Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

奈良で仏像三昧 2日目

2017-05-30 17:26:42 | 国内旅行
駅前ビジネスホテルのかなりしょぼ~い朝食をいただいたら、
 すぐそばのバス停から20分で唐招提寺へ。 

 
ここに来たのは何十年ぶりだろう、開門間もないせいか人の姿も少なく、個人ガイドさんの声ばかりが響く。
 
美しい柱の金堂でご本尊の廬舎那仏、奥の講堂で弥勒如来に手を合わせて優美な奈良時代の建物を愛で、
 
鎌倉時代の鼓楼や、かつては僧坊であった礼堂・東室の脇を抜けて奥へ。

 有名な鑑真和上のオリジナル座像が納められた御影堂は毎年3日しか公開されないとのことで、ここは門から覗くだけ。

さらに静かな道を土壁に沿って歩いて行くと奥まった所に鑑真和上の御廟がある。
 
門を入ってまっすぐに伸びる道の両側には緑の苔がびっしりと生え
  
頭上の青もみじも小さな池も清々しくて、なんと気持ちの良い場所だろう。
御廟も質素極まりなく、伝え聞く鑑真和上にふさわしいように感じられる。

ここから門の方に戻ろうとすると、途中に新法蔵という博物館があった。
 あまりにもひっそりしているので開いていないのかと思ったが、期間限定の公開中。
中に収められた仏像は欠損のある物が多いが、奈良時代の古いものばかりでどれも素敵。
 特に頭部と両手の欠けたトルソーはギリシャ彫刻にそっくりで、ここは覗いて良かった。

新法蔵には金堂の屋根上にある鴟尾のオリジナルも展示されていて
 外に出ると思わず現在の鴟尾を見上げてしまう。

最後に出口そばの売店に寄ってみると、ここがなかなかの充実度。
 
各寺にある売店の中でもここは品ぞろえのセンスが良くて、思わず「天平の甍」や「唐招提寺の塗香入りハンドクリーム」まで買ってしまった。

気持ちよく唐招提寺を出たら、
 川沿いの道を10分ほど歩いて薬師寺へ。

 広ーい境内のまずは玄奘三蔵院伽藍に入り
 
三蔵法師にご挨拶。
 その奥の大唐西域壁画殿には平山郁夫画伯の砂漠やヒマラヤを描いた力作が並んでいるが、なぜか顔料が高かっただろうなという感想しか湧かない。この違和感はなんだろう。

道を渡って白鳳伽藍の方へ行くと
 紅白幕が張られた中に大勢の人が座って、なにやら行事が進行中。
 
何でも食堂の復興工事が完了したとのことで、本日はその落慶式。
現在は東塔も解体修理中で、このお寺は常にどこか工事中なんじゃないだろうか。

それというのも天武天皇の時代に始まったこのお寺の古い建物はほとんど戦国時代までに焼かれてしまい、

おかげで立派な金堂も大講堂も昭和、平成の建物。

ただし中に祀られた薬師三尊や弥勒三尊は白鳳時代のもの。
よくぞ残ったものよ、と修学旅行生に囲まれながらお参りして
 これは鎌倉時代の東院堂で聖観世音菩薩にもお参り。

 南門から薬師寺を出たら、広い駐車場にあるバス停から次の目的地、法隆寺までは約40分。
奈良ってほんとに広い。

ここもずいぶん久しぶりの法隆寺。
 
こちらも中門が修復中で、どこにもネットの掛かっていないお寺はないんじゃなかろうか。

ここで京都在住ながら法隆寺は小学生の遠足以来という友人と待ち合わせ、
 
おなじみ五重の塔や、飛鳥時代の仏像を祀る金堂を見学。
  
周りの回廊も国宝だとか、五重の塔の柱には龍や象がいるとか、ガイドさんがたくさんいるので情報もいろいろ耳に入る。
団体は次々にやって来るが、皆ほとんど立ち止まることもなく行ってしまうので意外に見学の邪魔にはならない。
自分の修学旅行もこんな感じで、何も見ていなかったのだろうな。

昔はなかった大宝蔵院で百済観音様にお目にかかったら
 
少し離れた夢殿へ。
夢殿と言えば聖徳太子、聖徳太子と言えば「日出処の天子」で、東大寺では「火の鳥」を思い出していたし、歴史の知識はすべてマンガ由来というのがなさけない。

夢殿の裏からは隣の中宮寺につながっていて、
 
こちらで一番好きな仏像の一つ、菩薩半跏思惟像に再会。この仏様、ずっと弥勒菩薩だと思っていたが、堂内で流されるテープでは観音菩薩と言っている。そうだったの?

と、この小さなお寺の参拝で今回の奈良仏像めぐりは終了。
たった2日ですごい数の仏像を拝んでしまった。

この後はバスで奈良中心部へ戻り、友人と食事をしてから近鉄特急で京都へ、京都からはのぞみで東京へ帰還。
さすがに帰路まで夜行バスに乗る気力は残っていなかった。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奈良で仏像三昧 1日目

2017-05-29 15:39:58 | 国内旅行
寺社仏閣仏像好きのtrinさんの記事に刺激されて、こちらも10数年ぶり?に奈良の都に行ってきた。

京都に比べてアプローチの面倒な奈良、今回は乗り換えなし、なにより安いということで往路に夜行バスを選択。
 
横浜YCATを23時10分に出発する東京富士交通のナイトライナーα、木曜出発で5100円。
3列独立シートがカーテンで仕切られているのはいいのだが、座席の幅がそれほどあるとも思えないのに通路が横歩きしないと通れないほど狭い。
那智勝浦に行った時は良く眠れたが、今回は耳栓、アイマスク使用にもかかわらず完敗。

