9月11日 続き
嶽温泉から弘前市内に戻って来たのが15時過ぎ。
宿に戻るにはまだちょっと早いので、市役所前で降りて弘前公園を歩いてみた。
たか丸くんに導かれて広い園内を歩いて行くと
天守閣の頭が見えて、その前には工事展望台がある。
見るとお堀端の石垣を盛大に工事中。
ここには11年前に来たことがあったが、その時は天守閣は石垣の上にあってそのすぐ前まで行くことができた。
今はこの工事にためにお城は奥に曳屋され、入場料を払わなければ近くまで行くことができなくなった。
この石垣の改修工事、2015年に始まって2025年まで続くと言うから大変だ。
ほんのわずかに色付き始めた池端を歩いて北門から出ると
お向かいには江戸時代から続くという酒屋さん。ここは以前に中を見せていただいた。
お濠には水草がたくさん生えていて、蓮かと思ったら黄色い花が咲いている。
これは河骨(こうほね)という花だそうだ。
このお堀端をまっすぐ歩くと津軽藩ねぷた村に到着。
手前はお土産屋さん、その奥にねぷたの館というのがあるので550円を支払って入ってみると
暗い場内に灯の入ったねぷたが並び、太鼓の音が響き渡っている。
青森のねぶたは3D、五所川原のは背が高いが、弘前のねぷたは扇形が特徴とのこと。
昔のねぷたはずっと小さく、子供は男の子は金魚、女の子は巾着型の物を持ったそうだが
金魚ねぷたがかわいくて、干支まで作られている。
やがて津軽三味線の演奏が始まると言うので聞きに行く。
本日の演者は山田三絃会の佐々木さん。
津軽三味線は流派によって同じ曲を弾いても全く違う、と実演してくださるが、正直聞きなれないメロディーなのでよくわからない。しかし途中ぐずりだした子供のためにアンパンマンを即興で弾いてくれたのが楽しく、津軽じょんがら節はさすがの迫力だった。
この会場を出ると伝統工芸の実演販売があり、その先はお土産屋さんにつながっているのはお約束。
青森の「ねぶたの家 ワ・ラッセ」に比べるといささか地味な施設だが、津軽三味線を聞けたので良かった。
ここを出てまたしばらく歩き、カトリック弘前教会の見学へ。
中に入ると神父様が一人で祈っていらしたが、「どうぞ見学してください」とおっしゃって下さった。
この教会は明治末期に日本人大工によって建てられたものだが、正面の立派な祭壇は日本ぽくない。と思ったらオランダから譲り受けたものとのこと。
しかし教会内は畳敷き、ステンドグラスには岩木山やリンゴ、三味線など弘前らしい絵柄も見える。
解説までしてくださった神父様、ありがとうございました。
とホテルまで戻り、夕食は近くのお寿司屋さんへ。
「すし桜」さんはまだ去年の暮れに開店したばかりとのことでとてもきれい。
メニューを見せてもらうと税込み14000円超の蟹三大丼とかすごいのが載っていて、これを頼む人も結構いるのだとか。
しかし今日は近場の物でおまかせ、とお願いすると
最初からすごい大トロが来て、後はこはだの子供のシンコとか
深浦で獲れたのどぐろは炙りで。石垣貝というのは初めて食べたけれど、トリガイとミルガイの中間のような感じでとてもおいしい。その他にもいろいろいただいて
お椀は大将おすすめののどぐろ。これがお出汁が濃厚に出て、さすがのおすすめ。
と調子に乗っておすすめばかり11貫いただいたら食事代が宿代より高くなってしまった。
でもおいしかったからいいのだ。
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9月11日
今日も朝からいいお天気。
ごきげんで朝食会場に降りてみると和洋中となかなかの充実ぶりで
ホタテとリンゴの炊き込みご飯や十三湖のシジミ汁、イカメンチなど郷土料理を中心にいただく。
今日は駅前のバス案内所で岩木スカイライン往復乗車券2550円を購入。
弘前駅前からまずは枯木平行きの超満員のバスで嶽温泉まで50分。
