Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

JALで「Dr.パルナサスの鏡」「NINE」「マイレージ、マイライフ」

2010-04-29 00:55:57 | 機内食・映画・美術展
ANAじゃやだ、やだ、とだだをこねたら今回の出張はJALにしてもらえた。

 機内食はまた一段としょぼくなってるけど

やっぱり映画のセレクションが好みにぴったり。道中長いおかげで映画三昧させてもらえた。

「Dr.パルナサスの鏡」

まずは大好きなテリー・ギリアムの新作から。
主役のヒース・レジャーが急死して、またも撮影中止かと思われたところで奇跡の逆転が起こって公開にこぎつけたという曰くつきの作品。

相変わらずテリー・ギリアムの創造力はすごい。モンティパイソンの頃を思い出させるようなイメージがてんこ盛りで、この人のイマジネーションは年をとっても衰えを知らない。

ただこれも前作の「ブラザース・グリム」と同じファンタジー系で、これがちょっと不満。
テリー・ギリアムには「未来世紀ブラジル」や「12モンキース」のようなダークなSFをもっと撮ってほしいのだが、イマジネーションがあふれすぎてストーリーの方にはあまり興味がないのだろうか。もうひとがんばりしてほしいなあ。

「NINE」

フェデリコ・フェリーニの「8 1/2」を元にしたミュージカルの映画化。
全編フェリーニへのオマージュにあふれていてフェリーニ・ファンとしてはうれしい映画、というかフェリーニを知らなければ面白くないだろうな。

配役がとても豪華で、特にペネロペ・クルスの色っぽいこと。スタイルはいいし、演技もうまい、その上ダンスも踊れるなんて、いまもっとも脂が乗り切っている感じ。
ジュディ・デンチのナンバーもさすがの貫禄ですばらしいし、ソフィア・ローレンなんて出てきただけで涙が出そう。現代医学の力を大いに借りているのだろうが、この人の変わらなさは奇跡のようだ。

ミュージカルとしてもかなり良くできているこの映画の不満は一つ、曲があまりにもアメリカンなところ。もともとブロードウェイ・ミュージカルなのだからしかたないが、時々はさまれるニーノ・ロータ風の曲を聴くと、やっぱりフェリーニにはニーノ・ロータじゃないと、と思ってしまう。

フェリーニがミュージカルを撮っていたらどんな映画ができただろうか。

「マイレージ、マイライフ」

出張の最中に見るものとしてこれほどぴったりの映画があるだろうか。
荷物の詰め方からチェックインの仕方、いかに効率よくセキュリティを通るかにプライドをかけているところなんて大爆笑。
出張族なら誰でも、多かれ少なかれこの主人公と同じような感覚があるはず。1000万マイル達成者の特別なカードなんて本当にあるんだろうか。

予定調和のラストになるかと思わせてはずすところもなかなかいい。
「JUNO」も面白かったし、この監督、ジェイソン・ライトマンはかなり好きかも。

それにしてもこの映画、ANAではやっていなかったのはこれがアメリカン航空全面協力だからだろうか。
だとしたらずいぶんケチくさいぜ、スタアラチーム。


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バンコクの市場をうろうろ

2010-04-27 02:19:20 | 東南アジア
バンコク2日目の仕事先はいつもいる市の中心部からチャオプラヤー川を渡ったところ。

道中、仕事相手のお姉さん曰く、「アピシット首相はイケメンで名家の出身、海外で教育も受けてタイの政治を近代化しようとしている。でも性格が良すぎてリーターシップがない。それで海千山千の昔風の政治家、首相時代に私服をたんまり肥やしたタクシンのような人に対抗できないの。」