7時間の乗車で予定より早い朝6時過ぎにJR奈良駅前に到着。
 古い駅舎を利用した観光案内ももちろんまだ開いていない。

 静かな三条通りを歩き、近鉄奈良駅前のホテルに荷物を預けて朝食を摂れるところを探すが、7時前ではさすがに無い。さらに東向商店街を歩いていると、なんと
 アーケードに鹿!
こんな所にまで出没するのかと驚いたが、自転車の女子高生も振り返っていたのでいつものことではないのだろう。

7時に開店するパン屋でやっとコーヒーにありついて、小雨が降り出した中を7時半に開門すると言う東大寺へ。
 
朝一番ではさすがに人も少ないが、小学生の遠足はもう来ていて
 
一緒にガイドさんの話を聞きながら巨大な仁王像を見上げて嘆息をもらす。

大仏殿へもほぼ一番乗り。
 
雨に濡れたまわりの緑が目に鮮やか。

 大仏様の印象はさすがに変わらないが
 
蓮華座のレプリカの細かい線刻がかわいかったり
 
少年院で制作されたと言う歴代大仏殿の模型など、こんなものがあったのかと面白い。
現在の大仏殿は江戸時代のものだが、奈良や平安時代の建物に比べるといかにも武ばって優雅じゃないのがよくわかる。

子供たちが胎内くぐりに行列している隙に先へ進もうと
 青もみじの下をくぐって
 
法華堂へ。先客が二人いたが、とても静かな中で奈良時代の仏様とじっくり対面できて幸せ。
しかし一番のお目当てだった日光・月光菩薩様がいらっしゃらない?と思ったら2011年にオープンした南大門脇のミュージアムにお引越しされていたとは、知らなかった。
 後でしっかり拝ませていただいたが、大仏殿のチケットを見せたら買っていなかった共通券の入場料にしてくださったのはありがたかった。

さらに進んで二月堂。
  
 
朝の雨も上がって、ここから見る景色の素晴らしさよ。

 
二月堂を降りて石畳を下り、大湯屋など眺めながら大仏殿の前まで戻ると
 
早朝にはあんなに静かだった参道が9時過ぎにはこの盛況ぶり。
鹿たちもおせんべいをもらったり撫でられたりと学生や外国人たちに大人気だが、奈良の鹿ってこんなにたくさんいたかしら。

そうこうしているうちに9時半になったので、今回の旅一番の目的地、奈良国立博物館へ。
 
特別展「快慶」に、昨秋購入した東京国立博物館の年間パスポートを提示してサクッと入場。

快慶はもちろん運慶と並ぶ鎌倉時代の仏師だが、その代表的な作品が50体以上も一堂に会して壮観。
 特に入場早々にお目見えする醍醐寺の弥勒菩薩があまりにも美しい。本当はこの正面からのお姿よりもちょっと斜めから見た方が好きなのだが。

快慶は特に阿弥陀仏を多く作ったと言うことで、同じ姿の像を若い頃から晩年まで、すぐそばで見比べられる。
自分は若い頃に作られた生き生きした阿弥陀様の方が好きだけれど、勝手にこんな見方ができるのもこういう特別展の面白さ。

快慶でエネルギーを消耗してしまったのでここでランチ・ブレークを挟み、次には常設展の「なら仏像館」へ。
 
これは明治27年に作られた建物だそうだが、昨年リニューアルしたばかりという館内は動線などもしっかりしていて見やすい。
奈良国立博物館に入ったのは実はこれが初めてなのだが、仏像ばかり、それも飛鳥時代から鎌倉時代までと古いものばかり集めてこの充実度はさすが奈良。

ここまででもうかなりお腹いっぱいだが、もうあとひとふんばり、と隣の興福寺へ。
ここの目玉はもちろん天平時代の塑像だが、いつもの展示場である国宝館が改築中と言うことで、これも再建中の中金堂の裏の仮講堂で、春(6月18日まで)と秋(9月15日~11月19日)に特別公開中。
 
何が特別かと言うと、国宝館ではガラスケースに入れられて一列に並べられている仏像が、阿弥陀仏を中心に周りに八部衆と十大弟子、四隅に四天王と立体曼荼羅のように配置されていること。
柵がいささか遠く、ガラスケースの時の方が間近に見られたように思うが、一目ですべての仏像が並んでいるさまを見られるのも壮観。

中でスターはもちろん阿修羅だが、一堂に会すると細身の阿修羅はちょっと印象が弱くなって、
 自分的には頭部しか残っていない、この五部淨が印象的だった。

 
この後は東金堂で薬師如来様を拝み
 
人も来なくて静かな三重塔や北円堂などの国宝を巡って本日の観光終了。

ようやく駅前のビジネスホテルにチェックインできた時にはもうヘロヘロ。
今日一日で200体は仏像を見ただろう。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17年台湾縦断 10 金崙温泉

2017-05-25 17:04:24 | 東アジア
4月12日

朝、また温泉に入ろうと部屋の浴槽の蛇口をひねるが、いくら待ってもお湯にならない。
それでもしつこく水を出していると、外のベランダからおばあちゃんから「お風呂に入りたいの?ならお湯を出してあげるからちょっと待ってて」と声を掛けられた。

どうゆうことだろうとベランダに出てみると、柱にスイッチがあって、それを押すとポンプで温泉が汲み上げられる仕組み。
昨晩の泊り客は自分一人だったので、夕方にはスイッチを切ってしまったらしい。
それで昨晩のお湯がぬるかった理由も納得。

