。
道端にはいたる所に背の高い飾り物が立てられていて、これはペンジョールというもの。バリのお盆に当たるガルンガン(迎え盆)にご先祖様が迷わず自宅に帰れるよう立てるものだそうで、クニンガン(送り盆)の後も1ヶ月は残すという、それがちょうど見られたわけだ。
歩いているうちに宿から1㎞ほどのウブド市場まで来たが、ここは現在再開発の工事中でフェンスに囲われている。
そのフェンスの周りに土産物の露天が並び、歩道には欧米系の観光客があふれて、道にはバイクや車がいっぱい。
マスクをしている人などめったにいなくて、こういう解放感も久しぶり。
初日なので今日はこんなところにしておこう、とここから宿に戻り、すぐ近所のスペアリブのお店で初夕食。
マンゴーミントティーとビールで乾杯をして
スペアリブを2種類。オリジナルはかなり甘くて、ほんの少しピリ辛のカレー味の方がおいしかったかも。
本物の「エスニック」風味も恋しかったよ。
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この春に大多喜へ竹の子を食べに行った時、そろそろ海外へ出てもいいんじゃないかという話になり、3人でバリ島へ行こうということになった。
航空券を検索するとマレーシア航空が往復75,000円とお得、すぐに買ったがその後は減便に次ぐ減便で3回もフライト変更、それでもやっと出発の日を迎えることができた。
2022年7月8日~15日 バリ島ウブドの旅
7月8日
8時半に成田空港で同行のTrintrinさんと合流。
マレーシア航空のカウンターに並んでいるのはインド人家族ばかり。「チェンナイ、チェンナイ言ってた」とかで乗り継ぎに都合がいいらしい。
ガラガラの空港は保安検査も楽々、まして顔認証になった出国審査はあっという間に通過してしまう。
お買い物エリアにも当然人は少なく、シャネルなどは閉店していて免税店の化粧品売り場も品物が少ない。
そこでJLのラウンジのダイニングエリアに直行すると
ビュッフェ形式だったものが今はすべてオーダー式になってトレーで渡される。
となれば食べないわけにはいかないビーフカレー、鶴丸見ながらこれを食べるのも久しぶりだ。
これから搭乗する国旗柄のマレーシア航空を見ながらゲートに到着すると既に搭乗案内が始まっていて人も少ない。
乗り込んでみればその理由も納得、290席あるA330-300が今日は60人しか客がいないと言う。
「今日はお客様より貨物をいっぱい積むために大きな機材にしてま~す」とは夜会巻きの作り方まで教えてくれた日本人CAさん。「忙しい所、邪魔してごめんね」と言ったら、「いいえ~、こ~んな具合ですから」と余裕ありすぎのCAさんは楽しい。
機内ではこんなものが配られ、マスク着用必須とのアナウンスあり。
がほとんど機材の見えないT3を横目に飛び立てば座席は変わり放題で周りには他の人もろくにいない。
飲み物サービスの後の昼食もすぐに配られて、本日はフィッシュカレーを選択。
見た目はぱっとしないがこれがご飯によく合っておいしく、前回学んだ通り、マレーシア航空は魚が〇。キヌアサラダもミルクプリンもおいしかった。
お腹が膨れたら昼便なので映画三昧。
まずは渋い所で
The Outfit
この映画、日本公開は未定のようだがマーク・ライランス扮するイギリス出身の仕立て屋が主人公。
シカゴで店を開いているがアイリッシュマフィアの金の受け渡し場所に使われていて、ボスの息子が抗争相手に撃たれて担ぎ込まれたことから面倒に巻き込まれ、自分の命を守るためにマフィア相手と丁々発止のやり取りをする羽目になる。
その過程で仕立て屋の過去がわかってきたり、どんでん返しが何回もあるのだが、舞台はすべて夜の紳士服店内。限られた暗いスペースでほとんど二人か三人の芝居が続くので舞台劇のよう。
イギリス紳士だけれど実は、というあたりもマーク・ライランスだからこその凄みがあって、彼が主演でなければ成立しないような映画。となると渋すぎて日本での公開は難しいかもしれない。
どんでん返しの切れもいまいちかも。
続いてもまた渋いイギリス映画。
The Last Bus 「君を想い、バスに乗る」
既に日本公開されているとは知らなかったが、年老いて奥さんに先立たれた超高齢の主人公がスコットランドの北の端から訳あって大昔に離れた故郷コーンウォールのランズエンドまで旅する話。
このJohn O'GroatsからLand's Endまで1300㎞の縦断ルートはイギリスでは人気のコースらしいが、高齢の主人公は無料パスがあるのですべて公営バスを乗り継いでいくのだ。
その旅の間に回想シーンがあって旅の理由などが徐々に明かされる展開は定石通りだが、乗り合わせた人たちが折々スマホで主人公の様子をSNSに上げて、次第に有名になってしまう所が今風。ただしだからと言って大騒ぎをしたり、干渉したりする人がいないのはイギリス風。これがアメリカ映画だったら全く違う扱いになるだろう。