う~ん、イケメンの部分はともかく、なんとなくどこぞの首相に似ているような。

着いたところは下町の市場。
「デモ隊に占拠されている場所からはずっと離れているし、隣の病院には王様が入院中だから、ここはバンコクで一番安全よ!」
 

ローカルの市場となればこれは覗かずにはいられない。
というわけで、仕事を終えた後は市場の中をうろうろ。
 

安い衣料品や雑貨を求めて大勢の人でにぎわっているが、その合間にはおやつの屋台
 
こんなところにまで王様の肖像が飾られている。

 
パリパリした皮の中に鶏卵そうめんのような甘い具を入れたものは大小あり

 
薄いクレープの中にはソーセージを巻いていたけど、わざわざ飾りをつけているのがかわいい。

 この渋いおばあちゃんはぜんざい屋さん

 
さらにはたくさんの総菜屋さんがあって、そのにおいにくらくら。
 いい色に煮込まれたモツと卵にも激しく惹かれたが

 
やっぱりタイに来て麺を食べずには帰れない、とこのお兄さんに牛筋煮込み入りの細麺をお願いする。
と、これがピリッと濃厚なスープでおいし~。

小ぶりのどんぶりはあっという間に空になって、もうちょっと食べたいなあ、と思って見ていると、目の前に座った病院職員らしい若い男女の3人組はそれぞれいっぺんに3杯づつ頼んでいる。なるほどねえ、1杯たったの20バーツ(約60円)だもの、こうやって頼むんだ。

市場を満喫したらすぐ脇にある船着場からチャオプラヤー・エクスプレスに乗れる。
 
地元の人、お坊さん、それに外国人観光客も乗せた船で川をビューン。
 オリエンタル・ホテルの船着場まで30分もかからなかった。

そして夜は、実はバンコク市内にたくさんあると最近知ったレバノン料理屋で
 タブーリ・サラダにグリルド・キッベ。
レモンミントジュースもついて完璧。

また新しいお楽しみを発見したところで無事、日本に帰ってきた。


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本日(4月23日)のバンコク

2010-04-24 04:01:40 | 東南アジア
よんどころない事情によりまたバンコクに来ている。

「今時ここに来るってことは仕事だね」とドライバーに言われる状況のバンコク、BBCのニュースなど見るとレポーターは防弾チョッキにヘルメット姿だし、まるで街中内戦状態かと思ってしまうような報道のされ方だが、実際来てみると空港から市内への道にはなにも変わったところはなく、街には車と人がいつものごとくあふれている。

定宿でも大きな結婚式があるとかで思いがけない大盛況。
しかしデモ隊の占拠している通り沿いだけは大型ショッピングモールもホテルも休業中とかで「従業員は困っている」って、そりゃそうだろう。

ホテルに一日こもって仕事を終えた夕方、肩こりをほぐすため行きつけのマッサージ屋に行くことにする。
歩いてBTS(モノレール)の駅のある交差点まで行くと
 
くだんの占拠された繁華街への道がタイヤでブロックされ、片側一車線だけかろうじて車を通している。
バリケードの向こうには赤シャツ党員とおぼしき人影もちらほら見えるが緊迫感はまるでなし。
でも幹線道路がこれじゃ大変。

やっぱり頼りになるのはBTSだわ、と駅についてみると
 繁華街にある3駅の閉鎖は仕方がないとして、なんと「本日の運転は午後6時まで」

すべりこみセーフだったか、とホームに上がってみれば
  
ホームにはいつにない人の波。もうすぐ運転の終わってしまう電車に乗ろうとみんな帰りを急いでいるのだろうが、なにしろ満員電車に慣れていないタイ人、来た電車が混んでいると乗れないし、乗っても詰め方を知らない。日本だったらこの5割り増し乗れるのに、と思ってしまう日本人の方が異常なのかもしれないけど。