スイッチはほんの2,3分で切ってしまったけれど、確かにとても熱いお湯が出て、水でうめたらツルスベ感も薄まってしまった。温泉は繊細だ。

朝湯をいただいてしばらくすると、「朝ご飯を食べなさい」とまたおばあちゃんに声を掛けられた。
昨晩聞いた時には「朝ご飯はない」と言われたのだが、あらまあ、と言う顔をしたからか、準備をしてくれたらしい。

 用意してくれたのは焼餅とお菓子にインスタントコーヒー。
以前はお粥など作っていたらしいが、お客が少なく、自分も食が細くなって作らなくなってしまったのだそう。
一緒にこれをいただきながら、息子が3人に孫がいっぱいいること、去年はアメリカに行ったことなど、日本語で話しているうちに台湾語になってしまったりもしつつおしゃべり。
86歳だそうだがまだまだ元気で、なによりお肌がツルツルなのは温泉のおかげだろうか。

食後におばあちゃんとお嫁さんに別れを告げると、「安いから泊まりに来て、と宣伝して」と言われた。
正直、末期状態の宿ではあるが、部屋は清潔だし、なによりおばあちゃんが待っている。

内温泉のバス停からはまた知本駅へ。
当初の予定では途中でバスを乗り換えて目的地へ行こうと思っていたのだが、昨夜からの雨が一段と激しくなったので予定変更。
龍泉山荘にはなんとちゃんとWiFiが入っていたので、簡単に時刻表がチェックできた。

 
不思議な人形の並ぶ知本駅にはタロコ号が停まっていたが、この駅で小一時間待って自強号に乗車。
 
20分で金崙駅へ。

ここから少し離れた温泉に行きたいので、荷物を預かってもらえないかと駅員に頼んでみたが、そういうサービスはしていないと断られてしまった。
  
幸いにして雨は止んだし、しかたがないので荷物を引きずってがらんとした駅前をしばらく行くとお店が何軒か出現し、目星をつけていた食堂があったので後で食事をするからと言うと快く預かってくれた。

身軽になって歩きはじめるとすぐに変わった装飾の建物が出現。
 
正面を見るとなんと「Kiokai」の文字が見える、これはキリスト教の教会。
この辺りはパイワン族と言う原住民が多く住む地区だそうで、日本語がかなり残っているらしい。

そのまままっすぐ行くと原住民地区への門が見え、その横に「富之山」という温泉施設の看板があったのでそちらに行ってみた。
 
ところが着いてみると人っ子一人いなくて、露天にもお湯は入れられていない。
玄関前には犬が2匹いたが、こいつらが吠えてもくれなくて、きれいそうな施設なので残念だったがここはあきらめた。

門まで戻って先に進むと
 
周りの畑に植えられているのはアワ。
  
 
道路脇には原住民らしい絵がいっぱいで
  
 集会所らしい屋根の下には舞台もあった。

やがてSPAの看板が見え、小高い所にホテルが見えたのでそちらへ。
 
急坂をひいこら言いながら上って、やってきたのは「東太陽SPA温泉会館」。

フロントで200元を支払い、人気のない館内を通ってロッカールームへ。
水着に着替えて外に出てみると
 
期待通り、鉄道線路や建設中の高架道路の向こうに海。
 
棚田のようになったいくつもの浴槽はそれぞれ温度が違い
 特に屋根がけの下の浴槽はお湯も適温、やや黄色がかった温泉は金気っぽい味がする。

どんよりとした空模様ながら海を見ながらこの露天風呂を独占し、列車でも来ないかなと思っているとほんとに来た。
 
駅に停まっているところもしっかり見えるし、苦労してここまで上がった甲斐があった。

1時間ほども気持ち良いお湯を堪能して、結局他のお客さんの姿は見ることなく、帰りは早くて15分ほどで駅前へ。

 こちらが荷物を預かってもらった原住民食堂。
 
店内ではちょっとした手造り品も販売していて、台湾人というよりフィリピン人のように見える店のお姉さんもパイワン族だそう。
 
約束通りここでいただいたお昼は小米(アワ)の粽。中に豚肉が入っていて、もっちりした食感でおいしい。

洛神果のお茶を飲みながらゆっくりさせてもらった後は警察署の前からバスに乗り、
 
台東に向かった。
   

にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17年台湾縦断 9 知本内温泉

2017-05-24 18:48:52 | 東アジア
4月11日続き

さて、知本で泊まった宿、龍泉山荘。
 
ここは台湾温泉のバイブル、鈴木浩大氏の「湯けむり台湾紀行」でも紹介されているので台湾温泉好きの日本人には有名であろう。

が、その宿にタクシーで乗り付けると、主人と思しき男性は入口のソファでお昼寝中。
奥さんに起こされて受け付けてくれるが日本語は通じず、1泊1000元をOKすると、フロントと同じ階にある部屋の鍵をくれた。

