Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ブータンの布

2008-10-30 19:51:17 | ブータン
先日の機織の記事でブータンの布に興味を持ってくださった方がいらっしゃったので、もうちょっと詳しくご紹介。

ブータンの布はちょっと地方に行くと普通の民家でも盛んに織られているが、手の込んだものにはやはり名人がいて、基本的には注文生産、よって市場に良い物は出回らないと言われる。

しかし最近は首都のティンプーなどに工房ができて、観光客でもそこそこのものが買えるようになっている。
 織り手は若いお嬢さんが多いが、皆東ブータンの出身だそうだ。
 これは片面縫取りと呼ばれる技法で、布の表側の糸だけをすくい模様を入れていく。

 
これは10年前、初めてブータンに行った時に買ったキラ。ご覧の通り、裏面には模様がまったく出ない。
木綿地のこの布で当時たしか100ドルしたと思う。

 こちらは男性用の生地にもよく使われる柄。
 織り方が違うのでこちらは裏にも柄が出ている。

 
ブータン人のお友達にいただいたキラと、布を留めるためのブローチ、コマ。
キラは一枚布をちょっと変わった方法で巻きつけ、肩のところで留めて着る。
 腰には右側の帯をぎゅっと締めるが、これはほとんど見せない。
左側の赤いスカーフはラチューと呼ばれ、盛装の時は必ず肩にかける。
 これがないとゾンと呼ばれる役所には入れない。
  
男性の場合はカムニというスカーフになるが、これは身分によって少し違う。普通は白いスカーフだが、軍人の場合は真ん中のおじいちゃんのようなたすきになり、ダショーと呼ばれるイギリスのナイトのような地位の人は右のおじさんのように赤いカムニをかける。

 この華やかなキラはいいお家にお嫁に行った人がお姑さんにもらったもの。王族からの御下賜品とやらで、すべて絹製、金糸も入ってどっしり重い。

 こちらはアンティーク。色も柄も伝統的なもの。
 赤と黒の模様は頭陀袋にも使われている。

 中央ブータンのヤタ織りは毛糸を使ったざっくりした織物。
 
バッグなども作られているが、最近はもう少し垢抜けたデザインのものも出来ているだろうか。

いよいよ来週に迫ったブータン国王の戴冠式、一番の見所は着倒れブータン人の晴れ着だと思っている。


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香港は麺もはずせない

2008-10-27 23:12:23 | 東アジア
香港など中華圏で一番嬉しいのは朝から晩まで、いつでも麺類が食べられること。
自分はおいしい汁麺さえあれば何日でも滞在できる、経済仕様なのだ。

仕事帰りの夜遅く、コーズウェイベイの裏通りで入ったのは「潮苑」。小さな安食堂だが、香港のグルメおじさん、チャイラン氏お薦めの店だそうで店先に雑誌の記事が張ってある。

ここで今回食べたのはこれ↓
 魚のつみれと豚肉のつみれ、魚皮餃子に厚揚げと具沢山。その上にまたたんまりのっている黒いものは紫菜という川のり。海ののりよりちょっと歯ごたえがあって、これが結構好き。麺は小麦粉の麺か米粉が選べ、さらに太いのか細いのが選べる。店内に「化学調味料、使ってません」と書いてあるスープはごくあっさりしている。

一人で食べているお姉さんもいっぱいいるし、こういう店は本当に便利。夜食にちょうどいい量で、ほどよく満腹になる。

と、ここでやめておけばいいのだが、一日しかいられないとなると意地汚くデザートも食べたくなる。
そこで隣の豆腐屋で
 杏仁紅豆沙豆腐花
ゆるゆるでなめらかなお豆腐にアーモンドの香りのシロップとあずきがかかっているのだが、これが優しい味でおいし~。
中華のあずきは日本の餡よりも甘さがずっと控えめで豆の味がするのがいい。

あくる日、昼過ぎにはもう発たなければならないのだが、今回どうしても行ってみたい所があった。
「香港 女子的裏グルメ」と言う本に出ている「彩雲南」。なんせ泊まっているホテルのすぐ横、ここがおいしいとなれば行かないのはもったいない。

12時開店なのだが早めに行くと店のシャッターが固く閉ざされている。しかしここで他に行くのは癪、とお向かいのフルーツジュース屋で開店を待つことにする。
 一つ一つ効能書きつきのジュース、左が消化不良によいという「トマト苺ヨーグルト」、右が胃腸によく、肌を潤すという「苺とドラゴンフルーツのジュース」。どちらもお味は「???」