いつものマッサージ屋できっちり2時間もんでもらったあとは、どうせタクシーもなかなか捕まらないだろうし、と3駅分を歩いて帰ることにする。

しかし27,8度はありそうな熱帯の夜、さくさく歩くとすぐ汗だくになってしまう。
そこでナナ駅まで来たところで夕飯どころを物色。
  
ここいら辺はインド人街なので、今夜は小奇麗な店でカレーにしよう。

マレーシア生まれのインド人がタイで開いたと言うレストランでいただいたもの:
 パプリ・チャートは小さなセモリナのおせんべいにヒヨコマメとポテトサラダを乗せ、ヨーグルトとケチャップのようなソースをかけたもの。見た目はあまり良くないが、これが意外なほどおいしい。おせんべいがお腹で膨れると知りつつ、ついパクパク。
 ベジタブル・コルマはクリーミーなソースで、パイナップルも入っているのでかなり甘い。辛さはほとんどなくて、でも今日はこれがおいしく感じる。一緒に頼んだロティが粉の味がして秀逸。
 マンゴーサラダ。唐辛子がたくさん乗っているがこれも辛さはまったくなく、ほんのりとスパイスの香りがしてミントがたっている。紫蘇のようにも感じたが、マンゴーと紫蘇って意外に合うかも。

お会計をしてみたらちょっとびっくりの高級店だったが、どの皿もとてもおいしかったのでよしとしよう。

デモ隊の影響はありながらも、今夜のバンコクは平和だった。


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台北の仇をシンガポールでとる 

2010-04-23 03:20:00 | 東南アジア
今週はシンガポールでお仕事。

こんな真っ赤なビルが仕事先だったのだが、これがなんと元交通局だとか。
 
一階の中庭にはレストランやカフェ、ちょっとした美術館も入っていて、この国は古い建物を生かすのが上手だ。

毎日夕方には雷雨となる熱帯での仕事の合間、香港でやられたお腹もようやく元に戻ったようなので、台北で食べられなかった恨みをここで晴らす。

と言っても所詮B級好みなもので
 どローカルなフードコートでインドネシア料理とか
 ホーカーセンターでフィッシュヘッドカレーとか。
でもこういうのを食べられるのが楽しいのだ。
 シンガポールならこんなおしゃれなパンケーキだって食べられるし。

仕事が一段落した今日はオーチャード通りに新しくできたショッピングモール、IONオーチャードと言うのに行ってみた。
 交差点の一等地に建つモールの中は高級ブランドから若者ブランドまで、なかなか使える店も多くて財布がゆるむ。

しかし一番興味があるのはもちろん地下。
日本のデパ地下同様、ここには食べ物が揃っているのだが、さすが新しいモールらしくとてもおしゃれな造り。
 
シンガポールらしく各国の料理が並ぶ中、やはり日本は人気らしくて、日本人シェフのパン屋とか、北海道ソフトとか北海道蒸しパンとか、日本では聞いたことのないものがいい場所を占めている。
北海道はなぜかアジアでブランド化しているのだ。

そしてアジアのモールなら必ずあるフードコート。
 ここは Food Opera と称している。

シンガポールらしい店がたくさん並び
 
ヨントーフや南インドカレーにも激しく惹かれつつ
 結局大好きなバクテーを選択。
ここのは前回食べた店には劣るが、スペアリブのお肉がやっぱりほろほろと柔らかくて、どろりと甘いしょうゆにつけて食べるとおいしい。かなり胡椒の効いたスープは少なくなるとやかんで熱々を継ぎ足してもくれる。

このバクテー、食事としてはご飯か油条(揚げパン)と食べるものらしいが、本日はスープのみ。だって他にもいろいろ食べたいんだもん。

と言うわけで2皿目
 豚薄切り肉、ひき肉、レバー、つみれにワンタンと具沢山の汁なし麺。麺の底に入れられたタレが酸味が利いていて、でもこれは細い小麦粉麺にすればよかった、ときし麺のような米麺を選んだことを後悔。