この宿は傾斜地に建っているのでここが6階。
 外廊下から神棚などあるこのロビーに入り、左手が指定された部屋。
 
なかなか広い部屋に大きなベッド、冷蔵庫や扇風機もあるがおそろしく年季が入っている。
窓の外はぐるりとベランダになっていて

宿の前は広い河原、少し離れた隣にも温泉宿らしい建物が見えるが、こちらは後で確認すると廃業していた。

建物の下を覗くと乱雑な中に源泉が見えて、
 
外階段を降りて近づいてみると宿の全景が見える。
 こうして見ると立派な建物、部屋数もずいぶんあるが、ほとんどの部屋は使われていない様子でだいぶ寂しい。

森林公園を散歩して一度宿に戻ると、日本語を話すおばあちゃんがいた。
「お風呂に入る?入るならお湯を入れてあげるから」と言われたが、後で、と返事をしてまた外出。

やって来たのは龍泉山荘から5分ほどの東台温泉飯店。
 この大型温泉ホテルのお向かいには大きなSPAがあって
 
こちらは入場料が250元に100元のデポジット込のロッカーの鍵が120元。
営業時間は朝の6時半から夜の11時までなのでゆっくり遊んでいられる。

もらった鍵を持って更衣室で水着に着替え、外に出てまず目立つのは大きな露天プール。
 
このプールの3分の2は水だが、打たせ湯などある手前は40℃ほどの適温の温泉。
 縁には堆積物がこびりつき、お湯は白く濁る正真正銘の硫黄泉で、これは広々と気持ちいい。
 すぐ脇には隣の売店で売っている卵やサツマイモをゆでる釜もあって、ここは硫黄の匂いも強烈。元々かなりの高温湯のようだ。

大きな露天プールの次には屋根のかかった、これも大きな温泉プール。
 こちらにはジャグジーや台湾人の大好きな強烈な打たせ湯などあって、のんびりくつろぐ皆さんで人気。

そしてこの奥、川に面したところには「高温泡湯屋」と称する屋根の下に小さめの浴槽が3つ。
 
それぞれ温度が38℃、40℃、43℃と異なるのだが、おやじばかりが群がる一番高温の浴槽がやはり一番泉質が良くて、驚いたことに鼻を近づけると硫黄というより山梨の奈良田温泉のようなアンモニア臭、お湯もぬるぬるすべすべで、期待以上のすばらしさ。

景色はどんよりといまいちだけれど
 これは極楽、とあっちの浴槽、こっちのプールと2時間ほども遊ばせてもらった。

温泉でゆっくりしているうちに辺りも暗くなってきたので、ホテルを除いては内温泉で唯一らしい食堂へご飯を食べに行く。
 
名前の立派な龍鳳小吃、入口ではおやじさんがほうき草(?)を揃える仕事をしていて、脇の小屋掛け部分からはお姉ちゃんたちのカラオケが聞こえる。
 
しかし大きな丸テーブルの並ぶ店内にお客はいなくて、プードルが一匹、クンクンいっているゆる~い雰囲気。

メニューからこの土地らしいものを、と「山猪肉」を頼んでみたが
 これはどう見ても玉ねぎ炒め。味は決して悪くなかったが。
 そしてこちらは金針湯。
金針とはユリ科の萱草(カンゾウ)の花で、漢方にも胃腸の薬として使われるこの花はこの辺りが産地。季節には山の斜面が金色に染まるらしい。
花に味は特になくて、しゃくしゃくした歯触りで優しいスープ。

これにご飯で380元のはずが、お会計では330元しか取られなかったのは猪肉が足りなかったからだろうか。

 真っ暗になった夜道を宿に戻って、ようやく部屋のお風呂へ。

 この背中が傾斜した浴槽にお湯を入れてみると、こちらは無色透明で硫黄やアンモニアのにおいはなく、ツルスベ感は結構あって気持ちいいが、温度は40℃ほどで熱くならない。
おばあちゃんは「すごく熱いお湯だから」と言っていたのに、と思いつつ、静かな宿でぐっすり眠った。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17年台湾縦断 8 高雄~知本国家森林遊楽区

2017-05-23 17:36:02 | 東アジア
4月11日

今朝の朝食は宿の斜め向かいにある紅茶屋さんにしてみた。
 
紅茶はおとといの「老江」の方が濃くておいしかったし、ハムエッグトーストも普通だけれど、目玉焼きの下にきゅうりの甘酢漬けが入っていたのが意外にいい感じ。

今回は大きな荷物も持ってチェックアウト。
歩いて台鉄高雄駅へ。

 
いささか年季の入った高雄駅、現在は高架橋を渡ってホームに降りるが
 
切符売り場上の看板にもある通り、今年中に地下駅にすべく、現在絶賛工事中。

 
大きなコンビニ売店もあるホームから、9:35発の自強号に乗車。
 車内は目つきの悪いくまもんのような台湾観光局公務員、「Oh!Bear」だらけ。平日午前の列車は空いている。

線路は先日の恒春行きバスとほぼ同じルートながら、やや高い位置を通る。
 
遠くに東港や坊山の町など見ながらヤシやマンゴー畑の中を走り
 坊山駅からは西海岸を離れて内陸に入り、トンネルが多くなる。

いくつものトンネルを抜けて遠くに海が見えてきたら
 
東海岸の大武に到着。
ここからは太平洋を見ながら海岸線ぎりぎりを走るが、
 
こちらの砂浜は西側以上に黒っぽくて海の色はイマイチ。海べりの車道はあちらこちらで工事をしている。

こうして車窓を楽しむこと2時間、時刻表通りの11:48に知本駅到着。
  
 
ここは有名な知本温泉への玄関口だが、駅前は見事なほどなにもなく、他のお客さんは宿の迎えのバスなどでさっさと消えてしまう。

 
駅構内には地元産品を扱うお土産屋さんがあるのでここでさっぱりとおいしい洛神果のアイスキャンディーをいただき、バスはかなり待たなければならないので駅前のタクシーに乗り込む。

知本温泉は駅に近く大型ホテルの並ぶ外温泉とその奥にある内温泉に分かれているが、自分が目指すのは内温泉の一番奥。タクシーで15分、250元で目指す「龍泉山荘」に到着したが、この宿については次の記事で。