首をかしげているうちに目指す店が無事開店。
一番乗りして長いメニューから悩みつつオーダー。
 自分で頼んだきのこ餃子と中国ハム、その他いろいろ乗った汁ビーフン。
 こちらは連れの頼んだピリ辛のそぼろと豆腐の乗った汁なしビーフン。

きのこの一杯入った餃子はおいしかったが、汁麺の方はスープがあっさりすぎてちょっと物足りない。連れのピリ辛汁なし麺の方がずっとおいしそうだったのでこれはリベンジせねば。

ところでこの店、12時過ぎると近所の学校の生徒で一杯になると本に書いてあったがまさにその通り。
 我々がオーダーに迷っているうちにまわりはミニスカートの女子高生でうまってしまい、店内で男性は連れの一人だけ。

香港の女子高生のお昼はなかなか優雅だ。


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香港で飲茶ははずせない

2008-10-26 15:31:36 | 東アジア
仕事でまた香港に行ってきた。

と言っても実質1日の駆け足出張、せめて到着日の夜中にデザートの一つも食べに行こうと思っていたら、18時半出発予定の飛行機が機材トラブルで2時間の遅れ。途中で落っこちるよりはまし、とおとなしく待っていたら、「お待たせいたしました、これから出発しますが、2時間遅れのため規定によりエコノミークラスのみなさんにお食事は出せません」って、なに~!

どうも既に暖めてしまった食事は2時間で廃棄の決まりがあるらしく、冷たいサラダに甘い菓子パン一つが支給されて終わり。5000円分のクーポンかマイルももらえるけど、食べ物の恨みはこわいぞ。

そんな事情もあって、ちょっと時間に余裕のあった翌日のお昼には力が入る。
さーて、何を食べようかと思うと、連れは香港で飲茶を食べたことがないと言う。
それならば、とお気に入りの「鳳城酒家」の北角店へ。

コーズウェイベイの店より一段とローカルで、英語も通じない店で漢字メニューとにらめっこ。
 「青菜炒」と筆談して頼んだガイランは軽い塩味で歯ごたえ最高。添えられてきたチリソースがおいしかった~。
 豚スペアリブの豆鼓蒸しにはタロイモが入っていて、これもねっとりとうまい。
 叉焼包は予想通りかなり甘い味付け。
 蓮の葉包みの粽は中に鶏手羽が入って、かなりの量を二人でぺろり。

香港に来て一度も飲茶を食べないなんて許されない。


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蔵出しブータン写真館 3 坊主

2008-10-22 01:15:30 | ブータン
ブータンで観光と言えばお寺、そしてそこにはえんじ色の集団がいる。

  
一番小さい子で7,8歳だろうか、体を前後に揺らしながらお経を読む姿もかわいいが、ちょっと先生が目がはなせばやんちゃな小坊主も一杯。
  
お堂で鬼ごっこをしてみたり、やっぱり子供は子供。

これが育つと
 こんなかわいいのもいるが
 街中でたむろする姿はそこらの高校生と大差ない。

坊主の晴れ舞台といえばツェチュなどのお祭り。
 
 楽器を鳴らしたり
  
舞いを舞ったりとそれぞれの特技を披露する。

しかしその他大勢は
 こんな感じ。

ブータン全体でどれだけの僧侶がいるのか、その数は知らないが、今でも一家から1人は僧侶にしたいと願う家族は多いのだそうだ。

昔は教育を受けられる場と言えば寺しかなかったし、子供の多い家では口減らしの必要もあっただろう。寺は今でも普段の生活に密着しているし、おそらくそのためだろう、チベット仏教圏のお寺は想像するよりもずっとのんびりしていて、厳しい鍛錬の場という雰囲気はない。厳しい修行をして偉くなるのはほんの一握り、あとの坊主は普段の生活を支える下働きになるからだ。

外国人がチベット仏教に抱く神秘的な幻想など打ち砕く、このあっけらかんとしたゆるさが好きだ。


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「宮廷画家ゴヤは見た」

2008-10-21 01:12:45 | 機内食・映画・美術展
久しぶりに有楽町で映画を見た。

有楽町スバル座で 「宮廷画家ゴヤは見た Goya's Ghosts」

ゴヤを語り手に18世紀末のスペインと、ある聖職者の恥知らずな生き方を描いた映画。

18世紀末から19世紀のはじめと言えばフランス革命、ナポレオンの台頭、失脚と、ヨーロッパの価値観が二転三転した時代。そういう時代には身分がひっくり返ったり、風見鶏のようにあっちについたりこっちについたりと節操のないやつが幅を利かせたりする。そんななかで右往左往させられ、戦いでも始まれば虫けらのように殺される庶民。