そして締めのデザート
 アイスカチャン。やっぱりシンガポールに来たらこれを食べないと。
これも氷の下に隠れたあずきとゼリーがおいしい。

最後はインドネシア菓子まで買って
 台北の貸し(?)は十分に取り返した感じ。

結局、香港ダイエットの効果は1週間しかもたなかった。


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東チベット・雲南の旅 1 ラサへ

2010-04-18 14:44:55 | チベット文化圏
2010年3月15日から27日まで 東チベット・雲南の旅

3月15日

おなじみS社のツアー「てん蔵公路2000km ラサから麗江へ」に参加のため成田へ。
今回は総勢14名、珍しく女性より男性が多いが、「壁画オタッキーズ」の知り合い2名も一緒なのでお気楽。

夕方の中国南方航空で広州へ。
空港内のホテルで夕食をいただいたら初日は終了。

3月16日

朝8時の便でラサへ。
と言ってもホテルが空港内なので楽ちん。
 広州の白雲空港はとにかくばかでかい。
 途中経由した重慶の空港も拡張工事中。この国で拡張していない空港なんてあるんだろうか。

午後1時に無事ラサ空港到着。
 
この空港もボーディングブリッジまである立派な空港になったが、構内にやたらに掲げられた五星紅旗にチベット・サポーターとしては早くもムカつく。

 空港にはこれから一緒に旅をするチベット人ドライバーたちが四駆で待っていてくれた。
これに分乗し、
 
ヤルツァンポ川を渡り、トンネルを通ってラサ市内へ向かう。

1時間強のこの道、路傍のチベット家屋の屋上にこれまた五星紅旗がやたらに掲げられている。以前はチベットの五色旗だけでこんなものは見なかったのに。
そして今までは市内までノーチェックだったこの道筋に何箇所も公安のチェックポイントがある。我々が止められたのは3回、いずれも短時間で済んだものの、チベット蜂起記念日のある3月、中国側がピリピリしているのがよくわかる。

やがてラサ市内に到着。
 ここは来る度に道が広くなり、ビルが増えている。
おかげで10年前、初めてラサに来た時は市内に入るずっと手前から見えたポタラ宮が、市内に車が入ってもまったく見えない。

今夜のお泊りは「新鼎大酒店」
 
新しいホテルのようで中はきれい、部屋には大きな酸素ボンベも置かれている。

このホテルのベランダに出ると
 ああ、やっとポタラ宮が見えた。
だが手前の市場らしき建物は取り壊しの最中、周りにはどんどん新しいビルを建築中で、あの立派なポタラ宮がやけに小さく見えて悲しい。

 
ラサは来る度に薄汚い街に成り下がっていく。

時期が時期だけにラサに観光客はほとんどおらず、自由時間にもあまり出歩くな、と添乗員に釘を刺された。
面倒はいやなので、今日はホテルの目の前の市場をちょっと見学するだけにとどめる。
 
衣類がほとんどの市場の一角、漢方薬屋にはいろんなセットを売っていたけれど、これ、なんに効くんでしょう。

そしてスーパーで早くもお土産調達。
 ツァンパにヤクの干し肉にチンコウ麦のクッキー。
チベット土産も豊富になったと感心してしまった。

夜は八角街にあるレストランで食事ということで、まずはジョカンの前の広場までバスで行く。

するとそこは人民軍の兵士だらけ。あちこちに歩哨が立ち、二人組、三人組の兵士がそこかしこを歩いている。
「兵士の写真は撮らないで」と言われたけど
 お寺を撮れば入っちゃうんだよ 

 
相変わらず五体投地を続けるチベット人の姿に安心しつつ、他に客のいない寒々しいレストランでチベットらしさのかけらもない料理を食べ、ホテルに戻る。

 ライトアップされ、夜は立派に見えるポタラ宮を拝んでベッドに入った。


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腹壊して台北はつらい

2010-04-15 03:26:17 | 東アジア
香港で発症した不調、その後一緒に食事をした4人全員が大同小異の症状を呈していたことが発覚、一足先に帰国した一名が成田の保健所で「ウィールス性腸炎でしょう」と言われたことで食中毒と決定。