とりあえず部屋をもらって荷物を下ろしたら、まずは部屋でお昼ご飯。
 この近辺には食堂もほとんどないと聞いてきたので、高雄駅で仕入れてきた台鉄弁当、80元。このご飯の上に排骨肉や煮卵の乗ったお弁当、ご飯におかずの味が染みて好きなのだ。

知本に着いた頃から天気が崩れて雨が落ちてきてしまったが、お腹を満たしたところで腹ごなしの散歩へ。

 
内温泉はこれまた鄙びた風情だが土産物屋が2,3軒あり、売っているのは山の中らしくきくらげなどの乾燥きのこ。
 珍しい所では愛玉子。この小さな種を水の中で揉むとゼリーのように固まるのだそうだ。

バス停からさらに奥に進んでちょっとした坂を下ると赤い橋がある。
 
下の川は2009年の大水害のためだろうか、大規模な工事が続いている様子。

橋を渡った先にあるのは知本国家森林遊楽区への入り口。
 ここで入場料80元を払い、名前を記帳して中へ。
 
ちょっと上がった所には立派な休憩所があり、この前からルートは3つに分かれている。

 Brave Man's Slope とやらはひたすら急階段を上がるだけなのでパスして
 
1周1時間という森林浴歩道とやらを歩きはじめるが、これが思いのほかうっそうとした森で視界が効かず、あまりにも人がいないので途中で引き返す。
 
結局一番楽な景観歩道を歩くとこちらはすぐに終わってしまって、川向うの内温泉を眺めただけで終了。
こういう所はやはり天気のいい時に来ないといけない。

休憩所に戻って、カフェで一休み。
 
オーストラリアのアボリジニに良く似た原住プユマ族の作品など見ながらお茶を頼んだらポットになみなみとやってきてお腹がタポタポになった。

さあ、それでは温泉に入りに行こう。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17年台湾縦断 7 車城~高雄 三鳳宮

2017-05-21 16:41:40 | 東アジア
4月10日

昨晩、羊をがっつきすぎたせいか夜中から腹痛。

 
なので食堂にいろいろ並んではいたが、朝食はごく控えめにしておく(それでも食べる)。

この温泉街から車城まで行くバスが1時間に1本ほどあるので7-11の前で待っていると、時間に少し遅れて予想よりずいぶん大きなバスがやって来て折り返した。
 
畑の中に突如出現する大きな道教の神様像など過ぎて、わずか10分で車城の町に到着。

ここから高雄行きの高速バスに乗り換えるのだが、せっかくなので車城の見学をしていくことにする。
この町には大きなお宮があるはずなのだが、バスを降りた国道からはそれらしきものは見えず、案内の看板もない。
そこで勘を頼りに一本奥の道に入ってみると
 これが大当たりで、突き当りにお宮の門が見える。

近づいてみるとなるほど大きな、これは福安宮という道教のお宮。
 
平日の午前中なので大きな駐車場に車は少ないが、それでもかなりの参拝者が来ている。
中国語のサイトから察するにここは清代に作られたお宮で、台湾はもとより東南アジアでも一番大きな敷地を持つお宮なのだとか。

 
天井の高い廟内はどこもかしこも金ぴか。
 ちょっと怪しげなこの人たちは占い師かなにかだろうか。
 
紙のお札を供えると自動的にビュンビュン吸い込む金爐があったり、カバンやら携帯ケースやら福安宮グッズを売る大きな売店があったり、このお宮は確かに金運が良さそうだ。

門前には車城名物の店があると言うのでここを離れる前に立ち寄り。
 
「綠豆蒜」とは恒春で食べた「緑豆饌」と同じものだが、こちら車城の方が本場とか。
お腹が心配なので高雄まで持ち帰ってから食べたが、恒春の方がおいしく感じたのは時間が経って水っぽくなってしまったからかもしれない。

他には見る物もないので国道沿いのバス停に戻り、昔ながらのなんでも屋さんで高雄までのチケット、271元を購入。
 
レジにいたのは日本語をしゃべるおじいちゃんで、次のバスは何時かと聞くとすかさずスマホで調べて「あと15分ぐらい」と教えてくれるのがすごい。
 
お店で買った恒春の甘い蜂蜜茶を飲みながら待って、高雄行きのバスに乗車。
 
今日は天気が悪いので海も山もどんより。昨日青い海が見えてよかった。

高雄までは1時間40分、午後の1時過ぎに到着。
前と同じBamboo Hotelに戻って、夕方までは部屋でのんびり休憩した。

再始動したのは日も暮れてきた6時過ぎ。
 ホテルから15分ほど歩いて三鳳宮へ。
 
境内に入ると赤い提灯がいっぱい灯って「ザ・中華」な風景。
 主神は中壇元帥、太子爺とも呼ばれる哪吒太子だそうで、子供を守る神様とか。
 
だからなのか、こんな戦隊ヒーローのような姿にまでなって
 Tシャツやキャップまで売られているが、子供が喜んで着るのだろうか。

さて、夕方ここに来たのは子供の神様に守っていただくためではなく
 
お宮の奥に並ぶ三民街の屋台を物色するため。
また焼肉飯にしようかとも思ったが、中国語のブログで気になった思い切りローカルなお店に突入。
 地元のおじさんと相席になって、注文したのは
 
乾意麺45元と肉羹湯45元。薄切り肉とそぼろが乗り、底に醤油だれの入った意麺もフェトチーネのような食感でおいしかったが、それ以上においしいのはスープ。こま切れ肉を手でギュッとまとめたような肉団子にスープのとろみがからんでうまーい!
先に座っていたおじさんも、後から座ったおじさんも同じ注文で、このチョイスは大正解。