脚本と監督は「アマデウス」のミロシュ・フォアマン。プラハの春を経験したチェコ人なので、ここには当然、共産主義時代のチェコの様相が反映されているだろう。

だがこの映画を見ながら思ったのはチベットのこと。

聖職者が神の名の下に力をふるい、絶対権力者の王がいて、そこに隣の国の革命から誕生した新たな独裁者が「旧体制からの開放、自由」を旗印に侵略してくる。
19世紀初頭のスペインと現代のチベットはなんと似ていることだろう。
ソ連支配下のチェコも含めて、要するにこんなことはいたるところで何回も繰り返されているということだ。

映画の中では浮沈の激しい聖職者の人生にも、哀れなヒロインの運命にも救いはない。しかし王や高位聖職者も含めてその描き方は人間的で、安易な善悪でわけたりしていないところにリアリティがある。そしてこれだけ重いテーマをきっちり娯楽映画にしてみせるところ、さすがフォアマンは大人の映画監督だ。

唯一物足りない所があるとすれば複雑な人間であったろうゴヤが薄っぺらいところだが、この映画の中では狂言回しであり、その絵が雄弁に語るのでこれでいいのかもしれない。

役者では聖職者のハビエル・バディムが怪演、最近やたらに映画に出ている感じのナタリー・ポートマンがすごい汚れ役で、さすがハリウッドで生き残るにはきれいなだけではだめなのね、とその根性に敬服する。

久しぶりに大人の映画を見て満足。


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蔵出しブータン写真館 2 機織

2008-10-18 01:19:48 | ブータン
ブータンに行くと今でも軒先で機織をする人の姿をごく普通に見ることが出来る。

 西の方では機織機を使うが
 幅は狭く、これを何枚もつないで一枚の布にする。

 東に行くにつれてより原始的なポンタという機になる。腰にまわしたベルトで縦糸を張るのだが
 これで複雑な模様も織り込んでしまう。
 ブータンの東端、タシヤンツェの村でもこの姿。
 村の中では染めた糸を干している所も見られた。

今では安くて簡単に鮮やかに染め上がる化学染料が人気だが
 昔はもちろん草木やラック虫などの天然の染料を使っていた。
 織物工房や土産物屋の中にはこれを売りにしているところもある。

 ブムタンでは縦糸を張っている所を見かけた。ペンの軸に巻きつけた色見本を見ながら二人がかりで大変な作業。

 同じくブムタンのヤタ織り工房
 毛糸のざっくりしたした布は織るのが簡単なためか、織り手はとても若い女の子達ばかりだった。


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蔵出しブータン写真館 1 秋景色

2008-10-16 02:01:15 | ブータン
戴冠式も近づき、心はすでにブータン。
久しぶりに昔の写真など引っ張り出してみた。

1998年10月の旅から

時期はちょうど稲の刈り入れ時期。
  
ティンプーの王宮、タシチョ・ゾンの周りでも稲刈りの真っ最中。パロの段々畑はよく見ると普通のお米と赤米がモザイクになっている。

ブータン人の必需品、唐辛子も収穫シーズン。
 
市場をカラフルに彩り、
 屋根の上も赤く染める。
 お寺の境内でも唐辛子が干され、
  
小坊主は生まれたばかりの子犬とじゃれる。

 ブムタン谷の空は晴れ渡り
 役人達はそろって日向ぼっこ。
 ブータンの秋は平和だ。


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山形の果物をお取り寄せ

2008-10-14 02:19:19 | 食べ歩き
先日山梨に行った時、スーパーで「秋姫」というプラムを買った。
これがとてもおいしくて気に入ったのだが、東京のスーパーには売っていない。
そこでネットで探してみると、さすが便利、山形の農産物お取り寄せサイトで発見。早速「秋姫」も入ったお得な果物詰め合わせセットを注文してみた。

 「味の農園」の果樹園福箱
洋梨2ヶ、和梨の豊水2ヶ、秋姫2ヶ、リンゴの昂林2ヶ、プルーン4ヶ、黄桃1ヶとブドウが1房。これで送料なし3000円だが、どの果物も甘くておいし~。