4人の中では自分の症状が一番軽かったようだが、下痢は一日で止まったものの、その後も胃が思うように動かず、何か食べると胃もたれしてしまう。

この状態で台北滞在はつらい。

なにしろちょっとお散歩すれば
 
市場には素敵なパーツが並んでいるし

仕事の合間にはジモティーがこんな素敵な店に連れて行ってくれる。
  
  
カウンターに並ぶ小皿やおかずの魅力的なこと。

 お腹に優しそうなものを、と選んだこの鶏そばはおいしくて一気食いしてしまったけれど、案の定消化に一日かかった。

食事ができないなら、とタピオカミルクティーで有名な春水堂に連れて行ってもらった時も
 豆干と豚の血の固めたのでたんぱく質補給をしたらまた胃もたれ。

結局、台北ではバナナが主食という体たらく。鍋やら小龍包やらかき氷やら、食べたいものは山ほどあったのに。
 せめて百果園のバナナ・ジャムをおみやげにしよう。

それにしても香港ダイエットの効果はてきめん、この5日で3キロはやせた。

やせたい方は香港コーズウェイベイのタイムズスクエア、「小南国」へ!


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烏来の休日 2

2010-04-13 03:00:05 | 東アジア
川べりを離れ向かったのは老街の真ん中にある 国際岩湯 烏來國際岩湯
 

台湾の温泉では水着が必要だったり、あるいは個室しかないところが多いのだが、ここには裸で入れる半露天があると調査済みだったのだ。

外の賑わいに比べて人気のない館内にいささか不安を覚えつつ、フロントで380元(1200円弱)を支払うとすぐに階段を下りるよう指示される。するとそこにはタオル係のお姉さんがいて、この人は幸いに日本語堪能。タオルとロッカーの鍵を渡され、お風呂まで一緒に来てくれて設備をとても丁寧に説明してくれた。

男女別のお風呂はほぼ同じ造りらしく、高温、中温、低温の浴槽にSPAと称する打たせ湯、さらにドライサウナにミストサウナまである。
  
写真は国際岩湯HPから

お風呂部分は屋内だが前面に壁はなく、デッキチェアの何脚かある庭に続いては一段上がったベランダがある。
 そしてここに上がって前を見ると目の前は
 公衆露天風呂

というわけでベランダに出る時はタオル巻き必須なのだが、その姿は当然ながら対岸から丸見えのはず。それを気にしない台湾、このおおらかさがいい。

お湯はといえばここは無色透明の弱アルカリ性炭酸水素塩泉。北投温泉に比べるとやや物足りないが、やさしいお湯で肌がちょっとつるつるする。高温湯で42度、低温湯は38度と温度管理はきっちりされていて、この低温湯の方にのんびり漬かるのが実に気持ちいい。

入った時にいたお客さんは5,6人、その後も10人を超えることはなく、個人で来ているお客さんが多いのか、ベランダでいねむりしたり、パックしたり、お風呂の泡の出るところに顔を突っ込む人いたり(笑)、皆さん静かに気ままに過ごしている。

そんなわけで自分もあちらのお湯、こちらのお湯と入り、ミストサウナで汗を流し、ベランダで風に吹かれながらお茶を飲んで、これを何回も繰り返して2時間しっかり楽しませていただいた。

設備は決して豪華じゃないが、ここは気兼ねなくのんびりするのに実にいい。

お風呂を出てまた老街をぶらつくとタイヤル族博物館が目に付いたので入ってみた。


タイヤル族は台湾土着の民族のひとつなのだが、少し前まで男女共に顔に刺青を施し、男は首狩をしてこそ一人前と認められたという勇猛な民族。
 

烏来は彼らの言葉で「温泉」という意味で、元々彼らの土地だった。
というわけで温泉街のあちらこちらにタイヤル族の像やら絵があるのだが
 
  
もうちょっと威厳もたせた方がよくないか。

ところで先の博物館、前の人たちがスイスイ入っていくし、止められもしなかったのでただ入ってしまったが、もらってきたパンフレットを後でよく見ると入場料が書いてあるし、写真撮影も不可とある。
どちらもぜんぜん気が付かなかったんです、すいません 