主演のティモシー・スポールはBBCのドラマやイギリス映画でよく見る顔。まだ60代なのだが90歳に扮してこれがまたうまい。心もとない歩き方など、90を超えた自分の父親を見るようでひやひやしてしまった。
イギリスの風景も魅力的だけれど、旅が終わった後のカタルシスがないのはちょっとつらい。
この後は「ベルファースト」を見てイギリス映画3本立てにしようかと思ったが、アイルランド訛りは字幕なしでは無理と断念。
4席で寝転がって本など読んでいたら軽食の時間になって
しかしこのパンはパサパサ、中の卵だけいただいた。
パイロットの見事なテクニックでクアラルンプール空港に定時の16:45に到着。
マレーシア航空のA380が2機並んでいたけれど、ずっとお休み中だろうか。
ターミナルに入るといつも人で一杯だったここも閑散、お店もシャッター通りと化していて寂しい限り。
さて、バリ島への飛行機は明朝だけれどマレーシアに入国するのは面倒なので今日はトランジットホテルに予約を入れてある。その前にゆっくりと夕食をいただこうとマレーシア航空のラウンジへ。
やって来たのは本館側のRegional Lounge。
あまり広くはないラウンジだけれど、中途半端な時間だったのか他にほとんどお客さんはなし。
飲み物などいただいてくつろごうとふとテレビに目をやると
なんで今頃安倍晋三?
と思って目を凝らすと「死亡」と出て、それがやがて「殺害」になり「暗殺」となって仰天。
この日はCNNもBBCもこのニュース一色。死亡直後では批判的なことは言わないのは東西同じだけれど、「銃規制の厳しい日本で、まして政治家の殺害は珍しい」という伝え方が多かった。
こんなニュースを見ながらも食べ物を物色。
小さいラウンジの割には意外に充実していて、しかし結局チキンフォーで軽く済ませる。
19時近くなったところでサテライト側に戻って、コンコースの一番端にあるホテルへ。
トランジットホテルの Sama Sama Express。
長~い廊下を歩いてたどり着いた部屋、カーテンを開けるとまったくの壁だったけれど、おかげで静かでよく眠れた。
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ジョセフィン・テイという作家をご存じだろうか。
イギリスの作家で1896年生まれというからアガサ・クリスティーよりも6歳若く、ミステリー小説を書き始めた時期もほとんど同じ。
最も有名な作品は脚を折って入院中の警部が王子殺しの汚名を着せられたリチャード3世の謎に挑む「時の娘」。この小説は歴代ミステリー小説の1位に選ばれることもあるほどの傑作で、大昔の学生時代に読んでとても面白かった。
この作家の他の小説が読めるとは思ってもいなかったのだが、ミステリーファン Yam Yam さんのブログで他にも翻訳があることを知り、さらにアマゾンを物色していたらKindleで原語の全著作集を、しかもたったの294円で入手可能と知ってすぐにダウンロードした。
全著作集と言っても作者は50代半ばで亡くなっているので小説は12作。
1920年代に書かれたものはさすがに古さを感じるが、特に1940年代以降に書かれたものはどれも今読んでも十分に楽しめる。
ミステリーと言っても最近のもののように無駄に残酷な描写はなく、中には殺人さえ起らないものもあるのだが、それでもページをめくる手が止まらなくなり、一気に読んでしまった。
12作中6作にはアラン・グラント警部が登場する。詩集を出したりもするインテリでハンサム、おばさんの遺産でお金に不自由しないけれど警察の仕事を続けているというパーフェクトな男なのだが、この人が美女たちに遭遇しながら結婚しようとはしない。The Singing Sand (歌う砂)では結婚しそうになりながら逃げおおせてほっとしているし、長い付き合いの舞台女優は「私は結婚に向かないの」なんて言っているし、これはジョセフィン・テイの結婚観の表れなのだろうか。
他の作品でも登場する女性たちが独立心旺盛なところが魅力的で、クリスティの作品の登場人物たちが古典的なロマンスに落ちるところ、この人は時代の先を行っていたように思う。
全12作中、個人的に特に気に入ったのは「時の娘」の他に
The Franchise Affair フランチャイズ事件 - いきなり見も知らぬ少女に「この家に拉致監禁された」と訴えられる母娘がどう疑いを晴らすか
Miss Pym Disposes 裁かれる花園 - 女子体育学校の寄宿舎内の人間模様。変わった舞台は作者の実体験に基づくものだそう