 秋姫はネクタリンほどの大きさ
 黄色い果肉はみずみずしくて甘く、適度な酸味もある。やっぱりおいしい~。

秋が旬の変り種プラムは山形と山梨で作られているようだが、さすがにもう出荷も終わりで、ぎりぎり最後の注文に間に合った様子。
これは来年も覚えておかなきゃ。

ラフランス・特産品の販売 味の農園


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器あれこれ

2008-10-10 01:38:09 | コレクション
器と言えば家の中にはあちらこちらで買い集めた品がいろいろ転がっている。

  
ウズベキスタンはサマルカンドで買った丼。一見真っ黒に見えるが実は濃紺で、よく見ると釉の下から模様が見えるのがお気に入り。
これを買った店ではなぜかお姉さん達が昼間からワインをあけていて、甘いワインをご相伴にあずかった。

 ハンガリー、センテンドレのスープボウル。
ハンガリーのグーラッシュはおいしいけれど、パプリカ味には3日で飽きてタイ料理に逃げ込んだ覚えあり。

 チュニジアの、確かスファックスで買ったもの。10数年も昔のことで記憶があいまいだが、焼き物屋さんがずらっと並んだ一角があってどれを買おうかと大いに悩んだ。

 シチリアの手書き皿。
思いのほかいい値段でびびったが、店の感じの悪いばばあが「うちは現金でしか売らないよ」といかにも「そんな現金持ってないだろう」と言わんばかりだったのでおろしたばかりの金をはたいた。そんなに貧乏そうに見えたんだろうか。

 イスタンブールのグランバザールで買ったイズニックの皿。
はじめ子ども相手に値段交渉していたが途中から兄ちゃんと交代。と途端に値段が跳ね上がる。「あの子はいくらと言ったわよ」と言うと、どうやら子どもは正直値段を言ってしまったらしく、兄ちゃんにこっぴどく叱られていた。でもおかげでこちらは適正値段で買えたし、バザールの交渉術の勉強にもなった。ぼくちゃん、ありがとう。

  
ベトナム、ホーチミンの有名店、「オーセンティック」の2階はまるで倉庫のような広さに陶器がゴロゴロ。見てまわるだけでも楽しく、出張で行くたびに買い集めていた。まだほしいものがいろいろあるんだけどなあ。

 ソウル、インサドンで買ったお茶碗。
これが使いやすくて、大のお気に入り。渋い色合いといい、さすが韓国は日本に近い。

器は重いし、持ち帰るのに気を使うが、無事に着いてしまえば実用的だし、使うたびに旅のことが思い出されて楽しい。
今度はどこで何が買えるかな?


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寺門広気展@国立

2008-10-08 15:03:32 | 国内旅行
アジア好きの旅人、Asiaxさんのブログで素敵な器を見かけた。
あんなのがほしいなあ、と思っていたところ、その陶芸作家の展示会があるとやはりブログで紹介されたので国立へ。

長年東京に住んでいるものの、中央線方面には縁がないので国立に降り立つのは初めて。お店の案内にしたがって線路脇を歩き、しばらく住宅街を歩いて、本当にこっちでいいのかなと思い始めた所でお店を発見。
 黄色い鳥器店
 お店の角にかかる看板がかわいい

中に入ると小さな店内は寺門広気さんの器で一杯。
  
益子で活躍する寺門さんは動物やロボットがお好きなようで、のびのび書かれた絵はどれもほのぼのしている。

手作りの器は当然、形も絵も一つづつ違うので、気に入ったミニボールを片っ端から並べてじっくり選ばせていただく。
で結局3点お買い上げ。
 手前の2点が寺門さんの作品。
蓋ものの器はAsiaxさんが紹介されていたものとそっくりで、手の中にすっぽり入る大きさがかわいい。 
形と絵が気に入ったミニボールは表にも鳥が4羽いる。


奥の白い小丼はまた別の作家さんの作品で、これは感じのいいお店の方と話しているうちに奥の棚までのぞいて買ってしまった。シンプルこの上ないが、とても使い勝手が良さそうだ。

この店、我が家から遠いのは幸いかもしれない。近くにあったら際限なく器を買ってしまいそうだもの。

Asiaxさん、素敵な陶芸家とお店の紹介、ありがとうございました。


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