温泉に入り、博物館をぶらついたところで壊れたお腹もようやく物が入りそうになってきた。
そこで老街にたくさんある郷土料理屋から一軒を適当に選択。
 小さいがにぎわう店内で名物料理を頼んでみた。
 
下の竹筒飯はもち米に粟が混ぜられていて香ばしく、竹をハンマーで割って出してくれるのがおもしろい。
野菜炒めは右の山蘇という、まるで観葉植物のような葉っぱ。ちょっとぬるっとした食感がめずらしい。
竹の子のスープはやさしいお味。竹の子が柔らかくておいしかった。

これでお腹さえ万全なら人だかりがしていた山猪のソーセージと言うのも食べられたのに、と心を残しつつ、台北までバスで戻った。


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烏来の休日 1

2010-04-12 01:20:40 | 東アジア
香港から台北へ移動の朝、お腹が痛くて目を覚ました。

前の晩は仕事関係の人たちとタイムズスクエア内の上海料理屋でご飯を食べて、そのあと1人で牛乳プリンを食べに行った。さすがに食べ過ぎたか、と反省していたところ、昨晩一緒だった人も同じ時間に同じ症状で目を覚ましたと言う。

これは明らかに上海料理屋のせい、さんざん舌を食べた鴨の呪いだろうか。

そんなわけで台北到着日はホテルのベッドでゴロゴロ。あれもこれも食べに行きたかったのに(泣)。

そして本日、なんとか体調も持ち直してきたので貴重な休日を温泉で過ごすことにする。
前回行った北投温泉もいいが、同じところと言うのも芸がないので今回は烏来温泉へ。

まずは地下鉄で新店へ、駅を出るとバスが停まっていたのですぐ乗り込む。
 
日曜のせいか、バスは若いカップルやらおばあちゃんやらで満員。町を出るとすぐ登りになり、急なカーブを曲がりながら緑の山の中に入っていく。

そうしてバスに揺られること30分、終点の烏来に到着。ホテルを出てからでも1時間半かからずに着いてしまった。
 
道の脇には濁った緑の川が流れ、露天に入る人たちの姿も遠くに見える。

道沿いに歩いていくとやがて老街に入る。
 ここは温泉宿の並ぶ通りなのだが、どうも台湾の観光地では食べ物屋台こそが主役のようで
  
豚の丸焼きやら山猪の串焼きやら
 
南国らしい果物も売っている。

歩き食いする大勢の観光客をかきわけて、老街の先にあるトロッコ乗り場に向かう。
  
日本統治時代、材木、特に樟脳の運搬のために作られたと言うこのトロッコ、今では観光のためにこの先の滝まで1.6キロだけが残されている。

50元を払い、運転手の後ろにかけて待っていると、「運転手の隣に座って」と席を移された。トロッコはお客が満員になると出発する仕組み、家族連れが多いので独り者には福があるのだ。
  
トロッコのスピードは時速20キロ以下、しかし軌道が狭いので揺れが激しく、線路脇の壁もぎりぎりなのでその意味ではスリルがある。
乗車時間は5分強。
 終点にある烏来瀑布は小さくてあまり迫力ないが、その姿はきれいだ。