さらにこれもここで有名らしい黒輪(これでオレンと読む)も持ち帰り。
 
オレンとは日本語のおでんから来ているそうで、確かに関東のスジに似ているがもっとモチモチした不思議な食感。味はなじみの甘辛味だが、これは一度でいいかな。

 運河を渡って宿に帰ろう。 
 

にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17年台湾縦断 6 四重渓温泉

2017-05-18 18:42:42 | 東アジア
4月9日 続き

恒春のバスターミナル前でタクシーを拾って、四重渓温泉まで行ってもらう。

 
畑の中を走ること20分で到着、料金は500元。

予約はしていなかったが、ここに泊まろうと決めていた清泉温泉へ。
 
ここは日本統治時代には山口旅館として州の招待所だったそうで、現在の建物や庭も日本風だが、フロントは英語も通じず、レストランのスタッフに助けてもらって無事に部屋を確保。

庭の奥の2階建ての1階の部屋だが、狭くて暗いこの部屋が2000元とは、高雄のホテルより高い。
 
料金は個室温泉代と考えるべし。部屋にはWiFiも入る。

部屋に荷物を下ろしたら、まずは宿の風呂ではなく、玄関を出てすぐの所にある公共浴場へ。
 
無料のこちらは割と最近建て替えられたらしく、更衣室こそ棚が並ぶだけで殺風景だが、浴槽は建物の丸い部分に半月形になっていて、壁の上はルーバー、下側は富士山に桜のモザイクタイルになっていてきれい。
地元の人でにぎわっていたが、困ったのはここには洗面器などの備え付けがないこと。みなさんマイ・バケツ持参で、親切な奥さんが一つ貸してくれたが、手ぶらではかけ湯もできずに困ってしまう。

ここのお湯は壁の表示によると「炭酸気塩泉」だそうだが、薄く濁って温度は42℃ほど。
ほどほどのつるすべ感はあるが、お湯の鮮度があまり感じられないし、アウェイ感が強いので早々に上がる。

公共浴場の脇には上の温泉公園へ上がる階段があるのでこれを登ってみる。
 
すると頂上には「神社」と称するものがあるのだが、石の仏様の周りが足湯になっていて、う~ん、これは違うだろう。


周りの景色はごく普通の田園風景。
 温泉街もこじんまり。

ここから下に降りて行くと足湯が大にぎわい。
 
大きな鳥居に手水の説明まであるが、やっぱり何か違う。

 
公園内には温泉キャラクターがあちこちにいて、やはり和風の売店らしきものもたくさん作られているが、これらはまだ準備中の様子。

公園を出て温泉街に出てみると
 
こちらはまったく鄙びきった様相で、土産物屋などもほとんどない。
 
いかにも古そうなレンガ造りの家々の前を過ぎると
 町はずれに冗談の様なお城が出現。しかしここは営業しているのかどうかもさだかではない。

 温泉公園の向こうではこの温泉郷で最大という「南台湾観光大飯店」が大規模に建て直し中だったが、はたして温泉街にも活気は戻るのか。

小さな温泉郷を一回りしたところで、ようやく宿のお風呂へ。
 宿の裏手にいくつもの露天風呂があるが、これらはすべて水着着用。

露天エリアに出て目の前にそびえるのは百年行館という戦前からの建物。
 
この中には高松宮が新婚旅行で使ったと言う大理石風呂も残されているが、意外にも小さくて2人では入れそうにない。

 
大きな浴槽では子供たちが泳ぎ、奥に行くほど湯温が高くなって、44℃だったか一番高温の浴槽はおやじたちばかり。しかし少し湯花の見えるここが一番お湯の鮮度が良くて気持ち良かった。

夕食は宿を出て、何で見てもこの温泉街でほぼ唯一と思われる料理屋へ。
 
入口が2つに分かれているこの「大山」と言う店、どちらを見ても人気店と言う割に誰も客が見えないが、実は奥にも部屋がある不思議な造りで、表で食べているとお客が出たり入ったり。
 羊肉店とのことなので当帰羊肉湯に、羊と葱の炒め物。漢方くさい羊のスープが好み。

 夜の温泉街はほぼ真っ暗。

 部屋の深いお風呂に温泉を満たすと柔らかいお湯で気持ちいいが、期待したほどのぬめりは感じられなくてちょっとがっかり。
陽明山、北投、関子嶺に並ぶ台湾四大温泉ということで期待が大きすぎただろうか。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17年台湾縦断 5 高雄~恒春

2017-05-17 18:07:49 | 東アジア
4月9日

今朝もローカル朝食を求めて外へ。
前日に駅のそばで見つけた春巻きがおいしそうなので行ってみたら、お昼からの営業のようで空振り。

芸がないがまた興隆居にしようか、と歩いていたら紅茶屋さんを発見。
 
ここのミルクティが濃くておいしくて、これも食べたかった蛋餅も無事にゲット。
しかしこれ、餅は30元で紅茶は45元。飲み物が高いわけではなく、日本人的感覚からすれば食べ物が安すぎる。

 ホテルでまた野菜を補給して、チェックアウトをして大きな荷物は預かってもらう。

 今は資料館になっているらしい旧高雄駅舎の前を通り
 
やってきたのは高雄客運のバスターミナル。
 
ここから大きなバスに乗って
 恒春まで、299元。

 
高雄の市街を離れるとすぐにたくさんのヤシの木が見えてきて南国ムードいっぱい。
 
潮州を過ぎて海に近づくと増えてくる養殖池は鰻か海老だろうか。この辺りはマンゴーの産地でもある。

そして見えてきた青い海。
 
砂浜が続いて、釣りや岩場で遊ぶ人たちの姿も見える。

 小さな恒春空港を通り過ぎて
 
ちょうど2時間で恒春の街中へ。下りのバスはセブンイレブンの前に停まるが、道の向かい側にはバスターミナルがあるので、その中のロッカーに余分な荷物は預け、隣のインフォメーションで地図をもらって早速街歩き開始。