Brat Farrer 魔性の馬 - 子供の頃に死んだ双子の片割れになりすまして家族の中に入る男の話。生き返ってきた男は本物か、という物語はよくあるが、最初からなりすましと明かしながらもうひとひねりしたストーリーが面白い。
作者が早世して12作しかないのが実に残念。
新書で読める邦訳もあるので、機会があればぜひ。クリスティ・ファンなら絶対に楽しめる。
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2020年1月にボルネオから帰国以来、実に2年6か月ぶりに待望の国外脱出に成功。
成田空港は相変わらず閑散としていて飛行機もガラガラ。
しかしおかげでサービスはいいし、座席は使い放題で横になって行けるし、久しぶりの長時間の飛行もこれなら楽々。
今回の渡航先、旅行を思いついた3か月前の時点では渡航前にPCR検査が必要だったし、旅行保険の加入やその国独自のコロナ対策アプリのインストールも必要だった。しかしいずれも7月までに不要になって、ワクチン接種の証明を見せるだけでいとも簡単に入国できるようになった。
入ってしまえばマスクをしているのは学校で決められているのだろう、制服姿の学生だけ。
着用を求められたのも空港と大型スーパー、某ブランド店の1つだけ。
まったくマスクをしないで過ごせることのなんと快適なことか。
唯一面倒だったのは日本帰国時に必要とされているPCR検査、そしてそれ以上にMySOSなるアプリの登録。
このアプリ、本来なら最後に回答しなければ意味ないだろう渡航先での健康状態申告に答えなければ次のワクチン接種証明書のアップロードができず、しかもこれが接種証明書アプリとは連動していないのはどういうわけか。証明書アプリの二次元コードをダウンロードして使ったけれど、それでいいのかの説明もなし。
さらに現地で受けたPCR検査の陰性証明をアップロードしなければならないのだが、アップロードするとファイル名が出てその横に大きな✖印、その下には英語でNo File chosenとあるので失敗したかと思ってしまった。
が何のことはない、ファイル名が出ればOK、✖印はファイル削除のため、その下になぜまだNo Fileと出るのかは不明。
まったく使いづらく不親切なアプリで、これは年配者の多いツアーにでも出たら添乗員はさぞ大変だろう、と変な心配をしてしまう。
しかしなんとか必要書類のアップロードに成功して数時間後に申請が通るとアプリの画面が青に変わり、こうれを帰国時の検疫で黄門様の印籠のように見せればいとも簡単に通過できて、おかげで飛行機のタッチダウンから税関通過までたったの30分で終了してしまった。
国内の温泉めぐりはもちろん楽しいけれど、久しぶりの海外はやっぱりワクワクと違う楽しさがある。
某C国人観光客もいなくてまだ空いている今のうちに、また海外に行かなくちゃ。
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既に昨秋から精力的に海外に出ている Kimcafe 師匠、今回はトルコ、ジョージア、アルメニアをまわって無事帰国されたとのことでミニ帰朝報告会。
会場に選ばれたのは代々木公園にある「Betterave Bistro Jiro」
店頭にはビストロらしいフランス国旗と共に今やすっかりおなじみになったウクライナ国旗が。というのもこちらのシェフは在ウクライナ日本大使館の料理長を務めた経験がおありとか。
ということで今夜はウクライナ料理のコースで
まずは赤キャベツのラペ、キャベツとニンジンのサラダ、きのこのマリネにオリーブ、きゅうりのピクルス。
スモークサーモンにビーツの入ったピンク色のポテトサラダまでが前菜。
どれもたっぷり、特になにげないきゅうりのピクルスが甘酸っぱくてサワークリームとディルと合わさっておいしい。
スープはもちろんボルシチ。ロシア料理の代表のようになっているけれどウクライナが元祖、とはウクライナ人の主張するところ。
意外にビーツの存在は感じないけれど、ビーフがごろごろ入って濃厚で、スープというよりシチューみたい。
ナリスニキはウクライナのクレープ。
こちらのクレープ生地はモチモチとして羽二重餅のよう。
中には炒めた牛ひき肉が入り、またサワークリームをつけて食べる。
ここまででもうかなりお腹いっぱいだけれど、メインはウクライナ風ロールキャベツのゴルブッツィ。
こちらにはナリスニキよりも細かくひいた豚肉がぎっちり入ってボリューム満点。
美しいウクライナ娘たちがなぜ中年になるとコロコロになってしまうのか、これでわかりそうな気が。
デザートはどうしますか、と聞かれたけれどもうとても入る余地はなくて、後はコーヒーで〆。