さらにここから滝の上まで行くロープウェイがあるが、上にはちんけな遊園地しかないと言うことなので線路脇の道を今度は徒歩で降りる。

温泉街まではわりとすぐに降りてしまったので、さらに川まで降りてみる。

川の一角は無料の公衆露天風呂になっていて大勢の人でにぎわっている。
 
えらく簡単な更衣室があって、ここで水着に着替えたら
 
お湯に漬かる仕組み。しっかり完全防備のおばちゃんたちの漬かる浴槽に手をつけさせてもらったら結構熱くて、40度以上はありそうな感じ。
1人で悠々と入るおっさんはいかにも気持ち良さそうだし、これはぜひ入らなきゃ、なのだが日本人としてはやはり温泉は裸で漬かりたい。

ということで温泉街にとって返す。


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春の香港は寒い・・・

2010-04-09 02:44:28 | 東アジア
ただいま香港滞在中。

 香港島では相変わらず派手な広告のトラムが元気にゴトゴトと走り回っているが、昨日も今日もどんよりと雲が低く、時折落ちてくる雨が冷たい。

花冷えの東京を出て香港まで来れば暖かいことを期待していたのに、これはまったくの予想外。

「この春はいつまでも暖かくならなくて変なのよ」と言いつつ、オフィスビルの中に入ると冷房が効いている。あまりの寒さに設定温度を上げたり、空調を切ると、決まってローカルの人間が温度を下げる。
君らはそんなに寒いのが好きなのか!

一説によるとこれは香港人の風水好きのせいとか。つまり空気がよどむことを嫌うので必ず空調を入れるのだそうだ。でもそれなら温度を下げなくてもいいじゃないか。

早く暖かいところへ行きたい・・・。


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ANAで「シリアの花嫁」「ミュージック・オブ・ハート」

2010-04-04 23:12:48 | 機内食・映画・美術展
前にも書いた気がするが、ANAの機内映画のセレクションはどうもセンスがよろしくない。

機内映画なんてどこも同じかと思うが、新作の選択一つにしても意外に差があるのだ。
JALは結構がんばっていて、日本未公開作の拾い物があったり、新作も見たいと思う物がちゃんと入っている。

4月のANAはその点まったくだめ。新作の数がそもそも少ないし、やっと見たい物があったかと思うと乗っている機材では見られなかったり。

なんだよ~、と思いつつ、やっと選んだ旧作2本。


シリアの花嫁

これは昨年シリアに行く前に見たいと思いつつ見逃してしまった一本。
ゴラン高原のイスラエル側に住むシリア支持派のドルーズ派の家族の話。

ドルーズ派については何も知らないし、シリアへの帰属を求めるこの人たちが「無国籍」と言う状態にあると言うことも知らなかった。「無国籍」なのにパスポートを持っているというのもなんとも不思議な話。

外国人と結婚した長男を家長である父親や村の長老たちが認めなかったり、長女の結婚相手が面子ばかり気にして妻や子のやることに頭ごなしに反対したり。
ドルーズ派の閉鎖性をいささか否定的に描きすぎているような気もするが、これはイスラエル人監督によるイスラエル映画。複雑な国境と帰属問題をまじめにとりあげ、問題提起している点はおおいに評価してよいのではないだろうか。

イスラエルの中でこういうことに興味を持ち、フェアに見られる人が1人でも増えればいいと心から願う。


ミュージック・オブ・ハート

メリル・ストリープがハーレムで奮闘する実在の音楽教師を演じた99年の映画。

音楽教師物と言うとリチャード・ドレイファスの「陽のあたる教室」を思い出すが、これも似たような内容。しかしこういう映画に大はずれはあまりない。先の展開がほぼ100%読めても、子供のかわいさと音楽に感動してしまうのだ。

メリル・ストリープはいつもながら、当然のごとくうまい。何がうまいと言って、すぐ男に寄りかかりたがる女を演じて説得力があるのだからすごい。しかも彼女が成長し、独立していく過程も演じるのだから。

それにしてもこの映画の日本語タイトル、なぜ "Music of the heart" の "the" を取ってしまうのだろう。
安易な邦題ではよくあるが実に気持ちが悪い。
こんなことだから日本人の英語は上達せんのだ!


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