20分待ってスカイラインシャトルに乗り換える。この先はくねくねした山道になるので心配したが、ちょうどみんな座れるほどのお客さんで一安心。
嶽温泉を出て、今日は昨日以上にくっきりと見える岩木山。
スカイラインに入るとその先は69もカーブが続く道。と言っても日光のいろは坂に比べると細かいカーブで、両側とも木が覆い茂っているので眺望はない。
それが50いくつかのカーブを曲がったあたりで急に視界が開け、海が見えて来たらもうすぐ終点。
8合目ターミナルまで30分。
バスが到着したらすぐ駐車場の端にあるリフト乗り場へ。1,000円の往復乗車券がバスの乗車券があれば半額になるのでありがたい。
この8合目から9合目へのリフト、現在は週末だけの運行。そのために珍しく日曜日に出かけて来たのだが
脚をぶらぶらさせながら10分上ると
眼下にこの絶景。爽やかな風が吹いて気持ちいい~。
振り返った先に見えるのが岩木山の頂上。ここから1時間ほどで山頂に行けるということでたくさんの人が歩いているのが見える。
がこの先は岩だらけの道、今回は重いトレッキングシューズは持って来なかったのでリフト乗り場付近をうろうろしただけでとんぼ返り。
下りのリフトは景色が良く見えてさらに気持ちよく
駐車場の先にはくねくねとしたスカイラインもちょっと見える。
8合目駐車場から見えているのは八甲田や八幡平。
ここには休憩所があるが、今は食堂がお休みで中華まんなどおやつぐらいしか売っていなくてかなり寂しい。
着いてから1時間後、乗って来たバスの折り返しでまた嶽温泉へ。
道路沿いには3軒ほどお店があって、テントの下ではこの近所で採れたリンゴも売っているが
この時期のここの名物はなんと言っても嶽きみというトウモロコシ。お盆過ぎから9月いっぱいしか食べられないという、これも今回の旅の目的の一つ。
というわけで早速茹でたものを一つ所望。
あこがれの嶽きみは思ったほど甘くはなかったが、さっぱりとしたおいしさでたちまち一つ食べてしまった。
お腹が満たされたら次は汗を流そうと温泉へ。
嶽温泉には7軒の宿があって、そのうちの山のホテルには以前に泊まったので、
今回はその隣の小島旅館さんへ。
狸が出迎えてくれる玄関を入ると大女将さんが出ていらして、400円を支払って奥の階段を二階へ。
ヒバを多用した浴室は明るくてきれい。2つに分かれた浴槽の奥は43℃ほどとちょっと熱め、手前は40℃ほどの適温。お湯はどこも同じ集湯槽の物だと思うが、pH2で酸っぱい硫黄泉は白く濁って気持ちいい~。
ゆっくりお湯に浸かったけれど、次の弘前行きのバスまではまだかなり時間がある。
そこでさっきとは別の店で今度は焼いた嶽きみ、300円。
醤油で味がわからなくなるかと心配したが、むしろ旨味が立って茹でたものよりこちらがおいしいかも。
目当ての物が2本食べられて、これで思い残すことなし。
今年は8月の雨の影響で収穫量がとても少ないそうだが、道路脇には売店がたくさん出てお客さんも大量買い。
岩木山神社の鳥居の向こうにも岩木山が見えて、今日はお山も満喫できた。
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9月10日 続き
三内丸山遺跡を出るとバスは津軽平野へ向かい、五所川原市をかすめてさらに北へ行く。
途中、線路上にリゾートしらかみの青池車両を発見。
今回の旅、当初の予定では秋田から五能線で青森に入ろうと思っていたのだが、8月の豪雨で岩舘から鯵ヶ沢間が不通になり、リゾートしらかみも運休。そのため予定を変更したのだが、不通区間の復興にはかなり時間がかかりそうで気の毒だ。
が、本日は幸いなことに素晴らしい晴天。稲穂が首を垂れて刈り入れ間近の田んぼの向こうには岩木山がきれいに見えてきた。
1時間のドライブでやってきたのは高山稲荷神社。