食事の途中、オレンジ革命の頃にウクライナに駐在していたというマダムとユシチェンコ元大統領の話で盛り上がったが、彼がダイオキシンを盛られた時、治療のためにフランスへ脱出させたのは日本大使館だったとか。他にもいろいろ裏話がありそうだったけれど、他のお客さんもいるしあまり詳しい話が聞けなかったのは残念。
こちらはこちらで旅話に忙しく、Kimcafe 師匠からは他のお土産と共にこんなタイムリーなものもいただいてしまった。
国内旅行も楽しいけれど、やっぱり海外旅行はやめられないよね、というわけで先月念願の富士山パスポートに切り替えた。
これとウクライナマスクを持って、自分も明日から国外逃亡してきます。
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6月26日
朝食後「花文」さんをチェックアウトして、前日と同じ時間の妙高山麓線バスに乗車。
今日はいもり池より手前の赤倉温泉足湯で下車。
足湯は工事中で入れなくなっているが、目指すはその先にある日帰り温泉「滝の湯」。
営業開始の10時より早く着いてしまったので待っていると、駐車場には同じように待っているご夫婦が2組。
表には皆既日食の看板があるが、13年も先のこととは気が長い。
時間になり、券売機で入浴料500円を支払って中へ。
脱衣場は広いが簡素な造り。
その先には左手に上がり湯の枡、右手にはシャワーとカランが4基あって
緑がかったうす濁りのお湯の露天風呂がきれい。ぱっと見には思ったほど大きくないと感じたが、実際に体を沈めてみると大きなお風呂で、まるでプールのよう。
細かい湯の花の漂うお湯はカルシウム・マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉とまた恐ろしく長いが、40℃ほどのお湯の感触は燕温泉とよく似ている。
左手隅に小さく囲われた所が1ヶ所あって、ここは他より深くてお湯の色も青い。源泉の投入量が違うのだろう、ここは43℃ほどあって、入れないことはないが何しろ快晴で暑いのでここにはちょっとしか浸かれない。
大きいお風呂は周りに腰かけるのにちょうど良く岩が配されて、出たり入ったり、気持ちいい。
ところで同じように開業を待っていたご夫婦の片方、ダッシュで浴室に一番乗りすると写真を撮りまくり、5分ほど浴槽に入ったと思ったらすぐに着替えて出て行ってしまった。
持っていたバッグにも温泉マークが付いていたし、これからこの周辺の温泉巡りをするマニアだろう。
こちらも大差ないが、このお風呂に5分はもったいなさすぎる。
と、友人と二人でのんびり入浴していると、仏さまに覗かれているのに気が付いた。
お風呂から出て建物の裏手を見てみるとウォータースライダーがあるけれど、プールとしての営業はしていないよう。
それにしてもここに仏様とは、シュールだ。
赤倉温泉から駅まではまた市営バスを使おうと思っていたが、赤倉銀座もスキーのシーズンオフだからか開いている店らしい店もなく、時間を持て余してしまうので滝の湯さんでタクシーを呼んでもらった。
タクシーに乗れば妙高高原駅までは10分ほど。
駅前はここも閑散としているけれど
駅の脇に観光案内所があって、中でちょっと土産物も売っていたので新潟特産のかんずりと柿の種をお買い上げ。
さらに発酵ジェラートなるものがあったので、一番珍しい「やそうたん」なるフレーバーを買ってみたらまるで黒ゴマアイスのように真っ黒。「やそうたん」とは「野草炭」のことだそうで、野草茶のようなものを期待していたのでちょっとがっかりしたが、見かけの割に癖がない濃いミルク味でおいしかった。
時間になったので妙高高原駅のホームへ。
この駅は新潟方面からの「えちごトキめき鉄道」の終点、長野方面への「しなの鉄道」の始発なので、今回はしなの鉄道の列車に乗車。
2両編成の一両はロングシート、一両はクロスシートになっていて、クロスシートの一部にはテーブルが付けられているのが珍しい。座席のリンゴ柄もかわいくてきれいな列車だ。
10分ほどの乗車で長野駅に到着。
長野では地下にある長野電鉄の駅へ。
すると元小田急のロマンスカーが停まっていて、食堂車のような設えになった車両があるので検索してみると、どうやら「北信濃ワインバレー列車」なるイベント列車らしい。
が我々は「朝陽さくら」ちゃんの普通列車で2駅先の権堂駅まで。
わざわざここまで来たのは「サンチ」というサンドイッチ屋さんに来たかったから。
こちらフルーツサンドや総菜系のサンドイッチもとてもカラフルできれいで
ランチにはスープとサラダ、ミニデザートも付いて798円は悪くない。
食後は2駅分を歩いて、善光寺の御開帳でにぎわうJR長野駅へ。
おやきを買って新幹線で帰京した。
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