バスターミナルからすぐ近くにあるのは恒春の街をぐるっと囲む城壁の南門。
 
脇の大きな木陰ではおじさんたちが麻雀をしていて、なんとものんびりした街。

そこからしばらく歩くと「阿嘉の家」。
 この町を舞台にした2008年のヒット映画、「海角七号」の主人公の家の一階は土産物屋になり、2階は映画撮影時のままに保存されていて
 
ポスターやベッドには主演二人のサインも残る。

この映画、恒春に来ることを決めてから見たが、だめだめな台湾人青年とこれまたぱっとしない日本人の女の子のラブストーリーに終戦時の日本人と台湾人の恋愛がからんで、しかし印象的なのはのんびりした近所の人や街の様子だった。
映画はもちろんいろいろなロケ地で撮影されているのでそのものずばりの景色はなかなか見つからないが、来てみると確かに街のムードは映画の通り。

ここからまたしばらく歩くと、これも映画に出てくる西門。
 
このあたりは城壁の上も歩けるが、ところどころ途切れているのでこの上をぐるっと一周できるわけではない。

西門から恒春老街と呼ばれるこの町一番の繁華街を歩いてみると
 
間口の割に奥が深い建物が多いのはなにか理由があるのだろうか。

お昼もだいぶまわったので、この老街の端にある定食屋さんへ。
  
 カウンターにずらりと並んだおかずを選んで、これで70元(約260円)、安い!

さらにデザートはこのエリア独特の物ということで
 緑豆饌なるものをいただく。
 
氷の下に入っているのは皮を剥いた緑豆に小豆、タピオカの麺のようなもので、黒糖シロップがかかっておいしい

食後は腹ごなしにもうちょっと歩くと
 
魚屋の店先には干物が並び
 このあたりの名産らしいたまねぎがあちこちにゴロゴロしている。

そしてやってきた市営市場。日曜日なので休みかと思ったが営業していて、
  
 
魚も肉も並んでいるが閑散としているのはシエスタだろうか。

そろそろバスターミナルに戻ろう。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スペイン行きルフトハンザの機内食と映画

2017-05-15 19:10:24 | 機内食・映画・美術展
盛りだくさんのスペイン旅行から無事帰還。
スペインはこちらの勝手なイメージ通りなところもあり、予想外の所もありでおもしろかったが、まずはいつも通り行き帰りの機内サービスから。

今回はルフトハンザ利用で、往路は羽田発ミュンヘン行きのA340-600。

この機材は座席の配列が2-4-2、友人と2人なので窓側を希望したが取れず、しかしバルクヘッドがもらえたので足が伸ばせたのがよかった。

そしてこの機材で面白いのはエコノミーのトイレがギャレー横の階段を降りた下のフロアーにまとめられていること。
エコノミー全体に対して5つは数が少ないと思うが、左右どちらからも公平に使えるし、通路に並ばずに済むのはいい。他の機材や航空会社でもこの方式を採用してくれればいいのに。

ミュンヘンまでは12時間の長旅なのでまずは飲み物のサービス。
 クラッカーが雲と飛行機なのがかわいい。

1回目の食事は昼食でビーフを選択。
 肉の横にあるのはポテトならぬパスタ。
ボリュームは十分、味は予想の範囲内。

昼間の長時間フライトなのでこの後は映画三昧。
ルフトのプログラムはいまひとつ見たいものが少ないが、日本語吹き替えは結構あるので音質の悪い機内では助かる。 
 
そこで1本目も吹き替え版を選んでみた。
 Hidden Figures

このタイトルのFiguresとは人間と数字の掛け言葉、NASAのアポロ計画の影に今まで注目されていなかった黒人女性数学者たちがいたという実話に基づくストーリーだそうで、エンドロールには本人たちの写真やその後の活躍も紹介される。

60年代初めのことなので黒人差別や女性蔑視も当たり前。
そんな中で自分の能力を発揮すべくがんばるヒロインたちが毅然とかっこよく、セットした髪やハイヒール、きちんとしたワンピース姿なども今となっては新鮮に見える。

アポロ計画のリーダー役はケビン・コスナ―。老けてすっかり太ってしまったので初めは気が付かないくらいだったが、いかにも彼らしい役で久しぶりにいい感じ。

「ライト・スタッフ」の裏話というところだが、とても気持ちのいい映画。
日本公開は9月だそうだが、タイトルの「ドリーム 私たちのアポロ計画」はもう少しどうにかならんかったか。

続いて2本目、今度は50年代のお話。
 The Founder

こちらは7月に「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」というタイトルで日本公開予定だそうだが、ポスターと日本語名でわかる通り、マクドナルドの創設者のお話。
と言ってもマクドナルド氏の話ではなく、効率よく質の良いハンバーガーを提供するシステムを作り上げたマクドナルド兄弟からそのアイデアをレイ・クロックという男が安く巻き上げ、いかに効率よく儲かるシステムに作り変えたかと言うお話し。

てっきりマクドナルド万歳の映画かと思って見始めたが、マイケル・キートンが山っ気たっぷり、いかにもアメリカ的な俗物創設者を説得力満点に演じていて、キートン氏、「バードマン」以来すっかり復活した様子。