この神社は知らなかったが、大鳥居を入った所にある参集殿は立派で、ガイドさんによれば家内安全、商売繁盛、交通安全、縁結び、安産などなど、なんでもOKのありがたい神社なのだとか。
そこで早速もう一つ小さな鳥居をくぐり、急階段を上る。
鳥居脇のキツネは子供を抱いていてかわいい。
階段を上りきった上に拝殿があり、この軒下にも2匹のキツネ。
さらにこの裏に回ると、小さな祠の間から遠くに日本海が見えた。
しかしこのバスツアーにこの神社が入っているわけは実は本殿の参拝のためではない。
本殿の脇から階段を今度は下りて行くと
鮮やかな朱色の千本鳥居が蛇のように曲がりながら続いているのだ。
池に映る様など見ながら進めば結構あっさりと小高い所に設けられた展望台に着いてしまう。と言うのも千本鳥居といいながら実際にはまだ202本しかないからなのだが
記念品としてもらった絵葉書を見ると、これは「映える」。ただしこの光景はドローンを使わない限りは見られないのが残念なところ。
神社の滞在は30分でまた移動。
この辺りには風力発電の風車と沼が多く、水の中に見えるのはジュンサイだそうだ。
五能線をまたまたいでやって来たのは鶴の舞橋。
鶴が羽を広げたような形のこの橋は全長300mで木造の橋としては日本一、青森らしくすべてヒバでできている。
雑誌で見てぜひ来てみたかったこちら、五所川原から近いものの公共交通機関では来にくくて、このバスツアーに参加したのもこれが見たかったからなのだ。
ゆるく弧を描く橋を渡れば正面には岩木山が美しく見えて、これは来る価値があった。
ツアーの最後は鶴の舞橋がある鶴田町の「道の駅つるた 鶴の里あるじゃ」。
建物は3つに分かれていて、屋根に鶴が乗っているのはパン屋さん。
ここは大きなパンを売りにしていて、あんぱんやメロンパンなど直径が20㎝ぐらいある。
真ん中の棟は土産物屋さん。
かなり広くて充実の品ぞろえ、中でも鶴田町はスチューベンというブドウの生産が日本一とのことでワインがいっぱい。
さらに3つ目の農産物直売所を覗いてみると
ブドウにリンゴ、洋ナシがいっぱいで安い!しかし旅の初日ではこれを買うわけにはいかない。
帰路は実がいっぱいなったリンゴ畑を見ながら走って、予定より10分早く、17時10分に新青森駅に到着。
行きたい所に効率よく行けたし、ガイドさんは楽しかったし、JRのバスツアー、なかなかいい。
新青森からは在来線を使って弘前に移動。
今回は駅前のアートホテル弘前に2連泊。
今夜は新青森駅で買ったお弁当と鶴田で買ったスチューベン大福を部屋でおいしくいただいて
ふと見ると駅の上に中秋の名月がそれはきれいに見えた。
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厳冬の1月以来の大人の休日俱楽部パスの旅、また北東北に足を延ばしてきた。
今回はネット予約限定のパス、年寄りもネットに親しめるようにとのJR東日本のありがたい配慮か?(笑)
9月10日
東京駅から7時30分発のはやぶさで出発。
朝早いのに大宮を過ぎると車内はほぼ満席。久しぶりの土曜出発、旅行客もだいぶ戻って来たようだ。
大船軒のサンドウヰッチを食べて、3時間20分で新青森に到着。
ねぶたでいっぱいの駅構内。
新幹線のねぶたがかわいい。
天気のいい駅前で待つこと30分。
JRの観光バスがやってきた。本日の乗客は20人。
今日は一日ガイドさん付きのこのバスで青森県内を回るのだ。
新青森駅を出てわずか10分で最初の目的地、三内丸山遺跡に到着。ここでの自由時間は70分。
そこで急いできれいな通路を通り、トンネルを抜けて外へ出る。
目の前には広々とした公園が広がり
左手に復元した縄文時代の村が見える。敷地自体はかなり広いが建物の数は多くなく、吉野ヶ里に比べるとだいぶ地味だ。
ピーカン晴れの中を歩いて、まずは一番目立つ大きな櫓とその下の建物へ。
いずれも柱の跡の大きさ、間隔から割り出したものだそうだが、紀元前2800~2600年前のものとのこと。
吉野ヶ里の時代より2000年以上古いと考えるとさすがにすごい。
このすぐ脇には銀色のドームがあって、この中にも大きな柱の跡がある。
内部は温度と湿度を保つために空調が効いているので、暑い中を歩いてくるとホッとする。
高床式の建物に
竪穴住居。屋根の上に草が生えているさまは最先端のエコ住宅みたい。
こうした住居跡は550棟以上も見つかっているそうだが
一部は小学校の体験授業にも使われている様子。
園内ではボランティアガイドさんの説明もあって、時間があればこれを聞きながら回りたかった。
が限られた時間なので入り口の大きな建物に戻り、常設展示室を見学。
するとここが小さなミュージアムながら予想以上の充実度で
縄文時代の暮らしを紹介。
土器は一番古い時代から新しい時代まで1700年もの年代差があるので、形や技術の進化がわかる。
しかしここで一番面白いのはたくさん出土している土偶。
八戸の是川遺跡より1000年から2000年も古いものなのでずっと素朴だけれど、これはこれで味わい深い。
この建物の奥には土器の復元などをする作業室があり、地下にはすごい数の土器の並ぶ収蔵庫。
土器のかけらが並ぶ壁などもあって、ジグソーパズル好きとしてはこの復元作業というもの、一度やってみたいと思う。
吉野ヶ里よりしょぼいなんて思ってすいません、縄文時代はやっぱり弥生時代よりおもしろいし、こちらの施設も大したもの、と感心して見学エリアを出ると
ショップの土偶クリップにも心惹かれつつ
満席のレストランから栗ソフトの小さいパフェをテイクアウトしてお昼代わり。
これで70分はタイムアップ。「ちゃんと見るには2時間は必要な遺跡です。せわしなくてすみません」というバスガイドさんのお詫びを聞きながら次の見学地へ向かう。
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前日のお散歩が楽しかったので、帰宅日の朝も早起きして宿のイベントに参加。
参加者の顔ぶれを見ると半分ほどは前日と一緒。
連泊しているだけではなく、何回もこちらの宿に泊まってお散歩に参加している人たちもいるようだ。
本日のコースは前日とは逆方向、日進館とプリンスホテルの間にある牛池の周りを歩く。
牛池は周囲200mの小さな池だけれど、強酸性という水は澄んで底に繁茂した藻が見え、周りの木や草も映ってきれいな緑。
この池の右手に行くと草の間に赤っぽいものが見えて、これはモウセンゴケ。
細かい繊毛に水滴が付いている。
この先の湿地帯には木道が伸びていて
周りにはかわいいウメバチソウがいっぱい。
ここから左手にちょっと上って行くと
プリンスホテル横のスキーゲレンデに出た。
とても景色がいいけれど、リフトの下に見えるテニスコートはしばらく使われたような様子もなく、万座のスキー客もずいぶん減ってしまった、とガイドのおじさんも寂しそう。
ここからまた池の方へ戻る道には大きな木がいっぱいあって
足元には様々な色形のきのこ。枯れ木にいっぱい生えていたのは舞茸の一種だそうだが、「これは食べられません」。食べられるきのこが生える所はみんなナイショにするらしい。
今朝も一時間の散歩、万座の散歩コースはほぼこの2つだけれど、季節が変われば見られるものも変わるだろう。
このおじさんの名ガイドならリピートするのも頷ける。
散歩の後は極楽湯に入り、朝食をいただいて、11時出発の送迎バスで軽井沢へ。
途中、また鎌原村で10分の休憩があったので嬬恋村農産物直売所の中へ。
一番の売りはもちろんキャベツだけれど、これは持って帰るのに重すぎる。ということでこれもたくさん並んでいたトウモロコシを購入。壁の張り紙によるとここでは17種類のトウモロコシが買えるとか。
宿を出る時に降り出した雨は1時間半の道中、結構激しく降っていたが、軽井沢駅に着くとちょうど止んでくれた。
駅前のアウトレットをちょっと覗くも買いたいものもなく、あるのは食欲だけなので
旅の締めは駒ヶ根に本店のある「明治亭」へ。
こちらで食べたかったのは伊那のソースカツ丼。ということでヒレカツ丼をお願いすると
うわっ、と思わず声が出るほど4枚のカツが屹立した丼が登場。そのカツを蓋に移動させるとその下にたっぷり載っているのはキャベツ。
カツは福井や新潟ほどではないけれどやはり薄く、衣も細かくて薄くて好みにぴったり。ソースはやや甘口で他の2つよりも濃いめ。おかげでキャベツがとてもおいしく食べられる。
がカツは2枚でもうお腹いっぱい。なので持ち帰りたいというと店のおじさん、当然と言う感じでソースと袋もセットされたプラスチック容器をくれた。やっぱり持ち帰る人が多いのね。
で持ち帰ったカツを家でカツサンドにするとこれがまたおいしい。
カツ丼はソースカツ丼に限る。
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万座日進館では毎朝6時からスタッフが案内してくれる早朝散歩というイベントがある。
そこで時間に玄関に出てみると、参加者は10人ほど。我々を含めて平均年齢が高いのは予想通り。
案内役はベテランのおじさま。
玄関を出て、まずは湯畑方面へ。
左手にかわいらしい薬師堂があるが、よく見ると屋根の下はカエルになっている。
この脇の階段を上って行くと途中には熊除けの鐘があり、至る所に熊注意の看板が。
おじさんによるとこの周辺によく出る熊が4頭ほどいるらしい。
小さな橋の下を流れるのは万座川。きれいだけれど強酸性で魚も住めないとか。
階段を上って行くと展望台があり
プリンスホテルの全景が見えるが、よく見ると露天風呂に裸の人たちまで見える。
ここから少し下った所にある「湯の花旅館」は一見廃墟のようだが、サルノコシカケを入れたお風呂が自慢で、ネットで見るとまだ営業中の様子。
その隣の「松屋ホテル」の方は残念ながら廃業してしまったとのこと。
この辺りには花がいっぱいで、もうリンドウも咲き始めている。
8月最終週のこの時期、例年ならば朝は10℃近くまで下がるものが今朝は16℃もあって暖かいとのことだが
アキノキリンソウやヤナギランなども咲いて、さすが標高1800mはもう秋の気配。
周辺にはコケモモやシラタマノキ、ブルーベリー、ガンコウランなどベリー類もいっぱいで、
おじさん「どんどん食べてみてください、この辺は国立公園で本当は採っちゃいけないんだけどね~」。
周りにたくさん生えている熊笹も「乾燥させるとお茶になるよ」となんでも詳しくて
ハナゴケというこれは「モンローの唇とも言うんだよ」って、そう見えないこともない。
ぐるっと歩いて湯畑まで戻ると、案内のおじさん、立ち入り禁止の綱が張られた中にも入って源泉を見せてくれる。
温泉の歴史にももちろんくわしくて、1時間の早朝散歩、楽しかった。
ところで薬師堂の脇の階段はもっと先まで続いているので、湯めぐりから戻った後、友人と二人で登ってみた。
途中には小さな鳥居の立つ熊四郎洞窟。
さらに息を切らせながら上ると見晴らし台があって、その先の岩の間には小さな穴がある。以前はここを胎内くぐりのように抜けて山の頂上まで行けたそうだが、岩が穴に詰まってしまって抜けられなくなったとか。
爽やかな風の吹く見晴らし台から日進館の全貌を確認して宿に戻った。
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万座温泉に公共浴場はないが、温泉宿は現在7軒営業中で、そのうち6軒は湯めぐり手形というもので入ることができる。
これが宿のフロントで購入した湯めぐり手形、1300円。
木札の裏にはシールが3枚あって、これで購入した年の終わりまで3か所のお湯に入ることができる。
万座の立ち寄りは一か所1000円以上の所がほとんどなので、この手形は本当にお得。
ということで万座滞在2日目、日進館以外のお風呂に入りに行く。
まずは万座温泉の中でも一番大きくて目立つ万座プリンスホテルへ。
軽井沢駅にも日進館と同じ時間に送迎バスが来ていたが、こちらは大型バスにお客さんがいっぱいだった。
広いけれどがらんとしたロビーで手形を見せると、「混浴は入りますか」とお姉さん。
ここは混浴露天の景色が売りなので、300円のレンタルバスタオルを借りる。
ロビー奥の階段から下に降りて行くと一番下の突き当りにあるのが「ななかまどの湯」。
浴場に入るとすぐに内湯があるがここは体を洗うだけでほぼ素通りして、すぐに露天へ。
手前には女性専用露天の浴槽が2つあり、壁の向こうが混浴露天。
写真はHPから
目の前は景色が開けて確かに解放感は抜群。
しかし酸性・含硫黄‐マグネシウム・ナトリウム・硫酸塩泉と日進館と同じ泉質のこちらのお湯、源泉温度が70℃以上と熱いので相当加水しているのだろう、ホテルの周辺に硫黄臭が充満している割にお湯はそれほど香りもせず、薄く濁ってはいるが温泉らしい浴感もあまりない。
それ以上にがっかりしたのが浴場全体に漂うくたびれた感じ。
浴槽の底のペンキは長いこと塗りなおしていないのか色がまだらだし、妙な段差も気になる。
陽が照ってきたが日よけもないので、女性専用の小さな浴槽がちょうど壁の影で湯温もぬるめなのでそちらでしばし湯浴み。
出るとお昼をまわった所だし、宿泊施設以外に食事ができる所もないのでプリンスのレストランへ。
大きな窓から外の緑が見えていい景色だが、こちらも何やらスタッフが少なく、メニューもお高いわりに食指が動かない。
そこでケーキのケースに入っていた焼きミルクなるものを頼んでみると、一見クレームブリュレのように見えながら焼いた砂糖の下には生クリームの層、その下にはベリーの入ったミルクという変わったお菓子。甘すぎることもなく、これはおいしかった。
ところでこちらの食事にはすべてドリンクが付いているが、熱いのも冷たいのもすべてセルフサービス。
設備もサービスもなんだかやる気がないねえ、と話していたところ、こちらのプリンスホテルはシンガポールの投資会社に売却されてこれからどうなるのかわからないのだ、と後で日進館のおじさんが教えてくれた。
なるほど納得、プリンスの凋落ぶりがまざまざ。
プリンスホテルを後にしたら少し坂を下って道なりに進むと
道の下からはガスが上がって、道路脇には「ここで立ち止まるな」と注意書きがある。中毒になっては大変、とここを急いで通り過ぎると
看板があって、その先の細い道を200mほど進むとホテルジュラクが見えてくる。
ジュラクと聞いてマリリン・モンローまがいの金髪が「ジュラクよ~ん」というCMを思い出すのはたぶん50代以上(笑)。
こちらのロビーは小さいながらもいい雰囲気で、お客さんもプリンスよりも多い。
こちらも大浴場は階段を降りた所。
男女の浴室は入れ替わりがあり、違いは露天の浴槽が1つか2つ。この日の女湯は浴槽1つだったが
源泉温度43.7℃で加水なしの単純硫黄泉は入ればわかる濃厚さ。
お湯をなめてみると日進館のお湯が酸っぱいのに比べてこちらは苦い。ツルスベ感もあり、
目の前には煙の上がる空吹も見えていいお湯だ。
露天で言葉を交わした群馬在住の方は月に一度はこのホテルに来ているそうで、やはりプリンス経営の万座高原ホテルにも泊まったことがあるが「食事がおいしくなくて」とのこと。
ジュラクにしろプリンスにしろ、昔のイメージとはずいぶん変わっているようだ。
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イギリスのエリザベス女王が崩御された。
ついこの間在位70周年の盛大なお祝いがあり、ほんの2,3日前に新首相と挨拶している場面が紹介されていたのでびっくり。
母上の Queen Mother のように100歳以上に長生きされるのだろうと思っていたが、90歳を超えればいつ何時こういうことが起こるかわからないのだなあ、とおこがましいが同じく90歳越えの親を持つ者として考えてしまった。
が、実は驚いたのは偶然昨日からこんな本を読み始めたところだったから。
邦訳は「エリザベス女王の事件簿」だが、原題の「The Windsor Knot」が実に気が利いている。
というのもこれはウィンザー城内で絞殺事件があり、なんとエリザベス女王が安楽椅子探偵としてアシスタントを使いながら謎を解明するというお話だから。
まだほんの読み始めだが、女王の豊富な思い出の中に有名人の実名が次々に登場して、中でも女王陛下のコーギーがプーチンのかかとにかじりつきそうになったというくだりには吹き出してしまった。
城内の日常の描写などどの程度本当なのだろうと思いつつ、このタイトルでこの内容、王室の許可を取っていないということはあるまい。
女王は007やパディントンとも共演されたし、この懐の深さ、さすが大人でユーモアを解する国だと感心する。
女王陛下は当然国葬になるわけだが、ほぼ同じ頃に国葬が行われるどこぞの国、国葬とは本来どのようなものであるべきか、思い知らされるであろう。
厳格に見えながらディック・フランシスの愛読者でもあられたという方をしのびつつ、ミステリーを楽しませていただこう。
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日進館にはお風呂場が3つある。
一番大きいのは正面玄関脇にある「長寿の湯」。
こちらのお風呂の男女入れ替えはなくて、その理由は外から浴室棟を見ればわかる。
左手が女性、右手が男性なのだが、男性の露天の柵は低くて中が外の通路から良く見える。朝など浴槽から出て通路側を向いてくつろいでいる殿方もいて、見えているのがわかっているのかいないのか。
浴室内はHPから
木材がふんだんに使われて落ち着いた大浴場内には浴槽が6つ。源泉温度が70℃と高いのでほとんどの浴槽のお湯は加水されて40℃の適温になっているが、姥湯と名付けられた小さめの浴槽だけは源泉100%とのこと。なぜか他よりもぬるめになっていたが、なめてみると若干の苦味とそれよりもかなり酸味がある。
硫黄をたっぷり含んだお湯の色は露天が他よりも真っ白に濁っていたが、宿の人によると日進館内のお湯はすべて混合泉で同じとのこと。どれだけ空気に触れたかでお湯の色が変わるので「効果が違うと思うのは気のせいです」ときっぱり。
新館にあって我々の部屋に一番近かったのは「万天の湯」。
名前の割にここは内湯だけなのだが、他の棟からは遠いためだろう、入る人はめったにいなくて、落ち着いて入れるのでよかった。
しかし日進館で一番いいお風呂は玄関を出て50mほど歩いた先にある「極楽湯」。
物置小屋のような外観で中の脱衣場なども簡素が作りだが
ちょっとしたトンネルを出た先にある露天が景色といい、お湯といい、最高の気持ち良さ。
お向かいには他の旅館の建物が見えて驚くが、後で確認すると既に閉鎖されたお宿。湯畑の上の遊歩道からも見えるとは思うが、この景観の方がずっと大事。
万座まで来た甲斐があった。
お湯を堪能していればお腹がすく。
日進館の食事処は1ヶ所で朝も夜もビュッフェ形式。
入り口でビニール手袋を渡されて中に入れば
たくさんの料理が小鉢に入れて並べられている。新玉川温泉ほど品数はないけれど、野菜を多く使った料理は味もいい。
スタッフにはネパール人が何人かいて、食堂に入ったとたんにスパイシーな香りがしたのはこれだったか、とキーマカレーをいただく。
サラダのコーナーにはビニール袋が用意されていて、ここに好きな野菜とドレッシングを入れてぶんぶんせよ、は気が利いている。
デザートコーナーもなかなか充実していて、ソフトクリームは自分で出せるし、自分で作るどら焼きも大人気。
で、つい食べすぎる。
日進館には2泊したが、ビュッフェの内容は結構変わっていて
2泊目はおそばやおでんをおいしくいただいた。
朝食も初日は洋食
2日目は和食で飽きることなく、これなら長逗留も大丈夫そうだ。
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東京もやっと少し暑さがおさまって来た8月末、友人と万座温泉に行ってきた。
当初は暑い盛りの月初めに行くはずが、双方の都合で月末になってしまったのだ。
東京駅から乗った上越新幹線は各駅停車の「あさま」だったが、それでも1時間15分で軽井沢到着。
平日でも大盛況のアウトレット側出口に宿の迎えのバスが来てくれる。
5組ほどの客を乗せて、バスは14時に軽井沢を出発。
鬼押出しの前を通る有料道路を行くこのバス、公共バスなら往復6000円かかるとか。これが無料なのだからありがたい。
出発から1時間ほどの嬬恋村農産物直売所でトイレ休憩。
キャベツ出荷量日本一と誇らしげな看板が出ているが
その向かい側には「ポンペイ&嬬恋村 友好協定締結」と書いてある資料館があって
下の小さなお堂に降りる階段には「日本のポンペイ鎌原村」の文字がある。
この鎌原村とは江戸時代に浅間山の噴火でポンペイのように火砕流に飲み込まれてしまった村なのだそうだ。
ここを出るとすぐにJR吾妻線の万座鹿沢口駅がある。
高架になった駅に電車が停まっているのが見えるが、ここから予約をしたお客はいないらしくて素通り。
ここから山道を上がって、万座のホテルが見え始めると車内にも硫黄の匂いが漂いだし、軽井沢から1時間半で今夜の宿、「日進館」に到着。
看板に「日本一の高地温泉」とある万座は標高1800m。
立山のみくりが池温泉は2430mだが夏季だけの営業、長野県の高峰温泉は1950mだけれど一軒宿、通年営業の温泉街としてはここが日本最高所なんだそうだ。
大きな売店もあるロビーは広いが、バスで到着したお客は広間に通されて一斉にチェックイン。
部屋の鍵と一緒に渡された地図を見ると4棟に分かれた館内はなんとも複雑な造りで、特に我々の部屋がある新館は一番奥。部屋にたどり着くのになんとエレベーターを3回も乗り換えなくては行けなくて、館内を歩くだけでもいい運動(笑)。
ロビーから7,8分もかかってやっと部屋に到着。
今回はベッドと畳スペースのある35㎡の広い部屋。壁のTVがベッドから見るには小さすぎるのだけが不満の種。
暖房はあるけれどクーラーはない部屋の窓を開けると、おお、さすが空気が爽やか。
ぐんまちゃんのお水にお茶類もたくさん用意されているのでお饅頭をいただいて一息。
さて、では周辺の偵察に行こうとまた館内地図を見ると、ゆけむり館という所から外に出られそうなので行ってみる。
このゆけむり館は湯治の長逗留者向けの部屋らしいのだがあまり使われていないのか廊下から暗くて、こっちでいいのだろうかと迷いながら行くと階段がどんどん下に降りて行ってますます暗くなる。二人だからいいけれど、一人だったら絶対こんな所来ない、なんて言っているうちにやっと出口が見つかって
出てみるとこの辺りはまるで大昔の学校みたいな建物。
目の前には湯畑があって硫黄のにおいが充満。
しかし元々の日進館はこの河原にあったものが水害で倒壊してしまったのだとか。
現在の日進館の全景はこちら。
下の木造から儲かるごとに上へ新しい建物が作られた、とは宿のおじさんの話。我々の部屋があるのは一番高い所にある白い建物。
さあ、それではお風呂に行こうか。
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