それにしてもこの映画、マクドナルド社から横やりなどは入らなかったのだろうか。
これも、前の映画も、50年代、60年代を取り上げながら、「America first!」なんてほざく連中がなんと言おうと「古き良きアメリカ」もいいことばかりじゃなかった、とちゃんと主張しているように思う。
こういうところがなんでも右に倣え、の日本がかなわない所なんだな。

さらに3本目、今度は友人が面白がっていたので韓国映画にしてみた。
 Luck-key 「ラッキー」

日本映画「鍵泥棒のメソッド」の翻案だそうだが、原作は未見。
殺し屋が銭湯ですべって転んで、韓流得意の記憶喪失に。売れない役者と入れ替わって大騒ぎ、というコメディー。
主演のユ・ヘジン氏がいかにも殺し屋という風貌で、それがだんだんかわいく見えてくるところが韓国の男優さんたちのすばらしさ。
それにしても劇中彼を「男前だわ」と女性たちがほめるところがあるのだが、韓国の基準ではあの顔は男前なのだろうか。

 途中にケーキかおにぎりのおやつが出て
 着陸前の2食目はペンネ。
見た目は悪いが、味は悪くなかった。

ミュンヘンからマドリッドは2時間半のフライトでサンドイッチの提供あり。
チキンかべジの選択で
 べジはきゅうりとチーズのサンド。

帰路はセビリアからフランクフルトで同じくサンドイッチ。
 こちらのべジはにんじんとチーズだった。

フランクフルトから羽田は懐かしのジャンボ機。
 そう言えば去年のKLMもジャンボだったし、ヨーロッパではまだ健在。
大きな機体でもエコノミーはやっぱり狭い。

夕方にフランクフルトを飛び立って、飲み物サービスの後の一食目。
 サラダの雑な切り方とチキンの付け合せのマッシュポテトやナスのぐちゃぐちゃ加減がドイツだろうか。東京発よりおいしくない。

まだ眠くないので映画をまた一本。
 Split 「スプリット」

24人格の殺人者が女の子3人を誘拐して、さあ、どうなる、というお話だが、監督がM.ナイト・シャマランだとは映画が始まってから気が付いた。この人、「シックス・センス」は良かったが、その後がどうもね。

今回も一応退屈せずに見られるが、最後に明かされる監禁場所の設定が全く活かされていないし、ヒロインが簡単に多重人格を受け入れてしまう所がこちらとしては納得いかない。

主人公を演じるのはジェームス・マカヴォイ。エドワード・ノートンあたりが喜んでやりそうな役を嬉々として演じていて、役者としてはやりがいのあるパートだろうが、正統派美男のマカヴォイにはやはりもっと正統派の役をやってもらいところ。
第二弾を作る気満々のようだが、こういう役専門になってしまってはもったいない。

続いては今度はインド映画。
 Dear Zindagi

英語のタイトルはDear Lifeで、才能あるカメラマンである若いインド女性が型破りな心理カウンセラーに出会って子供の頃のトラウマを乗り越え、人生に前向きになるお話。

インドでもこんな女性映画ができるのか、と思ったら「マダム・イン・ニューヨーク」の女性監督だそうで、なるほどテイストはそっくり、納得してしまった。

ヒロイン役はちょっと豆狸のようでキュートなアーリア・バット、カウンセラー役がシャールーク・カーンで、アクションもなければ裸にもならない脇役だが、年相応の落ち着きを見せて相変わらずかっこいい。ヒロインがほの字になってしまうのも無理がないが、そのあたりの着地も納得のいくところ。
でもやっぱりヒロインが付き合う若い男たちよりシャールークがいいな。

この後は少しでも寝ておこうとじたばたしたあげく、気が付くと朝食を配布中。
 後ろの小さな器に入った黄色いもの、食べてもなんだかさだかにわからなかったが、リンゴとパイナップルを細かく刻んだもの?

ルフトの機内サービスは平均点だけれど、ドイツ人が飛ばしていると思うと信頼できる気がするのはえこひいきだろうか。

 
にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

GWもおでかけ♪

2017-05-02 17:17:59 | 雑談
台湾の旅行記を始めたばかりだが、GWなのでまたおでかけ。

今回の行き先もメジャーなところでスペイン。

目的はいくつかあって:

1.昨年、オランダの「ボッシュ展」に来なかったプラドのボッシュを見る
2.ドーハのイスラム美術館で見たスペインのイスラム美術をコルドバ、グラナダ、セビリアで堪能する
3.カスティリアの残酷王、ペドロ1世の足跡をたどる

14世紀のカスティリア王、ペドロ1世は日本ではマイナーな存在だが、一部マンガファンには有名で、それはこの作品のおかげ。
 青池保子著 「アルカサル-王城-」

このマンガ、最初の1巻が出たのは1985年。
それがマイナーな掲載誌の休刊などあって連載がなかなか進まず、完結したのはなんと23年後。
最後の方は様々な事情で急ぎ足の進行になってしまっていたが、若くして死んだ王様の生涯とその後のカスティリア王国のことまでカバーされて、作品の大ファンとしては完結してくれたことがとてもうれしかった。

相次ぐ内乱や隣国アラゴンとの戦争に明け暮れた王様はスペイン中を駆けまわっていたらしいので、今回訪ねるのはその足跡のごく一部。
王様の墓参りは難しそうだが、腹心の部下のお墓はなんとか確認してきたいもの。

ところでスペインの旅、手配を始めると国鉄の予約サイトはわけわからんわ、パラドールの予約サイトはうまく動かんわ、観光の目玉であるはずのプラドの予約サイトも平気で2週間近くダウンしていたりして先が思いやられる。

ラテンの国、スペインとの相性やいかに。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする